ちょっと疲れてしまいました・・・。
Title:CENTIPEDE HZ
Musician:ANIMAL COLLECTIVE
アメリカのインディーロックの代表的なミュージシャンとして、前作「Merriweather Post Pavilion」が高い評価を受けた、ANIMAL COLLECTIVEのニューアルバム。前作は、過剰な音に塗り固められた作品ながらも、美しい雰囲気に魅了された傑作でした。
今回も、基本的に、様々なアイディアのつまったアレンジが、次から次へと登場してきます。ユーモラスだったり、時には幻想的だったり、奇妙な雰囲気すらするアレンジの中、ポップなメロディーラインが流れるという展開。まあ、ある意味、いかにもインディーっぽいといった感じなのですが・・・。
ただ、前作では大ハマリした私でしたが、正直、今回の作品については、いまひとつピンと来ませんでした。ちょっとトライバル風なリズムを楽しめる作品もあって、耳を惹きましたが、全体的に、アレンジが過剰気味に感じてしまい、その割にメロディーのポピュラリティーは低く、いまひとつピンと来ず。最後の方は、聴いていて疲れてしまいました・・・。
前作が傑作だっただけに、本作も楽しみにしていたのですが、残念・・・。次回作に期待したい、というところでしょうか?
評価:★★★
ANIMAL COLLECTIVE 過去の作品
Merriweather Post Pavilion
ほかに聴いたアルバム
亀淵昭信のロックンロール伝~16歳の僕はドーナッツ盤に恋をした
亀淵昭信といえば、個人的には、例のホリエモンによるニッポン放送の敵対的TOB騒動の時に、ニッポン放送の社長として登場し、上場企業の社長なのに、そもそも上場するって意味を理解していないの?という言動に苦笑いしてしまった、ちょっと「痛い」社長というイメージがあるのですが(^^;;ただ、ある年代以上の方にとっては、「オールナイトニッポン」の人気DJというイメージが強いらしく・・・というよりも、一般的なイメージとしてはそちらで、今は社長業も退き、「ポピュラー音楽研究家」として活動されているそうです。
そんな彼が、フリーマガジン「熱風」で、「ドーナッツ盤に恋をして、私説ロックンロール黄金史」というエッセイを連載していたそうなのですが、そちらで紹介された楽曲をまとめたオムニバス盤がこちら。「ロック史」というと、どうしてもビートルズがスタートすることが多い中、こちらで紹介されているのはビートルズ以前のロックンロールが紹介されています。
それで一番おもしろいのは、同じ曲でも、原曲と、それをカバーしたロックンロールミュージシャンの曲を並べて紹介している点。それがもたらす効果として一番わかりやすいのが、「Hound Dog」。一般的にはエルヴィス・プレスリーの曲として有名なこの曲ですが、もともとは女性ブルースシンガー、ビッグ・ママ・ソーントンの曲。それをフレディ・ベル&ベルボーイズがカバーし、さらにエルヴィスがカバーしたのですが、この3曲を並べると、ブルースらしい迫力とグルーヴのあるソーントンの原曲に、それをあっさり風味に仕上げたフレディ・ベル、その聴きやすさを残しながらも、原曲のもつグルーヴ感も生かし、黒くカバーしたエルヴィスバージョンの対比がユニーク。ブルースが、いかにしてロックンロールへとつながっていったのかがよくわかります。
ロックンロールの源流について「お勉強」するには、最適かつ、非常におもしろい企画だったと思います。ロックの歴史、ひいてはロックンロールの歴史に興味を持った方には是非。興味深い、名企画盤だと思います。
評価:★★★★★
Revelator/Tedeschi Trucks Band
現代の3大ギタリストの一人といわれるデレク・トラックスと、その奥さんで、ブルーギタリストのスーザン・テデスキを中心とするバンド、デデスキ・トラックス・バンドのデビュー作。もともと、「世界一、ギターの上手い夫婦」といわれ、ギタリストとしての腕前には定評のある2人だけあって、そのギタープレイには文句のつけようがありません。ファンクを取り入れたり、シタールを使用した楽曲もあるのですが、基本的にブルースロックが主軸となっており、ブルージーなギターの音が、たまりません!ただ、楽曲の出来には文句のつけようがないものの、やはり全体的に新鮮味にはちょっと欠ける点も・・・。
評価:★★★★
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