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2012年11月

2012年11月30日 (金)

街角のカフェで流れていそうな

Title:フィーリンを感じて

タイトルから、「腹痛が痛い」みたいな重複表現を覚えるような違和感があるのですが、「フィーリン」は、キューバで生まれた音楽のジャンルのこと。1940年代に、キューバの首都ハバナで、若者の間で発生した音楽ムーブメントで、キューバの伝統的な音楽に、当時、最先端の音楽として流行していたジャズの感覚を取り入れた音楽でそうです。

このアルバムは、1950年代から1960年代にかけて、フィーリンがもっとも勢いがあった時代の、フィーリンあるいはフィーリンからの影響を感じさせる楽曲を集めた、国内独自編集によるオムニバスアルバム。国内初CD化、世界初CD化の作品も多く含むそうです。

楽曲の雰囲気は、感覚的な表現を使うと、しんみりとしてムーディー。一番簡単に言ってしまうと、ムーディーなジャズ風のポップスといった感じなのでしょうが、その根底に、根強いラテンの空気が感じられるのが独特なところ。私たち日本人に聴き馴染みのある、欧米のポップスと比べると、スペイン語独特の巻き舌のボーカルもまた、耳に残るインパクトを感じました。

そんな感じの音楽なので、どちらかというとラウンジ・ミュージックといった印象が強く感じます。センスのよい、おしゃれな音楽。この手の音楽の代表格である、ジャズとかボサ・ノヴァとかに近い雰囲気も感じます。単純なムード音楽みたいに単調ではなく、力強いボーカルを聴かせてくれたり、耳に残るサウンドを聴かせてくれたりも。そういう意味では、女の子を部屋に呼んだ時に、部屋でさりげなく流しておくと、センスの良さを感じさせるような音楽でしょうか(笑)。

なので、比較的広く万人にお薦めできそうなオムニバス盤。こじゃれた楽曲の数々は、間違いなくクオリティーの高さも感じるのですが・・・では、個人的にはまったかというと、正直言うと、ちょっと微妙(^^;;ある意味、あまりにも都会的で、洗練されすぎていて、もうちょっと泥臭い音楽の方が好みかも。それなりに楽しめたのですが、最後までちょっとはまれなかったなぁ・・・。

評価:★★★★

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2012年11月29日 (木)

たまには「大人」のヒット曲 その2

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートは、話題のあのベスト盤が見事1位獲得。

 

松任谷由実のオールタイムベスト「日本の恋と、ユーミンと。」が見事1位を獲得。初動売上は33万6千枚。直近のオリジナルアルバム「Road Show」の3万3千枚の10倍以上。先日リリースされた山下達郎のベスト盤が初動27万5千枚だったので、それを上回る結果に。さすがに1998年にリリースしたベスト盤「Neue Musik」の初動127万枚には大きく及ばなかったものの、それでも圧倒的な強さは、女王ユーミンの人気が、まだまだ健在であることを証明しました。

2位は加藤ミリヤ「TRUE LOVERS」。さすがにユーミンからは大きく引き離されて、初動売上は5万8千枚。直近は、昨年8月のベスト盤「M BEST」の16万からは大きくダウン。オリジナルとしては前作「HEAVEN」の15万枚からも大きくダウン。ここ最近、アルバムは初動15万枚の横バイだったのですが、大きく初動売上を落とす結果になっています。

3位は、こちらもなにげに強いですね~JUJUのベスト盤「BEST STORY ~Life stories~」が先週と変わらず3位をキープ。「BEST STORY ~Love stories~」も5位にランクインしています。

さて、続いて4位以下の初登場ですが、まず4位。70年代初頭に活躍した伝説のロックバンド、Led Zeppelinが、2007年12月にイギリスO2アリーナで行われたアトランティック・レコードの創始者、アーメット・アーティガンを追悼するコンサートで再結成ライブを行い大きな話題を呼びましたが、そのライブの模様を収録したライブ盤「Celebration Day」(邦題:祭典の日(奇跡のライブ)が、ランクインしてきています。初動売上は3万3千枚。ちなみに、Led Zeppelinの直近作は、2007年にリリースされたベスト盤「MOTHERSHIP」で、この時は初動1万8千枚を記録しています。その数値を上回る売上に、いかにたくさんの熱心なファンが、このライブ盤を心待ちにしていたかがわかります。

6位には、グッと雰囲気がかわって氷川きよし「演歌名曲コレクション17~最後と決めた女だから~」がランクイン。初動売上2万9千枚で、前作「演歌名曲コレクション16~櫻~」の4万枚から大きくダウンしてしまう結果となっています。

7位には3人組ロックバンドback number「blues」が入ってきました。前作「スーパースター」に続く2度目のベスト10入り。初動2万6千枚も、前作の1万枚から倍増以上という好セールスを記録しています。

8位には、パンクミュージシャンKen Yokoyama「Best Wishes」がランクイン。AIR JAM復活と共に、Hi-STANDARDとしての活動も再開した彼ですが、ソロとしても今後も活動を続けていくのですね。初動売上1万9千枚は、前作「Four」の2万4千枚からダウン。

ベスト10最後、9位にちょっと興味深いアルバムがランクインしています。大友直人指揮、東京交響楽団演奏による「佐村河内守作曲:交響曲第1番《HIROSHIMA》」がランクイン。佐村河内守は、広島出身の作曲家で、音楽大学に進まず、独学で作曲の知識を身につけるも、35歳の時に、両耳の聴覚を完全に失い、自殺未遂も起したとか。その壮絶な人生にNHK総合テレビ「情報LIVEただイマ!」にて特集で取り上げられ、一気に注目が集まり、クラシックファン以外からも支持を集め、なんとアルバムが見事ベスト10入りを記録しました。その壮絶な人生もさることながら、それ以上に作曲家としての評価も非常に高いらしく、注目を集めているそうです。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年11月28日 (水)

紅白出場歌手決定

この時期恒例、年末の紅白歌合戦出場歌手が発表されました。やはりせっちゃん初出場はうれしいニュース。他にも美輪明宏なんか、なにげに楽しみなんじゃないかと思ったりして。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

で、今週1位2位は紅白出場組。

1位はAKB48渡辺麻友のソロシングル「ヒカルものたち」、2位には、紅白初出場を決めたももいろクローバーZ「サラバ、愛しき悲しみたちよ」がそれぞれランクインしました。渡辺麻友は、まんまPerfumeかよ・・・といった感じのエレクトロポップ。ソロでは初の1位獲得で、初動9万1千枚は、前作「大人ジェリービーンズ」の8万7千枚からはアップ。ただし、デビューシングル「シンクロときめき」の12万3千枚には大きく届いていません。

ももクロのニューシングルは布袋寅泰作曲によるロック色の強いナンバー。日テレ系ドラマ「悪魔ちゃん」主題歌。初動売上7万3千枚は、桃黒亭一門名義でリリースした前作「ニッポン笑顔百景」の3万4千枚から大きくアップ。ももクロ名義の前作「Z女戦争」の6万7千枚からもアップしており、人気上昇傾向は続いています。ただ、いろいろと話題にのぼることが多い割には、売上は伸びているものの、そののび幅はいまひとつ伸び悩んでいるような。

3位は、EXILEの所属事務所から誕生した、新たな男性グループGENERATIONSのデビューシングル「BRAVE IT OUT」。日テレ系ドラマ「シュガーレス」主題歌に起用され、デビュー作から初動7万1千枚でいきなりのベスト3入り。ただ、楽曲は、完全にK-POPといった感じで、あまりにも個性が感じられないのですが・・・。

で、4位以下初登場なのですが、まず4位にヴィジュアル系バンドシド「V.I.P」がランクイン。TBS系アニメ「マギ」オープニング曲。初動売上は3万4千枚で、前作「S」の2万3千枚よりアップ。アニメ主題歌という好タイアップもさることながら、爽やかなポップスロックは、ヴィジュアル系っぽい癖がなく、広い層に受け入れられそうなナンバーで、それが好セールスにもつながったかも。

さて、今回の紅白歌合戦出場メンバーで、韓流勢がゼロだったことが話題になりました。個人的にも、雨後の竹の子のように出てくる似たり寄ったりのK-POPは好きじゃありませんが、(公式には否定しているものの)領土問題などが露骨に反映させた結果については、正直、少々なんだかなぁ、という印象は抱いてしまいます。そして、偶然のこととは思いますが、今週は、その韓流勢が、なんと4組もランクインしています。

うち初登場が、4位の女性アイドルグループ少女時代「FLOWER POWER」、9位MYNAME「What's Up」、10位SHU-I「大逆転」の3曲。MYNAME、SHU-Iはいずれも男性アイドルグループ。他に、先週2位だった2PM「マスカレード~Masquerade~」も8位をキープしています。

少女時代は、いつもの彼女らしいエレクトロチューン。初動売上2万9千枚は、前作「Oh!」の6万6千枚から大きくダウン。11月28日に発売されたアルバム「GIRL'S GENERATIONII」からの先行シングルという点が、大きく売上を落とした要素ですが、それを加味しても、少々厳しい結果に。逆にMYNAMEは、初動1万9千枚は、前作「Message」の1万2千枚からアップし、初のベスト10入り。SHU-Iも初動1万8千枚で、前作「HITORIJIME」の1万4千枚よりアップしています。

どうも例の竹島問題から端を発した日韓の関係悪化のK-POPへの影響は、少女時代とかKARAとか、K-POPブーム後、人気が出て、かつ、浮動層にも人気が広がったような層には直撃している、一方、熱狂的な固定ファンのみに支持を得ているような「その他大勢」のK-POP勢にはあまり影響は出ていない模様。今後、ますますK-POPが、一部のファン向けの「閉鎖的」なブームになっていくのでしょうか?それでも普通にベスト10入りできちゃうあたり、低水準のチャートを象徴しているのですが・・・。

さて、初登場はもう1曲。ニコニコ動画から人気を博した女性ボーカリスト藍井エイル「INNOCENCE」が6位に入ってきました。アニメ「ソードアート・オンライン」オープニングテーマで、マイナーコード主体の疾走感ある90年代の匂いがするJ-POPチューンは、典型的なアニソンといった印象が。初動2万4千枚は、22位に終わった前作「AURORA」の6千枚から大幅アップ。「MEMORIA」以来のベスト10ヒットに。曲によって、変動が大きい模様。

そんな訳で今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートは、また明日~。

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2012年11月27日 (火)

戦前のヒット曲たち

今回紹介する3枚のアルバムは、戦前のヒット曲を収録したオムニバスアルバム。金沢にある金沢蓄音器館にて、SP盤を蓄音器で再生し、それを高音質のHQCDという技術により録音された作品。戦前のヒット曲には以前からちょっと興味を持っていたのですが、レココレで、このアルバムの紹介記事をみつけて、おもしろそうだったので、聴いてみました。

Title:甦るSP盤・蓄音器サウンドの豊穣~明治・大正の流行歌編(上)

まず、こちらは明治から大正にかけてのヒット曲。日本ではじめてのヒット曲のひとつらしい「宮さん宮さん」からスタート。軍歌も多く収録され、極めつけは国歌まで収録されていますが、全体的には民謡調の作品が多く、西洋音楽が入ってくる前の日本の音楽文化を色濃く感じます。

「鉄道唱歌」「荒城の月」など、今でもなじみのある曲も収録されていて、民謡調といっても軽快なナンバーが多く、庶民文化の楽しさを感じられます。少々堅苦しい、「作られた感」が強い軍歌の雰囲気とは対照的で、この並びの中では、軍歌が少々浮いた感じも。

高音質で録音された、といってもやはりこの時代のSP盤なだけに音が悪い曲も多く、資料的な価値が強いかな。そんな中、美空ひばりの「さのさ節」なんてのも収録されていて、美空ひばりの歌唱力には圧倒されます。

評価:★★★★

Title:甦るSP盤・蓄音器サウンドの豊穣~明治・大正の流行歌編(下)

ここらへんになると、民謡調の曲が少なくなり、「恋はやさしい野邊の花よ」だったり「からたちの花」だったり、グッと洋楽風の曲が目立ってきます。やはり徐々に西洋化が進行してきたのでしょうか。

「籠の鳥」みたいに男女デゥオでムーディーに聴かせる曲が出てきたり、今でもおなじみの「七つの子」みたいな童謡も出てきたり、楽曲のバリエーションはどんどん増えていっています。「のんきな父さん」みたいなコミックソングは、今聴いても楽しいですね。時代を超えて変らないものを感じます。

評価:★★★★

Title:甦るSP盤・蓄音器サウンドの豊穣~昭和初期の流行歌編

で、最後は昭和初期の流行歌。楽曲のバリエーションがグッと増えて、大衆音楽文化が花開いてきた様子がうかがえます。「丘を越えて」とか「蒲田行進曲」あたりはスタンダードナンバーで、今でも耳なじみある人も少なくないかもしれませんが、軽快なメロディーラインは今でも十分通用しそう。ジャジーな「モンパリ」だったり、ハワイアン風な「ダイナ」など、洋楽テイストの曲も増えてきています。一方で、コミックソング「うちの女房にゃ髭がある」などは、戦前でも奥さんに頭のあがらなかった男性の姿がコミカルに描かれていて、当時の風俗がうかがえてユニークです。

ただ一方では「愛国行進曲」など、まさに戦争への足跡が聴こえてくるような曲もあり、どこか明るいポップソングの裏側にある闇の部分も感じられたりして。まさに流行歌は時代を映す鏡、なのでしょう。

評価:★★★★

そんな訳で、貴重なSP盤からうかがえる戦前のヒット曲。正直、今となってはやはりメロディーになじみがなく、音も悪いため、興味がないと、なかなかお薦めは出来ないのですが、逆に興味があれば、なかなかおもしろい企画盤だと思います。流行歌から、戦前の日本を垣間見れた3作でした。

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2012年11月26日 (月)

懐かしの女性シンガーたち

今日紹介する2人の女性シンガーは、いずれも私が高校時代によく聴いていたシンガーたち。一時期は高い人気を誇ったのですが、その後、人気は低迷し、今も活動は続けているみたいですが、残念ながら、あまりその名前を聞かなくなってしまいました。廉価版ベスト盤シリーズの「GOLDEN☆BEST」で、ちょうど2人とも取り上げられたことから、懐かしくなり聴いてみました。

Title:GOLDEN☆BEST 久松史奈 SINGLE COLLECTION
Musician:久松史奈

まずは1992年にシングル「天使の休息」がドラマ主題歌に起用され、オリコン最高位10位というヒットを記録した久松史奈。地元名古屋出身で、私が高校時代によく聞いていたラジオ番組のパーソナリティーとして出演していたりしていたこともあり、ある種の思いいれがあるシンガー。ベスト10入りを記録したのはシングルがこれ1枚。アルバムでは、オリジナル2枚とベスト盤1枚がベスト10入りを記録していますが、一般的には、「一発屋」という印象も強いかもしれません。現在は、ライブを中心に活動をしているほか、CHAGEのアルバムなどに参加するなどして活躍しているようです。

