またTM関連2作
Title:キネソロ
Musician:木根尚登
木根尚登のソロデビュー20周年記念アルバムの第4弾。今回のアルバムは、彼のソロデビュー初期、1992年から2000年にかけてリリースされたアルバムを、セルフリメイクしたアルバムになっています。
そのため、今回のアルバムは、まだTM活動中にリリースしたソロデビュー作「泣かないで」や、小室系全盛期に、小室哲哉プロデュース作として話題になり、(現時点で)彼唯一のベスト10ヒットとなった「REMEMbER ME?」も収録。TM人気からの流れで、木根ソロ作も比較的ヒットしていた時代の作品なので、熱心なファンではなくても、聴いたことある曲も少なくないかも?
そんな曲が、今回のリメイクでは全体的にフォーキーなアレンジに生まれ変わっています。特に「REMEMbER ME?」なんか、原曲は、小室アレンジということで華原朋美のコーラスも入って、鮮やかな雰囲気だったのですが、このアレンジでは、しんみりとしたアレンジになり、イメージも一新。もっとも、もともと木根尚登の曲調自体、フォーキーな作風なので、今回のアコースティックベースのフォーキーなアレンジは、原曲にもマッチしているという印象は受けました。
ただ、ちょっと奇妙だったのが、そんなフォーキーなアレンジの、所々にロック色が強いノイジーなエレキギターのサウンドが入ってくる点。アコギメインだと、インパクトが薄いと考えたからでしょうか?でも、個人的には、このノイジーなギターがアルバム全体のバランスを悪くしているような・・・。もうちょっと素直にアコギ主体のアレンジの方がよかったなぁ。原曲がいいだけに、ちょっと惜しさを感じるアルバムでした。
評価:★★★★
木根尚登 過去の作品
NEW TOWN STREET
中央線
キネバラ
キネベス
キネソロ
で、せっかく木根尚登ソロも聴いているんだから、宇都宮隆のソロアルバムも発売されたみたいなので、こちらも久々に聴いてみました。
Title:TRILOGY
Musician:宇都宮隆
とはいえ、正直ほとんど期待していなかったのですが、これが意外と好印象。確かに、あきらかにTM NETWORK時代のイメージを引きづったような楽曲も多いのですが、それはそれで、例えば「CROSS」など、歌詞にしろメロにしろ、そのまんまTMといった感じで、ファンとしてはむしろ微笑ましく感じられてしまうほど(笑)。
ただ、かといってそのまま昔のままなのか、と言われるとそうではなく、「必然の夢」や「TRILOGY」など、アレンジには、現代風のエレクトロサウンドの影響も感じられ、決して90年代に留まっているわけではなく、それなりに今風のアップデイトされたウツの姿を見ることが出来ます。もっとも、メロディーや歌詞は、そのまんま90年代という曲は多いのですが・・・。
少々思い出補正も入ってしまうのですが、かつてのTM時代の宇都宮隆のイメージと、今風の音をほどよくバランスさせているような好印象を受ける作品でした。TM NETWORKのファンだった方は、聴いてみても損はないはず。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
LEO/家入レオ
デビューシングル「サブリナ」がいきなりベスト10ヒットを記録し、ブレイクした女性シンガーソングライターのデビューアルバム。YUIや絢香を輩出した音楽プロデューサー西尾芳彦が主宰する「音楽塾ヴォイス」出身のシンガーソングライターということで、要は、YUIや絢香の2番煎じ的な位置付けのミュージシャン。なので、典型的な90年代のJ-POP路線というのは、絢香に、「若い女性の本音」を歌うようなスタイルはYUIからの継承といった感じでしょうか。
ただ、とはいうものの、楽曲自体は思った以上に良い出来。そのデビューシングルでヒットした「サブリナ」をいきなり1曲目に持ってくるあたり、自信を感じさせるのですが、確かに、それだけ勢いのある内容に仕上がっていたとは思います。なにより、90年代のガールズロックらしいメロディーやサウンドが非常に懐かしさを感じさせ、いわば「おっさんホイホイ」的なミュージシャンかも(笑)。サビは、一度聴いたら忘れられないようなメロディーをきちんと書いてきており、今後もコンスタントにヒットを飛ばしそう。
一方で、歌詞は、いかにも中2病的な内容が少々陳腐かも。このアルバムにも収録されている3枚目のシングル「Bless you」の歌詞「愛なんていつも残酷で もう祈る価値ないよ」なんて、いかにも中2的な歌詞を前面に押し出しているあたり、「うーん・・・」と思ってしまう部分も。もっとも、まだ17歳の彼女なだけに、歌詞の面では、今後の成長に期待、ということで。
評価:★★★★
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