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2013年1月14日 (月)

なぜ、売れなかった??

オフィスオーガスタ所属の2人組宅録ユニット、COIL。本人たちの活動以上に、オフィスオーガスタのミュージシャンたちのユニット福耳での活動や、福耳への楽曲提供などでも活躍しているユニットです。そんな彼らが、ベスト盤を2枚続けてリリースしました。

Title:マスターピース~COIL傑作集~
Musician:COIL

まずは1枚目のベスト盤。こちらには、彼らの10枚のシングルを発売順に並べ、その他の代表曲を追加。さらにRCサクセションの「ぼくの好きな先生」に、GROOVISIONSのキャラクター、Chappie名義の曲として提供した「バス待ち」のデモ音源がボーナストラックとして収録されています。

まさにタイトル通り、COILの傑作を収録したベスト盤で、COILの最初の1枚としてもお薦めの内容なのですが、特筆すべきは72ページにも及ぶブックレット。メンバーが、COILとしての活動を振り返る対談や、全楽曲についての解説が掲載しているほか、COILの初期スタッフによるCOILを振り返る対談などが収録されており、読み応え満点。このブックレット目当てに購入しても良いのでは?と思わせるような、ファンにとってもうれしい内容になっています。

で、このブックレットのスタッフの対談でも、冒頭のオフィスオーガスタの森川社長によるコメントでも、繰り返し述べられているのが、彼らがほとんど売れなかった、という事実。残念ながら、COILの曲は、今現在、ブレイクに至ることはありません。オリコン最高位は、3枚目のアルバム「AUTO REVERSE」の49位。福耳によるCOILへのトリビュートアルバムとしてリリースされた「10th Anniversary Songs~Tribute to COIL~」は、9位というヒットを記録しているにも関わらず・・・。

このブックレットにも、COILが売れなかったことに対しての無念の思いが、社長のコメントにもスタッフの対談にも、かなり強調して記載しています。それだけ期待の大きかったミュージシャンということなんでしょう。また、私も常々おもっていたのですが、このベスト盤を聴いて、何故、彼らが売れなかったのか、あらためて不思議にすら思ってしまいます。

ほどよくロッキンなギターサウンドに、時としてキュートという形容詞すらあてはまりそうな、ポップなメロディー。ビートルズや、イギリスのオルタナ系ギターロックからの影響を受けたようなメロやアレンジは、ギターロック好きには、かなりはまりそう。歌詞は、ウィットに富んだユーモラスも加味されていて、一度聴いたら忘れられないようなタイトルの曲も。実際、福耳に提供した曲はヒットを記録していますが、COIL名義の曲が、なぜこれほどまで売れなかったのか、いまさらながら残念に思います。

まあ、確かに、歌詞にインパクトがあっても、メロディーはちょっと地味な曲も多いし、男性2人組というスタイルもちょっと地味(失礼!)。また、デビュー時に、メンバーそれぞれ既に30歳を超えていた、という遅咲きも、新人としての売り出しにくさの要因だったのかもしれません。それでも、アルバムあたりで評判を集め、1作くらいベスト10入りするくらいのヒットは産み出せそうだったとは思うのですが・・・。

そんな訳で、文字通りの傑作そろいのベスト盤。代表曲も網羅されていますし、CD1枚にまとまっている内容ですし、初心者にもピッタリ。また、読み応えあるブックレットに、熱心なファンでもお薦めできる1枚だと思います。いまからでも遅くないと思いますよ!ギターロック好きなら、文句なしにお薦めです。

評価:★★★★★

Title:セカンド・ベスト~COIL佳作集~
Musician:COIL

で、こちらはタイトル通りの「セカンド・ベスト」。上の「マスターピース」に収録されなかった曲から、メンバーの岡本定義、佐藤洋介がセレクトした楽曲を、それぞれのCDに収録しています。

もちろん、岡本定義セレクトは、岡本定義作曲の作品で、佐藤洋介セレクトは佐藤洋介作曲の作品が基本。そのため、メンバー2人の音楽性の対比が明確で、それがとてもユニークな作品になっていました。

岡本定義作曲の作品は、基本、シングル曲も彼の作品が多いだけに、COILの一般的なイメージとピッタリマッチ。また、このアルバムに収録された曲は、ミディアムテンポでメロディーを聴かせる曲が多く、彼のメロディー志向を、より明確にしています。

一方で、佐藤洋介作曲の作品は、ハードロック志向が強く、岡本定義の方向性とは明確に違います。ただ、とはいっても、メロディー重視の曲があったり、逆に岡本定義作曲の曲にもハードロック風の曲があったりと、両者の嗜好が微妙に重なる部分もユニークなところ。この絶妙な両者のバランスが、COILの音楽の幅を広げ、魅力を高めているんでしょうね。

そんな訳で、COILの魅力をより深く知ることができるベスト盤。初心者向けの最初の1枚・・・ではないものの、「マスターピース」でCOILの魅力を知った方の、次のアルバムとしては最適なアルバムです。

評価:★★★★★

COIL 過去の作品
ギャルソン
Vitamin C
ソナチネ
ボサノバ
カフェラテ

カセットミュージック


ほかに聴いたアルバム

blues/back number

日常風景を描写した歌詞に、しんみりと聴かせる哀愁ただようメロが特徴的で、人気上昇中のバンド。ただ・・・ちょっと厳しい言い方をすると、劣化版レミオロメンといった感じ(苦笑)。あまりヒネリも個性もない、平凡なメロが多く、ちょっと厳しい印象も。とはいえ、シングルになった「青い春」や「わたがし」のメロディーは耳に残る美メロですし、前作に比べると確実に成長している印象も。そういう意味では、今後は楽しみ、かも。

評価:★★★

back number 過去の作品
スーパースター

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