タイトル通り、シングルとして発売された全曲と、そのカップリングが収録されている内容で、大ヒットした「天使の休息」ももちろん収録されています。個人的に思い入れがあることもあり、彼女のアルバムは結構な時期まで聴いていたので、このアルバムに収録されている曲は、ほとんどがリアルタイムで聴いた記憶が。そういう意味では、とても懐かしさを感じます。

デビュー当初の作品は、アレンジも非常にチープで、80年代の色合いを濃く感じるのですが、ブレイク直前の曲あたりからは典型的な90年代のJ-POPというイメージ。ハードロックテイストに、ほどよくバンドサウンドが入れられつつ、メロディーはとことんポップなポップスロックで、サビの部分が妙に強調されているというのは、まさにこの時代の王道ヒット曲。1992年という年は、いわゆるビーイングブームがはじまった年で、ビーイング系も、この手のポップスロックの曲がブームの主流で、ある意味、この手の音がこの時代にもっとも受け入れられる音だったと思います。(久松史奈はビーイング系でありませんが)

思い出補正が入っているので(笑)懐かしく聴けて楽しめたベスト盤ですが、今の世代に素直に薦められるかといわれるとちょっと微妙な面も。ヒットした「天使の休息」や最高位15位のスマッシュヒットを記録した「MAYBE」あたりの雰囲気が好きなら気に入るかも。

評価:★★★★

Title:GOLDEN☆BEST 橘いずみ+榊いずみ -20th ANNIVERSARY-
Musician:橘いずみ(榊いずみ)

で、こちらは1993年にシングル「失格」がスマッシュヒットを記録して、一躍話題となった女性シンガー。2005年に結婚して、ミュージシャン名も本名にあわせて改名されたみたいです。その後リリースされた「永遠のパズル」は最高位9位を記録。一時期は、本音を激しい言葉で綴った内省的な歌詞から、「女尾崎」と呼ばれていたりして、積極的にプッシュされていたのですが、結局、シングルでのベスト10入りはこの1曲だけ。アルバムでは3枚のベスト10入りを記録。「失格」のヒットもあるので(チャート的には最高位39位)、「一発屋」というイメージはさほど強くないかもしれませんが、残念ながら大ブレイクとまでは至りませんでした。彼女も、現在もコンスタントに活動は続けているようです。

「失格」がヒットした当時は、尾崎豊の急逝の直後で、尾崎豊ブームが続いていたこと、また、当時、この手の女性シンガーが少なかったことから、「女尾崎」として売られていましたが、あらためて彼女の楽曲を聴くと、歌われている内容は、社会からの期待と、女性以前の人間として生きようとする自分の間でもがく、20代OLの本音といった感じで、10代の学生の本音を歌った尾崎豊とはちょっと方向性は異なる感じ。まあ、ブームに便乗して、といった感じなんでしょうか。

このベスト盤では、「失格」のヒット直後の代表曲がDisc1に、「失格」からちょっと時間を置き、ブームも一段落した後の曲がDisc2に収録されています。Disc1収録曲は、まさに「失格の延長線上にあるような曲ばかり。一方でDisc2に収録されている曲は、もうちょっと肩の力が抜けて、「失格」のイメージから抜け出したようなポップソングが並んでいます。

でも、このDisc2の曲は、肩の力が抜けてはいるのですが、どうも平凡なポップスで、彼女だけが持つような個性が消えてしまっているような感じ・・・。かといって、Disc1も、いかにも「失格」のイメージを強制されたような感じも否めません。

この手の「女性の本音」を歌うシンガーが増えてきた今だったら、変に「失格」のイメージだけに囚われずに、もっと幅広い曲を、早い時期に歌えたのかもしれません。そういう意味では、彼女の登場は、ちょっと早すぎたのかもしれません。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

2002-2012 Decade Selection/FAKE?

もともとは、Oblivion Dustが解散した直後のKEN LLOYDと、LUNA SEAのINORANが組んだユニット。2005年にINORANが脱退後は、KEN LLOYDのソロプロジェクトとして、Oblivion Dustの活動が再開された後も、断続的に活動は続いているようです。このアルバムは、タイトル通り、結成後、今に至るまでの代表曲を集めたFAKE?はじめてのベスト盤です。

初期はヘヴィーロックがメインながら、その後HIP HOPやパンクの要素などを入れ、いろいろなジャンルの音楽にも手を広げつつある印象の受ける展開。正直、オリジナルアルバムベースだと、いまひとつ内容にピンと来ず、手の広げ方も中途半端な印象も受けていたのですが、さすが代表曲をセレクトしたベスト盤だと、そのサウンドやメロディーに惹き込まれます。FAKE?の魅力を再確認できたベスト盤でした。

評価:★★★★★

FAKE? 過去の作品
SWITCHING ON X

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2012年11月25日 (日)

ポップス職人の全キャリア集大成

Title:OPUS~ALL TIME BEST 1975-2012~
Musician:山下達郎

日本を代表するポップスミュージシャン、山下達郎の、全キャリアを通じての代表曲を網羅したベスト盤。デビュー○周年とかではないこのタイミングでのベスト盤発売は、CDというパッケージの市場がきちんと機能しているうちにリリースしようという意図だったという点が、なんとなく、彼らしいなぁ、ということを感じます。

今回のアルバムは全3枚組。さらには初回盤には、レア音源を収録したボーナスディスク付。ちょっとうれしいのは、ボーナスディスクまで含めて1曲1曲に、簡単ではあるものの、曲に対する山下達郎本人のコメントがついている点。これを読んでいるだけでなかなか楽しいのですが、印象的だったのが、おそらく彼の曲の中では一番有名であろう「クリスマス・イブ」に対するコメントが「すべての要素がバランスよく仕上がった数曲のうちのひとつ」とベタ褒め。この手の、ミュージシャンイメージからちょっと浮いた感のあるヒット曲って、本人が嫌がりそうなケースも多い中、この曲、結構好きなので、こういうコメントなのはちょっとうれしいかも。

そして内容は・・・と言われても、もう、わざわざコメントするのもおこがましいですよね?珠玉のポップソングが並んでいます、としかいいようがない傑作そろい。ただ、このアルバムで、彼のキャリアを通して聴いてちょっと感じたのが、初期の作品が、バタ臭さもある洋楽からの影響がストレートなポップスが多いのに対して、最近の曲になればなるほど、歌謡曲的というか、日本的なフレーズが増えてきているように感じた点。ちょっといじわるな見方かもしれませんが、やはり若い頃は、粋がって、あえて歌謡曲的なものを忌避していたのを、年齢を重ねて、そういう歌謡曲的なメロディーラインも素直に取り入れるようになってきた・・・ということでしょうか。

ちなみに本編ももちろん聴き所たくさんなのですが、やはり是非とも注目したいのが、ボーナスディスクに収録されている、Kinki Kidsに収録されている「硝子の少年」のデモ・ヴォーカルバージョン。あのアイドル歌謡曲を、山下達郎本人が歌うと、どんな風になるのか?と、興味半分で聴いたのですが、山下達郎が歌うと、上質なシティーポップに大変身していて、かなりビックリ。本人の解説には「ヴォーカルの出来映えの点で問題が多々ありますが」と書かれていますが、Kinki Kids本人のヴォーカルとの、表現力の差があまりにも大きくて、Kinki Kidsヴァージョンが頭の中から消えてしまいました。初回盤を購入するか否か迷っている方もいるかもしれませんが、この曲を聴くだけでも、初回盤が購入可能ならば、初回盤を買われることをお勧めします。

まあ、日本人なら聴いとけ・・・ってのは言いすぎかもしれませんが(^^;;そうも言いたくなるようなベスト盤。傑作です。言うまでもないかもしれませんが・・・。

評価:★★★★★

山下達郎 過去の作品
Ray of Hope


ほかに聴いたアルバム

VISION/The Birthday

ギターにフジイケンジが加入し、2作目となるThe Birthdayの新作。前半は、メンバー4人だけの混じりっ気のないガレージパンクソングが続くのですが、これが文句なしにカッコいい!やはりこの手のガレージパンクにチバのボーカルがピッタリマッチしていますし、なによりバンドとしての一体感を感じられ、新メンバー、フジイケンジがしっかりThe Birthdayの一員として溶け込んでいるんだなぁ、と感じます。ただ、後半のメロディアスな路線は、若干ダレてしまった部分は否めないのですが・・・。

評価:★★★★★

The Birthday 過去の作品
TEAR DROP
MOTEL RADIO SiXTY SiX
NIGHT ON FOOL
WATCH YOUR BLINDSIDE
I'M JUST A DOG

Monster in my head/THE PREDATORS

the pillowsの山中さわお、GLAYのJIRO、ELLEGARDENの高橋宏貴によるバンド。もともと、企画バンドみたいな側面が強かったのですが、アルバムとしてはこれで4枚目。すっかりその活動が定着してきました。タイトル曲「Monster in my head」の歌詞はthe pillowsっぽさを感じますし、基本的にthe pillowsと同じく、オルタナ系のギターロックなのですが、the pillowsに比べるとヘヴィーな感じ。ただ、the pillowsに比べると、いまひとつ特色がなくて、インパクトも薄めなのがマイナス要素・・・。

評価:★★★★

THE PREDATORS 過去の作品
牙をみせろ
THIS WORLD

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2012年11月24日 (土)

15年の集大成

Title:Best of GRAPEVINE
Musician:GRAPEVINE

今年、メジャーデビュー15周年を迎えたGRAPEVINEのベストアルバム。いままで、シングル集はリリースされているものの、純然たるベスト盤ははじめてのリリースとなります。

GRAPEVINEといえば、デビュー直後からずっと聴き続けており、アルバムも全部持っているミュージシャンの一組。それだけに、ほぼ15年近く聴き続けてきたわけですが、彼らほど、聴けば聴くほど味が出てくるミュージシャンも少ないのではないでしょうか。彼らはこの15年間、音楽性の芯となるような部分はほとんど変りありません。しかし、特に、デビュー直後の、私がまだ20代前半だったころの彼らに対する印象と、30代半ばになった今の彼らに対する印象では、微妙に異なってくるのがおもしろいところ。

例えば彼らの奏で出す黒いグルーヴ感は、デビュー直後も魅力的でしたが、ソウルやブルースなどを好んで聴くようになってから、その魅力に、さらにはまりこんでしまいました。田中和将の書く、歌詞のイメージも異なってきていて、以前は、文学的な歌詞に必死に深読みをしようと考えていたのですが、ここ最近では、むしろ歌詞の持つリズム感が曲にマッチしていて、曲と歌詞のバランスが絶妙でおもしろいなぁ、と思ったりして。

昔聴いていたミュージシャンに対する印象が、いろいろな音楽を聴くにつれ変ることも少なくありません。時として、昔あれだけはまっていたのに、つまんないなぁ、と感じたり、逆に、毛嫌いしていたのに、今となってはおもいろいミュージシャンだったんだなぁ、と感じたり。そういう意味ではGRAPEVINEというバンドは、様々な音楽を聴けば聴くほど、その深さにはまっていくような印象を受けました。

今回のベスト盤は、ファン投票により決められたそうですが、上位に入ってきた曲が収録されなかったり、逆に上位に入らなかった曲が収録されたりして、ファンの間で賛否を呼んでいるようです。実際、収録された曲は、比較的ポップス寄りの聴きやすい曲が多く、そういう意味では、ファン以外の層に向けた、入門編というコンセプトがあるのでしょう。まあ、でもそんなわかりにくい恣意的なことをするくらいなら、最初から2枚組のうち1枚がファン投票で、1枚がメンバーセレクトによる・・・とかした方がいいと思うんですけどね。

とはいえども、押さえておきたい代表曲はきちんと収録してあり、コアなファンからしてもれば、比較的あっさり風味なのかもしれませんが、GRAPEVINEとしてのバンドの魅力はしっかりと網羅されているベスト盤だと思います。2枚組というのは入門編としては少々ボリューミーなのですが、いままでGRAPEVINEというバンドを聴いたことない方にはお勧めしたい内容。どうもGRAPEVINEみたいなベテランだけども、「デビュー30年」とかいうほどの超ベテランではないバンドって、中途半端で、雑誌などで取り上げられにくい部分もあるので、これを機に、是非とも聴いてほしいなぁ。ソウルの影響を強く受けたどす黒いグルーヴがたまらないロックバンドですよ!THE BAWDIESあたりが好きなら、こちらも是非(ちょっとタイプは違うかもしれませんが・・・)

で、今回のアルバム、初回盤には「OUTCAST 2.0」という、2003年にリリースしたB面ベスト「OUTCAST」に続く、カップリング集が収録されており、アルバム未収録の曲がたくさん収録されているのですが、これの録音形態がPLAYBUTTONという形式。

Vibne_playbutton

↑こんな感じで、外見は普通の缶バッチ。中にメモリーが入っていて、音源が録音されているとか。一緒にUSBを通じて録音が出来るケーブルが入っていました。ちなみにヘッドフォンは別売り。

確かに音はいい感じなのですが、デメリットとして感じたのは大きくふたつ。ひとつは、外部媒体に録音する手法は一切ないこと。まあアナログ形態ではならイヤホンジャックを通じて録音できそうですが・・・。もうひとつは聴いていて、何曲目を聴いているのかわからなくなること。完全に新譜の場合はちょっと厳しくないか?どこかに小さなディスプレイで、曲順くらい表示できればいいと思うのですが。良くも悪くもファンズアイテムとして、例えばライブ会場のグッズのひとつとして売る、くらいしか、方法が思い浮かばないのですが・・・。

ただ、「OUTCAST 2.0」の中身自体は文句なし。シングルのカップリングなので、コアなファン以外は聴いたことない曲が並んでいるのですが、本来では少々物足りなさを感じた、GRAPEVINEのヘヴィーな側面を前面に押し出したような曲が並んでいます。出来れば、ある程度後でもいいので、CDでも発売してほしいな・・・。シングルまで全てチェックするほどではないファンにとっては、必ず入手しておきたい傑作です。

評価:★★★★★

GRAPEVINE 過去の作品
TWANGS
MALPASO(長田進withGRAPEVINE)
真昼のストレンジランド
MISOGI EP


ほかに聴いたアルバム

PUFFY COVERS

PUFFYの曲を、様々なミュージシャンがカバーしているオムニバス盤。セルフカバーがあったり、直接関係ないミュージシャンがカバーしていたり。参加しているのも奥田民生から、スピッツ、The Birthday、斉藤和義、the pillows・・・・と実力派そろい。おもしろいのは、どんな曲でもちゃんと、カバーしたそれぞれのミュージシャンの曲になってしまっているところ。ちょっと異色としては、グループ魂の「渚にまつわるエトセトラ」は、冒頭に例のごとくコントが入っていて、なんと本人まで出演(笑)。どの曲も名曲揃いですが、個人的にはフジファブリックによるセルフカバー「Bye Bye」は、既発表曲ですが、何度聴いても泣ける・・・。

評価:★★★★★

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2012年11月23日 (金)

シンプルなだけに・・・

Title:HOME AGAIN
Musician:MICHAEL KIWANUKA

今、最も話題の新人ミュージシャンの新譜が、ついに日本でもリリースされました。ウガンダからの移民である両親のもと、イギリス北部のマスウェル・ヒルで生まれ育った、25歳のシンガー。毎年、期待の新人ミュージシャンを取り上げる、BBCの「Sound of...」で、「Sound of 2012」に選ばれ(過去にはAdeleやMIKAなども選ばれています)、このデビューアルバムも、イギリスのアルバムチャートで4位にランクインしました。

ジャケットからして、60年代あたりのソウルの匂いがプンプンしてくるのですが、1曲目「TELL ME A TALE」など、まさに60年代ソウルドンピシャ。グルーヴ感あるリズムに、黒っぽいホーンによるアレンジが、ソウル好きには壺にはまりそうな作品になっています。

・・・と思って、サザンソウルの王道路線なのか?と思えば、そうではないところがおもしろいところ。その後の、タイトルチューンである「HOME AGAIN」にしろ「REST」にしろ、ソウルというよりは、どちらかというとフォークソングっぽい雰囲気の曲で、アコースティックなサウンドでメロディアスな染み入るような歌が特徴的でした。

もっとも、その後も「ANY DAY WILL DO FINE」みたいに、ソウルテイストの強いナンバーがあったり、「BONES」みたいにジャジーな曲もあったり。イメージとしては、ソウルやフォーク、ジャズなどと等距離の位置に立ち、それぞれの良いところを取り込んだ、といった感じでしょうか?

