注目の未発表ライブ音源
Title:LIVE 1969 RAW BLUES!
Musician:MAGIC SAM
今日紹介するMAGIC SAMは、1950年代から60年代にかけて、シカゴで活躍していたブルース・ギタリスト。1937年生まれの彼は、当時、若手のブルース・シンガーとして、その将来を嘱望されていましたが、1969年、わずか32歳でこの世を去ります。ちなみに、先日、フジロックで元気なプレイをみせてくれた、BUDDY GUYは、彼の1歳年上。もし、彼が、これだけ早世でなければ・・・と、とても残念に思います。
今回発売されたアルバムは、1969年にカリフォルニア・バークレーで行われた未発表のライブ音源。亡くなる半年前のライブであり、かつ、この翌月に行われた、アン・アーバー・ブルース・フェスティバルでのライブは、名盤「Magic Sam Live」に収録されており、伝説とされています。今回のライブ音源は、そのアン・アーバーでのライブと同じメンバーによるステージだそうで、それだけに注目度の高いアルバムになっているそうです。
正直言って、このライブ音源、収録状況は決して良くなく、音質については、かなり厳しい状況になっています。こもったような音になってしまい、音飛びすらある録音状況で、そういう意味では、ファン向けのアイテムといった感じかも。ただ、そこらへんを差し引いても、バンドとしてのグルーヴに、ギターソロの迫力は、十分に伝わってきます。音質が悪いライブ盤ですが、逆に、その場の音をそのままパッケージしたようなリアリティーは感じられる部分も。そのスピード感ある演奏に、聴きはじめたら、最後まで耳の離せないアルバムになっています。
ちなみに、MAGIC SAMは、ブルースの代表的なミュージシャンですが、比較的、ロック寄りの音を奏でるミュージシャンですし、ロック好きで、ブルースに興味があるかも・・・という方が、最初に聴くのはお勧めしたいだと思います。生前にリリースされたオリジナルは2枚のみなのですが、一般的には「WEST SIDE SOUL」というアルバムが、名盤と言われていて、お勧め。興味がある方は、是非。
評価:★★★★★
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