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2012年9月 1日 (土)

結局、CD媒体でリリース

Title:OCEANIA(邦題 オセアニア~海洋の彼方)
Musician:THE SMASHING PUMPKINS

アメリカを代表するオルタナティヴ・ロックバンド、THE SMASHING PUMPKINS。2005年に再結成を宣言した後、2007年にアルバムをリリース。その後、2009年に、「Teargarden by Kaleidyscope」というプロジェクトをはじめて大きな話題を呼びました。これは、全44曲からなるアルバムで、全曲ネットを通じて順次、無料配信を進めていくというプロジェクト。その年の12月より、約2、3ヶ月に1曲というペースで、新曲が届きはじめました。

しかし、このプロジェクトも2011年5月に、10曲目がリリースされて以来、更新がストップ。全44曲の4分の1にも満たないじゃん、と思っている中、リリースされたのが、今回のアルバム。一応、流れ的には、「Teargarden by Kaleidyscope」の一部を構成する、ということだそうです。

ジミー・チェンバレンも脱退し、オリジナルメンバーがビリー・コーガン1人になってしまったスマパンですが、ただ、スマパンらしさは、このアルバムでもしっかりと健在だったように思います。

特に印象的だったのが、やはりスマパンらしい、メランコリックなメロディーライン。派手さはないものの、メロディアスで、どこか切なさを感じるメロディーは、聴いていて、ついつい耳が離せなくなる底力を感じさせます。特に中盤、「MY LOVE IS WINTER」「ONE DIAMOND,ONE HEART」あたりは、そんなメロディーの良さを感じる作品が並んでいたと思います。

ただ、バンドサウンドに関しては「QUASAR」みたいなダイナミックな曲がある一方で、よくまとまっているように感じる一方、全体的には、ちょっと印象薄だったような。メロディーの地味さもあわせて、パッと聴いた感じでは、正直、ちょっとひっかかりは少なく感じられたのも事実。もっとも、2度3度聴くうちに、メロディーの良さを感じることは出来たのですが。

CD媒体としては久々となる新譜で、待ちに待っていたファンにとっては、それなりに納得が出来た1枚だったように思えました。ただ、一方、美メロは印象的ながらも、新たなファン層をつかむには、ちょっと弱い部分もあったような感も。もっとも、全体の出来としてはスマパンらしさをしっかりと発揮しており、そういう意味では、次回作にも期待できそうな1枚でした。

評価:★★★★

Title:Teargarden by Kaleidyscope
Musician:THE SMASHING PUMPKINS

で、せっかくなので、同時に、10曲でほうりだされた、「Teargarden by Kaleidyscope」も紹介。無料提供なのですが、公式サイトでは、もうダウンロードできないみたいだし・・・。なんか、中途半端で放り出すのはやめてほしいなぁ。一応、ブログパーツは生きているみたいですが・・・。

ただ、1曲1曲に関しては、正直、「OCEANIA」よりいいかも。特に、メロディーラインのインパクトに関しては、こちらの10曲の方が上。「A Song For A Son」の切ないメロディーラインなど、強く印象に残りますし、現段階で最後の曲になる「Owata」の爽やかなメロディーもなかなか。「Astral Planes」みたいな轟音ギターを聴かせる曲もあったり、「The Fellowship」みたいに打ち込みを入れた曲もあったり、ある意味、自由度は高い印象を受けます。

ただ、今回、あらためて10曲をまとめて聴いたのですが、アルバムとして聴くにはバラバラ。まとめて聴くと、1曲1曲の印象は薄くなってしまいます。まあ、1曲1曲、別々にリリースしていたので、シングルの集合体的な感じになってしまっているのでしょうか?

で、今後、このプロジェクトはどうなるのかなぁ?一応、「OCEANIA」は、このプロジェクトの一環みたいな発言をしているだけに、ビリー的には、終わってしまったわけじゃないんだろうけど・・・。

評価:★★★★

ブログパーツ、下に貼っておきますね。興味がある方は、こちらから、まだダウンロードできる模様です。

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