どの曲にも共通しているのが、アコースティックなサウンドと暖かみのあるメロディー、そしてちょっとスモーキーで味わい深い彼のボーカル。楽曲には派手さはありません。真新しいか、と言われるとそうでもありません。ただ、シンプルなだけに、逆に、聴き入ってしまう魅力が、この曲にはありました。CDの帯に書かれたあおり文句ではありませんが、どこか郷愁を誘うようなメロディーが実に魅力的です。

今年のフジロックにも出演し話題となりましたが、ストレートにボーカルとメロディーを聴かせるシンガーなだけに、幅広く薦められそう。最初は、ちょっと地味かと思いつつ、気がつけば、手放せなくなっている、そんな作品。今年を代表する傑作の1枚です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Pull Up Some Dust And Sit Down/Ry Cooder

御年65歳になるアメリカを代表するギタリストの一人、ライ・クーダーの新作。アコースティックなサウンドに、全体的にアメリカ南部の空気をそのまま感じるような作品。カントリーやブルースなどの色合いが濃く、ブルースからの影響では、著名なブルースシンガー、John Lee Hookerからダイレクトに影響を受けた、そのものズバリ「John Lee Hooker For President」なんで曲も。様々なタイプの曲があるものの、カラッと明るい雰囲気は、いい意味でのアメリカらしさを感じます。

評価:★★★★★

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2012年11月22日 (木)

こちらもジャニーズvsK-POP

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、アルバムチャートも奇しくもシングルチャート同様、ジャニーズvsK-POPという構図になりました。まず1位は、Sexy Zone「one Sexy Zone」。タイトル通り、これがデビューアルバムとなります。初動売上は8万6千枚。直近のシングル「Sexy Summerに雪が降る」は初動9万5千枚からはダウンしています。

2位は韓流女性アイドルグループ、KARA「ガールズ フォーエバー」。初動売上は7万3千枚。直近の「KARAコレクション」の4万7千枚よりはアップしていますが、こちらはメンバー個々のソロ作を集めた企画盤。前作「スーパーガール」の初動27万5千枚から大きくダウン。かなり厳しい結果になっています。

3位には、先週1位だったJUJUのベスト盤「BEST STORY ~Life stories~」が2ランクダウンながらベスト3をキープ。「BEST STORY ~Love stories~」も4位になっており、3位4位と並んでいます。

以下、初登場はまず6位。イギリスの男性アイドルグループONE DIRECTION「TAKE ME HOME」がランクインです。イギリスの音楽オーディション番組「Xファクター」から誕生したグループで、前作「Up All Night」はイギリスはもとより、アメリカでも1位を獲得して大きな話題となりました。初動売上は2万6千枚。前作「Up All Night」は、最高位10位で、その時の売上が9千枚。その売上を大きく上回る結果になっています。

8位にはアメリカの人気パンクバンド、GREEN DAY「¡DOS!」がランクイン。3部作の2枚目で、9月には「¡Uno!」が発売済み。来年1月には「¡Tré!」のリリースが予定されています。初動売上は2万2千枚。第1弾「¡Uno!」の2万6千枚あらダウンしてしまいました。

9位ランクインは、人気声優坂本真綾のシングル集「シングルクレクション+ミツバチ」。シングル集としては3作目となるアルバム。2005年以降に発売されたシングルが収録されています。初動売上は1万9千枚。直近のミニアルバム「Driving in the Silence」の1万7千枚よりはアップしましたが、シングル集としての前作「シングルコレクション+ニコパチ」の4万1千枚からは大きくダウン。まあ、「ニコパチ」は2003年のリリースなので、CD全体の売上状況からすると、ダウンは妥当でしょうが。

最後、10位には「TVアニメ 黒子のバスケ DRAMA THEATER 2nd GAMES それがボクたちのバスケです」が入ってきています。タイトル通り、アニメ「黒子のバスケ」のドラマCD。初動売上1万4千枚は、ドラマCD第1弾「たまにはいいと思いますよ」の9千枚よりアップ。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年11月21日 (水)

今度はジャニーズ系

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週はジャニーズ系が1位獲得。Kis-My-Ft2「アイノビート」が1位獲得。初動売上は25万8千枚。前作「WANNA BEEEE!!!」の28万4千枚よりダウン。ただ、3作前の「We never give up!」の24万5千枚よりアップしており(前々作はアルバム先行発売のシングル)、売上的には安定期に入った感じ。相変わらずの王道ジャニーズ系ポップといった感じですが、本作は、ダンスアレンジのDance ver.と、ロック風アレンジのRock ver.の2通りが用意。ただ、パッと聴いた感じでは「ちょっと違うかな?」程度の差。まあ、確かに、大幅に異なるアレンジを楽しむ、というファン層ではないとは思うのですが・・・。

2位は韓国の男性アイドルグループ2PM「マスカレード~Masquerade~」がランクイン。エレクトロなアレンジながらも、歌謡曲風の哀愁感あるメロはちょっとジャニーズ風?初動売上は13万枚で、前作「Beautiful」の14万1千枚からダウン。前作は初動が倍以上になる大躍進となりましたが、頭打ちになった模様。

3位には、EXILEの弟分男性ユニット、三代目J Soul Brothers「Powder Snow~永遠に終わらない冬~」。歌詞もメロもいかにも冬向きの歌謡バラード。ちょっとこの手のメロ&アレンジはいい加減マンネリでは?初動売上9万4千枚は、前作「0~ZERO~」の10万1千枚より若干ダウン。

続いて、ベスト10以下の初登場ですが、まず4位にもう1組韓流。T-ARA「Sexy Love」がランクイン。初動売上は4万枚は、前作「Lovey-Dovey」の1万9千枚から大幅アップながらも、前々作「Roly-Poly」の4万1千枚の水準に戻った感じ。CDの販売形態数の違いみたいなのですが、それにしても変動が大きく、それだけ複数枚買うファンが多いってこと??軽快なエレクトロダンスポップは、いかにもな韓流女性アイドルグループといった感じ。

5位はこちらは日本の女性アイドルグループ、Fairies「White Angel」。エレクトロポップで、K-POPを意識した感じなのはいつも通りながら、歌声は、女性というよりもかわいらしさを強調した感じなのが日本流。初動売上は1万9千枚で、前作「Tweet Dream」の2万枚から微減。

8位には、ようやくロックバンドの登場。3ピースロックバンド、凛として時雨「abnormalize」が入ってきました。甲高いボーカルの声に、ハイテンポなリズム、悲しい雰囲気のメロは相変わらず彼ららしいナンバー。「still a Sigure virgin?」でアルバムチャート1位を経験済みの彼らですが、意外なことにシングルは初のベスト10入り。初動売上1万7千枚で、最高位15位だった前作「moment A rhythm」の1万2千枚よりアップ。フジテレビ系アニメ「PSYCHO-PASS サイコパス」オープニングというタイアップの良さも影響か?

9位は、アフィリア・サーガ・イースト「SURVIVE!!」がランクイン。メイド喫茶の「アフィリア・グループ」のメンバーで結成されたアイドルグループで、楽曲は、アイドルソングというよりもいわば典型的なアニソンというイメージの楽曲。PSP&PS3用ゲーム「暁の護衛 トリニティ」オープニングテーマ。初動売上1万6千枚。前作「禁断無敵のだーりん」は、最高位15位6千枚だったので、大幅アップで、初のベスト10ヒット。

ベスト10最後。10位には、ケツメイシ「moyamoya」が入ってきています。ユーモラスなタイトルなのですが、打ち込みとピアノの音が爽やかなポップチューン。初動売上は1万3千枚と、前作「LOVE LOVE Summer」の2万枚から大きくダウンしてしまいましたが、12月に発売予定のニューアルバム「ケツノポリス8」の先行シングルとなる影響でしょう。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートは、また来週に~。

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2012年11月20日 (火)

名曲の坩堝

Title:坩堝の電圧
Musician:くるり

昨年6月、突然の新メンバー加入が発表され、新体制となったくるり。その後、新加入直後のメンバーがすぐに脱退してしまうなど、ゴタゴタもありましたが、4人組新生くるりとなって、はじめてとなる待望のニューアルバムがリリースとなりました。

アルバム毎に、その色をかえつつ進化してきたくるり。最新アルバムは、どんなアルバムになっているか、非常に期待していたのですが、とてもバンドらしい作品になった、という印象を受けた作品でした。

「バンドらしい」といっても、決してバンドサウンドが前面に押し出された、という意味ではありません。確かに、先行シングルとなり、新たなくるりのスタンダードナンバーとなりそうな、「everybogy feels the same」みたいな、ロックな楽曲もあります。ただ、そうではなく、岸田繁以外のメンバーも前に出てきている楽曲が目立つ、という意味で、バンドらしい作品になっていたと思います。

一番顕著なのは、岸田以外のメンバーにより作詞作曲が行われ、それぞれのメンバーがメインボーカルを取った曲がおさめられている点。佐藤征史作詞作曲+ボーカルの「jumbo」や、新メンバー吉田省念による「dog」がそれ。他にも、新メンバーのファンファンがボーカルをとった「china dress 私を見つけた」に至っては、ファンファンと、サポートの堀江博久以外は、演奏にすら参加していません(作曲は岸田繁)。

確かに、岸田繁以外のメンバーが曲を書き、ボーカルを取ったケースは以前にもありました。ただ、佐藤征史との2人組になってからは、ほぼ全ての曲が岸田繁作詞作曲となっており、岸田繁のワンマン色がより鮮明になっていた印象があります。今回、新メンバーを入れてからも、すぐにメンバーの脱退があったなど、正直、岸田繁ワンマンっぽい部分は垣間見れるものの、間違いなく、メンバー4人あわせてくるりだ、ということを強く意識した作品だと思います。

また、楽曲としてのバリエーションも格段に増えた感じがします。ロック色の強い先行シングルもそうですが、他にも「o.A.o 咲く花は夢のよう」は、名曲「ばらの花」を彷彿とさせるポップソングになっていますし、震災や原発事故の影響を受けた、相馬市について歌った「soma 相馬」は、哀愁たっぷりのナンバー。「argentina」は、ラテン風のムード歌謡曲、「dancing shoes」は、ヘヴィーなロックチューンになっています。

楽曲自体のバリエーション以外にも、空耳をあえて作り出したような歌詞が印象的な「chili pepper japones」みたいなユーモラスな曲があったり、原発事故について歌った「crab,reactor,futere 蟹と原子炉の未来」みたいな、社会派なナンバーがあったりと、硬派軟派いりまじるアルバムになっていました。

もちろんどの曲も、岸田繁(ばかりじゃないですが)のメロディーセンスが冴えまくる曲ばかり。全72分というフルボリュームのアルバムだったのですが、最後までだれることは全くありませんでした。タイトルとなった「坩堝」という言葉は、様々なものが混じりあっている状況を指す言葉だったりしますが、まさにタイトルの通り、くるりというバンドが生み出す、様々なタイプの音楽が混じりあうアルバムになっていました。

新メンバーになり、あらたな一歩を進みだした彼ら。昨年、岸田繁が初のソロ名義の作品を発表しましたが、それもくるりというバンドが、岸田繁のソロではやれない様々なことをやれるバンドに成長した、ということを意味するのでしょう。これからも、楽しみです!(もっとも、この編成がいつまで続くかわかりませんが(苦笑))

評価:★★★★★

くるり 過去の作品
Philharmonic or die
魂のゆくえ
僕の住んでいた街
言葉にならない、笑顔を見せてくれよ
ベスト オブ くるり TOWER OF MUSIC LOVER 2
奇跡 オリジナルサウンドトラック


ほかに聴いたアルバム

DIVISION/the GazettE

前作「TOXIC」は、打ち込みも導入し、楽曲のバラエティーも増え、おもしろい作品でした。それだけに、本作も楽しみにしていたのですが・・・うーん、出だしの「[IX]」こそ、エレクトロなインストナンバーだったのですが、全体的には、メロが平凡。普通の歌謡曲といった感じで、耽美な雰囲気が、ちょっと鼻につく感じ。所々のインダストリアルメタルなアレンジは耳を惹くのですが・・・。

評価:★★★

the GazettE 過去の作品
TRACES BEST OF 2005-2009
DIM
TOXIC

ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2011

ご存知、アジカン主催のライブイベント、NANO-MUGEN FES.の出演者の曲を集めたコンピ盤。毎回のことなのですが、おそらくアジカンのメンバー好みのパワーポップやエレクトロポップのバンドがメイン。アジカンの曲の源泉でもあると思われるため、アジカンが好きなら気に入りそう。the HIATUSやMANIC STREET PREACHERSみたいな有名どころから、はじめて聴くミュージシャンまで選り取り見取りなのですが、なにげにはじめて聴いたミュージシャンがおもしろかったりして、アジカンの選曲センスの良さを感じます。オオルタイチの「Venus」など、チープなエレクトロサウンドが妙にユーモラスでインパクトがあって、印象に残りました。

評価:★★★★★

NANO-MUGEN COMPILATION 過去の作品
ASIAN KUNG-FU GENERATION presents NANO-MUGEN COMPILATION 2008

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2012年11月19日 (月)

