夢の共演!
Title:CHECKERBOAD LOUNGE LIVE CHICAGO 1981(邦題 ライヴ・アット・ザ・チェッカーボード・ラウンジ・シカゴ1981)
Musician:MUDDY WATERS&THE ROLLING STONES
ローリング・ストーンズ結成50周年企画の一環としてリリースされたライブアルバム+DVD。1981年11月22日に、シカゴで行われたシカゴ・ブルースの代表的なミュージシャン、マディ・ウォーターズのステージに、ローリング・ストーンズのメンバーが参加した模様を、そのまま収録したライブ盤になっています。
国内盤では、ライブCD2枚組に、DVDという構成になっていますが、やはり、個人的に一番興奮してしまったのがDVDの方。まさに、ブルースの本場、シカゴのブルースライブの模様を、そのままパッケージしたかのような内容。マディ・ウォーターズを中心に、まだまだ若い、ジュニア・ウェルズがボーカルにハーモニカ、さらにバディ・ガイがギターで参加していて、ステージ上で共演する姿が、そのままパッケージされている姿には、もう感涙モノです。
まさに本場のブルースのライブはこんなんだったんだよなぁ・・・と感じるのは、よくあるライブのスタイルみたいに、曲をきちんと決めて、最初の予定通り進行していく感じではなく、ステージ上でジャムりながら、その場の雰囲気で曲を進めていく感じ。とても自由さを感じられ、ステージ上で、気の合うメンバー同士のセッションは、とても楽しそう。それと同時に、スリリングさを感じられるステージに、知らず知らずのうちに釘付けになってしまいました。
マディ・ウォーターズは、この後、体調を崩して、晩年のステージ。また、彼は、この直前の1980年に唯一の来日公演を行っているのですが、そのときの評判はあまり芳しくなかったとか。おそらく、全盛期と比べると、そのパワーは落ちてしまっていたのかもしれません・・・・・・が、そのステージ上に構えるマディに、決して衰えは感じられません。ボーカルも、そのギタープレイも、実にパワフル。多くのブルースミュージシャンに囲まれる中、王者としての貫禄も十分です。
・・・・・・と、ここまでローリング・ストーンズについての話が出てこなかったのですが・・・正直言うと、ストーンズ目当てにこのアルバムを買うと、ちょっと厳しいかもしれません。
このライブにおいて、ストーンズはあくまでもゲスト。途中、何曲かで、ミックがボーカルでちょろっと歌い、キースとロン・ウッドがギタープレイを聴かせてくれるくらい。確かに、ブルースの大御所の横で、とてもうれしそうに、しかしどこか緊張した面持ちのストーンズのメンバーは、見ていて微笑ましさすら感じられるのですが、あくまでもストーンズ目当てに、このアルバムを購入して、満足できるのは、かなりストーンズ上級者かと思われます。
そういう意味では、ブルース好きには文句なしに★★★★★、ストーンズファンには★★★といった感じの作品。ただ、ブルース好きには、DVDを見るだけで、本当に痺れてしまう作品だったと思います。
評価:★★★★★
The Rolling Stones 過去の作品
Shine a Light: Original Soundtrack
Some Girls LIVE IN TEXAS '78
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