沖縄発世界一周?
Title:トロピカルフーズ
Musician:BEGIN
最近、ベスト盤や「島唄」でのリリースが相次いでいたため、オリジナルとしては約3年ぶりとなるニューアルバム。BEGINといえば、沖縄というイメージが強い彼らですが、今回のアルバムは、沖縄音楽の要素をその主軸として残しながらも、世界各地の音楽を取り込んだアルバムになっていました。
1曲目の「ウルマメロディー」は、三線を入れた、いつもながらの沖縄音楽からスタートするのですが、「我ったータイムは八重山タイム」はカントリー風、「Churrasco」はラテンの軽快なサウンド。「グッドナイト・アイリーン」は、フォークミュージックの要素を強く感じます。
世界各地の音楽ということで、イメージ的にはワールドミュージックの装いだったように感じます。ただ、歌詞は、「帰郷」にしろ「国道508号線」にしろ、沖縄をテーマとした曲が多く、あくまでも彼らの軸足は沖縄から離れていないことが感じられます。
まさに沖縄発世界一周といった感じのアルバムなのですが、ただ、彼らの曲にひとつ共通したものがあり、それは彼らの曲が、あくまでも「庶民の歌」がベースであるという点。彼らが演奏する楽曲は、いわば街角で、おっちゃんやおばちゃんが楽しそうに歌っていそうな音楽。非常にシンプルで暖かみのあり、でも陽気で楽しい楽曲ばかりで、それは、どんな音楽のジャンルを取り入れてもぶれることはありません。むしろ、今回のアルバムでは、「沖縄」だけに捕らわれない、様々なジャンルの音を取り込んだからこそ、そういう彼らのコアの部分が、より明確になったように感じます。
そんな彼らの音楽だからこそ、誰にでも無条件で薦められるような傑作に仕上がっていました。聴いていて、知らず知らずに一緒に歌いだしてしまいそうな、あるいはほっこりと暖かい気分になりそうな、そんな素敵なアルバムです。
評価:★★★★★
BEGIN 過去の作品
3LDK
ビギンの島唄 オモトタケオ3
ビギンの島唄 オモトタケオのがベスト
ほかに聴いたアルバム
常夜灯/中島みゆき
中島みゆきといえば、どちらかというと社会の「影」になりそうな人たちにスポットをあてた曲が多い、という印象があります。今回の曲は、まさに、そんな社会の中で、「弱者」と呼ばれそうな人たちにスポットをあてたような曲が目立ちました。挫折した人、社会から虐げられている人、そういう人たちの背中をそっとやさしく押すような楽曲が目立ちます。どうも威勢の良いことを言うことに支持があつまりがちな昨今、彼女の書く曲は、もっと見直されるべき時期に来ているような。
評価:★★★★
B.O.N.D./スターダストレビュー
こちらも、デビューから30年以上が経過した超ベテランバンド、スタレビの最新作。ユーモラスがあったり、しんみり聴かせたり、軽快に楽しませてくれたり、いい意味でのベテランらしい安定感があるのはいつも通り。ただ・・・今回の作品、少々アレンジに不満が。どうも無駄にシンセの音が入りすぎているような印象を受けました。それも、妙に音がチープだったような印象が・・・。ちょっと残念に感じられるアルバムでした。
評価:★★★
スターダストレビュー 過去の作品
31
ALWAYS
BLUE STARDUST
RED STARDUST
太陽のめぐみ
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