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2012年12月 9日 (日)

ブレイク後の彼ら

Title:BOUGER LE MONDE!(邦題:世界を動かせ!)
Musician:STAFF BENDA BILILI

アフリカは、コンゴ民主共和国出身のバンド。メンバーは、ポリオによる障害者やストリートチルドレン。路上生活の中、バンド活動を行い、前作「屈強のコンゴ魂」も野外で録音されました。しかし、そんな前作が、彼らの境遇という面だけではなく、音楽的にも大きな話題になり、スマッシュ・ヒットを記録。彼らについてのドキュメンタリー映画も作成され、さらには来日公演も果たしました。

まさにコンゴの路上から誕生したバンドが大成功を収めた訳で、そんな彼らの2作目。まず、ジャケットからして、デビューアルバムと異なり、一気に派手なお金をかけたような内容に。なにより着ている服が一気に垢抜けています。また、野外レコーディングだった前作から一変、今回はちゃんと(?)スタジオをつかって録音された内容になっています。

文字通りの成功者となった彼ら。ハングリー精神旺盛だった彼らの音楽性も、すっかりおとなしくなってしまって・・・・・・とはなっていないので、前作で彼らを気に入った方はどうかご安心を。むしろ、2作目になり、パワーアップした出来に仕上がっていました。

ファンクやソウルにレゲエなどの要素を混ぜたような独特の音楽性は相変わらず。今回の作品は、よりライブを意識したような出来になっていました。前回、来日した時に彼らのライブにも参加したのですが、そのアグレッシブなステージは、CD録音とは大きく異なっていてビックリした記憶があります。今回のアルバムは、彼らのライブでみせてくれたアグレッシブな側面がより前面に出ていて、ライブで感じたワクワク感が、CDでも感じることが出来ました。

「Osali Mabe」「Bilanga」あたりもアップテンポな内容が、ライブで盛り上がりそうなのですが、特にインパクトを感じたのが「Libala Ya Mungwa」で、ハイテンポなリズムに、彼らの音楽の大きな特徴となっている、サントゲという、空き缶に弦を貼っただけの楽器が奏でる独特な音色が印象的な作品。ちなみに、これに続く「Souci」は、この間の来日ライブでも演奏されていたなぁ、と懐かしく感じたり・・・。

いい意味で垢抜けた内容に仕上がっていて、前作で気に入った方ももちろん、アフリカ音楽をあまり聴いたことない方でもお薦めできそうな内容になっていました。この音源を、ライブで聴けたら、すごく楽しそうだなぁ。また、来日してくれないかな?また、彼らのライブに駆けつけたくなってくる、そんなアルバムでした。

評価:★★★★★

STAFF BENDA BILILI 過去の作品
TRES TRES TRES(邦題:屈強のコンゴ魂)


ほかに聴いたアルバム

Junk of the Heart/THE KOOKS

イギリスで人気の4人組ロックバンドによる3年ぶりのニューアルバム。シンプルでメロディアスなギターロックは、いかにもイギリスのバンドといった印象。オーケストラアレンジの曲があったり、打ち込みを取り入れたりと、バリエーションもあり、素直なポップのアルバムとして楽しめる感じになっています。

評価:★★★★

THE KOOKS 過去の作品
Konk

Making Mirrors/Gotye

このアルバムが、世界的なヒットを記録したオーストリアのシンガーソングライター。様々な音を詰め込んだポップソングは、日本でいえば、宅録系といった印象。バリエーションの富んだ作風で、インパクトあるポップソングもあるが、いい意味でも悪い意味でもつかみどころがない感じ。

評価:★★★★

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