ちょっと方向性は変えたけど・・・。
Title:連絡
Musician:在日ファンク
在日ファンクのニューアルバムに関して、事前に入ってきた情報は、「いままでのアルバムとは異なるメロウなファンクナンバー」という情報でした。そんな今回のミニアルバムは、全8曲入りながらも、そのうち3曲がインターリュード。事実上、5曲入りのミニアルバムとなっています。
また、今回のアルバムで大きな特徴となっているのは、作曲が、浜野謙太のみでなく、他のメンバーも参加しているという点。その結果、いままでの在日ファンクのアルバムとは、確かにちょっと違った雰囲気のアルバムになっていたと思います。
一番大きな違いは、浜野謙太らしい、JB直系のファンクナンバーだけではなく、例えばギター仰木亮彦が作曲している「嘘」は非常にメロウなナンバーになっていますし、ラストの浜野謙太作曲の「不思議なもんでさ」も同様に、メロディーを聴かせるミディアムテンポのナンバーに仕上がっています。
そして歌詞にしても、いままでの在日ファンクのような、歌詞の意味よりも、リズムに載るかどうかを重視したような、意味のあるようでない、ないようである歌詞ではなく、ちゃんと内容のある歌詞に仕上がっています。
じゃあ、いままでの在日ファンクとガラリと変わってしまったのか、と言われると、決してそうではありません。1曲目「ホームシック」は、まさにJB直系のファンキーなナンバーですし、他にも「肝心なもんか」も同様。それとファンキーなインターリュードナンバーが、上手いことにメロウな曲の間に配置されているため、アルバムを聴き終わった後は、JB直系のファンクチューンを期待していても、ちゃんと「在日ファンクのアルバムを聴いた!」と、満足感を得ることが出来る構成に仕上がっているのは見事です。
いままでの在日ファンクらしさを生かしつつ、あらたな方向性にも手をつけた、実に見事な構成に仕上がっていたと思います。これからの活躍も楽しみになる作品でした。
評価:★★★★★
在日ファンク 過去の作品
在日ファンク
爆弾こわい
ベスト・オブ・在日ファンク~覗いてごらん見てごらん~
ほかに聴いたアルバム
SAMURAI SESSIONS vol.1/雅-MIYAVI-
ギタリスト雅が、タイトル通り、ジャンルを超えた様々なミュージシャンとセッションを行った企画アルバム。KREVAやthe HIATUSの細美武士、亀田誠治やちょっとユニークな面では、三味線奏者の上妻宏光とのコラボを聴かせてくれます。
個性的なプレイヤーに、彼のエッジが利いたギターサウンドが載り、それぞれの個性がぶつかり合うのが非常におもしろい企画。緊張感のあるセッションで、おもわずそのプレイに聴きいってしまうような内容でした。ただ、比較的、コラボ相手の音が、一度聴いたらすぐにその人とわかるような音を出しておらず、雅に合わせたような部分も。そういう意味では、雅の個性と真正面からぶつかって喧嘩しちゃうような個性の持ち主とのコラボがあったらもっとおもしろかったかも。タイトルから考えると、第2弾、3弾も予定されていそうなので、もっともっとユニークなコラボを期待。
評価:★★★★★
雅-MIYAVI- 過去の作品
WHAT'S MY NAME?
Day And Night Blues/MAMALAID RAG
MAMALAID RAGの5枚目となるニューアルバム。「Blues」と名づけたタイトルといい、昔のレコードジャケットを意識したようなCDジャケットといい、かなりオールドスタイルな雰囲気がプンプン漂ってきているのですが、内容の方も、いままでのシティポップ路線から、ルーツ志向のブルース、あるいはカントリーの影響を強く感じさせるアコースティックな内容になっています。そのため、内容的にはインパクトの薄い、地味な内容になっているものの、ほっこりと暖かい雰囲気の作風に仕上がっていて、聴いていて、懐かしさも感じるようなアルバムに。もともと、ブルースからの影響を感じられたミュージシャンでしたが、今後は、引き続き、ルーツ回帰志向が続くのでしょうか、それとも、シティポップ路線に戻るのでしょうか?ちょっと今後が気になるアルバムでした。
評価:★★★★
MAMALAID RAG 過去の作品
the essential MAMALAID RAG
SPRING MIST
LIVING
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