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2012年12月23日 (日)

祝!紅白初出場!!

ここ最近、急激に人気と知名度が高まってきたせっちゃんこと斉藤和義。今年は、なんと紅白歌合戦への初登場も決まり、その知名度は「お茶の間」レベルにまで高まっています。そんな中、なんと元BLANKEY JET CITYのドラマー、中村達也とMANNISH BOYSというバンドを結成。アルバムをリリースしました。

Title:Ma!Ma!Ma!MANNISH BOYS!!!
Musician:MANNISH BOYS

斉藤和義のギターと、中村達也のドラムがベースとなっているバンドということもあり、アルバムは、かなりハードで、ガレージテイストのロックなアルバム。もともと、斉藤和義の楽曲でもロックなナンバーは少なくありませんでしたが、自己紹介的なナンバーである「MANNISH BOYSのテーマ」といい、中盤の「Mach Venus」といい、ロックでパンクな側面を強く押し出しており、むしろ中村達也からの影響か、怪しげな雰囲気のサウンドといい、ブランキーあたりの影さえちらり?

ロックでパンクな側面はサウンドだけではなく、歌詞の側面でも。「ないない!」では、かなりストレートかつ具体的に反原発、というよりも、原発事故から時間がたち、うやむやのうちに3月11日以前に戻そうとする政府や原子力発電の関係者を、強烈に皮肉っています。

2人のみのバンドということもあり、2人でロックを楽しんでいるということを感じさせる側面も。ユーモラスだったのが「あいされたいやつらのひとりごと~青春名古屋編~」で、中村達也が育った街、名古屋の有名店が歌詞に織り込まれたナンバー。ちょっとステレオタイプな名古屋弁は、苦笑いモノなので、有名店も、「ピカイチ」以外はおそらくここ最近、東京でも知れてきたような店ばかりと思われるので、期待したほどではなかったのですが、ともかく、とてもユーモラスな楽曲でした。

ただ・・・正直、せっちゃんと中村達也という実力派2人のバンドとしてはちょっと物足りなく感じた面も。ロックという側面を意識的に押し出したからかもしれませんが、斉藤和義の大きな特徴でもある、日常的な風景と心情を織り込んだような歌詞が少なかった点。また、「LOVE&LOVE」みたいな曲もあったものの、全体的には、せっちゃんらしい、心にグッと来るようなメロディーが少なかった点があげられます。

斉藤和義と中村達也という才能が融合して、単純に足し算がされたというよりも、足して2で割ってしまった感じかなぁ。そういう意味で、ちょっと惜しかったような感じも。とはいえ、近い部分もありつつも、異なる才能の持ち主の2人組のバンドなだけに、これ1枚で終わるのは惜しい気も。2作3作と続けて、是非とも傑作を聴かせてください!

評価:★★★★

で、せっちゃんがらみでもう1枚。どちらかというとMANNISH BOYSで物足りなかった側面は、こちらで聴けたのかもしれませんが・・・。

Title:ONE NIGHT ACOUSTIC RECORDING SESSION at NHK CR-509 Studio
Musician:斉藤和義

来年、デビュー20周年を迎える彼が、その20周年記念企画第1弾としてリリースした、アコースティックによるリメイクアルバム。一夜限りのスペシャルバンドによるセッションによるアルバムだそうで、選曲も彼本人によるもの。中島みゆきの「蕎麦屋」のカバーも収録されています。

選曲に、その楽曲自体の内容、そして、演奏自体には文句のつけようがありません。MANNISH BOYSが、彼のロックな側面を強調したものだとすると、こちらは、彼のもうひとつのポップな側面を強調した感じのアルバムになっています。

ただ・・・アコースティックによるリメイクということなのですが、元々アコースティックテイストが強かった曲だけに、そんなに新たな発見、ということを感じられなかったのが残念な点か。もちろん、内容自体は、誰もが文句なしに楽しめる名曲揃いという点は、間違いないのですが。

評価:★★★★

斉藤和義 過去の作品
I (LOVE) ME
歌うたい15 SINGLES BEST 1993~2007
Collection "B" 1993~2007
月が昇れば
斉藤“弾き語り”和義 ライブツアー2009≫2010 十二月 in 大阪城ホール ~月が昇れば 弾き語る~
ARE YOU READY?
45 STONES


ほかに聴いたアルバム

叙景ゼロ番地/eastern youth

ノイジーなギターとシャウト、そして、非常に叙情的な歌詞にメロディー。ある意味、円熟の域に達しているような感のあるeastern youthの新作。マンネリ気味といわれればマンネリ気味な気もするのですが、完全に彼らにしか出来ない世界観を作り出しているのは相変わらず。中盤以降は、いつも以上にポップで、いい意味で聴きやすいメロディーラインが印象に残りました。

評価:★★★★

eastern youth 過去の作品
地球の裏から風が吹く
1996-2001
2001-2006

歩幅と太陽
心ノ底ニ灯火トモセ

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