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2012年11月26日 (月)

懐かしの女性シンガーたち

今日紹介する2人の女性シンガーは、いずれも私が高校時代によく聴いていたシンガーたち。一時期は高い人気を誇ったのですが、その後、人気は低迷し、今も活動は続けているみたいですが、残念ながら、あまりその名前を聞かなくなってしまいました。廉価版ベスト盤シリーズの「GOLDEN☆BEST」で、ちょうど2人とも取り上げられたことから、懐かしくなり聴いてみました。

Title:GOLDEN☆BEST 久松史奈 SINGLE COLLECTION
Musician:久松史奈

まずは1992年にシングル「天使の休息」がドラマ主題歌に起用され、オリコン最高位10位というヒットを記録した久松史奈。地元名古屋出身で、私が高校時代によく聞いていたラジオ番組のパーソナリティーとして出演していたりしていたこともあり、ある種の思いいれがあるシンガー。ベスト10入りを記録したのはシングルがこれ1枚。アルバムでは、オリジナル2枚とベスト盤1枚がベスト10入りを記録していますが、一般的には、「一発屋」という印象も強いかもしれません。現在は、ライブを中心に活動をしているほか、CHAGEのアルバムなどに参加するなどして活躍しているようです。

タイトル通り、シングルとして発売された全曲と、そのカップリングが収録されている内容で、大ヒットした「天使の休息」ももちろん収録されています。個人的に思い入れがあることもあり、彼女のアルバムは結構な時期まで聴いていたので、このアルバムに収録されている曲は、ほとんどがリアルタイムで聴いた記憶が。そういう意味では、とても懐かしさを感じます。

デビュー当初の作品は、アレンジも非常にチープで、80年代の色合いを濃く感じるのですが、ブレイク直前の曲あたりからは典型的な90年代のJ-POPというイメージ。ハードロックテイストに、ほどよくバンドサウンドが入れられつつ、メロディーはとことんポップなポップスロックで、サビの部分が妙に強調されているというのは、まさにこの時代の王道ヒット曲。1992年という年は、いわゆるビーイングブームがはじまった年で、ビーイング系も、この手のポップスロックの曲がブームの主流で、ある意味、この手の音がこの時代にもっとも受け入れられる音だったと思います。(久松史奈はビーイング系でありませんが)

思い出補正が入っているので(笑)懐かしく聴けて楽しめたベスト盤ですが、今の世代に素直に薦められるかといわれるとちょっと微妙な面も。ヒットした「天使の休息」や最高位15位のスマッシュヒットを記録した「MAYBE」あたりの雰囲気が好きなら気に入るかも。

評価:★★★★

Title:GOLDEN☆BEST 橘いずみ+榊いずみ -20th ANNIVERSARY-
Musician:橘いずみ(榊いずみ)

で、こちらは1993年にシングル「失格」がスマッシュヒットを記録して、一躍話題となった女性シンガー。2005年に結婚して、ミュージシャン名も本名にあわせて改名されたみたいです。その後リリースされた「永遠のパズル」は最高位9位を記録。一時期は、本音を激しい言葉で綴った内省的な歌詞から、「女尾崎」と呼ばれていたりして、積極的にプッシュされていたのですが、結局、シングルでのベスト10入りはこの1曲だけ。アルバムでは3枚のベスト10入りを記録。「失格」のヒットもあるので(チャート的には最高位39位)、「一発屋」というイメージはさほど強くないかもしれませんが、残念ながら大ブレイクとまでは至りませんでした。彼女も、現在もコンスタントに活動は続けているようです。

「失格」がヒットした当時は、尾崎豊の急逝の直後で、尾崎豊ブームが続いていたこと、また、当時、この手の女性シンガーが少なかったことから、「女尾崎」として売られていましたが、あらためて彼女の楽曲を聴くと、歌われている内容は、社会からの期待と、女性以前の人間として生きようとする自分の間でもがく、20代OLの本音といった感じで、10代の学生の本音を歌った尾崎豊とはちょっと方向性は異なる感じ。まあ、ブームに便乗して、といった感じなんでしょうか。

このベスト盤では、「失格」のヒット直後の代表曲がDisc1に、「失格」からちょっと時間を置き、ブームも一段落した後の曲がDisc2に収録されています。Disc1収録曲は、まさに「失格の延長線上にあるような曲ばかり。一方でDisc2に収録されている曲は、もうちょっと肩の力が抜けて、「失格」のイメージから抜け出したようなポップソングが並んでいます。

