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2013年1月29日 (火)

2ピースの極み

チャットモンチー TOUR2013

会場 Zepp Nagoya 日時 2013年1月20日(日)18:00~

新年初ライブは、2人組バンドとなったチャットモンチー。チャットモンチーは、ワンマンライブははじめて。チャットモンチーのステージ自体、なにげにまだ2回目。それも1度目は、まだデビュー間もない2005年に下北沢のSHELTERで見て以来というステージ。実は、その後、ロフトでのワンマンライブのチケットを確保していたのですが、直前に用事が入ってしまい、泣く泣く諦めた、という少々苦い思い出が・・・(^^;;で、最新アルバム「変身」が傑作だっただけに、ワンマンライブにはじめて足を運んできました。

チケットは事前に売り切れたみたいで、Zepp Nagoyaは超満員。一番後ろの方で、なんとか場所を確保し、開演を待ちます。

ステージ上には、大きな門のようにかたちどられたリボンが背景となって、その上には、「Chatmonchy」の文字が。その門のようになったリボンの「入り口」の部分から、チャットモンチーの2人が登場。最初はえっちゃんがドラムに、あっこがギターをかかえ、「変身」からスタートです。

まさかの脱退劇で2人組となったチャットモンチー。新メンバーを入れず、2ピースバンドで、どのようなライブを見せてくれるのかあぁ、と思ったのですが、ライブでは、サポートメンバーなしで、2人だけのステージに。続く「初日の出」では、えっちゃんとあっこのツインドラムからスタートし、さらに3曲目「コンビニエンスハネムーン」では、えっちゃんとあっこがポジションチェンジして、ステージを見せてくれました。

誰もサポートを入れない2ピース、とはいえ、曲によっては、主に追加のギターの音が後ろで鳴っていたので、カラオケが入った状況だったとは思います。もっとも、私、一番後ろで見ていて、ステージは、客の頭越しにしか見えなかったので、本当に、「カラオケのギター」が鳴っていたのかは、少々不確かなのですが・・・。

ただ、それでも基本的には、2人のみでの演奏が主軸。個人的に、この日聴けてうれしかった「東京ハチミツオーケストラ」も2ピース仕様のアレンジになっていました。その後、「テルマエ・ロマン」「少女E」「Yes or No or Love」と「変身」からの曲が続き、短いMCに。そこでは、「今日は引越しが多いよ~」という、あっちゃんのコメントが、この日のステージを象徴づけていました。

中盤は、しんみり聴かせるナンバーがメイン。「染まるよ」「歩くオブジェ」と、「変身」からの曲が続く中、あっちゃんがピアノを弾いたり、ドラムとギターを交換したり、忙しく、いろいろな楽器を持ち替えての「引越し」が続いて行きます。

途中、メンバー2人が一度引っ込み、名古屋への移動の途中の新幹線の車内で録音したと思われるテープが流されました。ここらへんも、普通のライブならば、サポートメンバーが場をつなぐところなんでしょうが、2人のみのライブならではといった感じでしょう。

その後は、えっちゃんのアコギ弾き語りで新曲をしんみり聴かせ、「恋愛スピリッツ」へと続き、聴かせる曲が続きます。彼女たちのステージ、基本的に2人が、様々な楽器を持ち替えてのステージなのですが、とはいえ、決して「不慣れな楽器を」というイメージはありません。もともと、かつて見たステージでも、非常に演奏力の高いバンドだなぁ、というイメージがあったのですが、この日のステージでも、シンプルながらも、逆にシンプルだからこそ緊張感ある迫力あふれるステージを見せてくれました。

この日のハイライトともいえる圧巻のステージは後半。「余談」から、アップテンポなナンバーがはじまり、えっちゃんが、名古屋のお菓子「しるこサンド」が好き、というMCが挟み、一気にハイテンションのステージになだれこみます。「ハテナ」「きらきらひかれ」そして本編ラストとなる「満月に吠えろ」まで、ハイテンションな曲が続きましたが、このステージが実に素晴らしかった。メロディーはポップながらも、2ピースのバンドサウンドが非常にハードで迫力があり、かつ2人の息もピッタリ。Zepp Nagoyaって、音がいまひとつ悪いだけに、下手なバンドが演奏すると、音がこもって聴いていてキツイのですが、そういう不快感が全くなく、クリアな音が聴こえたということは、それだけ彼女たちの演奏が上手かったということ。ポップなメロや、えっちゃんのかわいらしいボーカルに見落としがちなのですが、チャットモンチーって、本当に実力のあるロックバンドなんだなぁ、ということを再認識しました。

その後はもちろんアンコール。「ウタタネ」を披露した後のMCでは、「本編はここまで。最後は『おまけ』」ということで「どうしても演りたかった曲」をもう1曲、えっちゃん曰く「2ピースの極み」という、その曲は、「ふたり、人生、自由が丘」。その「2ピースの極み」という評価の通り、最初、あっこがドラムを叩いていたのに、途中からえっちゃんに交代。要するに、2人が自由自在にいろいろな楽器を奏でながらのステージで、まさに2人のみという編成ならではのステージになっていました。

アンコールも含めて全2時間弱。結局、「変身」の曲は全曲披露してくれました。最後の曲を「2ピースの極み」といっていましたが、2ピースならではの「引越し」も楽しめ、さらに2人ならではのシンプルながらも息のあったステージに、このライブ全体が、まさに「2ピースの極み」といってもいいライブだったのではないでしょうか。新年一発目のライブながらも、今年のベストライブ候補。ロックバンド、チャットモンチーのすごみを感じたステージでした。

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