アルバムレビュー(邦楽)2012年

2013年2月12日 (火)

私たちの身に染み付いたサウンド

Title:続、続々カワチモンド

先日のレビューで、最近は日本土着の音楽に興味がある、という話をしました。今回紹介するのは、その延長線上。また、例のごとくミュージック・マガジン誌のベストアルバム2012、ワールド・ミュージック編の10位にランクインしていたことから興味を持った作品。関西圏の伝統的な音頭である、河内音頭、あるいは江州音頭のレア音源、珍盤などを収録したオムニバスアルバム。2006年にリリースされた同趣旨のオムニバスアルバム「カワチモンド」の第2弾となります。

おそらく企画の趣旨としては、「音頭という、日本古来からのレア・グルーヴの魅力を見直そう」的な意図であろうと思います。ただ、聴いてみた感想として、率直なところ、イメージとしては、夏のシーズンに馴染みの深い盆踊り。夏になれば、よく公園からこういう祭りばやしが聴こえてくるよなぁ~といった感想を抱いてしまったというのが正直なところ。ただ、逆に言えば、それだけ日本人にとっては、身体に染み付いたリズムということなのでしょうが。

ただ、確かによくよく聴けば、特にその太鼓の奏でるビートや、三味線の響きにおもしろさを感じる曲も少なくありませんでした。解説にも「アフリカ音楽を連想させる」という言及が見られる「江州音頭唯丸節 浪速遊侠伝」や、「民謡ヤンレー節 鈴木主水」など、太鼓のリズムには、まさに「レア・グルーヴ」という呼び名がふさわしい、独特のグルーヴ感を感じられますし、「千両幟 VooDoo Ciranda」なども久保田真琴のリミックスが実にユニークに仕上がっています。

曲が、というよりも、あの勝新太郎が歌う「『悪名』河内音頭」は、勝新太郎の男らしさに男でも惚れてしまいそうな魅力が。「ソウル河内音頭」なんかは、ラップ風のボーカルまで入った、ソウルを勘違いしたようなサウンドなのですが、それが逆に歌謡曲らしい雑多さが出ていて、ユニークに仕上がっていました。

そんな聴きどころも多く、河内音頭の魅力が伝わる一方で、いかにも演歌然とした、様式化したド演歌の曲も多く収録されていました。これらの曲に関しては、「独特のビート」感も薄く、いまひとつ魅力を感じらず、いまひとつ、楽しむための壺が不明・・・正直、あまりおもしろみを感じられませんでした。

レア音源を集めたから、ということで、玉石混合だったのか、単純に、自分がその魅力をわからなかっただけなのか・・・アルバム全体を通じて、河内音頭にはまったか、といわれるとそこまではなかったけど、確かに魅力的な曲も少なくはなかったな、というのが感想。どちらかというと、実際に、盆踊りの会場で、これらの曲を聴きながら踊れば、もっと魅力をかんじられたのかも。ある意味、日本人にとって身近すぎるビートなのかなぁ、とも感じたアルバムでした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

caldera/LA-PPISCH

80年代後半のバンドブームの代表格の一組で、「パヤパヤ」などの大ヒットで知られるロックバンド。スカをいち早く取り入れ、後のスカパンクバンドの先駆的なバンドとしても高い評価を得ています。2008年にメンバーの上田現が急逝した後は、ライブを中心に活動をしていたそうですが、デビュー25周年を機にリリースした記念盤がこちら。新曲2曲に、ライブなどでよく演奏される代表曲8曲を、今のメンバーで再録音した内容だそうです。

基本的に、明るく軽快なスカのサウンドを主軸に置いた曲が多く、ライブでよく演奏されるだけあって、祝祭色の強い曲がメイン。聴いていて、無条件でウキウキできるような楽しい曲が並んでいます。相変わらずの代表曲「パヤパヤ」が収録されている他、上田現が元ちとせに提供し大ヒットした「ワダツミの木」のセルフカバー、ファンに人気の高い「美代ちゃんのxxx」などなども収録。全体的には80年代的な雰囲気も漂う点も特徴的ながら、その点、少々新鮮味に欠ける部分も気になるところかも。

評価:★★★★

ガイガーカウンターカルチャー/アーバンギャルド

以前から、その独特な世界観が話題となっていた「テクノポップバンド」アーバンギャルドの新作。「テクノポップバンド」と鍵カッコつきなのは、本作では、ハードロック的な要素を強く入れて、テクノポップらしい、ピコピコポップが後ろに下がった感じがするから。ただ、テクノポップに留まらず、様々な音を入れたことにより、全体的に雑多さが増した感じが。歌詞も、いい意味で言えばクレバーさを感じられる、悪い意味で言えば、少々狙ったような感じの歌詞が印象的。でも、サウンドも歌詞も、ちょっと理屈っぽいんですよね。こういう理屈っぽいサイトをやっていてこういうのもなんなのですが(^^;;頭でっかちな感じが聴いていて疲れてしまいました。以前から、こういう傾向はあって、それもそれで魅力とは思っていたのですが、今回のアルバムは、許容範囲を若干超えてしまった感も。

評価:★★★

アーバンギャルド 過去の作品
少女の証明
メンタルヘルズ

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2013年1月 5日 (土)

懐かしい名前の復帰作

Title:B.B.QUEENS LEGEND~See you someday~
Musician:B.B.クイーンズ

ある一定の年代の方にはちょっと懐かしい名前ではないでしょうか、B.B.クイーンズ。1990年、フジテレビ系アニメ「ちびまる子ちゃん」のテーマ曲「おどるポンポコリン」が大ヒット。その年のレコード大賞を受賞するなど、一躍、時の人となりました。

もともとB.B.クイーンズは、スタジオミュージシャンなどで活躍していたミュージシャンたちを集めて、ビーイングが企画した企画モノバンド。後のビーイング系ブームの先駆け的存在となっています。