典型的なインディーバンド

Title:Beacon
Musician:TWO DOOR CINEMA CLUB

北アイルランド出身の3人組ロックバンドの、これが2枚目となる新作。最近話題の新人インディーバンドの代表格として紹介されることも多く、人気も上昇中。この最新作はイギリスチャートでなんと2位、アメリカビルボードでも17位という好セールスを記録。日本のCD屋でも、比較的、目立つところにディスプレイされ、プッシュされていました。

私個人も、話題となった前作「Tourist History」で気に入ったので、最新アルバムももちろん聴いてみたわけですが・・・基本的な路線は前作と同様。80年代のニューウェーヴを彷彿とさせる、打ち込みなども導入した、チープ感のあるアレンジ。ドラムレスのバンドなのですが、リズムが前面に押し出されるようなアレンジになっていて、無機質さを感じさせるドラムのリズムが、逆に癖になりそうなのがおもしろいところ。

また、そんなサウンドにのるメロディーは、メロディアスでどこか哀愁感も漂います。リズムを押し出した、隙間のあるサウンドという意味では、どこかVampire Weekendと通じる部分があるのですが、憂いを帯びたメロディアスなメロディーという点が大きく異なる感じがります。

ただ、アレンジにしてもスカスカなアレンジは、インディーバンドらしい素人っぽさを感じますし、メロディーにしても、凝った美メロという感じはなく、こちらも垢抜けなさを感じます。そういう意味では、典型的なインディーバンドという感じの彼ら。大きなスタジアムではなく、バンドに手が届きそうな、小さなライブハウスが似合いそうな感じ。

それが彼らの大きな魅力でもある一方、強烈なインパクトという面では、これといって突出した面がない点も、ちょっと気にはなってしまいます。ただ、逆に、そこがまた、彼らの伸びしろなのかも。今後の成長も楽しみです。

評価:★★★★

TWO DOOR CINEMA CLUB 過去の作品
Tourist History


ほかに聴いたアルバム

NOTHING BUT THE BEAT/DAVID GUETTA

今、人気のフランス人DJ。本作が、イギリスで1位、アメリカビルボードで5位と獲得するなど、世界的ヒットを記録し、話題となりました。楽曲は、まさに典型的な、今風のエレクトロポップで、そう話を聴いて、想像するとおりの音。そういう意味では、目新しさはないのですが、安心して楽しめるアルバムといった感じ。

評価:★★★★

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2012年11月18日 (日)

電子音の向こうに感じる暖かさ

Title:UNTIL THE QUIET COMES
Musician:FLYING LOTUS

前作「Cosmogramma」が大きな注目を集めた、アメリカ出身のFLYING LOTUSによるニューアルバム。ジャンル的には、「コズミック・ヒップホップ」なる呼ばれ方をしているそうなのですが、美しいスペーシーな雰囲気のある、高音域の電子音のトラックに、重低音で静かに響くリズムの対比が印象的。いわばエレクトロニック・ミュージックの範疇に入る音楽ということになります。

ただ、スクエアなリズムに無機質さを感じるビートが特徴的なこの手のシーンの中、彼の音楽には大きな特色がありました。それは、楽曲の随所随所にブラックミュージック的な要素を感じる点。「TINY TORTURES」に流れるメロディーには、どこかジャジーな雰囲気を感じますし、「ONLY IF YOU WANNA」なども、ウッドベースの音色といい、ジャズの要素を感じられます。また、「UNTIL THE QUIET COMES」「DMT SONG」ではトライバルなビートを響かせ、こちらはともすればアフリカンな雰囲気すら感じられます。

ご存知とは思いますが、もともとFLYING LOTUSことスティーヴン・エリソンは、ジャズの巨匠、ジョン・コルトレーンの叔父に持ち、アリス・コルトレーンを叔母に持つという家系。それだけに、その楽曲の中にジャズやブラックミュージックの影響を感じるのは当然なところ。前作でも、その影響は顕著でしたが、今回のアルバムでは、より、ブラックミュージックからの影響という彼の大きな特徴が、前面に出た作品のようにも感じました。

そのため、時として無機質で、非人間的にすら感じられる電子音楽ですが、彼の音楽には、一種独特の暖かさや人間らしさが感じられ、それが彼の音楽に厚みを与えていたように思います。スクエアなビートゆえに、ジャズやソウルあたりを好んで聴く人に、電子音楽というのは敬遠するジャンルかもしれませんが、このアルバムなら大丈夫かも??

評価:★★★★★

Flying Lotus 過去の作品
Cosmogramma
PATTERN+GRID WORLD

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2012年11月17日 (土)

オーケストラをバックにしたライブ盤

Title:CUT THE WORLD
Musician:ANTONY AND THE JOHNSONS

その美しいボーカルとメロディーに聴きほれてしまう傑作をリリースし続けるイギリス人ミュージシャン、アントニー・ヘガティによるソロプロジェクト、ANTONY AND THE JOHNSONS。最新作となる本作は、ライブアルバム。昨年の9月2日、3日に、デンマーク国立室内管弦楽団との共演でのライブの模様を収録した内容になっています。

前作「SWANLIGHT」においても、ロンドン交響楽団やデンマーク国立室内管弦楽団と共演した曲が収録されていました。オフィシャル的には、「ライブアルバム」というよりも、「最新オリジナルアルバム」みたいな扱いをされているケースが多いみたいで、今の彼の音楽的な興味が、オーケストラとの共演という方向に行っているのでしょうか?確かに、彼の中性的な美しい歌声は、オーケストラの清らかな響きにピッタリ来るように感じます。

ただ、いままでのアルバムに比べると、と言ってしまうと、やはりバリエーションの富んだいままでのアルバムの方に、分があるように思えます。多分、その場で生で聴けば、その美しいオーケストラの演奏に圧倒されそうでしょうが、正直、おなじオーケストラアレンジで、かつミディアムテンポな曲ばかりだと、少々単調にすら聴こえてきたりして。まあ、私自身、あまりオーケストラを聴かない影響かもしれませんが・・・。

とはいえ、じゃあ、これが駄作だったかといわれるととんでもありません。文句なしの傑作だったと思います。少々単調にすら感じる内容にも、全く飽きが来なかったのは、やはりその美しいボーカルと、メロディーの影響でしょう。特に、表現力豊かで力強いボーカルは、無条件に聴き入ってしまいます。もっとも、いままでの彼のアルバムも、やはりその魅力の多くが、彼のボーカリストとしての力に拠っている部分が大きかっただけに、当然ともいえるのかもしれませんが。

オーケストラを用いたポップのアルバムというと、オーケストラの音ばかりが目立って、大味になってしまうアルバムが多いのですが、やはりボーカルとメロディーの力でしょうか、オーケストラの使われ方が非常に自然で、そういう意味でも、「オリジナルアルバム」としても楽しめる内容だったと思います。ライブアルバムということで、いままでのアルバムに比べると、日本での取り上げられ方が少々寂しい感もしますが、いままでのアルバムではまった方は、文句なしに聴いてほしい傑作だったと思います。

ちなみにこのアルバム、ちょっと話題になったのが2曲(?)目の「FUTURE FEMINISM」というスピーチが収録されている点。トランスジェンダーと宗教に関するスピーチなのですが、いわゆるポエトリーリーディングではなく、完全なスピーチ。内容はともかく、スピーチをそのままアルバムに収録することに賛否はあるみたいです。個人的にも、こういうスピーチの内容を歌にするのがミュージシャンの役割ではないか?とどちらかというと否定的な見解なのですが・・・。ただ、その内容は、もちろん英語なので、これから聴く人は、日本語訳のある国内盤の方をお勧めします。スピーチをアルバムに入れることの賛否はともかく、その内容は、彼の考え方を知る上でも重要と思われる内容なので。

評価:★★★★★

ANTONY AND THE JOHNSONS 過去の作品
The Crying Light
SWANLIGHT

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2012年11月16日 (金)

勝負の2枚目

Title:Come of Age
Musician:THE VACCINES

前作「WHAT DID YOU EXPECT FROM THE VACCINES?」リリース時は、期待の王道UKギターロックバンドとして、日本の雑誌でも大きく取り上げられ、イギリスのアルバムチャートでも最高位4位というヒットを記録した彼ら。ただ、この手のバンドは、毎年のように1組2組大きく取り上げられ、最初のアルバムはヒットするものの、その後は尻つぼみに消えていってしまう、というケースが少なくありません。

そんな訳でも、2枚目のアルバムというのは、その動向が大きく注目されるのですが、彼らの2作目となる本作は、なんとイギリスのアルバムチャートで、1位を獲得。前作を上回る記録に、少なくとも売上という側面では、ハイプという風評を吹き飛ばす結果を記録しています。

そして肝心のアルバムの中身の方ですが、まず1曲目「NO HOPE」から、王道ともいえるオルタナ系の軽快でギターロックからスタート。奇をてらわないサウンドと、ポップなメロディーが心地よいナンバーで、期待どおりの滑り出しといった感じ。続く「I ALWAYS KNEW」は、ちょっと切ないメロが日本人好みしそう?

メロディーは、全体的にちょっと70年代あたりのギターロックを思い出させそう。メロディーと歌詞主体のシンプルな構成に、キュートでポップ、かつどこか哀愁を感じさせるサウンドは、ノスタルジックな感情も感じます。「ALL IN VAIN」あたりは、ちょっとフォーキーな雰囲気さえ感じたりして。「I WISH I WAS A GIRL」あたりは、むしろ60年代、マージービートの頃のギターロックかも?

他にも、「AFTERSHAVE OCEAN」みたいにTEENAGE FANCLUBっぽいギタポナンバーがあったり、「BAD MOOD」みたいなガレージっぽいナンバーもあったり、それなりにバリエーションもあり、楽しめる展開に。わずか40分弱という長さも、ポップアルバムとしてはだれずに一気に、何度も聴ける内容なのが良し。ある意味、ギターロック好きには安心して薦められるアルバムだと思います。

ただ一方で、全体としては無難という印象も。メロディーは確かにポップで聴き応えあるものの、「美メロ」としてそれだけで売れるほどではないし、バンドサウンドも普通。よくも悪くも無難という印象があり、イギリスのロックシーンの次を切り開く、といった感じではないような。

もっとも、いいアルバムだとは思うので、UKロック好きはとりあえず聴いておきたい1枚。次回作も楽しみです。

評価:★★★★

さて、そんな彼らが、今年8月、カバー曲を収録したEPを無料ダウンロードでリリースして話題となりました。

Title:Please Please Do Not Disturb EP
Musician:THE VACCINES

Ppdnd

全4曲入りで、カバーしているのはNick Lowe、WIRE、ABBA、Jonathan Richmanの4組。いずれもアコースティックギターのみの演奏で、しんみりと聴かせるカバーに。彼らのルーツを感じる内容になっているのですが、ロック勢に混じって、ABBAがカバーされているあたり、あのポップなメロディーの源泉はここなんだなぁ、と感じてしまいます。

ちなみに、ダウンロードはこちらのサイトから。まだ、ダウンロードは可能みたいなので、興味ある方は、お早めに。

評価:★★★★

THE VACCINES 過去の作品
WHAT DID YOU EXPECT FROM THE VACCINES?

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2012年11月15日 (木)

女性シンガーでは3組目

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

先週は初登場が少なめだったアルバムチャートですが、今週は新譜ラッシュとなりました。

そんな中、1位を獲得したのが、女性シンガーJUJUの2枚のベスト盤「BEST STORY ~Life stories~」「BEST STORY ~Love stories~」が、それぞれ1位2位に並びました。女性ミュージシャンによるアルバム1位2位独占というのは、藤圭子、浜崎あゆみに続く3人目だとか。「女性」に限ると、それだけ少ないというのはちょっと意外な感じも。ただ、初動売上はそれぞれ10万4千枚、9万7千枚。先日リリースしたカバーアルバム「DELICIOUS」の3万5千枚は大きく上回ったものの、直近のオリジナル「YOU」の11万1千枚を下回ってしまいました。どちらかというと、浮動層狙いのシンガーだと思うのですが、ベスト盤でこの結果はちょっと気になるところです。

それに続き3位だったのが、先週1位の「Popcorn」。2ランクダウンながらもベスト3をキープ。奇しくもシングルアルバムチャート共に、先週の1位が3位にランクダウンという結果になっています。

以下、4位からの初登場なのですが、なんと4位に浜崎あゆみ「LOVE」がこの位置に。デビュー15周年を記念してリリースされた5ヶ月連続リリースの第1弾。初動売上は6万4千枚。直近の企画盤「SUMMER BEST」の8万3千枚、オリジナル「Party Queen」の9万7千枚からも大きくダウンです。全12曲入りながらも、ほとんどがリミックスで、事実上新曲が3曲のみ、なおかつ今後5ヶ月連続リリースという、コアなファン向けだったのが、この結果の理由なのでしょうが。

1位JUJUは、着うたでの人気も高かったのですが、今週は、他にも着うた先導人気のミュージシャンのアルバムがランクインしています。5位にBENI「COVER2」、10位にMs.OOJA「WOMAN -Love Song Covers-」がそれぞれランクイン。どちらも一応R&B系のシンガーなのですが、どちらもカバーアルバム。BENIはタイトル通り、あきらかにJUJUのカバーアルバムを意識してリリースしたと思われる、前作に続く第2弾。今回も、ASKAの「はじまりはいつも雨」やスピッツの「チェリー」みたいな、26歳という彼女の年齢から考えると、「歌わされている」としか思えない選曲のJ-POPが並んでいます。ただ、初動売上が1万7千枚から5万枚とアップ。

で、その企画にあきらかに安直にのっかかったと思われるのがMs.OOJA。こちらも宇多田ヒカルの「First Love」やドリカムの「やさしいキスをして」など、女性ミュージシャンのJ-POPをカバー。もっとも、彼女は現在30歳なので、選曲的には妥当な路線なのですが・・・。こちらは初動1万1千枚で、直近のオリジナル「HEART」の1万5千枚からダウン。残念ながら3匹目のどじょうは、微妙な状況になりました。

6位には、日本でも高い人気を誇るアメリカのハードロックバンドAEROSMITHのニューアルバム「MUSIC FROM ANOTHER DIMENTION!」がランクイン。約8年ぶりとなるファン待望のニューアルバム。ただ、初動売上は3万3千枚で、前作「Honkin'on Bobo」の8万8千枚より大きくダウン。もっとも、8年前とはCD売上の状況は全く異なりますが・・・。

7位はYUKI「BETWEEN THE TEN」。こちら、いわゆるカップリング曲をおさめたB面ベスト。2月にリリースされたベスト盤「POWERS OF TEN」に続くアルバムで、初動売上2万枚は、ベスト盤の7万2千枚から大きくダウンしていますが、B面ベストという内容を考えれば、健闘した方かも?

