悪くはないと思うのですが・・・。
Title:Looking 4 Myself
Musician:Usher
Usherの約2年ぶりとなる新作。このアルバム、序盤で感じたのは・・・「韓流??」(笑)。
今風のエレクトロなリズムと、アップテンポでメロウなメロディーライン。序盤「Can't Stop Won't Stop」も「Scream」も、そんな雰囲気のナンバー。いい意味でも悪い意味でも、今風のサウンド。ヒットチャートの王道的なR&Bだなぁ、という印象を抱きました。
もちろん、その後はそんなナンバーばかりではなく、「Twisted」のような、ファンキーな楽曲や、表題曲「Looking 4 Myself」みたいな、80年代のニューウェーブポップを彷彿とさせるような楽曲もありました。特に後半は、メロウに聴かせるような楽曲が多く、その表現力ある歌声には、彼のボーカリストとしての実力も感じました。
ただ、全体的には今風のエレクトロサウンドをベースとした、王道のヒットチャート路線といった感じ。まあ、「韓流」という表現は、ちょっと冗談ながらも、「今風」なのですが、最先端という感じはなく、アイドルポップに使われそうな、「ちょっと前の最先端」って表現であっているでしょうか?一言でいえば、「ベタ」っていうことになりそうなんですが・・・。
もちろん、メロディーには魅力的な曲も多く、彼のボーカルに心ひかれるようなナンバーもボチボチ。そういう意味では、決して悪いアルバムではないと思います。Usherが好きなら、それなりに気に入ると思うし、R&B好きにはチェックして損はないアルバムかと。
でも、やはり序盤に感じた違和感は最後まで消えず。悪くはないけど、なんとなく物足りなさが残る、そんなアルバムのように感じました。
評価:★★★
Usher 過去の作品
HERE I STAND
RAYMOND V RAYMOND
ほかに聴いたアルバム
NOW 00's BEST
ご存知、洋楽ヒット曲を網羅的に収録したオムニバスアルバム「NOW」シリーズが、2000年から2009年のヒット曲を厳選して収録した、00年代ベスト盤。COLDPLAYからGORILLAZ、NORAH JONESにNe-Yoなどなど、まさに層々たるメンバーのヒット曲が並ぶ究極の洋楽ベストになっています。
ただ・・・こうやって網羅的に2000年代のヒット曲を聴くと、2000年代の10年って、ほとんど曲の雰囲気が進化しなかったなぁ、ということを感じます。いや、厳密にいえば、いろいろなジャンルが出ていて、音も進化しているのかもしれないですけどね。でも、やはりパッと聴いた感じでは、2000年初頭の曲と、今のヒット曲を並べて聴いても、そんなに大差がない感じが。CD不況とか言われて久しく、それはもちろん、CD媒体からダウンロードへのパラダイムシフトも大きな要因なんでしょうが、単純に、2000年代に入ってから、シーンを一変するような、新しい音楽があらわれていないのも大きな要因では?・・・ということは以前から思っていたことなのですが・・・
評価:★★★★★
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