ハッピーで、でも、それだけじゃなくて・・・
Title:Le Soleil Est Leve(邦題 ライジング・サン)
Musician:Cedric Watson&Bijou Creole
今回、紹介するアルバムは、アメリカで活躍するサディコのミュージシャンである、セドリック・ワトスンによるアルバムです。セドリック・ワトスンは、現在、28歳。デビュー以来、何度もグラミー賞にノミネートされている実力派ミュージシャンで、サディコ界の貴公子とも呼ばれているそうです。
サディコという音楽は、アメリカはルイジアナで発達したフォークミュージック。アコーディオンやフィドル(=バイオリン)をメインとして奏でられる音楽で、もともとは、フランス系移民により、もともとフランス領だったルイジアナで発達したケイジャンという音楽が、ブルースやR&Bといったブラックミュージックに出会って生まれた音楽だそうです。
このアルバムも、軽快なアコーディオンの音色がとても楽しいパーティーチューン。そのハッピーなメロディーには、ラテンの要素も感じられますが、個人的に壺だったのは、単純にラテン系というのはぬぐいきれないような、「影」のような要素を感じられること。例えば、「T'est Petite」みたいな、郷愁感のあるメロディーには、どこか日本の歌謡曲的な要素も感じられるような・・・。
ラテン的な要素と、ブルースやR&B的な要素をほどよく融合させたからこそ、ハッピーな楽曲ながらも、単純にそれだけでは終わらない奥深さを感じられました。他にも、「I'll Live Till I Die」みたいな曲には、どこか壮大なアメリカ南部の空気を感じられましたし、「La Rose Jaune」みたいな、アップテンポだけど、ちょっと切なさを感じられるような曲もいいですね。
個人的にお気に入りは「Les Blues Creole」で、この曲、完全にソウルフラワーユニオンを彷彿とさせるような、ハッピーだけど、ちょっとブルージーなパーティーチューン。こんな曲をライブで演奏したら盛り上がるんだろうなぁ~。
で、この曲に限らず、日本でいえば、ソウルフラワーユニオンあたりが好きな方なら、絶対にはまりそうな感じ。ハッピーなんだけど、ちょっと切なくもなる彼らの音楽は、日本人の壺にもはまりそう・・・な気がするんだけどなぁ。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
Belong/The Pains Of Being Pure At Heart
かよわい感じの女性ボーカルに、非常にキュートな感じのメロディーライン。というと、言うまでも無い、マイブラ直系の、王道シューゲイザーといった感じ。それだけに、真新しさという感じはないものの、しかし、聴いていて、心地よさは天下一品。個人的にも、完全に壺にはまりました(笑)。
評価:★★★★★
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