それが2011年に再結成。その後、なんと、神聖かまってちゃんとのコラボシングル&コラボツアーを行うなど、話題になりました。今回のアルバムでも、そのコラボシングル、B.B.かまってちゃん名義の「夢のENDはいつも目覚まし!」に、神聖かまってちゃんのカバー「ロックンロールは鳴り止まないっ」も収録されています。

他にも、元T-BOLANの森友嵐士が参加した「声なき声がきこえる」や、宇徳敬子xDEEN名義の「未来のmemories」なども収録された、いわばビーイング系の同窓会的なアルバム。「未来のmemories」などは、いかにもビーイング系といった感じでしたが・・・。

個人的には、B.B.かまってちゃん目当てで聴いたのですが、ただ、アルバム全体としては、実力のあるミュージシャンが揃っているだけに、完成度の高いポップソングが並んでいます。「ロックンロールは鳴り止まないっ」も、ちゃんと卒のないカバーに仕上げていますし、バックブランドHbGとコラボした曲は、今風のエレクトロナンバーですが、しっかり彼らなりに消化しています。

こちらも、ある世代には懐かしい、「ちびまる子ちゃん」のオープニング「ゆめいっぱい~2012~」をレゲエ風にカバーしていたり、近藤房之助ボーカルのフォークナンバー「小さな旅」など、様々なジャンルの曲が並んでいて、とても楽しい内容に。ある意味、卒のない内容は、いかにもビーイング系らしい感じはして、もうちょっと遊びの要素もあった方がおもしろかったのになぁ、とも思うものの、聴いていて、素直にワクワクと楽しめるポップアルバムになっていたと思います。名前に懐かしさを感じた方、神聖かまってちゃんのファンの方、お薦めです。

評価:★★★★★

Title:1968 vol.2~DOWN HOME~
Musician:近藤房之助

で、そのB.B.クィーンズのメンバーでもある近藤房之助のニューアルバム。B.B.クィーンズでは、奇抜な格好で変なおじさんを演じている彼ですが、本来は、日本を代表するブルースシンガー。このアルバムは、そんな彼が、影響を受けたブルースの楽曲をカバーしたカバーアルバムの第2弾です。

全体的には、ノイジーなギターに、ピアノ、ブルース・ハープ、曲によってはホーンセッションなども入れた分厚いアレンジ。いい意味で、今の耳でも聴きやすいアレンジで、ブルースの入門的なアルバムとしても最適。なによりも、グルーヴィーなアレンジに、どすの利いた泥臭い近藤房之助のボーカルがしびれるようにカッコいいです!

第1弾である前作もそうだったのですが、このアルバムも、全英語詞なのですが、近藤房之助のボーカルは、英語を正しく発音しようとか、そういうことはほとんど気にしていません。むしろ、英語で上手く歌うよりも、いかにブルースの心の部分を歌に載せるか、それを意識して歌っているように感じました。そのため、まさに心につきささるようなボーカルがとても印象に残るようなアルバムに仕上がっています。

上にも書いた通り、比較的、今風のアレンジで、ロック的な要素も強いため、ブルースをあまり聴かない方でも楽しめ、かつ、ブルースの魅力を感じることが出来るアルバムだと思います。ブルースに興味はあるけど、手が出しにくくて・・・という方は、このアルバムから、元曲をたどっていってみてはいかが?

評価:★★★★★

近藤房之助 過去の作品
1968


ほかに聴いたアルバム

PARADE/HY

沖縄出身の5人組バンド、HYの2年ぶりとなるニューアルバム。沖縄らしい要素を隠し味に取り入れた、爽やかなポップソングが特徴的。ただ、メロディーは、悪くはないのですが、少々平凡な感じ。前作「Whistle」よりはよかったとは思うのですが・・・以前はもっと優れたメロディーを書いていたバンドだと思うんだけどなぁ。ちょっと勢いが衰え気味な印象は拭えません。

評価:★★★

HY 過去の作品
Whistle

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2013年1月 4日 (金)

素朴な曲が心に響く

Title:銀河のほとり、路上の花
Musician:中川敬

ソウルフラワーユニオンのボーカリスト、中川敬名義のソロ作第2弾。前作「街道筋の着地しないブルース」で傑作アルバムを聴かせてくれた彼ですが、それに続く本作でも、また傑作を私たちに届けてくれました。

楽曲は、基本的に前作と同様、ほぼアコースティックギター1本による演奏のみ。そこに、中川敬の、泥臭くも力があり、胸に響くようなボーカルがのります。前作もそうでしたが、本作も、オリジナルの他にカバーも多いアルバムで、ソウルフラワーユニオンの作品はもちろんのこと、「ホレホレ節」という、戦前、日本からハワイに移住した人たちによってつくられた「民謡」のカバーや、高田渡の「生活の柄」、ちょっと変わったところでは、二階堂和美の「女はつらいよ」のカバーなども収録されています。

「女はつらいよ」は、タイトル通り女性目線の曲なので、先日、ライブで聴いた時は正直ちょっと違和感があったのですが、このアルバムで聴くと、原曲とは違った味を感じられて、聴き入ってしまいました。

彼らしい、あくまでも街角の人たちの、日常を歌ったような暖かい曲がほとんどなのですが、それ以上に、カバーも含めて、彼が歌いたい曲を自由に歌ったという印象を受けました。特に、アルバム製作中に東日本大震災が起こり、それを意識せざる得なかった前作と比べると、肩の力がよりぬけていたようにも感じました。

とはいえ、1曲目「それでも私は海が好き」では、東日本大震災の被災者の側に立ち、津波被害を受けても、それでも海の側で生きていこうとする力強い人たちの姿を見事に描いています。ここらへんの曲は、やはり中川敬だからこそ書けた曲でしょう。

