美メロはもちろん健在
Title:Elysium(邦題 エリシオン~理想郷~)
Musician:PET SHOP BOYS
約3年ぶりとなるPET SHOP BOYSのニューアルバム。既にデビューから30年近くが経過し、まさにベテランバンドの代表格ともいえる彼ら。ただ、そのポップ路線は、現在もゆらぐことなく、時代を超えて普遍的なポップナンバーをコンスタントに書いてくる彼らの作品は、今なお、現役感があり、むしろ若々しさすら感じられます。
今回のニューアルバムも、そんな美メロ路線は相変わらず。普遍的なポピュラリティーのあるメロディーラインに、いつも通り、軽快なエレクトロポップが乗り、基本的にファンとしては、ここらへん安心して聴ける内容なのはいままで通り。特にアルバムの中では、「Give it a Go」が、メロウなメロディーラインに、ピアノの音色が爽やかに加わり、インパクトもあり、特に印象が残る作品でした。
ただ、今回の作品については、美しいメロディーラインなのは間違いないものの、全体的に暗くて、地味な印象が否めませんでした。マイナーコード主体の作品が多く、いつものPET SHOP BOYSのような、「キラキラ」感は薄め。アルバム全体としてはインパクトも薄めでしたし、何度か聴いて味わい深いメロディーだったか、といわれるとその点も少々微妙・・・。もちろん、悪くはないものの、彼らのアルバムの中では、ちょっと期待したほどじゃなかったかなぁ・・・。
ちなみに初回盤では、楽曲から歌をのぞいてトラックだけを収録したボーナスディスクが収録。こちらは少々月並みな言い方かもしれませんが、歌を抜いてトラックだけでも十分楽しめるエレクトロポップに、トラックメイカーとしてのPET SHOP BOYSの魅力を再認識しました。チェックされる方、初回盤が入手できるのなら、こちらを是非。
評価:★★★★
PET SHOP BOYS 過去の作品
Yes
ULTIMATE PET SHOP BOYS(邦題:究極のペットショップボーイズ)
The Most Incredible Thing
ほかに聴いたアルバム
HANNA/The Chemical Brothers
ケミブラ名義の最新作は、映画「ハンナ」のオリジナルサウンドトラック。この手のサントラは、どうしてもこういう感想が主になってしまうのかもしれませんが、正直、あくまでも映画にあわせてつくられた作品なので、ケミブラらしさはほとんど出ていません。エレクトロ路線なのは彼ららしいところなのですが、高揚感は皆無で、「ケミブラらしさ」を期待すると、かなり拍子ぬけするかも。基本的に、コアなファン意外には、ちょっとお勧めしずらいアイテムです。
評価:★★★
The Chemical Brothers 過去の作品
Brotherhood
Further(邦題:時空の彼方へ)
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