懐かしい名前の復帰作
Title:B.B.QUEENS LEGEND~See you someday~
Musician:B.B.クイーンズ
ある一定の年代の方にはちょっと懐かしい名前ではないでしょうか、B.B.クイーンズ。1990年、フジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」のテーマ曲「おどるポンポコリン」が大ヒット。その年のレコード大賞を受賞するなど、一躍、時の人となりました。
もともとB.B.クイーンズは、スタジオミュージシャンなどで活躍していたミュージシャンたちを集めて、ビーイングが企画した企画モノバンド。後のビーイング系ブームの先駆け的存在となっています。
それが2011年に再結成。その後、なんと、神聖かまってちゃんとのコラボシングル&コラボツアーを行うなど、話題になりました。今回のアルバムでも、そのコラボシングル、B.B.かまってちゃん名義の「夢のENDはいつも目覚まし!」に、神聖かまってちゃんのカバー「ロックンロールは鳴り止まないっ」も収録されています。
他にも、元T-BOLANの森友嵐士が参加した「声なき声がきこえる」や、宇徳敬子xDEEN名義の「未来のmemories」なども収録された、いわばビーイング系の同窓会的なアルバム。「未来のmemories」などは、いかにもビーイング系といった感じでしたが・・・。
個人的には、B.B.かまってちゃん目当てで聴いたのですが、ただ、アルバム全体としては、実力のあるミュージシャンが揃っているだけに、完成度の高いポップソングが並んでいます。「ロックンロールは鳴り止まないっ」も、ちゃんと卒のないカバーに仕上げていますし、バックブランドHbGとコラボした曲は、今風のエレクトロナンバーですが、しっかり彼らなりに消化しています。
こちらも、ある世代には懐かしい、「ちびまる子ちゃん」のオープニング「ゆめいっぱい~2012~」をレゲエ風にカバーしていたり、近藤房之助ボーカルのフォークナンバー「小さな旅」など、様々なジャンルの曲が並んでいて、とても楽しい内容に。ある意味、卒のない内容は、いかにもビーイング系らしい感じはして、もうちょっと遊びの要素もあった方がおもしろかったのになぁ、とも思うものの、聴いていて、素直にワクワクと楽しめるポップアルバムになっていたと思います。名前に懐かしさを感じた方、神聖かまってちゃんのファンの方、お薦めです。
評価:★★★★★
Title:1968 vol.2~DOWN HOME~
Musician:近藤房之助
で、そのB.B.クィーンズのメンバーでもある近藤房之助のニューアルバム。B.B.クィーンズでは、奇抜な格好で変なおじさんを演じている彼ですが、本来は、日本を代表するブルースシンガー。このアルバムは、そんな彼が、影響を受けたブルースの楽曲をカバーしたカバーアルバムの第2弾です。
全体的には、ノイジーなギターに、ピアノ、ブルース・ハープ、曲によってはホーンセッションなども入れた分厚いアレンジ。いい意味で、今の耳でも聴きやすいアレンジで、ブルースの入門的なアルバムとしても最適。なによりも、グルーヴィーなアレンジに、どすの利いた泥臭い近藤房之助のボーカルがしびれるようにカッコいいです!
第1弾である前作もそうだったのですが、このアルバムも、全英語詞なのですが、近藤房之助のボーカルは、英語を正しく発音しようとか、そういうことはほとんど気にしていません。むしろ、英語で上手く歌うよりも、いかにブルースの心の部分を歌に載せるか、それを意識して歌っているように感じました。そのため、まさに心につきささるようなボーカルがとても印象に残るようなアルバムに仕上がっています。
上にも書いた通り、比較的、今風のアレンジで、ロック的な要素も強いため、ブルースをあまり聴かない方でも楽しめ、かつ、ブルースの魅力を感じることが出来るアルバムだと思います。ブルースに興味はあるけど、手が出しにくくて・・・という方は、このアルバムから、元曲をたどっていってみてはいかが?
評価:★★★★★
近藤房之助 過去の作品
1968
ほかに聴いたアルバム
PARADE/HY
沖縄出身の5人組バンド、HYの2年ぶりとなるニューアルバム。沖縄らしい要素を隠し味に取り入れた、爽やかなポップソングが特徴的。ただ、メロディーは、悪くはないのですが、少々平凡な感じ。前作「Whistle」よりはよかったとは思うのですが・・・以前はもっと優れたメロディーを書いていたバンドだと思うんだけどなぁ。ちょっと勢いが衰え気味な印象は拭えません。
評価:★★★
HY 過去の作品
Whistle
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2012年」カテゴリの記事
- 私たちの身に染み付いたサウンド(2013.02.12)
- まだまだ現役!(2012.12.27)
- 素朴な曲が心に響く(2013.01.04)
- 懐かしい名前の復帰作(2013.01.05)
- 沖縄発世界一周?(2012.12.20)
コメント