最近は、Twitterをはじめ、反原発を声高に叫んでいる彼で、このアルバムにも、中の写真に「反原発」と書かれた落書きをおさめていたり、歌詞カードでは反原発デモの模様の写真を使っていたりするのですが、楽曲自体からは直接的な政治的主張はありません。しかし、「世界はお前を待っている」やソウルフラワーユニオンの「平和に生きる権利」など、ただただ、平和に自由に暮らしたいという、人々の素朴な主張を訴えた曲があります。あくまでもポリティカルな要素を楽曲で声高に主張するのではなく、人々の素直な願いを静かに歌う、実に彼らしいやり方だと思います。

前作に続き、またもや傑作アルバムになっていた今回のアルバム。静かに平和に自由に暮らしたい、という願いすら、時として揶揄されたりするような今の時代だからこそ、強く心に響くアルバムです。

評価:★★★★★

中川敬 過去の作品
街道筋の着地しないブルース


ほかに聴いたアルバム

Acoustic&Dining/DEPAPEPE

DEPAPEPEのニューアルバムは、タイトル通り、「食」とのコラボレーションアルバムだそうで、料理研究家や、料理人などを招き、彼らが作った曲からイメージされたオリジナル料理を考えてもらい、そのレシピも掲載されているそうです。

食と音楽との融合、というのはユニークといえばユニークですが、いかにも広告代理店が思いついたような感じの企画で、狙いすぎなイメージがぬぐえません。楽曲も、そのため、爽やかなギターサウンドはいつも通りながらも、ちょっと企画に引きずられて、おとなしくまとまってしまったような印象が。この手の企画モノがやけに多い彼らですが、もうちょっとシンプルなオリジナルアルバムをもっともっと聴きたいなぁ。

評価:★★★★

DEPAPEPE 過去の作品
デパクラ~DEPAPEPE PLAYS THE CLASSIC
HOP!SKIP!JUMP!
デパナツ~drive!drive!!drive!!!~
デパフユ~晴れ時どき雪~
Do!
デパクラII~DEPAPEPE PLAYS THE CLASSICS
ONE

REVOLUTION/SEAMO

やはりSEAMOのアルバムは楽しい!あらためてそう感じさせてくれたSEAMOの最新作。特に序盤、「YOU SEAMO」や、同じ地元名古屋のバンド、SPYAIRとコラボした「ROCK THIS WAY」など、ロッキンな、ビートの強いナンバーが続く作品は、聴いていてワクワクしますし、シーモネーター名義の「万華鏡」は、タイトルから想像できる通りのエロソングで、非常に楽しい名曲(迷曲?)になっています。

ただ、一方では、「アイタイヒト」は、よくありがちな、J-POPといった感じですし、「サラリーマン黙示録」もサラリーマンをテーマにしながら、どうも表面的な内容で、共感しがたい感じも。最高におもしろい曲と、平凡なポップナンバーの振れ幅がちょっと大きかったような印象があります。全体的には楽しいナンバーなので、お薦めは出来るのですが、惜しい感じもするアルバムでした。

評価:★★★★

SEAMO 過去の作品
Round About
Stock Delivery
SCRAP&BUILD
Best of SEAMO
5WOMEN
MESSENGER
ONE LIFE
コラボ伝説

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2012年12月29日 (土)

またTM関連2作

Title:キネソロ
Musician:木根尚登

木根尚登のソロデビュー20周年記念アルバムの第4弾。今回のアルバムは、彼のソロデビュー初期、1992年から2000年にかけてリリースされたアルバムを、セルフリメイクしたアルバムになっています。

そのため、今回のアルバムは、まだTM活動中にリリースしたソロデビュー作「泣かないで」や、小室系全盛期に、小室哲哉プロデュース作として話題になり、(現時点で)彼唯一のベスト10ヒットとなった「REMEMbER ME?」も収録。TM人気からの流れで、木根ソロ作も比較的ヒットしていた時代の作品なので、熱心なファンではなくても、聴いたことある曲も少なくないかも?

そんな曲が、今回のリメイクでは全体的にフォーキーなアレンジに生まれ変わっています。特に「REMEMbER ME?」なんか、原曲は、小室アレンジということで華原朋美のコーラスも入って、鮮やかな雰囲気だったのですが、このアレンジでは、しんみりとしたアレンジになり、イメージも一新。もっとも、もともと木根尚登の曲調自体、フォーキーな作風なので、今回のアコースティックベースのフォーキーなアレンジは、原曲にもマッチしているという印象は受けました。

ただ、ちょっと奇妙だったのが、そんなフォーキーなアレンジの、所々にロック色が強いノイジーなエレキギターのサウンドが入ってくる点。アコギメインだと、インパクトが薄いと考えたからでしょうか?でも、個人的には、このノイジーなギターがアルバム全体のバランスを悪くしているような・・・。もうちょっと素直にアコギ主体のアレンジの方がよかったなぁ。原曲がいいだけに、ちょっと惜しさを感じるアルバムでした。

評価:★★★★

木根尚登 過去の作品
NEW TOWN STREET
中央線
キネバラ
キネベス
キネソロ

で、せっかく木根尚登ソロも聴いているんだから、宇都宮隆のソロアルバムも発売されたみたいなので、こちらも久々に聴いてみました。

Title:TRILOGY
Musician:宇都宮隆

とはいえ、正直ほとんど期待していなかったのですが、これが意外と好印象。確かに、あきらかにTM NETWORK時代のイメージを引きづったような楽曲も多いのですが、それはそれで、例えば「CROSS」など、歌詞にしろメロにしろ、そのまんまTMといった感じで、ファンとしてはむしろ微笑ましく感じられてしまうほど(笑)。

