肩の力が抜けて
Title:SWEET ROMANCE
Musician:カーネーション
カーネーションというバンドは、アルバムをリリースする度に、特に評論化筋に高い評価を受けるような、いわば玄人受けするようなバンドでした。いままで、何枚かアルバムを聴いてきました。そのどれもが、確かに高い評価を受けるのは、よくわかる作品だったのですが、正直言うと、私個人として、アルバムにはまってしまった・・・という感じには残念ながら至りませんでした。
そんな私でも、このアルバムには、おもいっきりはまってしまいました。それは、私の音楽的嗜好が変わったのか、それとも、やはりこのアルバムが傑作だったからか。おそらく両方だからだろうなぁ、とは思います。
「音楽的嗜好」という話をすると、ソウル風のサウンドや、時折入る、ブルージーなギターが、個人的に壺に入りました。今回のアルバムは、ミディアムテンポの楽曲が多いのですが、それだけに、1曲目の「Spike&Me」に代表されるような、グルーヴィーという表現がピッタリ来るような、バンドサウンドが実に魅力的。一方では「I LOVE YOU」みたいな、シティポップ風の爽やかなポップチューンも耳につき、音楽性の幅も感じました。
また、そこらへんの個人的な嗜好を差し引いても、このアルバムは傑作といって間違いないと思います。もちろん、彼らは、いままでも非常に安定感のある作品を産み出して来ました。ただ、その中で、今回のアルバムは、彼らにとって肩の力が抜けたものを感じました。特に前作「UTOPIA」は、こちらも傑作だったのですが、震災の影響を強く押し出した作品になっており、かなり気合の入った作品になっていたと思います。それに比べると、今回の作品は、特に強いコンセプトもなく、ある意味、彼らにとってやりたいようにやっているアルバムのようにも感じられました。
そういう意味で、個人的には、いままで聴いた彼らのアルバムの中では最高傑作に感じました。ベテランらしい、いい味付けのするアルバムといった感じ。お薦めの逸品です。
評価:★★★★★
カーネーション 過去の作品
Velvet Velvet
UTOPIA
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