8位には、ゴスペラーズ「STEP FOR FIVE」がランクイン。初動売上は1万8千枚で、前作「ハモリズム」の2万2千枚からダウン。ここ最近の下落傾向が続いているのが気になるところ・・・。

最後、9位には「THE IDOLM@STER ANIM@TION MASTER 生っすかSPECIAL 05」。TBS系アニメ「THE IDOLM@STER」のキャラクターによる歌やドラマを収録した企画盤の第5弾。初動売上は1万6千枚で、「04」の1万3千枚から、なんとアップ。完全に固定ファン向けで、1万3千枚で横バイ傾向が続いていたので、ちょっとビックリ。

そんな訳で、今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年11月14日 (水)

まあ、らしいよな、良くも悪くも

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週もAKBがらみが1位獲得。

今週1位は、大阪が活動拠点のAKB48姉妹ユニット、NMB48「北川謙二」が獲得。かなりインパクトがある曲名ですが、AKB48の映像コンテンツを担当する実在の人物らしいです。良くも悪くも、この手のインパクトだけを狙ったようなタイトルの付け方は秋元康らしいって感じですね。初動売上は31万7千枚。前作「ヴァージニティー」の31万5千枚より、若干ですがアップしています。

続く2位はTHE SECOND from EXILE「THINK‘BOUT IT!」。かつてJ Soul Brothersとして活動していたメンバーを中心に構成されたEXILEからの派生ユニット。これがデビューシングルとなります。初動売上は10万6千枚。ちなみにEXILEがらみでは、直近のEXILE TRIBE「24karats TRIBE OF GOLD」の15万4千枚からは大きく下回るものの、三代目J Soul Brothersの前作「0~ZERO~」10万1千枚はもとより、EXILEの「BOW&ARROWS」9万2千枚を上回る好セールスを記録しています。

3位は先週1位AKB48「UZA」が2ランクダウンでベスト3をキープしています。

さて、4位以下は相変わらず新譜がズラリと並んでいます。

まず4位は4人組ロックバンド、flumpool「Answer」がランクイン。TBS系ドラマ「レジデント~5人の研修医」主題歌。ストリングスを入れたドラマチックなアレンジが、いかにも売れ筋狙いのポップスロックといった印象。前作「Because...I am」は初動2万8千枚とちょっと不調だったのですが、本作はタイアップの良さからか、3万4千枚と、前々作以前のペースに回復。なにげにロックバンド系の中では安定的な人気を保っています。

5位にはゴールデン・イクシオン・ボンバー DT名義の「DT捨テル」がランクイン。テレビ東京系アニメ「イクシオン サーガ DT」主題歌。こちら、今人気のゴールデンボンバーに、アニメキャラが参加した企画系ユニット。彼らの曲「元カレ殺ス」の歌詞を変えた内容で、歌詞の内容は、タイトルからご想像の通り(笑)、非常にゴールデンボンバーらしい曲になっています。ただ、初動売上は2万1千枚と、ゴールデンボンバーとしての直近作「酔わせてモヒート」の5万1千枚はもちろん、先々週ランクインした鬼龍院翔 from ゴールデンボンバー「Life is SHOW TIME」の4万1千枚も下回ってしまいました。既発表曲だったのと、やはりアニメキャラが参加した点、ファンが受け付けなかったのでしょうか?

で、ここでいわゆる着うた系のミュージシャンが2組ランクイン。6位に着うたの女王、西野カナ「Always」が、9位に、同じく着うたで人気のラップユニット、ソナーポケット「キミ記念日~生まれて来てくれてアリガトウ。~」がそれぞれランクインしています。

西野カナは抽象的な歌詞のラブバラード。初動売上2万1千枚は、前作「GO FOR IT!!」の2万7千枚からダウン。ソナーポケットは、タイトルだけでお腹いっぱいになるのですが、タイトルで想像できる内容以外のことはあいかわらず歌っていません。初動9千枚は、前作「君と見る未来。」の1万枚から若干のダウンです。

初登場はあと2曲。8位にスフィア「Pride on Everyday」、10位にDream5 「シェキメキ!」がそれぞれランクイン。スフィアは人気女性声優によるユニット。アイドル色がかなり強く、この曲も典型的なアイドルソング。NHK教育テレビアニメ「バクマン。」主題歌。初動売上は前作「Non stop road」の2万枚から半減の1万枚。タイアップによって変動が大きく、固定ファンはまだ確保できていない模様。Dream5は、NHK教育テレビ「天才てれびくんMAX」から登場した男1、女4による小中学生によるグループ。完全に、かつてのFolderですね。三浦大知の立場にいるような人はいなさそうですが。前作「READY GO!!」は最高位18位、初動7千枚でしたが、本作は初動9千枚と若干アップ。初のベスト10ヒットとなりました。

ちなみに、今週、AKB48以外に唯一、新曲以外でベスト10入りしたのが7位のHALLOWEEN JUNKY ORCHESTRA「HALLOWEEN PARTY」。VAMPS主催のライブイベントから誕生した企画ユニットですが、先週の14位からランクアップし、売上も先週の8千枚から1万1千枚にアップ。2週ぶりにベスト10に返り咲いています。ライブイベント自体は既に終わったのですが・・・どうしたのでしょうか?勝手な想像ですが、ライブ会場での売上が、いまさら加算されたとか??

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートは、また明日に!

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2012年11月13日 (火)

人気のミックステープシリーズ第4弾

Title:Dedication 4
Musician:Lil Wayne

00cover

おそらく、今、最も人気のあるラッパーの一人、Lil Wayne。この作品は、今年9月にリリースしたミックステープ。いままでも「DEDICATION」シリーズとして人気を博していましたが、これが、その第4弾となります。

今回のアルバムは、全体的に怪しげな雰囲気のトラックになっているものの、様々なゲストが参加し、バラエティー豊か。J.ColeやYoung Jeezyなどのラッパーに加えて、最近人気のNicki Minajも参加。女性ラッパーの参加が、アルバムに一種の彩りを加えています。

また、そんなバリエーションに加えて、どこかポップでユーモラスな側面も。「My Homies(Remix)」など、エレクトロちっくなトラックが、非常にユニークですし、ヘヴィーな雰囲気を残しながらも、ポピュラリティーあるトラックとラップが、耳を惹く作品だと思います。

ダウンロードはこちらのサイトから。聴きやすい内容ながらもしっかり壺を押さえていて、次のアルバムも楽しみになってくる作品だと思います。

評価:★★★★

LIL WAYNE 過去の作品
THA CARTER III
THA CARTER IV


ほかに聴いたアルバム

The R.E.D.Album/GAME

こちらもアメリカの人気ラッパー、GAMEによる4枚目のアルバム。前半はヘヴィーで迫力のあるナンバーが、後半は、メロウなナンバーが並ぶ内容に。ある意味、典型的なハードコアHIP HOPな内容なのですが、このバラエティーある構成もあり、聴きやすい内容に仕上がっていました。

評価:★★★★

THE GAME 過去の作品
California Republic

Within And Without/Washed Out

ジャケットが、妙なインパクトがあり、印象に残るWashed Outのデビューアルバム。アメリカはアトランタ在住のミュージシャン、Ernest Greenによるソロプロジェクトで、リリースしたEPで注目を集め、このアルバムも大きな話題となりました。チルウェイヴという、最近の流行っているシーンの代表格のミュージシャンだそうです。

基本的には、ミディアムテンポでゆっくりと聴かせるチルアウトチューンがメイン。そこに覆いつくすような、エフェクトがかかったこもった音づくりが特徴的。特に、サウンドは、楽曲全体が、霧でおおわれたような印象があり、曲によっては、シューゲイザーっぽいホワイトノイズが入ってきたり、ちょっと幻想的な雰囲気に。そんな音の世界が、妙に心地よい感覚にさせられる、そんな作品でした。

評価:★★★★★

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2012年11月12日 (月)

暖かい人柄を感じさせるアルバム

Title:NEW FACE
Musician:トータス松本

トータス松本のニューアルバムは、なんと豪華2枚組というボリューム。2枚のアルバムは、それぞれDISC1がTORTOISE SIDE、DISC2がATSUSHI SIDEと名づけられており、それぞれがトータス松本というミュージシャンの異なる側面を映し出した内容になっています。

TORTOISE SIDEは、タイトルからして楽しくなってくる「笑ってみ」や、なれなれしいけどどこか憎めない、大阪のオッサンの会話をそのまま歌にした「大阪のオッサンブギ」(楽曲的には、完全に「河内のオッサンの歌」なんですが)など、聴いているだけで楽しくなってくるようなエンターテイメント性あふれるナンバーがつまっています。

一方、ATSUSHI SIDEは、彼の本名松本敦の名前を名乗るとおり、身近なテーマを歌い上げたり、リスナーの背中を押してくれるような、そんな曲が多く、トータス松本本人のパーソナリティーが前に出ているような曲がつまっています。

ただ、どちらの曲にも共通するのが、その歌詞には、どこか暖かさと優しさがつまっているという点。またベタな片想いな描写が胸をうつ「好きだと言え」だったり、ドラマ主題歌にもなった「ブランコ」だったり、切ないラブソングが多く、印象に残りました。特に「ATSUSHI SIDE」が、彼本人の個性を反映したものではあるのですが、「TORTOISE SIDE」にも共通して、アルバム全体、トータス松本の暖かい人柄が感じられました。

トータス松本の人柄、といえば、楽曲の面でもそれを強く感じます。今年2月、アメリカのソウルシンガー、サム・クックの名盤「TWISTIN' THE NIGHT AWAY」をそのままカバーして、サム・クックへの深い愛情を感じさせてくれましたが、このアルバムでもソウルやロックンロールへの愛情を深く感じる曲が並んでいます。

「チェンジ」みたいなロックンロールナンバーや、「バババーン」みたいな、ユーモラスだけどソウルフルなナンバー、他にも「知りたーい」にしろ「ひとりになればわかること」にしろ、特にソウルミュージックへの愛情あふれるナンバーが並んでいます。他にも、「あっというまっ!」は、大滝詠一直系のシティポップなんかもあったりして。

そんなルーツ志向な、音楽への愛情がいっぱいつまったアルバムに仕上がっていたアルバム。2枚組というボリュームながらも、バラティーある楽曲に、聴かせる歌詞、そして、楽曲から伝わってくるトータス松本というミュージシャンの人柄から、アルバムに聴きほれてしまい、あっという間に聴けてしまう傑作でした。

評価:★★★★★

トータス松本 過去の作品
FIRST
マイウェイ ハイウェイ
TWISTIN' THE NIGHT AWAY


ほかに聴いたアルバム

LOUD&PEACE/Dragon Ash

Dragon Ashのベスト盤は、彼らの楽曲を、ヘヴィーな楽曲とメロウな楽曲にわけ、「LOUD DISC」と「PEACE DISC」の2枚のCDにおさめたアルバム。そのため、企画盤的な要素も強く、初心者向けという感じは薄いかも。

で、あらためて彼らの代表曲を聴いてみると、パンクからはじまりHIP HOP、ラップメタル、さらに最近のラテンまで、様々なジャンルに手を広げつつも、正直、どれも中途半端な感も否めません。ただ、どんなジャンルの曲も、その要素を上手く取り入れて、ポップにまとめあげているという点、才能を感じさせます。彼らは、全く新しい音を作り出す独創的な「アーティスト」というよりも、世の中にある「音」を上手く広い層に理解できるように解釈する、解釈者みたいな側面が強いのかも。

評価:★★★★★

Dragon Ash 過去の作品
The Best of Dragon Ash with Changes Vol.1
The Best of Dragon Ash with Changes Vol.2

FREEDOM
MIXTURE

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2012年11月11日 (日)

ロックリスナーも是非

Title:MOVE
Musician:上原ひろみ The Trio Project featuring Anthony Jackson&Simon Phillips

上原ひろみ The Trio Project featuring Anthony Jackson&Simon名義でリリースされた2作目。前作「VOICE」を聴き、その傑作ぶりに一気にはまってしまっただけに、今回の作品も迷わずに買いました。そして、今回も、文句なしの傑作に仕上がっていたと思います。

個人的に、ジャズというジャンルも一応聴くことは聴いていて、名盤を言われるアルバムを何枚か聴いていることには聴いているのですが、正直、そんなに詳しい訳ではなく、はまってしまった、といった感じではありません。ただ、そんな中で、上原ひろみのアルバムにはまってしまったのって、ジャンル的にはジャズなんですが、ロックっぽい要素が多いから、なように感じたのですが・・・ジャズ好きには、違うよ、と言われるかもしれませんが・・・。

例えば、「BRAND NEW DAY」のフリーキーなピアノや、自由自在なバンドサウンドには、どこかジャムロック風な雰囲気を感じますし、「REALITY」のダイナミックな演奏など、まさにロック。「MARGARITA!」など、序盤はスタンダードなジャズっぽいはじまりながらも、途中、シンセが入ってきてスペーシーな雰囲気になるなどユニークな展開も。他にも、タイトル曲「MOVE」や「ENDEAVOR」のドラムとピアノのスリリングな掛け合いにドキドキされるなど聴きどころがたくさん。

逆に後半の「IN BETWEEN」など、スタンダードなジャズっぽい曲が多く、またラスト「11:49PM」では聴きやすいポップな曲調にまとめあげられていて、全体としてバリエーションある展開も魅力的。ジャズリスナーのみならず、ロックリスナーはもちろん、幅広い層が楽しめそうな内容という点も大きなポイントだったように感じます。

個人的には、前作「VOICE」の方がよかったかなぁ、とも思うのですが、イヤイヤ、こちらも文句なしの傑作だったと思います。普段、ジャズを聴かない方も是非。

評価:★★★★★

上原ひろみ 過去の作品
BEYOUND THE STANDARD(HIROMI'S SONICBLOOM)
Duet(Chick&Hiromi)
MOVE(上原ひろみ featuring Anthony Jackson and Simon Phillips)

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2012年11月10日 (土)

森、道、市場 その2

その1からの続き

Morimichi6

ヒカシュー@うたたね広場

(左の写真はうたたね広場のステージ)OGRE YOU ASSHOLEを見た後、ちょっと会場をブラブラしてからうたたね広場に向かうと、既にヒカシューのステージがはじまっていました。ヒカシューというバンドは、1978年結成の、超ベテランバンド。さすがに名前だけは知っていたものの、音を聴くのは、これが完全にはじめて。正直、さほど期待はしていなかったのですが・・・。

会場に来ると、なんか、ボーカルがおかしな動きを(笑)。ジャンルは完全にアバンギャルドポップ。最初、これはちょっとキツイかな?と思っていたのですが、見始めたら、とてもおもしろくて、完全にはまってしまいました。演技がかった妙な動きをするボーカルの巻上公一は、テルミンを奏でながら、時にはボイスパーカッション、時には口琴などを奏でながら、とてもユーモラスなパフォーマンスを見せてくれます。

楽曲は、アバンギャルドポップから、浪曲風、演歌風な曲があったり、かと思えば、アニソンみたいなドラマチックでポップな曲があったり、実はなにげにポップな作風が耳に残りました。そしてなによりもバックの演奏がとても安定感があってしっかりしていました。さすがはベテランといった感じでしょうか。そのため、楽曲にいろいろな遊びの要素があっても、ベースが全くぶれない安定感があり、ある意味、安心してみていられるステージでした。

