バラードが並ぶ後半が魅力
Title:Girl On Fire
Musician:Alicia Keys
2010年5月27日、音楽プロデューサーのSwizz Beatzと婚約。その彼もプロデューサーとして名前を連ねるAlicia Keysのニューアルバムです。
彼女らしい、ピアノが静かな音色を奏でるイントロからスタートし、続く「Brand New Me」では、静かなピアノバラードナンバーからスタートし、彼女の美しい歌声をゆっくりと楽しむことが出来ます。
ただ、前半に関しては、彼女の持ち味であるピアノの音色を入れながらも、エレクトロテイストを取り入れたアップテンポなナンバーが続きます。もちろん、これらアップテンポなナンバーも、ポップなメロディーと彼女のボーカルがあわさり、十分楽しむことが出来るのですが・・・でも、どうも、エレクトロテイストのアレンジがチープに感じちゃうんですよね。
全体的にポップで薄味ということもあるのでしょうが、例えば「Not Even The King」みたいに、ピアノ1本で聴かせるナンバーと並べちゃうと、逆に、音数を増やせば増やすほどチープに感じてしまいます。
一方、その「Not Even The King」をはじめとして、後半にはしんみりと聴かせるバラードナンバーが主体になっているのですが、こちらに関しては文句なし!彼女の歌声にゆっくりと耳を傾けられる名曲揃い。レゲエ風のリズムを取り入れた「Limitedless」はちょっとご愛嬌といった感じですが、シンプルにメロディーと歌を聴かせるバラードナンバーは、彼女の本領発揮といったところでしょう。
そんな訳で、後半は文句なしだった一方、ちょっと前半に不満も残るアルバム。前作に引き続き、全体的にポップで薄めだったのは、好き嫌いがわかれそうで、個人的に、もうちょっと濃い方向性の方が好きだったりするのですが・・・。もっとも、R&Bのアルバムとして、安心して楽しめるアルバムではあるとは思うのですが。
評価:★★★★
Alicia Keys 過去の作品
As I Am
The Element Of Freedom
ほかに聴いたアルバム
Earth Division EP/MOGWAI
新曲のみで構成された、4曲入りのEP。いつものギターノイズは控えめで、ピアノやストリングスで奏でられる美しい音色が印象的な作品になっています。そのため、いわゆるMOGWAIらしさを求めると、ちょっと物足りなさを感じるかも。ピアノやストリングスの美しい音色もそれなりに魅力的なのは、さすがMOGWAIといった感じなのですが、MOGWAIとしての個性は、少々薄く感じました。
評価:★★★
MOGWAI 過去の作品
The Hawk Is Howling
HARDCORE WILL NEVER DIE,BUT YOU WILL
Live at All Tomorrow's Parties,9th April 2000
The Less You Know,The Better/DJ SHADOW
DJ SHADOWのニューアルバムは、ジャケット写真に表示されたタイトルが、国によって現地の言葉になっているみたいで、日本盤では↓こんな感じ。
いや、「THE BETTER」ぐらい読めますがな(笑)。なんか、日本人的感覚だと、かなりユーモラスな雰囲気になってしまっています(^^;;
ただ、楽曲自体は別にユーモラスな内容でもなんでもなく、真剣勝負そのもの。HIP HOPのトラックに、ロッキンなギターサウンドが載るスタイルは、HIP HOPリスナーにもロックリスナーにも耳なじみやすく楽しめそう。楽曲ごとに、バリエーションの異なるアイディアが詰め込まれていて、最後まで飽きず、かつ、ポップにまとめられているため、決して小難しさはありません。統一感は薄いのですが、それもまたひとつの味にすらなっています。最後まで耳の離せない、楽しめるアルバムでした。
評価:★★★★★
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