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2013年1月13日 (日)

ダメな自分を吐露した歌詞が痛い

Title:親が泣くLIVE at 下北沢GARDEN 29 Feb.2012
Musician:井乃頭蓄音団

名前からして、かなりのインパクトがある5人組バンド、井乃頭蓄音団。もともと、OTOTOYの東日本大震災チャリティーアルバム「Play for Japan Vol.8」に参加していたことからその名前を知り、ずっと気になっていました。このほど、ニューアルバムがリリースされた、と知り、さっそく聴いてみたのですが、時として「気持ち悪い」とも評される(失礼!)、その世界観にいっぺんにはまってしまいました!!

彼らの大きな特徴は、その歌詞。ボーカル松尾遥一郎が書く歌詞は、私小説的な要素の強い歌詞なのですが、自分のダメさ加減を、そのまま素直に吐露した歌詞が、非常にインパクトがあり、かつ、胸につきささります。例えば、タイトルナンバーである「親が泣く」では

「みんながみんな揃いも揃って
同じ夢を追っているもんだから
お先にどうぞと譲ってみたけれど
諦めきれずに もう30

親が泣く」

(「親が泣く」より 作詞 松尾遥一郎)

と、まさに「夢を諦めないで」「がんばれば明日は見える」的なJ-POP歌詞の対極ともいえそうな、イタタタタな内容。一度でも、何らかの形で親に迷惑をかけちゃったような経験のある身にとっては、かなり胸が痛む歌詞ではないでしょうか(^^;;

彼の描く歌詞は、いわば、人間が誰しも持っている「弱い」部分をストレートに表に出している歌詞。ただ、だからといって、これまたJ-POPの歌詞にありがちな「弱い自分を認めて前に進もう」みたいな歌詞ではありません。ただただ淡々と、弱い自分を描く。それを決して肯定しているわけでも否定しているわけでもありません。あえていえば、誰しも持っている人間としての「弱い」部分を達観して、そのままをさらけだしている、そういう印象を受けました。

そのさらけだし方があまりにもストレートで、かつ、人間の「弱さ」ゆえにあらわれる「醜さ」みたいな部分もそのままさらけだしています。そのため、聴く人によっては、「気持ち悪い」という感想を受けるのかもしれません。ただ、やはりそういう部分も含めて、人間であれば、そういう「弱さ」は誰でも持っています。そういう「醜さ」を漂白剤で無理やり白くしたような、ヒット曲に比べて、松尾遥一郎の書く歌詞は、あまりにもリアリティーがあり、強く心に突き刺さってきます。

で、今回のアルバムはライブ盤ということで、そのライブの模様をおさめたDVDも収録されているのですが、松尾遥一郎のパフォーマンスが、また微妙に気持ち悪い(笑←重ね重ね失礼!)。ちょっとエキセントリックな、「天才芸術家」みたいな雰囲気のパフォーマンスが、また一段とユニークで、強く印象に残ります。楽しそうなライブの雰囲気も伝わってきますし、彼らのライブ、一度行きたいなぁ・・・。ちょっと客の入りが寂しそうなのが気にかかりましたが(^^;;

また、メロディーやアレンジもとてもユニーク。基本的にフォークソングの影響を強く受けている楽曲なのですが、曲によっては、ブルージーだったり、ツェッペリンばりのヘヴィーなギターサウンドやサイケデリックなギターサウンドが展開されたり、歌謡曲っぽい曲があったり、まんま特撮モノの主題歌みたいな曲もあったりと、こちらもとてもユニーク。最後の最後まで飽きさせない展開になっています。

既に昨年の年末の、暫定版ベスト盤候補に名前をあげましたが、2012年のベスト盤候補ともいえるくらいの傑作アルバムだったと思います。断然、興味がわいてきました。是非、彼らのライブにも足を運びたいなぁ。いろいろと自分を卑下していますが、このバンド、もっともっと注目されてもいいと思いますよ。好き嫌いはありそうな内容ですが、お薦めです。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

シングルクレクション+ ミツバチ/坂本真綾

人気声優で、ミュージシャンとしても活躍している坂本真綾の2005年以降のシングルを集めたベスト盤。珠玉のポップソングが揃っていて、ガールズポップファンなら文句なしにお薦め。ただ、そんな中で、若干、個人的におおはまりできないのは、一部、いかにも「アニソン」っぽい曲が混じっているのと、メロにしろ、彼女のボーカルにしろ、あまりにも完璧で、隙がないからか?とはいえ、文句なしに楽しめるアルバム。特に、ユーミンの「やさしさに包まれたなら」のカバーは絶品です。

評価:★★★★★

坂本真綾 過去の作品
かぜよみ
everywhere
You can't catch me
Driving in the silence

CASSETTEFUL DAYS~Japanese Pops Covers~/土岐麻子

土岐麻子が、日本のポップスの名曲をカバーしたカバーアルバム。基本的に、80年代から90年代初頭の曲がメインとなっています。最初に、カセットテープをラジカセにセットするような音が入っていて、イメージとしては、かつてカセットに録音して何度も聴いた曲をカバーした、という感じでしょうか。

ただ、今回のカバー、アレンジは打ち込みが目立って、ちょっと平凡。歌い方も、かなり平坦な歌い方で、あまり面白みはなく、ただ淡々と歌っている感じ。正直言って、新たな発見もなく、面白みもありませんでした。実力あるシンガーだと思うだけに、ちょっと残念。

評価:★★★

土岐麻子 過去のアルバム
TALKIN'
Summerin'
TOUCH
VOICE~WORKS BEST~
乱反射ガール
BEST! 2004-2011

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