ただ、かといってそのまま昔のままなのか、と言われるとそうではなく、「必然の夢」「TRILOGY」など、アレンジには、現代風のエレクトロサウンドの影響も感じられ、決して90年代に留まっているわけではなく、それなりに今風のアップデイトされたウツの姿を見ることが出来ます。もっとも、メロディーや歌詞は、そのまんま90年代という曲は多いのですが・・・。

少々思い出補正も入ってしまうのですが、かつてのTM時代の宇都宮隆のイメージと、今風の音をほどよくバランスさせているような好印象を受ける作品でした。TM NETWORKのファンだった方は、聴いてみても損はないはず。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

LEO/家入レオ

デビューシングル「サブリナ」がいきなりベスト10ヒットを記録し、ブレイクした女性シンガーソングライターのデビューアルバム。YUIや絢香を輩出した音楽プロデューサー西尾芳彦が主宰する「音楽塾ヴォイス」出身のシンガーソングライターということで、要は、YUIや絢香の2番煎じ的な位置付けのミュージシャン。なので、典型的な90年代のJ-POP路線というのは、絢香に、「若い女性の本音」を歌うようなスタイルはYUIからの継承といった感じでしょうか。

ただ、とはいうものの、楽曲自体は思った以上に良い出来。そのデビューシングルでヒットした「サブリナ」をいきなり1曲目に持ってくるあたり、自信を感じさせるのですが、確かに、それだけ勢いのある内容に仕上がっていたとは思います。なにより、90年代のガールズロックらしいメロディーやサウンドが非常に懐かしさを感じさせ、いわば「おっさんホイホイ」的なミュージシャンかも(笑)。サビは、一度聴いたら忘れられないようなメロディーをきちんと書いてきており、今後もコンスタントにヒットを飛ばしそう。

一方で、歌詞は、いかにも中2病的な内容が少々陳腐かも。このアルバムにも収録されている3枚目のシングル「Bless you」の歌詞「愛なんていつも残酷で もう祈る価値ないよ」なんて、いかにも中2的な歌詞を前面に押し出しているあたり、「うーん・・・」と思ってしまう部分も。もっとも、まだ17歳の彼女なだけに、歌詞の面では、今後の成長に期待、ということで。

評価:★★★★

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2012年12月27日 (木)

まだまだ現役!

Title:GRRR!
Musician:THE ROLLING STONES

今年、結成50周年ということで大きな話題となったTHE ROLLING STONES。当初は、50周年という記念すべき年にしては、少々話題に乏しい感もあったものの、写真集の発売やドキュメンタリー映画の公開、さらには、ついに待望のライブも実施されました!残念ながらライブについては、来日の予定がないものの、やはり日本で一番大きな話題になったのは、このベスト盤と、このベスト盤に収録されている、久々の新曲2曲ではないでしょうか。

今回のベスト盤は、4種類が発売されています。もっとも、昨今のアイドルみたいに、ファンなら4種類買え、という訳ではなく、内容は重複したもの。基本は、CD3枚組、全50曲入りのバージョンが2,980円。さらに、このバージョンが、DVDサイズのボックスに収録されており、写真集がついてくるデラックス・エディションが5,000円也。さらにさらに、曲数を80曲に増やし、さらにボーナスディスクをつけ、そのうえ、7インチEPまでつけた全5枚CD+1EPのスーパーデラックスエディションが15,000円という、マニア向け。逆に、エントリーエディションとして、CD2枚組40曲に絞った、2,500円というバージョンもあります。

個人的には、スーパーデラックスエディションに惹かれつつも、さすがに15,000円という価格には手が出ず。最初、写真集がプラスされただけで、約2,000円の追加出費かぁ、ということで迷っていたのですが、結果、デラックス・エディションを購入。ただ、ハードカバーの写真集は、ミュージシャンの写真が載っているかと思いきや、キース・リチャーズのギターやら、チャーリー・ワッツのキック・ペダルやら、ツアーの告知ポスターやらの写真が載っている「資料集」としての要素が大きい、ハードカバーのしっかりした内容。ファンなら、2,000円追加出費する価値は十分にあるのではないでしょうか。

逆にエントリーエディションは、通常盤と500円程度の差しかなく、やはり完全な入門者にとっては、2枚組40曲は(確かにストーンズの魅力を伝えるには、最低、この程度は必要なのでしょうが・・・)ちょっと敷居が高い感じも。個人的には、1,500円程度で、CD1枚組全12曲程度、という形式が、完全な初心者には手が出しやすいのでは?とも思ったりして。

で、肝心の3枚のCDは、60年代中盤の初期作品が収録されたDISC1、60年代から70年代の、もっとも脂ののった時期のDISC2、70年代後半以降の曲と、新曲が入ったDISC3という構成に。やはり初々しさが残るDISC1と、代表曲の連続のDISC2が、素直に一番、魅力的。DISC3は、この2枚に比べると、若干、マンネリ気味な側面も?

そしてやはり注目は2曲の新曲。そのうち、特に「Doom And Gloom」は、ロックンロールなナンバーで、若々しいサウンドに勢いを感じられ、結成50年という大ベテランながらも、若手バンドに負けない現役感を感じさせるナンバーになっています。「One More Shot」も、彼らしい、ソウルの要素を感じられるロックンロールナンバー。こちらは逆にベテランらしい安定感を思わせるナンバー。ただ、どちらも、いまなお現役であるこということを感じられる楽曲に仕上がっていました。

そんな訳で、名曲の数々に、彼らの偉業を感じつつ、これからの活躍も楽しみになってくるベスト盤でした。次は、来日公演!実現してくれないかなぁ・・・。

評価:★★★★★

The Rolling Stones 過去の作品
Shine a Light: Original Soundtrack
Some Girls LIVE IN TEXAS '78
CHECKERBOAD LOUNGE LIVE CHICAGO 1981(邦題 ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ1981)
(MUDDY WATERS&THE ROLLING STONES


ほかに聴いたアルバム

PART LIES,PART HEART,PART TRUTH,PART GARBAGE,1982-2011(邦題:グレイテスト・ヒッツ~パート・ライズ、パート・ハート、パート・トゥルース、パート・ガービッジ、1982-2011)/R.E.M.

