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2012年10月19日 (金)

ちょっと三十路には辛いかも。

Title:ENTERTAINMENT
Musician:SEKAI NO OWARI

メジャーデビュー後、バンド名を「世界の終わり」から「SEKAI NO OWARI」とカタカナ表記にあらため、別の意味で、「イタタタ」度がましたバンドのメジャーデビューアルバム。「SEKAI NO OWARI」といえば、いかにも中高生あたりの妄想のような、中2病的な歌詞の世界と、ピアノの音色などを上手く取り入れた、美しいメロディーラインとサウンドが特徴的。メジャーデビュー作となる本作は、そんな彼らの特徴が、良くも悪くも、よくあらわれた作品になっていたように感じました。

中2病的な歌詞は今回も、これでもかというほど炸裂。例えば「illusion」では

「僕たちが見ている世界は加工、調整、再現、処理された世界
だから貴方が見ているその世界だけがすべてではないと
皆だってそう思わないかい?」

(「illusion」より 作詞 深瀬慧)

なんて感情、うんうん、中学生の頃、よく思ったよなぁ、なんておじさんとしては逆に懐かしく感じたりして(笑)。

ただ、私がこの「中2病」といっている歌詞の世界。ある種の真実を捉えていて、大人になっても、ある種納得感がある歌詞と、大人になると「それはちょっと世の中を捉え間違えているよ」とか「ちょっとそのきり方は浅いんじゃない?」と歌詞があると思うんですが、正直、SEAKI NO OWARIに関しては、少々後者の色合いが強いように思うんですよね・・・。

例えば「天使と悪魔」なんかは悪と善の二元論に疑問を唱えるような内容なんですが、テーマとしては良くありがちで、切り口は浅い感じですし、「Love the warz」なんかは、歌詞がひねくりすぎていて、若干意味不明。まあ、ちょっとこの歌詞の世界については、少々暴走気味に感じたのですが、このちょっと暴走気味な歌詞もまた、彼らの持ち味なのかなぁ。

メロディーに関しては、相変わらずシンプルながらもポップで、耳を惹くものが多くなっています。決して派手ではないものの、心にひっかかりのあるメロは、この手の「歌詞を売り」にしようとしているバンドとしては、ちょうどバランスが良いのではないでしょうか。「ロックバンド」としては、確かにバンドサウンドが弱く、チープな打ち込みも気になるのですが、あくまでもポップスとして捉えれば、問題ないように感じます。

そんな訳で、よくも悪くも彼ららしい特徴が出たアルバムに感じました。ちょっとさすがに30歳半ばの私にとっては、何度も聴くのは辛い内容なのですが(^^;;中高生の頃なら、文句なくはまっていたような気も。評価は★3つですが、もし10代の方なら、★1つ追加で。ただ、ちょっと気になるのは彼ら、てっきり20代前半の若手だと思っていたら、メンバーみんなもう、20代後半なんですね・・・正直、申し訳ないけど、そろそろこの歌詞の世界では辛いような気もしてしまいます・・・そういう意味では、このバンド、これから先の動向、いろいろな意味で気になってしまう・・・。

評価:★★★

SEKAI NO OWARI 過去の作品
EARTH


ほかに聴いたアルバム

ONOMIMONO/パスピエ

ここ最近、アニメやアイドル、あるいはおたく系カルチャーを前面に出しているようなミュージシャンが増えたような印象を受けます。アーバンギャルドやモーモールルギャバン、あるいは相対性理論あたりがそういう感じでしょうか?そして、ここ最近話題のパスピエも、そんなバンドの一組になるのでしょうか。チープなエレクトロポップに、かわいらしいちょっと舌ったらずな女性ボーカルの軽快なポップソング。彼女たちの音楽について言葉で説明すると、そういう感じになるでしょうか。

ただ・・・話題になっているバンドということで期待して聴いてみたのですが、このアルバムに関しては少々期待はずれでした。ポップなメロについては、少々80年代が入っているでしょうか?相対性理論あたりを意識した感が否めないものの、歌詞にしろメロディーにしろ、特にプラスアルファで惹かれるものは感じられませんでした。確かに、それなりに良く出来たメロディーとサウンドだとは思うのですが、おとなしくまとまってしまった感じで、もうちょっと突っ走ったところがほしかったかも。

評価:★★★

MASH UP THE WORLD/MAN WITH A MISSION

最新シングルが6位、このアルバムもチャート4位を記録。名実共に人気バンドとなった彼ら。狼の頭に人間の身体というスタイルもインパクトがあり、ある意味、一度見たら忘れられないバンドといった感じ。ただ、それだけ人気上昇中の彼らなのですが、正直、アルバムを聴く限りだと、その傾向には若干「?」がついてしまいます。パンキッシュなサウンドに、軽快なシンセは確かに魅力的でインパクトはあると思うのですが、よくも悪くも「普通のパンク」といった感じで、ずば抜けたものは感じません。もっとも、彼らはライブが大きな魅力ということで、ライブを見ると、その印象も変るのかもしれませんが・・・。

評価:★★★

MAN WITH A MISSION 過去の作品
Trick or Treat e.p.

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