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2012年8月

2012年8月31日 (金)

相変わらずのロックンロール!

Title:LEX HIVES
Musician:THE HIVES

前作「The Black And White Album」から約5年のインターバルが開いてしまったTHE HIVESの新作。ファンにとっては、まさに待ちに待った作品、といった感じでしょうか。

個人的には、多分、多くの方と同様、2002年の編集盤「Your New Favorite Band」ではまった口。それから10年。すっかりベテランとなってしまった彼ら。その「Your New Favorite Band」の時の彼らと比べると、確かに、勢いという点では、ちょっと衰えも感じさせるのも事実。あえていってしまえば、どこか突き抜けた部分がなくなってしまったかなぁ、と感じる部分はあります。そのまま暴走して、どこかに行ってしまいそうだった「Your New Favorite Band」時代の彼らと比べると、今の彼らは、片足をブレーキに乗せている、そういう印象を受けてしまいます。

・・・・とはいうものの、このアルバム、「勢いのなくなったTHE HIVESにがっかりした」のかと言われると、それは全くの逆。確かに、あのアクセル全開の勢いが彼らの大きな魅力だった点からすると、このアルバムは彼らのベスト、とはいえないかもしれませんが、それを差し引いても、いまでもロックンロールバンドとして突っ走っている彼らの曲はとても魅力的でした。

特に冒頭の「Come On!」から、「Go Right Ahead」に連なるガレージパンクに、同じく彼ららしいガレージパンクナンバー「1000 Answers」への序盤は、否応無く聴いていてワクワクさせられます。その後の「Wait A Minutes」「Patrolling Days」あたりの、ガレージパンクながらも、あくまでもメロディーはポップでメロディアスなあたりも、彼らの大きな魅力といった感じでしょうか。

少々ブレーキがかかったようなメロディアスなポップチューンと、ギアを5速に入れたような、ハイテンポなガレージパンク路線を織り交ぜながらも、全体的には、彼ららしい、スピード感のあるロックンロールナンバーを楽しめる作品。最初の1枚、と言われると、やはり「Your New Favorite Band」あたりから入るのがいいかなぁ、とは思うのですが、それで気に入ってファンになった方には、文句なしに楽しめる作品だと思います。

というか、デビューから10年以上たって、いまだに全くぶれずに、さらに解散もせず、このガレージロック路線を続けている点だけでも、賞賛に値すると思います。この路線を貫けば、ひょっとしたらもう一皮むけて、ベテランになった彼らだからこそできる傑作が生み出されるかも?これからの活躍も楽しみです。

評価:★★★★★

THE HIVES 過去の作品
The Black and White Album

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2012年8月30日 (木)

ベスト盤が目立つチャート

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、あまり大物のいないチャートの谷間に。そのため、2週連続の1位です。

AKB48のニューアルバム「1830m」。6万4千枚という、1位としてはかなり寂しい数値ですが、2週連続の1位獲得。2位には、avexの男女混合ダンスグループAAA「777~TRIPLE SEVEN~」がランクイン。初動売上は5万4千枚。直近は、彼らのB面ベスト的な企画盤「Another side of #AAABEST」の2万9千枚だったので、さすがにこちらよりはアップ。直近のオリジナル「Buzz Communication」の5万枚よりもアップしてきました。

3位には、Dragon Ashのベスト盤「LOUD&PEACE」がランクイン。ヘヴィーなロックナンバーを収録したLOUD DISCと、メロウなナンバーを収録したPEACE DISCからなる、企画盤的な要素も強いアルバム。初動売上は3万枚。ベスト盤としては前作となる「The Best of Dragon Ash with Changes Vol.1」「Vol.2」は、それぞれ9万6千枚、10万6千枚を記録したので、そこからは大きくダウン。ただし、直近のオリジナル「MIXTURE」の2万2千枚よりはアップ・・・とはいえ、浮動層狙いのベスト盤で、この数字はちょっと厳しい結果かも・・・。

続く4位以下の初登場なのですが、4位もベスト盤。スキマスイッチ「DOUBLES BEST」。こちらも、ファン投票で選出された上位11曲をセルフカバーした、企画盤的な要素の強いアルバム。初動売上は2万9千枚。ベスト盤としての前作「グレイテスト・ヒッツ」は初動24万6千枚を記録しており、純粋なベスト盤ではないとはいえ、かなり厳しい結果に。直近のオリジナル「musium」の2万3千枚よりは若干アップ、という、Dragon Ashと同じような動きに。

5位には、TOKIOの4年ぶりとなるオリジナルアルバム「17」がランクイン。初動売上は2万2千枚。前作「sugar」の3万4千枚よりもダウンしてしまいました。

初登場はもう1枚。7位にMINMIのベスト盤「MINMI BEST 雨のち虹 2002-2012」がランクインです。こちらは、彼女の代表曲を網羅した「雨のち虹」盤と、コラボ作を網羅した「虹のち晴れ」盤の2枚組からなるオールタイムベスト。初動売上は1万5千枚。ベスト盤としては前作「MINMI BEST 2002-2008」の8万3千枚よりは大きくダウン。直近作は、企画盤「THE HEART SONG COLLECTION」で、こちらの初動9千枚よりはアップしましたが、直近のオリジナル「MOTHER」の3万2千枚よりも大きくダウンしてしまいました。

そんな訳で、初登場のうち、Dragon Ash、スキマスイッチ、MINMIと3枚のベスト盤が並んだチャート。他にも6位に桑田佳祐のベストが、9位に浜崎あゆみのサマーソングベストがランクインしており、ベスト10のうち5枚までがベスト盤というチャートになりました。夏休みということで、普段、CDを買わないような浮動層を狙ったのでしょうか?