昨年9月、突然の解散を発表した、アメリカを代表するオルタナティヴバンドが、約30年のキャリアを総括したベスト盤。新曲3曲を含み、彼らのオールキャリアの代表曲が収録されています。

全2枚組の内容になりますが、泥臭く、いかにもアメリカンロックという雰囲気の、DISC2に収録された曲に比べると、DISC1に収録された初期のナンバーは、ロックというよりもギターポップのような、ポップス色も強い内容で、個人的には、初期のナンバーの方が好みかも。とはいえ、30年以上第一線で活躍を続けた彼ららしい名曲揃いで、あらためて解散を残念に感じます。

評価:★★★★★

R.E.M. 過去の作品
Accelerate
COLLAPSE INTO NOW

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2012年12月25日 (火)

90年代はよかった・・・ということもないですよ?

ある世代の人にとっては、驚きを感じるようなオムニバスアルバムがリリースされました。

Title:MILLION~BEST OF 90's J-POP~BLUE

Tilte:MILLION~BEST OF 90's J-POP~RED

なんと、90年代に一大ブームを作り出し、チャートを席巻したビーイング系とavex系のコラボによるコンピ。今の世代で言えば、ハロプロ系とAKB系が組んで、コンピをリリースするような感覚でしょうか?なんか、20年後くらいにそういうアルバムもリリースされそうですが・・・(^^;;

正直言うと、ビーイング系もavex系も音楽的には典型的な「商業音楽」で、音楽的な評価は決して高いわけではありません。個人的にも、特にビーイング系は、リアルタイムでは、似たような曲ばかりの陳腐なジャンルというイメージで、積極的には聴いていませんでした。ただ、それから20年近くが経ち、思い出補正も入り、今から聴いてみたら印象も違うかも?という期待もあり、懐かしさもあり聴いてみた訳ですが・・・

うーん、率直な感想、ビーイング系に関しては、予想していた以上に厳しかった(苦笑)。特に、ZYYGだのFIELD OF VIEWだのビーイング系ブームになってから、雨後の竹の子のようにデビューしてきた連中。とってつけたようなサビに、おまけのようなAメロ、Bメロ。「翼広げ過ぎ 瞳閉じすぎ」などと揶揄されるような、紋切り型の歌詞のさきがけになったような、主人公の顔が全く見えない歌詞。申し訳程度になっているだけのアレンジ。なぜあれだけ売れたのが、今から聴くと、不思議にすら感じてしまいます。

ただ、当時、ほとんど無視していたけど、今から聴くと意外と悪くなかったのが大黒摩季で、「ら・ら・ら」なんかは、ビーイング系では珍しく、顔の見える主人公をすえた、リアリティーを感じる歌詞で、メロもなかなか良いし、おや、意外と名曲かも、と思ってしまいました。

一方、もうひとつの主軸となっているのがavex系・・・というよりも、こちらも一世を風靡した小室系。こちらは、個人的にTMや渡辺美里のファンということもあり、甘い見方になってしまうのですが、やはり全盛期の曲は、勢いもあり、いいなぁ、と感じてしまいます(笑)。

特に、この時期の小室系に特徴的なのが、時代を先取りするような今風のサウンドを取り込んでいながら、非常にベタなポップにまとめている点。典型的なのがH Jungle with tの「WOW WAR TONIGHT~時には起こせよムーヴメント~」でしょうか。ジャングルという、その当時、先端を行くようなクラブ系の音を取り入れながらも、それを人気コメディアンに歌わせ、かつ、大ヒットできるようなポップに落とし込んでいるのは見事。もっとも、こういう手法が、音楽ファンの反感を買ったのも事実ですが、J-POPの音楽の幅を広げたのもまた事実だと思います。

まあ、とはいうものの、このコンピ、全体的には、思い出補正が入っていないと、あまりお薦めできないアルバム。ここ最近、アイドルやK-POPに占拠されたチャートと比べて、90年代はよかった的な意見が少なくありませんが、90年代も、ヒットチャート王道系は、今と比べて、そんなによかったとは思いませんよ?確かに、ミリオン連発で、シーン全体にいろいろな意味で余裕があったのは事実ですが・・・。

評価:
BLUE ★★★
RED ★★★


ほかに聴いたアルバム

新造ライヴレーションズ/MONOBRIGHT

個人的な予想通り、10月からの国内ツアーを最後に、ヒダカトオルと「離婚」することになったMONOBRIGHTの最新アルバム。まあ、当初から「離婚」ありきの加入だとは思っていたのですが、それにしても、ちょっと早かったような・・・。

今回のアルバム、ひとつユニークな試みがあり、それは全編新曲のオリジナルアルバムでありながら、ファンを前にしたライブでの演奏を収録した「ライブアルバム」であるという点。そのため、観客の歓声も作品の一部となっています。

楽曲に関しては、「SHOUT TO THE TOP」などはちょっとヒダカトオルっぽいなぁ、と感じるものの、全体的にはあまりヒダカトオル色は強くありません。メンバーとして、いい感じでMONOBRIGHTの中に溶け込んだ感じでしょうか。ライブレコーディングならではの緊張感があり、特に序盤に関しては、文句のない出来になっています。ただ、その勢いが中盤以降ではちょっと失速。悪くはないけど、MONOBRIGHTとしての個性があまり感じられず、ちょっと物足りなさも感じる結末になってしまいました。ライブレコーディングが上手く作用はしているけど、惜しさも感じるアルバムでした。

