ベスト盤に続き、早くも新作!
Title:[(an imitation) blood orange]
Musician:Mr.Children
今年、ベスト盤をリリースし、大ヒットを記録したミスチル。そのミスチルが、早くもニューアルバムをリリースしました・・・・・・といっても、前作「SENSE」がリリースされてから、約2年のインターバルが置かれているので、「通常の」リリースペースと言われれば、その通りなのですが・・・。
前作「SENSE」がコンセプチャルなアルバムで、シングル曲が全く収録されていなかったのに対して、本作は、シングル曲、配信オンリーで発表された曲、ドラマやCMソングで、音源がリリースされた曲など、既発表された曲が多く収録されています。そのため、「SENSE」が、かつての「深海」なら、このアルバムは「BOLERO」に位置するアルバム・・・という意見も見受けられるのですが、先行シングルは基本的に1枚だけで、どちらかというと、前々作「SUPERMARKET FANTASY」の方が、コンセプト以前に、「ヒット曲の集まり」というイメージが強く、「BOLERO」のイメージに近いような気がします。
今回のアルバムは、全体的に明るく、前向きなイメージの曲が多かった印象を受けました。特に、10曲目の「Happy Song」は、タイトル通りのナンバーで、このアルバムのクライマックスにはピッタリの印象。その後、スケール感のあるバラードナンバー「祈り~涙の軌道」で締めくくりという展開に、感動的な余韻を持って、アルバムを聴き終えることが出来ます。
もちろん、どの曲も聴かせる曲ばかりで、安心の安定感。このポップソングとしての訴求力の大きさは、日本のバンドの中でもピカイチ。ただ、そんな彼らのアルバムの中でも、「ヒット曲」の連続だった「SUPERMARKET FANTASY」や、コンセプチャルな「SENSE」などの最近のアルバムと比べると、全体的にちょっと地味な印象も拭えませんでした。
その地味な印象の大きな理由が、おそらくアレンジで、プロデューサー小林武史のアレンジが、全体的に大味で平凡。小林武史といえば、レミオロメンのプロデューサーとして、駄作を連発させてくれちゃいました。先日のベスト盤を聴いても感じたのですが、小林武史自体が金属疲労(?)を起しちゃっている印象が・・・。もうちょっと大味なアレンジや、いかにもなバラードナンバーよりも、シンプルなポップソングを聴いてみたいような・・・。
・・・とはいえ、それはあくまでもミスチルのいままでのアルバムに比べて、という話であって、このアルバム自体の出来については、申し分なく楽しめる傑作アルバムで、彼らの実力を存分に満喫できるアルバムだったと思います。ベスト盤も好調でしたし、このCD不況の中でも、彼らの快進撃は止まらなさそうです。
評価:★★★★★
Mr.Children 過去の作品
SUPERMARKET FANTASY
SENSE
Mr.Children 2001-2005<micro>
Mr.Children 2005-2010<macro>
ほかに聴いたアルバム
夢見る宇宙/BUCK-TICK
全体的に、ポップ色が強くなったニューアルバム。全体的に、80年代から90年代にかけてのビートロック風で、90年代にブームになったビジュアル系バンドの雰囲気に近い感じか?聴きやすいことは非常に聴きやすいのですが、新鮮味はない印象が。賛否両論わかれそうなアルバム。
評価:★★★
BUCK-TICK 過去の作品
memento mori
RAZZLE DAZZLE
Baby,It's Cold Outside/Galileo Galilei
デビュー当初は、よくありがちな売れ線ポップスロックバンド、というイメージだったのですが、前作「PORTAL」で一気にイメージが変化。エレクトロやシューゲイザーの影響を取り入れた楽曲には、ファンならずとも驚かされました。今回の作品も、その延長線上。基本的に、80年代のギターポップやシューゲイザー系のバンドからの影響を強く感じ、日本で言えば、かつてのスーパーカーあたりを彷彿とさせます。
ただ、前作「PORTAL」でも感じたのですが、この手のバンドは、かつて数多くブレイクしており、正直、面白みはありません。やりたいことはわかるのですが、いまさら感も強く、じゃあ、彼らだけの個性は?と考えた時に、あまり「個性」が感じられないような。前作同様、その意欲は買えるのですが、このままだと、シーンの中で埋もれてしまいそうな。
評価:★★★
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