とてもユニークなステージで、ついついはまってしまった、楽しいライブでした。こんな楽しいライブとはちょっと予想外。また、是非ともライブを見てみたいです!

bonobos@あじさいの舞台

正直、bonobosに関しても、あまり期待してしませんでした。というのも、昨年、Rock on the Rockではじめて見た彼らのステージ。完全に期待はずれでがっかりしたステージだったからです。その後聴いたアルバム「ULTRA」は傑作だったのですが、ライブに対してはあまり期待をしていませんでした。

・・・が、1曲目にいきなり「THANK YOU FOR THE MUSIC」で、いい感じのまったりした空気が会場を流れていきました。その後も前半は横ノリでいい気持ちで音にのっかかるようなステージで、とても心地よく。秋口の気持ちいい風が、会場を通り抜けていくような、そんなステージでした。

かと思えば、後半には「Go Symphony!」ではアップテンポでウキウキするような雰囲気に。さらに「あなたは太陽」は、前半はまったりと聴かせたかと思えば、後半はアップテンポになり、会場を沸かせます。最後を締めくくったのが「GOLD」。これまた横ノリのリズムで、心地よい雰囲気のまま、ライブは幕を閉じました。

前回のRock on the Rockのステージは、あれは一体なんだったの??と思ってしまうくらい、素晴らしいステージでした。会場にはピースフルな空気が流れ、本当に幸せな気分になれるステージ。特に、横ノリのレゲエとロックを融合させたようなリズムがとても心地よく、そんなリズムに身をまかせながら、ゆったり見れるライブでした。いやぁ、よかった!!また、ライブを見てみたいです。

向井秀徳アコースティック&エレクトリック@うたたね広場

そしてお待ちかね!個人的にこの日一番の目当て、向井秀徳のステージがはじまります。向井秀徳1人がエレキギターをかかえステージ上の椅子に座り、わきのテーブルにはお決まりのビールが(笑)。まず最初にMCで、「いい会場なんですが、バーカウンターがもっとあればいいなと思います」と、アルコールが少なかったこの日の会場にちょっとダメだし(笑)

1曲目はZAZEN BOYSの「Waterfront」からスタート。続いては、早くもナンバガのナンバー「Frustration in my blood」。人力ダブとも言うべき、例えばボーカルで「フラストレーション ション ション ション・・・」みたいに、あたかもエフェクトをかけたような歌い方に、ちょっと笑いもおきました。

その後は、向井秀徳ソロ曲の「SAKANA」に「カラス」。どちらもはじめた聴いた曲なのですが、「カラス」は、しんみり聴かせる郷愁を誘うメロと歌詞が、とても印象に残るナンバーでした。

さらにここらからはナンバガ時代のナンバー。「SENTIMENTAL GIRL'S VIOLENT JOKE」「鉄風 鋭くなって」「TATOOあり」と、ちょっと懐かしいナンバーが。ここからはギターで轟音を鳴らし、会場からの歓声がわきました。そして最後はZAZEN BOYSの「The Days of Nekomachi」で締めくくり。最後はノイジーなギターをかき鳴らし、例のごとくビールを片手に乾杯に合図で、会場を去っていきました。

向井ソロの曲やZAZENの曲に関しては、やはり向井秀徳の色が濃いだけに、ソロでも楽しく聴かせてくれるました。ソウル風だったり、フォーキーだったり、空間を生かしたギターサウンドだったり、向井秀徳の実力を存分に感じました。ただ、ナンバガ時代の曲に関しては、どうも向井1人のギターだけだと、物足りなく感じてしまう・・・(^^;;聴きなれていたからかもしれませんが、頭の中に、常に他の3人の音も流れてきてしまうんですよね・・・。

「アコースティック&エレクトリック」名義ながらも、結局アコギは登場せず(笑)。でも、やはり向井秀徳のステージはいいわぁ。12月に行く予定のZAZEN BOYSのライブも楽しみになってきました!ただ一方、ナンバガ時代の曲を聴くと、やはりナンバガはよかったよなぁ、なんてノスタルジックな気持ちにもなってきたり。帰ってから、久しぶりにナンバガのアルバムを引っ張り出して聴いてみました。

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(右の写真はあじさいの舞台の全景。向こうに海も見える、気持ちのよいステージです)

toe@あじさいの舞台

最後を締めくくるのは、インストバンドtoeのステージ。この日、ライブもはじめてですし、音を聴くのもはじめて。ノイジーなギターに迫力で、複雑なドラムのリズムが印象的。ポストロックの影響も感じるインストバンドで、なによりも演奏に力を感じました。

ライブ自体はとても魅力的で、最後まで見ていたかったのですが・・・帰りのバスの混雑が心配になり、半分くらいみて退席。ちょっと後ろ髪をひかれつつ・・・会場を後にしました。

そんな訳で、今年はじめて足を運んだライブイベント森、道、市場。最初、あくまでも「市場」はメインで、ライブ会場は、その片隅でアコースティックのセット、というのを想像していたのですが、ちゃんとしたフルセットでのステージで、「フェス」感覚で楽しむことが出来ました~♪

ただ、一方で、文句を言いたくなる点も少なくなく。端的に言うと

トイレ少ない!!アルコール少ない!!メシ食うところ少ない!!

何箇所かあるトイレは、簡易トイレが4、5個しかなく、常に長蛇の列。アルコールも、ビールを扱っている店が少なく、あっても3時くらいには売り切れで、ビールを飲みながらのライブを楽しみに来た身にとってはかなり不満も。メシは、出店しているところはとてもおいしそうな店ばかりなのですが、なにぶん数が少なく、どの店も、こちらも長蛇の列が・・・。「おいしいご飯とアルコール片手にライブを楽しむ」というフェス独特の至福の時が味わえず、ちょっと不満に感じました。

ただ、(トイレや食事の行列は別として)客の入りはちょうどいい感じで、なにより、自然とちょっと不気味な廃墟と、そして景色が良いという、良く見つけたな、という最高のシチュエーション。ミュージシャンのセレクトも良く、その点、とても楽しめた1日でした。なんでも、昨年は、駐車場に入る車で大渋滞が起き、会場入りできない人が出てきて、チケットの払い戻しが生じたというトラブルがあったとか。その点、交通の面は特に問題はなかったし、徐々に改善の最中といった感じでしょうか。そういう意味では来年以降、今回感じた不満点が解消され、さらに気持ちのいいイベントになることを期待しています!いいライブにたくさん出会えた1日でした。

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2012年11月 9日 (金)

森へ行ってきました。

森、道、市場 2012

会場:三ヶ根山ロープウェイ山麓駅跡周辺 日時:2012年10月20日(土)

「森、道、市場」というイベントに参加してきました。このイベント、今年2度目となるのですが、おしゃれな雑貨屋やカフェ、レストランなどが出店を並べるイベントと、並行して会場にステージを設置し、一種「フェス」のような感じで、多くのミュージシャンがライブを行うイベント。わずか1,000円というチケット代に対して、かなり豪華なミュージシャンがライブを行うということで、出かけてきました。

場所は、蒲郡の形原温泉という、正直寂れた温泉街のさらに奥。かつて、三ヶ根山ロープウェイというロープウェイの山麓駅があり、ちょっとした観光地になっていたらしい一体。静かな山のふもとの、とても雰囲気の良い場所でした。

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こんな感じの山里。向こうに見えるのが、事実上のメインステージであるあじさいの舞台。

この日は、ライブ以外のお店もメインだっただけに、会場を散策しようと、ライブがはじまる前、12時半くらいには会場に入りました。まず、秘境ステージというエリアに行ってみたのですが、これが完全に森の中。所々に、かつてロープウェイがあったころに建てられたと思われる廃墟などがあって、奇妙な雰囲気の散歩道(?)になっていました。突き進んだところに、謎の建物があったり(↓)

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階段ステージには、かつてのお土産屋が、廃墟になって残っていて、そこでは当日、ラーメン屋が開店していました。こちらでラーメンを食べましたが、なかなかおいしかったです。

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ちなみに、お店が並んでいる場所の風景。こちらは「市場の森」の風景です。

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こんな感じで、おしゃれな雑貨屋やカフェがたくさん並んでいました。でもって、下の写真が、空のステージから一望できる三河湾の風景。

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こんないい雰囲気のところで、観光地跡の廃墟なんかもいい雰囲気を出していて(って、人がいない時に来たら、ちょっと怖そうですが(^^;;)、よくこんないい場所見つけたなぁ~と思うような、最高のシチュエーションでした。(もっとも、「観光地跡」といっても、一部はお店になって営業していたり、一番奥にはジンギスカンの店があり営業しているみたいですが)

ジョンのサン@うたたね広場

まず最初は、うたたね広場というステージで、ジョンのサンという名古屋で活動するバンド。雰囲気としては、キセルmeetsたまといった感じの脱力バンドなのですが・・・正直、あまりに脱力しすぎて、ちょっとつかみどころがない・・・(^^;;音の空間があまりにも多い作風は、味なんだとは思うんですが、いまひとつピンと来ませんでした。

OGRE YOU ASSHOLE@あじさいの舞台

そして、続いては、この日のお目当てのひとつ、OGRE YOU ASSHOLE。以前から注目していたバンドで、特に「homely」は、個人的に相当はまった傑作。この段階で、最新作「100年後」はまだ聴けていなかったのですが、はじめて見る彼らのステージにとても楽しみにしていました。

事前に情報として入れていたのですが、この日のステージで驚いたのは、曲の雰囲気が「homely」以前の作風とはかなり異なっていたこと。ミディアムテンポな楽曲がメインだったのですが、リバーブのエフェクトをかけたダビーな雰囲気に、サイケ風の轟音ギターが曲の空間を埋め尽くすようなステージ。アルバムの時のように、メロと歌詞を聴かせるというよりも、バンドサウンドを前に押し出したような曲調で、迫力ある音の世界に圧倒されるステージでした。

途中のMCは簡単な自己紹介と、ライブ告知のみで、まさに切れまない爆音の中、ライブが進んでいく感じ。そして一番すごかったのが、ラストの「ロープ」。原曲とは全く違うサイケなアレンジで、特にドラムスのヘヴィーなリズムが腹に響きまくり、ギターノイズに圧巻されたステージ。ロングバージョンということで、序盤、延々にそのバンドサウンドをしっかり聴かせた上で、ちょびっと歌がある感じに仕上げていました。

はじめてのOGRE YOU ASSHOLEで、個人的には、もうちょっと空間を聴かせるタイプのステージになるのかな、と思っていただけに、サイケなアレンジというのは、ちょっと意外。ただ、圧倒的な音の迫力に、魅せられてしまったライブでした。また、是非ライブを見てみたいです!

その2に続く

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2012年11月 8日 (木)

本音が炸裂する歌詞

Title:バンドやめろ
Musician:日本マドンナ

ここ最近の日本の「ロックバンド」は、どうも曲を聴いても雑誌のインタビューを読んでも、妙に社会に対して寛容というのか、誰かに気を使っているというのか、あまりにも丸くなりすぎている、と感じることが少なくありません。例えば、AKB48に対しても、あれだけその販売手法などに問題視されていながら、面と向かった批判はほとんどありません。昔だったら、「アイドルなんてぶっつぶしてやる」みたいなバンドが何組かいてもおかしくなかったような気がするんですが・・・。

今回の日本マドンナのメジャーデビューアルバムのタイトル曲が出来たきっかけも、そんな妙に優等生になってしまった日本の「ロック」シーンを象徴するような出来事で、なんでも、彼女たちの歌に対して、対バンしていたバンドのメンバーに「そんな歌を歌って親に申し訳ないと思わないの?」と言われたことがきっかけだとか。インタビューでもこのエピソードは繰り返し語っていますし、PVにもなっていますし、ライブのMCでも語っていましたし、よっぽどインパクトがあったんでしょうね。

この日本マドンナという、ミュージシャン名にもインパクトがある女の子3人組のパンクバンド、まさにそんないい子ちゃんばかりの「ロック」シーンの中で、かなりインパクトのある歌詞が話題になっています。この「バンドやめろ」ももちろんなのですが、軽薄なアイドルブームに疑問を投げかけるような「愛ドル」なんて曲があったり、このアルバムの収録曲ではないのですが、タイトルそのままの「村上春樹つまらない」なんて曲もあったり(笑)。

はっきりいって、かなりドギツイ歌詞もあったりするのですが、彼女たちの言いたいことをストレートに伝えるこのスタイルこそ、ここ最近のロックバンドが忘れかけているパンクロックそのものといった感じ。それが、まだこの間高校を卒業したばかりという、女の子3人組によって奏でられているあたり、日本の将来も、まだまだ捨てたもんじゃないなぁ、という感じがしました(笑)。

で、基本的にその歌詞をメインに取り上げられることが多い彼女ですが、なにげに分厚いバンドサウンドといい、、意外にポップでインパクトのあるメロディーといい、バンドとしての基礎体力もきっちり備えていて、歌詞のインパクトだけのバンドではない、という点も重要なところではないでしょうか。

先日、ライブではじめて彼女たちのステージを見たのですが、なにげに演奏もしっかりしていて上手く、かつ、迫力のある音を出していて、ちゃんとバンドとしての実力も兼ね備えているなぁ、と感じました。

インパクトは抜群ですし、なにげに曲の土台もしっかりしているし、今後に注目したいパンクバンド。こういうバンドがもっと売れれば、日本の音楽シーンもおもしろくなるのになぁ。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

対音楽/中村一義

ここ最近は100sとしての活動が続いていたので、中村一義名義のオリジナルとしては、なんと2002年の「100s」以来、10年ぶり(!)となる新作。今回のアルバムでは、彼の音楽的な原点でもあるベートーヴェンを曲の中に取り込んだ作品。具体的には、1曲目から9曲目まで、ベートーヴェン交響曲の第1から第9まで、その順番通り、フレーズを取り込んだ作品になっています。

普通、この手のクラシックとのコラボは、どうも上手くいかないことが多いように感じます。なにより、クラシックのフレーズがあまりにも強烈で、楽曲自体がクラシックの色に染まってしまい、ベタな作風になってしまうことがほとんどのケースのように思います。

しかし、そこはさすが中村一義。今回のアルバムは、ベートーヴェンの有名曲のフレーズを上手く取り込みながらも、楽曲自体は、中村一義らしい、極上のポップソングにしっかりとまとめあげています。それも、10年ぶりのソロというのにふさわしい、ギターロックからアコースティック、ストリングスやらピアノやら、様々な音の要素を取り込んだ美しいメロディーラインが展開していく、まさに中村一義の世界をしっかりとつくっています。天才、中村一義の実力を、再認識したアルバムでした。

評価:★★★★★

中村一義 過去の作品
最高宝
6 REMIX'N BIRDS

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2012年11月 7日 (水)

それはこっちのセリフ(苦笑)