評価:★★★★

MONOBRIGHT 過去の作品
monobright one
monobright two
adventure
淫ビテーションe.p.
ACME

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2012年12月24日 (月)

新たなるチバユウスケの可能性

Title:DEAR ROCKERS
Musician:SNAKE ON THE BEACH

ミッシェル・ガン・エレファントのボーカルとして絶大な支持を集め、現在ではThe Birthdayのボーカリストとして、今なおロックシーンの先頭で活躍を続けるチバユウスケ。そんな彼が、「SNAKE ON THE BEACH」名義でソロアルバムをリリースしました。

特に現在活動中のThe Birthdayをやめて、何か新たな活動をスタートしよう、とかそういう意図があった訳ではなく、雑誌のインタビューによると、The Birthdayからイマイアキノブが抜け、しばらく暇になると思ったから、だそうで、その後、ご存知の通り、The Birthdayはフジイケンジが加入し、活動を継続。そのThe Birthdayの活動の合間を縫うようにしての制作作業となったようです。

今回のアルバム、一番驚かされるのは、その楽曲の方向性。チバユウスケといえば、ミッシェルにしろ、The Birthdayにしろ、その前に活動したROSSOにしろ、ガレージロック、パブロックというイメージが強いのですが、このアルバム、1曲目「Deah John」から、まず静かなピアノからスタート。1分以上経って、ようやくチバの聴きなれたがなり声が聴こえたかと思えば、打ち込みのリズムがはじまり、ピアノと打ち込みのリズムの対比が印象的な曲になっています。

続く「Coldman」も、おなじみなノイジーギターではじまるかと思えば、テンションの低いボーカルが淡々と続く展開に、どこかミニマルテイストなものを感じますし、一番意外だったのは「YUKI」。郷愁を誘うピアノのインスト曲になっており、チバユウスケのイメージからすると、驚きさえ感じさせるナンバーになっています。

ガレージロック風のバラードナンバーの「NIL」みたいに、チバユウスケのパブリックイメージに合ったようなナンバーもあるものの、一方では、彼の特徴あるボーカルに頼らないインストナンバーも多く、ミッシェルやThe Birthdayのイメージからすると、かなり意外に感じらえっるようなナンバーが多く収録されていました。

思うに、チバユウスケというボーカリストは、その特徴あるしゃがれ声が、ガレージロックやパブロックなどのジャンルにピッタリマッチ。そのため、いままで、そういうジャンルの音楽ばかりに取り組んできました。

ただ、その結果、チバユウスケのイメージがついてしまい、演れる音楽の幅が狭くなってしまっていたイメージがあります。そんな中、決してイメージに囚われず、音楽性の幅を広げ、新たな可能性を模索しようとする姿がこのアルバムにはありました。

もっとも、それが成功しているか、といわれると少々微妙で、アルバム全体としては、とっちらかった感も否めず、挑戦も中途半端な印象も受けます。所々に入っているガレージロックな曲を聴くと、やはりこの声は、こういうタイプのロックに合っているよなぁ、とも感じてしまうのも事実。そういう意味では、このアルバム、残念ながら「傑作」とは言えません。

とはいえ、現状に満足せず、挑戦を続けようとする彼の姿勢には、大いに応援したいところ。今後、この活動がThe Birthdayなどにどのように反映されるかは不明です。ただ、是非、今後もコンスタントに、こういうソロ活動をしてほしいなぁ。万人にお薦めというアルバムではありませんが、いろいろな意味で、ファンならチェックしておきたい作品でしょう。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

HALLOWEEN ADDICTION-ハロウィン中毒-/Tommy february6&Tommy heavenly6

ハロウィンを題材にした曲を3曲収録した、企画盤的なアルバム。いずれの曲も10分を超える内容で、演劇風の展開の凝った内容。フェブラリーの側面のヘヴンリーの側面があるものの、通して聴くと、あまり意識せず、どちらもハロウィンらしい、西洋風の、ちょっと怪しげでファンタジックな内容に。ある意味、とても彼女らしい企画盤といった感じ。

評価:★★★★

Tommy february6/Tommy Heavenly6 過去の作品
I KILL MY HEART(Tommy Heavenly6)
Strawberry Cream Soda Pop “Daydream”(Tommy February6)
Gothic Melting Ice Cream’s Darkness “Nightmare”(Tommy heavenly6)

FEBRUARY&HEAVENLY(Tommy february6/Tommy heavenly6)

Have a Nice Day/SPECIAL OTHERS

メロディアスで軽快なポップチューンが心地よいインストアルバム。スカやロックなどの要素も入れつつ、「barrel」みたいに、ちょっとジャジーで、ブルージーな要素も感じるような曲も。所々感じる、ブラック・ミュージックからの影響が、楽曲に深みを与えていい感じに。

評価:★★★★★

SPECIAL OTHERS 過去の作品
QUEST
PB
THE GUIDE
SPECIAL OTHERS

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2012年12月23日 (日)

祝!紅白初出場!!

ここ最近、急激に人気と知名度が高まってきたせっちゃんこと斉藤和義。今年は、なんと紅白歌合戦への初登場も決まり、その知名度は「お茶の間」レベルにまで高まっています。そんな中、なんと元BLANKEY JET CITYのドラマー、中村達也とMANNISH BOYSというバンドを結成。アルバムをリリースしました。

Title:Ma!Ma!Ma!MANNISH BOYS!!!
Musician:MANNISH BOYS

斉藤和義のギターと、中村達也のドラムがベースとなっているバンドということもあり、アルバムは、かなりハードで、ガレージテイストのロックなアルバム。もともと、斉藤和義の楽曲でもロックなナンバーは少なくありませんでしたが、自己紹介的なナンバーである「MANNISH BOYSのテーマ」といい、中盤の「Mach Venus」といい、ロックでパンクな側面を強く押し出しており、むしろ中村達也からの影響か、怪しげな雰囲気のサウンドといい、ブランキーあたりの影さえちらり?

