復活!
Title:THE REBIRTH BEST~再会~
Musician:プリンセス・プリンセス
今年、東日本大震災へのチャリティーという目的で、1年限定で復活した、90年代を代表するガールズ・バンド、プリンセス・プリンセス。その再結成を機に、過去の代表曲をリマスターしてまとめたベスト盤が発売されました。プリプリのベストといえば、2006年頃から2008年頃にかけて、おそらく社会的にそれなりに地位になったであろうかつてのファンに向けてか、いくつかのベスト盤が発売されましたが、「プリプリ再ブーム」は不発。しかし、再結成を記念しての今回のアルバムは、見事オリコン5位にランクイン。うーん、やはり「再結成」という話題は大きいですね。当たり前ですが(^^;;
以前にも書いたのですが、プリプリといえば、ギャルバンの代表的なバンド、と評されることも多いのですが、ただ日本のポピュラーミュージック史の中で、プリプリというバンドが切り開いたはずのギャルバンという流れは、その後、ほとんど繋がりませんでした。WhiteberryやZONEみたいなバンドもいたものの、どちらかというとアイドル色が強く(まあ、プリプリも、もともとはそうでしたが)ようやくここ最近、チャットモンチーやねごとなど、女性だけのバンドがブレイクしてきましたが、残念ながら彼女たちからはプリプリからの影響は感じさせません。
ただ、プリプリの代表曲を聴くと、やはり名曲が多いなぁ、とあらためて思ってしまいます。特に絶妙なのが、歌詞における彼女たちの位置付け。男社会の「ロックバンド」の中、決して男性陣の向こうを張ったような、肩肘はった歌詞にするのではなく、あくまでも女の子の本音を、時にはかわいらしく描いています。でも、かわいらしいといっても、決して男性に媚びているわけではなく、一本、筋の通った自立した女性像もしっかりと描いています。ここらへんのバランス感覚、実はチャットモンチーの歌詞にも似たようなものを感じるんですよね。プリプリとチャットモンチー、音楽的にはおそらく影響はないのでしょうが、やはり女性バンドで、なおかつ売れるバンドというのは、どこか繋がる部分があるのでしょう。
まだ、メロディーも、メロディアスで、そして切ない雰囲気が絶妙!もちろんおなじみの「Diamonds」や「M」、「ジュリアン」なども良いのですが、個人的に、今回のベスト盤にも収録されている「HIGHWAY STAR」や「ONE」がなんといってもメロディーが絶妙な名曲。1990年にリリースしたアルバム「PRINCESS PRINCESS」にこの2曲が並んでいるのですが、さすが脂ののりまくった時期のアルバムは違う!こんな名曲が惜しげもなく並んで、アルバムに収録されているなんて・・・。全盛期の彼女たちの勢いを感じさせます。
再結成ということで、出来れば新曲なんかも聴きたかったかも・・・とも思うのですが、チャリティーのためのライブ活動を優先させた結果でしょうか?リアルタイムでファンだった方はもちろん、ここ最近の再結成の話題で気に入った方も、チェックしてほしいベスト盤です。
評価:★★★★★
プリンセス・プリンセス 過去の作品
プリプリ・フユソン
ほかに聴いたアルバム
VIVID/Crystal Kay
Crystal Kayの新作は、全編、今風のエレクトロサウンドなのが特徴的。軽快なサウンドが、爽やかで、とても聴きやすいポップソングが並んでいます。ただ、エレクトロサウンドが前面に出た結果、彼女の持ち味である「歌」の部分が後ろに下がってしまい、彼女の魅力がちょっと引っ込んでしまった感じも・・・。
評価:★★★★
Crystal Kay 過去の作品
Shining
Color Change!
BEST of CRYSTAL KAY
THE BEST REMIXES of CK
FLASH
Spin The Music
LOVE SONG BEST
一青十色/一青窈
「ひとといろ」と読む一青窈の最新作は非常にユニーク。タイトル通り、様々なミュージシャンの曲を歌っているアルバムで、「Lesson」では岡村靖幸、「dots and lines」ではRHYMESTERのMummy-D、「マフラー」ではキリンジの堀込泰行(アレンジは冨田恵一)が曲を提供。また「パラソル哀歌」では、阿久悠が書いた未発表の歌詞に、キノコホテルのマリアンヌ東雲が曲をつけるという異色作。ほかにもつんく♂に渡辺真知子の曲も。それだけに、いままでにないバラエティーあふれる作風で、一青窈の新たな挑戦という印象も受けました。
その試み自体は非常におもしろいと思うのですが・・・ただ、残念ながら、曲によってはボーカルが弱く、インパクトが薄くなってしまうという弱点も露呈してしまいました。特に岡村靖幸の曲やMummy-Dの曲あたりに、それが顕著に出てしまった感じも。そういう意味ではちょっと残念なアルバム。もうちょっと自分のボーカルに合った曲を選んだほうがよかったのかも。
評価:★★★★
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