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2012年9月 2日 (日)

ジャパンマネーの力?

Title:L'Arc~en~Ciel Tribute

ジャパン・マネー、強し!

なんか、バブル期によく使われたこの言葉、再び、使えるシーンが来るとは・・・(苦笑)。ご存知、L'Arc~en~Cielのトリビュートアルバム・・・なんですが、その面子のほとんどが洋楽勢(というか、日本勢はボーナストラック扱いなので、事実上、洋楽勢オンリー)という内容。つーか、ほとんどのミュージシャンはラルクなんて知らないでしょ?これだけの面子をひっぱってこれた点、なんだかんだいっても、まだまだ日本円は強いんだなぁ、なんて皮肉的なことを思ったりして(^^;;

ただ、よくよく見ると、参加している面子は、ほとんどが日本でだけ人気の出た、ビック・イン・ジャパンだったり、本国では、「終わった」感のあるミュージシャンだったり。いかにも、「普段、洋楽を聴かない層にアピールできるネームバリューを持っていて、かつ、こういう企画でも載ってくれそうな」ミュージシャンを選んでいるなぁ、という感じは否めません。とはいえ、レフト・アイ逝去後、活動休止状態のTLCが参加している点は驚きましたが。

Amazonのレビューを見ると、概ね、洋楽勢が好評な一方、邦楽勢を酷評しているレビューが目立ちます。しかし、アルバムを聴いた感想としては、正直、言われるほど洋楽勢は良くないし、逆に邦楽勢はそんなに悪くはないという印象。

洋楽勢に関しては、おそらく原曲に思いいれがないためでしょうか、とってつけたようなカバーがほとんど。確かに、ミュージシャンとしての基礎体力があるため、それでもそれなりの内容には仕上がっていますが、トリビュートといった感じはほとんどありません。ただ、完全に畑違いのBoyz II Menや、TLCが、それなりに曲を自分の土俵にあげて、上手くR&B風にカバーしているのは、さすが、といった感じはしましたが。

そこらへん、すっかり日本に定住し、下手な日本人以上に邦楽に精通しているEric Martinの「HONEY」のカバーはさすが。原曲を生かしていて、壺をついている感じ。そういう意味では、ちゃんと「トリビュート」していました。

逆に邦楽勢は、確かにミュージシャンとしての基礎体力は洋楽勢に劣っているのは否めない部分はありますが、しっかりとトリビュートしていました。

POLYSICSの「SEVENTH HEAVEN」は、いつもながらのポリらしいテクノパンク風カバー。個人的には、もっと原曲の雰囲気をぶっとばしたほうがおもしろかったと思うのですが・・・。シドの「Shout at the Devil」は、ある意味そのまんまなのですが、ここらへんは普段からラルクへの敬愛を口にしている(らしい)彼らならでは。HemenwayやTOTALFATのカバーも、これはこれで悪くないのでは?TOTALFATのコアパンク風カバーもおもしろかったし。Hemenwayの韓国語カバーも、ちょっと違う雰囲気のスパイスといった感じで、悪くなかったし。

ただ、全体的には、やはり、あえて洋楽勢を中心に据える点で、商業的意図がチラホラ見えてしまったため、トリビュートとしては「?」。本当に、ラルクが好きなミュージシャンによる、本当の意味でのトリビュートにしてほしかったなぁ。参加ミュージシャンに興味を持った方は、チェックして悪くないと思うけど・・・。

評価:★★★


ほかに聴いたアルバム

VOCALIST VINTAGE/徳永英明

徳永英明のVOCALISTシリーズ最新作は、昭和歌謡曲のカバー。アレンジも含めて、昭和歌謡曲をそのままパッケージしたような内容。なにげに、彼のスモーキーなボーカルは、この時代の歌謡曲にピッタリマッチしています。そういう意味では、うってつけの選曲。ただ、個人的には、いつまで続くの、このシリーズ?という印象も否めないのですが・・・。★1つマイナスはそういう理由で。

評価:★★★★

徳永英明 過去の作品
SINGLES BEST
SINGLES B-Side BEST

WE ALL
VOCALIST4
VOCALIST&BALLADE BEST

聞こえる/中村中

中村中の今回の作品は、東日本大震災を受けて、一度、脱力することをテーマとして思いついた、ということ。そういう意味では、いままでの作品に比べて、これでもかというように、聴いている者の耳をつかみとるような曲はなく、全体的にはポップになった感じも。そういう意味では、少々薄味な感は否めないのですが、節々に聴こえる、彼女らしい強い感情はやはり大きな魅力。もっと売れていいミュージシャンだと思うのですが・・・。

評価:★★★★

中村中 過去の作品
私を抱いて下さい
あしたは晴れますように
少年少女
若気の至り
二番煎じ

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