ロックでパンクな側面はサウンドだけではなく、歌詞の側面でも。「ないない!」では、かなりストレートかつ具体的に反原発、というよりも、原発事故から時間がたち、うやむやのうちに3月11日以前に戻そうとする政府や原子力発電の関係者を、強烈に皮肉っています。

2人のみのバンドということもあり、2人でロックを楽しんでいるということを感じさせる側面も。ユーモラスだったのが「あいされたいやつらのひとりごと~青春名古屋編~」で、中村達也が育った街、名古屋の有名店が歌詞に織り込まれたナンバー。ちょっとステレオタイプな名古屋弁は、苦笑いモノなので、有名店も、「ピカイチ」以外はおそらくここ最近、東京でも知れてきたような店ばかりと思われるので、期待したほどではなかったのですが、ともかく、とてもユーモラスな楽曲でした。

ただ・・・正直、せっちゃんと中村達也という実力派2人のバンドとしてはちょっと物足りなく感じた面も。ロックという側面を意識的に押し出したからかもしれませんが、斉藤和義の大きな特徴でもある、日常的な風景と心情を織り込んだような歌詞が少なかった点。また、「LOVE&LOVE」みたいな曲もあったものの、全体的には、せっちゃんらしい、心にグッと来るようなメロディーが少なかった点があげられます。

斉藤和義と中村達也という才能が融合して、単純に足し算がされたというよりも、足して2で割ってしまった感じかなぁ。そういう意味で、ちょっと惜しかったような感じも。とはいえ、近い部分もありつつも、異なる才能の持ち主の2人組のバンドなだけに、これ1枚で終わるのは惜しい気も。2作3作と続けて、是非とも傑作を聴かせてください!

評価:★★★★

で、せっちゃんがらみでもう1枚。どちらかというとMANNISH BOYSで物足りなかった側面は、こちらで聴けたのかもしれませんが・・・。

Title:ONE NIGHT ACOUSTIC RECORDING SESSION at NHK CR-509 Studio
Musician:斉藤和義

来年、デビュー20周年を迎える彼が、その20周年記念企画第1弾としてリリースした、アコースティックによるリメイクアルバム。一夜限りのスペシャルバンドによるセッションによるアルバムだそうで、選曲も彼本人によるもの。中島みゆきの「蕎麦屋」のカバーも収録されています。

選曲に、その楽曲自体の内容、そして、演奏自体には文句のつけようがありません。MANNISH BOYSが、彼のロックな側面を強調したものだとすると、こちらは、彼のもうひとつのポップな側面を強調した感じのアルバムになっています。

ただ・・・アコースティックによるリメイクということなのですが、元々アコースティックテイストが強かった曲だけに、そんなに新たな発見、ということを感じられなかったのが残念な点か。もちろん、内容自体は、誰もが文句なしに楽しめる名曲揃いという点は、間違いないのですが。

評価:★★★★

斉藤和義 過去の作品
I (LOVE) ME
歌うたい15 SINGLES BEST 1993~2007
Collection "B" 1993~2007
月が昇れば
斉藤“弾き語り”和義 ライブツアー2009≫2010 十二月 in 大阪城ホール ~月が昇れば 弾き語る~
ARE YOU READY?
45 STONES


ほかに聴いたアルバム

叙景ゼロ番地/eastern youth

ノイジーなギターとシャウト、そして、非常に叙情的な歌詞にメロディー。ある意味、円熟の域に達しているような感のあるeastern youthの新作。マンネリ気味といわれればマンネリ気味な気もするのですが、完全に彼らにしか出来ない世界観を作り出しているのは相変わらず。中盤以降は、いつも以上にポップで、いい意味で聴きやすいメロディーラインが印象に残りました。

評価:★★★★

eastern youth 過去の作品
地球の裏から風が吹く
1996-2001
2001-2006

歩幅と太陽
心ノ底ニ灯火トモセ

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2012年12月21日 (金)

12年の歩み

Title:ベリー ベスト オブ ゴー!ゴー!
Musician:GO!GO!7188

昨年2月に、突如解散を発表したGO!GO!7188。突然の発表で、解散ライブなどもなく、その後、ライブベストとカップリング&レア音源集がリリースされたのみ。そして、ある種お決まりのように、集大成的なシングルベストのリリースとなりました。

今回のシングル集は、彼女たちが発表したシングルを発売順に並べたもの。ある意味、何も工夫もない、いかにも最後のお小遣い稼ぎ的なベスト盤ではあるものの、むしろ、そのシンプルな曲構成ゆえに、彼女たちの歩みをよく知ることが出来るベスト盤になっています。

前にも書いた通り、GO!GO!7188は、デビュー当初、はまりまくり、ライブなども数多く足を運んでいたバンド。そうい意味では、デビュー直後のシングルは思い入れも深く、そしてやはり今聴いても楽しむことが出来ました。特に、「太陽」から「こいのうた」への流れは、かなり強烈。グループサウンズと歌謡曲、ガレージパンクとポップをごちゃまぜにした、GO!GO!7188の魅力がグッと凝縮されている、といっても過言ではないかと思います。

その後は、私のGO!GO!7188熱も少々醒めてしまうのですが、それでも中盤の頃までの曲は、名曲が多いですね。特に、グループサウンズを完全に意識したような「あぁ青春」「C7」のあたりは、GO!GO!7188らしさとして、周りから求められているのにきちんと応じつつも、決してマンネリにならずに聴かせるポップソングを作り上げている、もっとも脂がのっているように感じます。