でも、このDisc2の曲は、肩の力が抜けてはいるのですが、どうも平凡なポップスで、彼女だけが持つような個性が消えてしまっているような感じ・・・。かといって、Disc1も、いかにも「失格」のイメージを強制されたような感じも否めません。

この手の「女性の本音」を歌うシンガーが増えてきた今だったら、変に「失格」のイメージだけに囚われずに、もっと幅広い曲を、早い時期に歌えたのかもしれません。そういう意味では、彼女の登場は、ちょっと早すぎたのかもしれません。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

2002-2012 Decade Selection/FAKE?

もともとは、Oblivion Dustが解散した直後のKEN LLOYDと、LUNA SEAのINORANが組んだユニット。2005年にINORANが脱退後は、KEN LLOYDのソロプロジェクトとして、Oblivion Dustの活動が再開された後も、断続的に活動は続いているようです。このアルバムは、タイトル通り、結成後、今に至るまでの代表曲を集めたFAKE?はじめてのベスト盤です。

初期はヘヴィーロックがメインながら、その後HIP HOPやパンクの要素などを入れ、いろいろなジャンルの音楽にも手を広げつつある印象の受ける展開。正直、オリジナルアルバムベースだと、いまひとつ内容にピンと来ず、手の広げ方も中途半端な印象も受けていたのですが、さすが代表曲をセレクトしたベスト盤だと、そのサウンドやメロディーに惹き込まれます。FAKE?の魅力を再確認できたベスト盤でした。

評価:★★★★★

FAKE? 過去の作品
SWITCHING ON X

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コメント

久松史奈さんと橘いずみさんの両名についてはその名前をよく耳にしていたのが私も高校生時代であり、ちょうど自分が所謂「J-POP」というものを意識してきた時期だけあって懐かしく思えるものがありました。

久松さんの「天使の休息」は、Mステはともかく土曜の夕方や深夜にやっていた音楽番組やラジオでしばしば耳にしており今でも古本屋等の有線で流れると懐かく感じる事があります。また橘さんは当時Nack5でオンエアされていた「Japanese Dream」という番組で代表曲の「失格」や「バニラ」等がグランプリを受賞していた事も思い出しました。ちなみに「JAPANESE DREAM」については93年頃から90年代半ばあたりまではよく聴いていましたが、個人的な趣味が変わったりした事でいつしか聴かなくなってしまいました。この番組も数年前に終了したようですね。
橘さんに関しては、「女尾崎」みたいな感じでピックアップされていた事も知っていましたが、当時の印象としては「何だかインパクトのある歌を歌っている人だな」という感じでした。

またこの両名に関しては当時ソニーマガジンズが展開していた「GiRLPOP」なるムーブメントの中でも取り上げられていたみたいですね。この時期にはお二人以外にも色々な女性シンガーやミュージシャンがそのムーブメントの中でピックアップされていたと記憶していますが、その後の小室系ブームや宇多田ヒカルやMISIAのような歌姫系、SPEEDやモーニング娘。等のアイドル系の台頭などでいつしか名前も聞かなくなってしまった人も少なからず存在するという印象があります。ちなみに雑誌「GiRLPOP」は一時の休刊を挟んで今も刊行されていますが、内容はアイドル系や女性声優なんかも取り上げており音楽雑誌としては微妙な感じがしますが・・・・・。

幾分ノスタルジーめいたものがありますが、90年代の前半に登場・活躍した女性アーティストの再評価がされてもいいのではとも思っています。

投稿: MoTo | 2012年12月 5日 (水) 00時55分

>MoToさん
こんにちは。MoToさんは、ズバリ私と同年代ですね~。
「Japanese Dream」は私もかつて聴いていました。
MoToさんと同じく、趣味がちょっと変わったことで聴かなくなりましたが、あの番組をきっかけでしったミュージシャンも少なくないです。
「GiRLPOP」の雑誌も懐かしいですね。まだ、雑誌自体は刊行を続けているというのがちょっと意外でした。取り上げている人はかなり変わってしまったみたいですが・・・。
90年代初頭のガールズポップと言われた女性ミュージシャンたちには、私もノスタルジックなものを感じます。まだ、活動を続けている方もいるみたいなので、がんばってほしいですね!

投稿: ゆういち | 2012年12月21日 (金) 00時05分

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