メロディーにまずはまりました。
Title:SWING LO MAGELLAN
Musician:DIRTY PROJECTORS
前作「Bitte Orca」が大きな評判となった、アメリカ・ニューヨークはブルックリン・シーンを代表するバンドによる最新作。いや、実はその評判になった前作「Bitte Orca」は全く聴いていなくて、彼らの楽曲をきちんと聴くのはこれがはじめて。このアルバムも、評判がいいみたいなので聴いてみました。
が、正直言うと、最初聴いた時は、いまひとつはまれず、評判の良さに大きな「?」がついてしまったのは事実。ポストロック風の、ちょっと言い方を悪くすれば、取っちらかしたようなサウンドが、どうもはまれませんでした。
ただ、2度3度聴いていくうちに、はまっていったのがそのメロディーライン。最初聴いた時は、サウンドにばかり耳が行ってしまったのですが、例えば哀愁を感じさせるソウル風のメロが魅力な「SWING LO MAGGELAN」、暖かさを感じるメロディアスな「IMPREGNABLE QUESTION」、楽しげなポップナンバーの「UNTO CAESAR」など、決して派手さはないため、1度目に聴いた時には気がつかなかった、魅力的なメロディーラインに、まずはまりました。
そうすると、徐々に魅力が出てくるのがこのアルバム。最初、取っちらかしている、という印象すら受けたアレンジも、徐々に頭の中でつながりだし、取っちらかしているどころか、シンプルなサウンドが、あるべき場所でちゃんと鳴っている、そう印象に変ってきました。
ポストロック風のシンプルながらもユニークなリズムが楽しいトラックから、アコースティックなサウンドまで、バリエーションもあり、単純に「ポストロック」の一言では捕らえられない個性を感じるこのアルバム。聴けば聴くほど、はまっていきそうな予感も。前作は、まだ聴いたことなかったのですが、これを機に、聴いてみようなぁ。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
Destroyed/MOBY
ポップでメロウなアンビエントチューンが主軸となるMOBYの新作・・・まあ、要するに、以前から変らない、王道のMOBYチューンといった感じ。美しいメロディーも安定感があって、少なくとも、以前からのファンなら、期待通りの作品といった感じ。ただ、期待通りであって、期待以上でないのが、残念なのですが・・・。
評価:★★★★
MOBY 過去の作品
Go:The Very Best Of Moby
Last Night
Wait for me
Sorry for Party Rocking/LMFAO
モータウン創始者の、あのベリー・ゴーディーJrの息子と孫という、サラブレッドによるユニット。全米12位、全英では8位を記録しています。今風なロッキンエレクトロに、テンポよいラップが乗るという、飛びぬけて楽しいパーティーチューン。難しいこと抜きにして楽しみえる楽曲になっています。この「理屈はとりあえず抜き。まずは万人が楽しめるポップソング」という点では、モータウンの方向性に通じるものがあるのでしょうか??
評価:★★★★
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