ただ、後期になると、少々マンネリ気味になってきたのは否めず。「片思いファイター」など、スカのリズムを入れつつ、軽快なポップにまとめてきたり、新たなGO!GO!7188像に挑戦しつつ、少々中途半端に終わってしまったようにも感じます。それでも、ポップソングとして十分耳を惹くだけのポピュラリティーはありますが・・・。

そんな訳で、メジャーデビューから12年。GO!GO!7188の歩みを手軽に聴けるベスト盤でした。ベスト盤にありがちな、いろいろな曲を詰め込んだ感じはなく、CD1枚におさめている点、初心者にも手を出しやすいかも。今からでも遅くありません!まず最初の1枚として是非。

評価:★★★★★

GO!GO!7188 過去の作品
虎の穴2
2マンTour 徹子のHair+Open Night Family~夜明けの家族
アンテナ
Go!!GO!GO!Go!!
アコースティック大作戦!!アコースティック・ライブ・ベスト
ラストライブ オブ ゴー!ゴー!
カップリング ベスト オブ ゴー!ゴー!
レア コレクション オブ ゴー!ゴー!


ほかに聴いたアルバム

Back in the Summer/COMEBACK MY DAUGHTERS

COMEBACK MY DAUGHTERSの新作は、タイトル通り、夏の終わりを意識したかのようなミニアルバム。ちょっとけだるい雰囲気ながらも、同時に爽やかさを感じるポップソングが魅力的。派手さはないものの、しんみり聴かせる美メロは相変わらず。全6曲入りのミニアルバムですが、そのうち半分はギターインストナンバー。

評価:★★★★

COMEBACK MY DAUGHTERS 過去の作品
EXPerience
OUTTA HERE

GOLDEN DELUXE/Little Tempo

デビュー20周年を記念してリリースされた本人たち選曲によるベスト盤。Little Tempoというと、スチールパンをメインに、爽やかなラテン風のインストナンバーを届けてくれる、というイメージ。実際、そんな心地よい風が吹きぬけるような曲も多い反面、ダブを取り入れた曲、ポストロック風な曲など、サウンドは複雑多岐。その確かな実力を感じます。さすがに3枚組というフルボリュームは、ファン以外にはなかなか手が出せなさそうですが、それでも、聴き始めるとあっという間に聴けてしまうような密度たっぷりのベスト盤でした。

評価:★★★★★

LITTLE TEMPO 過去の作品
山と海
太陽の花嫁

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2012年12月20日 (木)

沖縄発世界一周?

Title:トロピカルフーズ
Musician:BEGIN

最近、ベスト盤や「島唄」でのリリースが相次いでいたため、オリジナルとしては約3年ぶりとなるニューアルバム。BEGINといえば、沖縄というイメージが強い彼らですが、今回のアルバムは、沖縄音楽の要素をその主軸として残しながらも、世界各地の音楽を取り込んだアルバムになっていました。

1曲目の「ウルマメロディー」は、三線を入れた、いつもながらの沖縄音楽からスタートするのですが、「我ったータイムは八重山タイム」はカントリー風、「Churrasco」はラテンの軽快なサウンド。「グッドナイト・アイリーン」は、フォークミュージックの要素を強く感じます。

世界各地の音楽ということで、イメージ的にはワールドミュージックの装いだったように感じます。ただ、歌詞は、「帰郷」にしろ「国道508号線」にしろ、沖縄をテーマとした曲が多く、あくまでも彼らの軸足は沖縄から離れていないことが感じられます。

まさに沖縄発世界一周といった感じのアルバムなのですが、ただ、彼らの曲にひとつ共通したものがあり、それは彼らの曲が、あくまでも「庶民の歌」がベースであるという点。彼らが演奏する楽曲は、いわば街角で、おっちゃんやおばちゃんが楽しそうに歌っていそうな音楽。非常にシンプルで暖かみのあり、でも陽気で楽しい楽曲ばかりで、それは、どんな音楽のジャンルを取り入れてもぶれることはありません。むしろ、今回のアルバムでは、「沖縄」だけに捕らわれない、様々なジャンルの音を取り込んだからこそ、そういう彼らのコアの部分が、より明確になったように感じます。

そんな彼らの音楽だからこそ、誰にでも無条件で薦められるような傑作に仕上がっていました。聴いていて、知らず知らずに一緒に歌いだしてしまいそうな、あるいはほっこりと暖かい気分になりそうな、そんな素敵なアルバムです。

評価:★★★★★

BEGIN 過去の作品
3LDK
ビギンの島唄 オモトタケオ3
ビギンの島唄 オモトタケオのがベスト


ほかに聴いたアルバム

常夜灯/中島みゆき

中島みゆきといえば、どちらかというと社会の「影」になりそうな人たちにスポットをあてた曲が多い、という印象があります。今回の曲は、まさに、そんな社会の中で、「弱者」と呼ばれそうな人たちにスポットをあてたような曲が目立ちました。挫折した人、社会から虐げられている人、そういう人たちの背中をそっとやさしく押すような楽曲が目立ちます。どうも威勢の良いことを言うことに支持があつまりがちな昨今、彼女の書く曲は、もっと見直されるべき時期に来ているような。

評価:★★★★

中島みゆき 過去の作品
DRAMA!
真夜中の動物園
荒野より

B.O.N.D./スターダストレビュー

こちらも、デビューから30年以上が経過した超ベテランバンド、スタレビの最新作。ユーモラスがあったり、しんみり聴かせたり、軽快に楽しませてくれたり、いい意味でのベテランらしい安定感があるのはいつも通り。ただ・・・今回の作品、少々アレンジに不満が。どうも無駄にシンセの音が入りすぎているような印象を受けました。それも、妙に音がチープだったような印象が・・・。ちょっと残念に感じられるアルバムでした。

評価:★★★

スターダストレビュー 過去の作品
31
ALWAYS
BLUE STARDUST
RED STARDUST

太陽のめぐみ

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