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

タイトルは、今週1位の楽曲の曲名に対して・・・。

1位はAKB48「UZA」。楽曲的には80年代の王道アイドル歌謡曲路線といった感じ。「ウザい」という若者言葉を躊躇なくタイトルに出来るところが秋元康らしい感じ。初動売上は112万8千枚。これで10作目のミリオン獲得で、女性シンガーとしては初らしいです。ただ、初動売上は、前々作から大きくダウンした「ギンガムチェック」の118万1千枚からも大きくダウンしています。

2位はジャニーズ系アイドル、中山優馬「Missing Piece」がランクイン。本人主演の日テレ系ドラマ「Piece」主題歌。こちらもマイナーコードの哀愁感ある王道歌謡曲路線。ソロ名義では初となるシングル。初動売上は4万5千枚で、彼が所属していたNYCの直近のシングル「ハイナ!」の初動9万1千枚から大きくダウンしてしまいました。

3位はavexの男女混合グループAAA「虹」が入ってきています。今回の作品は、作詞作曲がGReeeeN。曲もさることながら、陳腐な前向き歌詞が、そのままGReeeeNって感じ(^^;;ただ、アレンジはどこかTM Networkっぽいんですが、意識したんでしょうか?(アレンジはGReeeeNではありませんが)初動売上は4万枚で、アルバム先行シングルだった前作「777~We can sing a song!~」の3万5千枚よりアップ。ただ、前々作「Still Love You」は初動4万8千枚なので、そこからはダウンしてしまいました。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まず4位に遊助ことタレント上地雄輔の「VIVA! Nossa Nossa」が入ってきています。ちょっと時期ハズレのラテン風のサマーナンバーなのですが、ブラジル人歌手、ミシェル・テロの「Ai Se Eu Te Pego」の日本語カバー。この曲は、サッカー選手のクリスティアーノ・ロナウドが、ゴールパフォーマンスで踊ったことをきっかけにヒットした曲だとか。初動売上3万4千枚で、前作「Baby Baby」の4万3千枚からダウン。ここ最近、売上が安定していたのですが、ちょっとつまずいています。ちなみに、これで6作連続4位という珍記録が継続中。

5位は人気男性声優神谷浩史「Such a beautiful affair」。初動売上2万1千枚は、前作「虹色蝶々」の1万5千枚からアップ。3作目にして、自己最高の初動売上と順位を記録。楽曲は、ちょっとヴィジュアル系っぽいナルシスティックなビートロック。

6位には、ここ最近、人気も安定してきましたオールドスタイルのロックンロールやソウルからの影響を色濃く感じるロックバンド、THE BAWDIES「LEMONADE」がランクイン。今回は、いままでのようなソウル色を押し出したロックンロールナンバーではなく、軽快なギターポップ風なナンバーに。初動売上は1万7千枚。前作「ROCK ME BABY」の1万3千枚よりアップ。ここ4作連続、初動売上が増加傾向にあります。

7位は、AV女優やグラビアアイドルを集めたアイドルグループ、恵比寿マスカッツ「逆走アイドル」が入ってきています。初動売上は1万2千枚で、前作「親不孝ベイビー」の1万1千枚より若干アップ。

8位には、Rita「Little Busters!」がランクイン。同名タイトルのアニメの主題歌で、Litaはもともと、アダルトゲームの主題歌を中心に活動していた歌手だとか。「Little Busters」といえば、個人的にはthe pillowsを思い起こすのですが、関係あるのでしょうか?楽曲的には、全く共通点はないのですが。

そして初登場最後9位には、Superfly「Force」が入ってきています。先日発売されたアルバム「Force」からのリカットシングル。テレビ朝日系ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」主題歌。初動1万1千枚は、前作「輝く月のように」の1万6千枚よりダウンですが、アルバムからのリカットシングルということを考えると立派な成績。ドラマタイアップ効果や、ライブの模様を収録したDVDなどの効果でしょうか?


今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

で、今週はそのままアルバムチャートも。

アルバムチャート1位は「Popcorn」が獲得。奇しくも、シングルチャートはAKB48、アルバムチャートは嵐という、今、日本で最もCDを売ることのできるシンガーが、共に1位を獲得しています。初動売上は70万1千枚。前作「Beatiful World」の63万枚よりアップしてきました。

ただ、このアルバムの1位が目立つものの、今週は新譜は極端に少なめ。2位は家入レオ「LEO」が2週連続の2位、3位もTaylor Swift「RED」が2週連続3位を記録。なんと、1位を除く2位と3位が2週連続同一のタイトルという珍記録となりました。

ちなみにTaylor Swiftの「RED」は、今週のビルボードチャートで120万8千枚という圧倒的な記録で1位を獲得。アメリカでの高い人気をさらに確固たるものとしています。なお、この120万8千枚という数字、CD売上だけではなくダウンロード販売を含んでの数字なので、あしからず。

4位以下の初登場なのですが、6位にやっと初登場。アメリカのR&BシンガーNe-Yo「R.E.D.」。こちらも偶然にもTaylor Swiftのアルバムと同タイトルになっています。初動売上は1万4千枚。前作「LIBRA SCALE」は初動3万2千枚だったので、こちらからは大きくダウンしてしまっています。

7位には、女性シンガーソングライター柴田淳によるカバーアルバム「COVER 70's」がランクイン。タイトル通り、70年代のヒット曲をカバーしており、久保田早紀の「異邦人」や太田裕美の「木綿のハンカチーフ」などおなじみなナンバーがずらりと並んでいます。初動売上は1万枚で、直近のオリジナル「僕たちの未来」の1万1千枚からほぼ横バイ。完全に固定ファンがついている、って感じでしょうか。

アルバム初登場は今週あと1枚。藤井フミヤ「Winter String」が8位にランクインしています。初動売上9千枚は、前作「Life is Beautiful」の1万4千枚より大きくダウン。

そんな訳で、今週はシングル&アルバムチャートを一気に1日で紹介しましたが、来週は、おそらくまた水曜日がシングル、木曜日がアルバムになる模様。それでは、また来週。

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2012年11月 6日 (火)

向井秀徳がつむぐ物語たち(すとーりーず)

Title:すとーりーず
Musician:ZAZEN BOYS

ZAZEN BOYS約4年ぶりとなるニューアルバム。いままで、アルバムタイトルが、ZAZEN BOYSという名前+連番だったのに対して、はじめてタイトルがつき、ジャケットも、いままでのバンド名のロゴから、人物のイラスト(落語家立川志らくのトレース画だそうです)になりました。

ただ、アルバムタイトルを変えたり、ジャケットをいままでのパターンから変えることによって、ZAZEN BOYSとして、楽曲のスタイルも変えたか、と言われるとそうではありません。むしろ今回のアルバム、ZAZEN BOYSとしてのひとつの集大成のようにも思えました。

「サイボーグのおばけ」「ポテトサラダ」をはじめ、音数を絞ったタイトなサウンドに、向井秀徳の独自解釈による独特のラップが乗るような曲がメイン。ここらへんはこれまでのZAZEN BOYSの方向性からすると、実に「らしい」作品と言えるかもしれません。かといえば、「電球」などは、どちらかというとポップなメロディーにバンドサウンドを前に出してきたような作品になっていますし、「泥沼」では、いつも以上にファンキーなバンドサウンドが特徴的。タイトルチューンとなる「すとーりーず」では、前作「IV」に通じるような、シンセによる電子音を全面的に取り入れた作品になっています。

向井秀徳が暴走気味にすら感じられた前作に比べて、相変わらず向井秀徳がやりたいことをやりつつ、これまで4作で模索し続けた、ZAZEN BOYSとしてやれることをやりつくした、そんなアルバムのように感じました。だからこそ、このアルバムで全く新しい風景が見えたか、といわれると、そういう意味での衝撃はあまり感じませんでした。でも、ZAZEN BOYSとしてたどりついたひとつの極地ではないでしょうか?文句なしの傑作です。

もうひとつ、このアルバムで特徴的に感じたのは、向井秀徳の歌詞の世界でした。このアルバムもお決まりの「諸行は無常 性的衝動」からはじまるのですが、向井秀徳らしいフレーズ、「冷凍都市」の雰囲気がこのアルバムからは感じられません。「ポテトサラダ」「午前8時の小学生」「電球」「サンドペーパーざらざら」・・・また、物語の舞台も、「さびれた地方都市」だったり「がらがらの商店街」だったり、いままでの都会の情景とは異なります。なんとなく、いままでのアルバムに比べると、人間の暖かさすら感じました。今回のジャケットは落語家のトレースなのですが、落語といえば、人と人の物語。いままでのZAZEN BOYSらしいどこか無機質感が消え、落語に通じるような、「物語=すとーりーず」を感じる歌詞、だったように思います。

ただ、ある意味、ひとつの完成形となったZAZEN BOYS。次はどのような道を進むのでしょうか?思えばナンバーガールは結成から解散まで7年。ZAZEN BOYSは、既に結成から9年が経過していますが、正直、向井秀徳のことだから、今後、タラタラと、ZAZEN BOYSの活動を続けるとは思えません。次のアクションに出るのか、それとも・・・。ともかく、まだまだZAZEN BOYSと向井秀徳の活動からは目が離せなさそうです!

評価:★★★★★

余談。今回のアルバム、CD発売と同時に、配信でのリリースとなったのですが、配信で購入した方が、CD以上の音質のWAV形式での発売もある上に、ボーナストラック「無口なガール」がついてきたり、向井秀徳の制作ノートをPDF化したファイルがついてきたりと、むしろCDで買うより断然お得な内容。もちろん私も、CDではなく、DL販売で購入しました。ミュージシャンの側は、ある意味完全に、CDに見切りをつけはじめている、ということなのでしょうか。今後、こういうCDで買うよりも、DLで買ったほうがお得というアルバムが、徐々に増えてきそうな予感がします・・・。

ZAZEN BOYS 過去の作品
ZAZEN BOYS IV


ほかに聴いたアルバム

MACH2012/TOWA TEI

全9曲入りとなるテイ・トウワの新作は、新曲にリミックス作が混じる構成、というのは彼らしい感じ。軽快で爽やかなポップスの連続で、非常に聴きやすく、心踊る内容に。正直、ある種の目新しさはあまり感じないものの、クラブ系にありがちな閉鎖的な雰囲気は皆無で、いい意味で、幅広い層が楽しめそうな1枚。

評価:★★★★

TOWA TEI 過去の作品
BIG FUN

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2012年11月 5日 (月)

TOYOTA ROCK FESTIVAL その2

その1から続く

Toyorock2012_3

(左の写真 豊田大橋から眺めるトヨロック会場)

Shing02&DJ A-1@MAIN STAGE

続いては、この日一番のお目当て、Shing02のステージ。ラインナップが発表になった時、Shing02出演のニュースはかなり驚きましたし、当然、トリになるものと思っていたのですが・・・15時40分という、かなり早い時間からのスタートはちょっと意外。確かに、大勢で盛り上がる感じではないので、ロックフェスのトリというタイプではないのかもしれませんが。

ステージは、Shing02のMCと、DJ A-1の2人のみのステージ。Shing02は、イメージしていたよりも長身で華奢なのですが、独特の雰囲気がありました。ひとつひとつの言葉を丁寧につむぐラップは、CDと同様。噛み締めるようなラップは、ライブで聴いていてもインパクトがあり、聴き入ってしまいます。

正直、ステージはCDで聴くのと同じような感じだったのですが、あのCDのタイトな音とラップが、そのままステージ上に再現され、やはりその場でつむぎだされるラップを生で聴くというのは、迫力がありました。この日のステージでは「応答セヨ」や「400」などといった代表的なナンバーも披露。英語のラップも多かったのですが、かなり流暢な英語も印象的。また、MCでは、最近の領土問題でギスギスした社会の中、あらためて平和を訴えるMCが印象的で、「black is beautiful」など、社会派な側面もキッチリとのぞかせました。

かなり硬派な、かつシンプルなステージだったのですが、それだけにインパクトも大きかったステージ。確かに、盛り上がる感じではなく、トリという感じではないのですが、そのラップを心に強く刻み込んだステージでした。

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(右の写真 EAST LANDのステージ全景)

LUVRAW&BTB@EAST LAND

続いてはEAST LANDでLUVRAW&BTBのステージ。このユニットは、名前も音もはじめて聴くユニットなのですが、トークボックスユニットだそう。トークボックスとは、ギターやシンセの音を、ビニールチューブなどによって、口の中で共鳴させるエフェクターのことだとか。ステージ上には、なぜかメンバー2人の他に、司会者(?)も登場。この司会者はイルカのビニール人形を持ち、曲にあわせて踊っていて、一番目立っていました(笑)。

楽曲は、メロウで、アーバンな雰囲気のトラックがメイン。アップテンポなリズムに踊れる曲も多く、メロディーもポップで、ステージ映えする曲が多く、どこかユーモラスな感じもあり、最初はかなり楽しめました。ただ、残念ながら、似たようなタイプの曲が多く、最後の方は、ちょっとダレて来てしまいましたが・・・。ライブ終了後は、なぜか金曜ロードショーのテーマでおなじみの「Friday Night Fantasy」で客出し。最後の最後までユーモラスなステージでした。

BUNNY GANG featuring. NATHEN MAXWELL of FLOGGING MOLLY@MAIN STAGE

そして再びMAIN STAGEへ。またもや洋楽勢の登場。こちらのバンドは、アイリッシュパンクバンド、FLOGGING MOLLYのベーシスト、NATHEN MAXWELLのソロプロジェクト。ただ、楽曲はアイリッシュパンクではなく、軽快でポップなギターロックといった感じ。スカっぽいリズムの曲や、ピアニカでメロディーを奏で、哀愁ただよう曲、また、フォーキーな楽曲などもあり、バラエティーに富んだステージを楽しめました。なぜか、バンドのバックに、絵を描くパフォーマンスをする人が・・・。

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(左の写真 One Love Stage)

RANKIN TAXI feat.MYERS ROCK@One Love Stage

そして続いては、日本レゲエ界の大御所中の大御所、RANKIN TAXIが登場!ただ、実は彼のことはもちろん名前は知っていたのですが、音は全く聴いたことなく、どんな感じのステージになるんだろう、と思いながらステージを見てみたのですが・・・これがめちゃくちゃ楽しいステージでした!

ジャンルはもちろんレゲエなのですが、その歌詞がとてもユーモラス。お酒についての歌を歌ったり、THE BEATLESの「Let It Be」の替え歌に、途中、東日本大震災直後のACの広告で話題となった「あいさつの歌」(ぽぽぽぽ~んってやつです)を混ぜてきたり、下ネタもあったり、さらには、幼い頃に生き別れた娘を、娘とはしらずナンパしてしまったエピソード(実話?)を曲にしたり、抱腹絶倒のステージで、レゲエはあまり聴かないような私でも、思わずはまりこんでしまいました。

一方ではユーモラスだけではなく社会派な側面も。反原発について強烈なメッセージをのせた「原発ガッカリ音頭」で、この日も原発反対を鮮明に訴えていました。さらに、強烈だったのが、大麻解禁をストレートに訴えた「マリファナ音頭」。大麻の害については、世界的には賛否いろいろな議論がある中、日本ではなかなか解禁を訴えられるような状況にはありません。そんな中、これだけストレートに大麻解禁を訴えちゃうってのは、ある意味、勇気がいってすごいなぁ、と思ってしまいます。

そして、この反原発にしろ大麻解禁にしろ、社会派ネタながらも、あくまでもユーモラスな視点でまとめあげていて、楽しく聴けちゃうんですよね。これがまたおもしろい!40分程度の予定が実質1時間近いステージになったのですが、あっという間の、とにかく楽しいステージでした。また、是非彼のステージは見てみたいです!

TURTLE ISLAND@MAIN STAGE

で、オオトリは、地元豊田出身で、このフェスではおなじみのバンドTURTLE ISLAND。太鼓や笛などで、日本やアジア古来の民謡風のビートを演奏するバンドで、そのパフォーマンスの迫力は、このフェスの最後を締めるにふさわしい感じでした。ただ、去年見た時も思ったのですが、こういうライブで暴れるには申し分ないものの、ちょっと似たような曲が多くて、だれるような印象も・・・。なんてことを思いながら、TURTLE ISLANDの途中で、ちょっと早めだったのですが、会場を後にしました。

今年もまた、無料とは思えない豪華な内容だったTOYOTA ROCK FESTIVAL。1日十分満足して楽しんできました~。ただ、正直、個人的には去年の方が、ライブの満足度は高かったかも・・・あと、なぜか「ロックフェス」なのに、HIP HOP勢が多く、ロック勢が少なかった印象も。とはいうものの、Shing02やRANKIN TAXIのステージは最高だったし、相変わらずいいイベントでした。天気も良く、気持ちのよい1日でしたし、また、来年も、是非とも足を運びたいです!

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2012年11月 4日 (日)

今年もトヨロック!

TOYOTA ROCK FESTIVAL 2012

会場:豊田スタジアム/西・東イベント広場 日時:2012年10月14日(日) 10:00~

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昨年に続いて今年も行ってまいりました。2度目の参加です。豊田スタジアム(の周囲の公園を使用して)で毎年開催されるロックフェス、TOYOTA ROCK FESTIVAL。このライブの大きな特徴は、入場料無料ということ!そりゃあ、足を運ぶでしょう。ということで、暑い日々もようやく終わりをつげ、涼しくなってきた10月のこの日、トヨロックに足を運んできました。

(仮)ALBATRUS@MAIN STAGE

会場には11時過ぎに到着。まず、MAIN STAGEでライブを行っていたのは、(仮)ALBATRUSというバンドでした。元犬式 a.k.a.Dogggystyleの三宅洋平の新バンドだとか。ステージ上には、ヒッピーっぽい風貌のメンバーが5人。ジャンルとしては、レゲエやファンク、あるいはジャムバンドの要素を組み込んだ、ちょっとゆるい感じのロックでした。

そんな楽曲の雰囲気も、ある意味、いかにもヒッピーっぽい感じ。そんな雰囲気が、いい意味でも悪い意味でも「昔風」な印象を受けました。後半、「コーヒールンバ」のカバーをやっていましたが、この風貌で、「やがて心うきうき とても不思議このムード」なんて歌われると、コーヒーじゃなくて、なんかの葉っぱを吸っているんじゃないか?と思ってしまったり(^^;;

竹原ピストル&ごとうはるか@GREEN FIELD

次は、GREEN FIELDで、竹原ピストル&ごとうはるかのステージ。このGREEN FIELDは、一面の芝生の上に、スピーカーを置いただけのステージで、芝生に座りながらライブを楽しむ、なかなか心地よいステージでした。

竹原ピストルは、元野狐禅のボーカリスト。野狐禅時代と同じく、アコギを抱えてのステージだったのですが、この日は、他にサポートメンバーのバンドに、ドラマーのごとうはるかを率いてのステージ。で、ごとうはるか、名前からして女性かと思いきや、思いっきり男性でした(^^;;それも、おかっぱ頭で、かなり不気味な風貌で、ドラムのたたき方もかなりフリーダムで、異様な雰囲気でした。

で、その竹原ピストルの歌は、野狐禅時代と変らず、力強いボーカルに、身の回りの出来事と、それにからむ心情をストレートに歌った泥臭い曲がすごく心に響きます。暖かさと同時に、私たちの背中を押すような優しさと力強さを感じる曲が、アコースティックなサウンドとマッチし、気持ちよくステージを楽しむことが出来ました。途中、中島みゆきの「ファイト」のカバーも披露。力強く、泥臭さのあるボーカルが、この曲にマッチしていて、思わず聴き惚れてしまいました。

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INNER TERRESTRIALS@MAIN STAGE

(右の写真 MAIN STAGE)

続いては、再びメインステージで、INNER TERRESTRIALS。こちらは、イギリス出身のロックバンドだとか。もちろん音もはじめてならば、名前もはじめて聞くバンドです。

楽曲は、軽快なスカパンクで、ライブで盛り上がりやすいステージ。知名度がいまひとつなせいか、残念ながら、さほど盛り上がっていませんでしたが・・・。あと、正直、スカパンクなのですが、特徴が薄く、さほど印象に残らなかったなぁ。ドラムスがデブだったのが、妙に印象に残りましたが(笑)。

鎮座DOPENESS@EAST LAND

次は、EAST LANDの鎮座DOPENESSのステージ。EAST LANDは、豊田スタジアムの中の通路に設置されたステージ。鎮座DOPENESSは、名前だけは聞いたことあるけど・・・程度の印象で、もちろんライブを見るのはこれがはじめて。

その鎮座DOPENESS、ルックスが普通の若いサラリーマンみたいな感じで、あまりラッパーみたいじゃない(笑)。ラップもテンポのよく、ポップな作風だったのですが、これといった特色もなく、あまり強い印象に残りませんでした。

DJ BAKU@MAIN STAGE

で、MAIN STAGEにもどるとステージではDJ BAKUのプレイが。ターンテーブルの後ろで、DJスタイルで、ビートの強い楽曲をガンガン鳴らしていました。ただこの時、ちょっと疲れていて、ビールも飲んで心地よくなっていたので、後ろで休憩していたら、ついついウトウト・・・。すいません、なので正直、あまり覚えていません(^^;;

で、DJ BAKUが終わり、次のShing02までちょっと時間があったので、会場をうろうろ。正直、イベントや店の雰囲気なんかついては、昨年とほとんど変っていません。いろいろな店が出店していたのですが、基本的にオーガニック系の店がほとんど。去年と同じくJOYRIDE MEETでは、自転車をつかったポロ、Bike Poloも行われていました。ステージの感じも去年と全く一緒。ただ、EAST LANDのとなりに、THUNDER DAYというDJブースが追加されていましたが。また、去年、行われていた、クラシックカーを走らせるイベントは今年はなし。代わりにドラムのワークショップが開催されていました。

去年あった、中古レコード・CD市の円盤市場は今年も開催。なので、このタイミングで覗いてみました。今年の収穫は、

「A CHRISTMAS GIFT FOR YOU FROM PHIL SPECTOR」
「THERE'S NO PLACE LIKE AMERICA TODAY/CURTIS MAYFIELD」
「KINKS+12/THE KINKS」

の3枚。枚数は少なめですが、いずれも聴いてみたかったアルバムばかりだったので、なかなかの収穫でした~♪

その2に続く

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2012年11月 3日 (土)

美メロ系?

Title:Mature Themes
Musician:Ariel Pink's Haunted Graffiti

アメリカのインディーミュージシャン、アリエル・ピンク率いるインディーバンドの新作。前作「Before Today」がメディアなどに高い評価を受け、一躍注目を集めました。今回、この新作を試聴してみて、いかにもな美メロ路線がいい感じに思えたので、聴いてみたのですが・・・。

えっと、このバンドを評して、「美メロ」と言うのは、正直、非常に難しい感じがします。でも、大きく言うと、「美メロ」系に括られそうな、暖かい雰囲気の音とメロディーを書くバンドなんですけどね~。

具体的に言うと例えば冒頭。「Kinskii Assassin」など、後ろに流れるシンセのメロは、分厚く甘い雰囲気があり、まさに「美メロ」っぽい。メロディーも、甘いサウンドで、やはり美メロ路線か・・・と思うと、なんか煮え切らないまま終わってしまったり・・・。

他の曲もそうなんです。分厚いサウンドに、ポップで甘いメロディーラインが展開されて、これは典型的な美メロ路線だ・・・と思いつつ、途中からの展開が妙に素直じゃなくて、「あれ?」って感じになってしまいます。

じゃあ、この楽曲、駄目でいまひとつか、と言われるとそうじゃなくて。「あれ?」となった展開に、最初は違和感を覚えつつ、なんか、そのちょっとひねくれた展開が、妙に味があり、後にひくようなインパクトがあり・・・。

そういう意味では、非常に不思議なインパクトを残したバンド。確かに、美メロ路線からは微妙にはずれているため、とっつきにくい感じはするのですが、2度3度聴くうちに、この微妙なはずし方が、まるで中毒のように、ジワジワと効いてくる感じがします。

とにかく、まず、是非、この微妙なメロディーの虜になってみてください。美メロといわれると、ちょっと煮え切らない感じが、最初、喉の奥につっかえた骨みたいに、微妙な感じになりますが、2度3度聴くうちに、徐々にはまっていきますよ~。

評価:★★★★★

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2012年11月 2日 (金)

美メロはもちろん健在

Title:Elysium(邦題 エリシオン~理想郷~)
Musician:PET SHOP BOYS

約3年ぶりとなるPET SHOP BOYSのニューアルバム。既にデビューから30年近くが経過し、まさにベテランバンドの代表格ともいえる彼ら。ただ、そのポップ路線は、現在もゆらぐことなく、時代を超えて普遍的なポップナンバーをコンスタントに書いてくる彼らの作品は、今なお、現役感があり、むしろ若々しさすら感じられます。

今回のニューアルバムも、そんな美メロ路線は相変わらず。普遍的なポピュラリティーのあるメロディーラインに、いつも通り、軽快なエレクトロポップが乗り、基本的にファンとしては、ここらへん安心して聴ける内容なのはいままで通り。特にアルバムの中では、「Give it a Go」が、メロウなメロディーラインに、ピアノの音色が爽やかに加わり、インパクトもあり、特に印象が残る作品でした。

ただ、今回の作品については、美しいメロディーラインなのは間違いないものの、全体的に暗くて、地味な印象が否めませんでした。マイナーコード主体の作品が多く、いつものPET SHOP BOYSのような、「キラキラ」感は薄め。アルバム全体としてはインパクトも薄めでしたし、何度か聴いて味わい深いメロディーだったか、といわれるとその点も少々微妙・・・。もちろん、悪くはないものの、彼らのアルバムの中では、ちょっと期待したほどじゃなかったかなぁ・・・。

ちなみに初回盤では、楽曲から歌をのぞいてトラックだけを収録したボーナスディスクが収録。こちらは少々月並みな言い方かもしれませんが、歌を抜いてトラックだけでも十分楽しめるエレクトロポップに、トラックメイカーとしてのPET SHOP BOYSの魅力を再認識しました。チェックされる方、初回盤が入手できるのなら、こちらを是非。

評価:★★★★

PET SHOP BOYS 過去の作品
Yes
ULTIMATE PET SHOP BOYS(邦題:究極のペットショップボーイズ)
The Most Incredible Thing


ほかに聴いたアルバム

HANNA/The Chemical Brothers

ケミブラ名義の最新作は、映画「ハンナ」のオリジナルサウンドトラック。この手のサントラは、どうしてもこういう感想が主になってしまうのかもしれませんが、正直、あくまでも映画にあわせてつくられた作品なので、ケミブラらしさはほとんど出ていません。エレクトロ路線なのは彼ららしいところなのですが、高揚感は皆無で、「ケミブラらしさ」を期待すると、かなり拍子ぬけするかも。基本的に、コアなファン意外には、ちょっとお勧めしずらいアイテムです。

評価:★★★

The Chemical Brothers 過去の作品
Brotherhood
Further(邦題:時空の彼方へ)

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2012年11月 1日 (木)

こちらも新譜は多いが、目玉は少なく・・・。

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

シングルチャートは新譜は多いものの、大物の新譜がなかったチャートでしたが、アルバムチャートも同様。ベスト10のうち6枚が新譜でしたが、大物の新譜はなく・・・。

1位は、関ジャニ∞初のベストアルバム「8EST」が2週連続1位を獲得。売上は3万2千枚と、この不況のチャートとはいえ、かなり寂しい結果になっています。

初登場最高位は2位の家入レオ「LEO」。これがデビューアルバムとなる女性シンガーソングライター。既にリリースした3枚のシングルがいずれもベスト10入りしていますので、ベスト10入りは予想通り。初動売上は3万2千枚で、シングルで直近の「Bless You」の1万7千枚からアップ。まあ、順調な売上といった感じでしょうか。

3位には、アメリカの人気カントリーシンガーTaylor Swift「RED」がランクイン。全世界的に大人気の彼女は、イギリスで1位、アメリカビルボードでも当然1位が予想されています。カントリーミュージックがあまり売れない日本でも3位という記録は立派。初動売上は3万2千枚。前作「SPEAK NOW」は、輸入盤の影響で、3週目に最高位6位を記録。その時の売上が2万2千枚なので、その記録を上回る結果に。3位も自己最高位です。

続いて、4位以下の初登場ですが・・・

4位に中島みゆき「常夜灯」がランクイン。初動2万5千枚は、前作「荒野より」の2万3千枚から若干アップ。ここらへん、根強いファン層に支えられている印象。

5位には、韓国の男性アイドルグループB1A4「1」が入ってきています。これが日本でのデビューアルバム。ちなみにシングルでは直近作「おやすみgood night」が4位で初動3万6千枚を記録。これに対してアルバムは初動2万枚とダウンというちょっと厳しい結果に。

7位には、女性シンガーソングライター、YUIの曲を様々なミュージシャンがカバーした企画盤「SHE LOVES YOU」がランクイン。miwaやねごと、中川翔子などがYUIの曲をカバーしているほか、YUI本人も「CHE.R.RY」をボサノヴァアレンジでセルフカバーして参加しているそうです。

そして初登場ラストはUNICORN「Quarter Century Box」が9位に入ってきています。彼らのシングル集にライブベスト、さらにはミュージッククリップ集などCD4枚+DVD1枚というボックス盤。完全にコアなファン向けなのですが、1万枚を売上、見事ベスト10入り。さすがに直近のミニアルバム「ZII」の3万4千枚よりはダウンしているものの、定価1万5千円のボックス盤で、この売上はすごい。ちなみに来年2月に、CDの部分は、シングルベストとライブベストで、別売りされるみたいなので、さすがに1万5千円は・・・と思った方は、そちらを待ってもよいかも。

そんな訳で、アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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