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年8月29日 (水)

夏休み最後のチャート

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

お盆明けのシングルチャート。ただ、シングルに関しては、お盆とか夏休みとか、あまり関係ないみたいで・・・。

今週1位は、AKB48の「公式ライバル」(笑)、乃木坂46「走れ!Bicycle」がランクイン。清純キャラ路線を押し出した爽やかポップスは相変わらずなのですが、いかんせん、サビにインパクトがない感じが。ただ、初動売上18万6千枚は、前作「おいでシャンプー」の15万5千枚からアップ。最近、下落傾向が多いAKB48関連では、気を吐いています。

2位は、今、あまり良くない意味で話題の韓流。SUPER JUNIOR「Sexy,Free&Single」がランクインです。同タイトルのアルバムが、7月にチャート5位にランクインしましたが、あちらは韓国語盤で、このたび日本語盤がランクイン。初動売上10万9千枚は、前作「Opera」の15万9千枚から大きくダウン。ただ、前作は、メンバーそれぞれの顔写真付のCDを別々に販売したり、販売方法のやり方を工夫した結果というのも大きく、前々作「Mr.Simple」の8万9千枚に比べると若干のアップしています。

韓流は今週もう1曲。4位に、これが日本でのデビュー作となる男性アイドルグループBOYFRIEND「Be my shine~君を離さない~」がランクインしています。ユニークなのは、このグループ、所属があのビーイングということ。ついに、ビーイング系は韓流にまで手を出したんですが・・・。

そんな感じで、今週のチャートを見る限りでは、とりあえず竹島騒動が韓流人気に与える影響は、いまのところ限定的といった感じのようです。

そして3位初登場が、ACE OF SPADES「WILD TRIBE」。この曲、7月10日付の着うたチャートに既に登場済みですが、ボーカルにEXILEのTAKAHIRO、ギターにGLAYのHISASHI、ベースにあのTOKIE嬢、そしてドラムスにTHE MAD CAPSULE MARKETSのMOTOKATSU MIYAGAMIという組み合わせ。その時にも書いたのですが、なんでこの組み合わせ??といった感じ。ヘヴィーなバンドサウンドなのですが、そこに乗るメロディーがベタなJ-POPで、悪い意味での「歌謡ロック」という表現がピッタリ来そう・・・。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まず5位にロックバンドONE OK ROCK「The Beginning」がランクイン。映画「るろうに剣心」主題歌で、初動売上4万3千枚は、前作「Re:make」の2万3千枚より大幅アップ。これはタイアップ効果もあるのでしょうが、前作でも、前々作の初動1万1千枚よりも大幅にアップしており、純粋にバンド人気が上がり調子という理由も大きいかも。ボーカルTakaは、ジャニーズ系NEWSの元メンバーというルックスの良さに、ヘヴィーなロックサウンド、ほどよくポップなメロディーラインと、売れる要素も多く、個人的には、もっと人気が伸びそうな予感も。

7位には、ハロプロ系アイドルスマイレージ「好きよ、純情反抗期」が入ってきています。トランスのアレンジながら、メロディーは昔の歌謡曲という、ある意味ユニークなナンバー。初動売上は2万2千枚で、前作「ドットビキニ」の2万枚より若干のアップ。

8位はLinked Horizon「ルクセンダルク小紀行」がランクイン。こちらは、Sound Horizon名義で活躍しているRevoの別プロジェクト。主に、他の作品とのコラボを行う時に使用するプロジェクトのようで、このシングルは、NINTENDO3DS用ゲーム「ブレイブリーデフォルト」のBGMをアレンジした曲が収録されています。初動売上は2万枚。Sound Horizonの前作「イドへ至る森へ至るイド」の4万7千枚から半減以下。やはり別名義なので、見送る人が多かったのでしょうか。

9位もゲームソング。PSP用ゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪  All Star」より、登場キャラクターによるキャラソン寿嶺二(森久保祥太郎)/美風藍(蒼井翔太)名義の「うたの☆プリンスさまっ♪ アイドルソング 嶺二&藍(溺愛テンプテーション/WinterBlossom)」がランクイン。「溺愛テンプテーション」は、30年どころか40年くらい前のアイドルソングそのままといった感じで、正直、苦笑い。つーか、狙っているんだと思うんですが・・・。初動売上は2万枚。「うたの☆プリンスさまっ♪」のキャラソンとして前作「うたの☆プリンスさまっ♪Shining All Star CD(RAINBOW☆DREAM)」の初動3万5千枚よりは大きくダウンしてしまっています。

最後10位には、人気声優4人組によるユニットStylipS「Choose me ダーリン」が入ってきています。TBS系アニメ「この中に1人、妹がいる!」オープニングテーマ。アニメ声っぽいのが気になりますが、雰囲気としてはアニソンというよりは完全にアイドルソング。初動売上1万枚は、13位に終わった前作「MIRACLE RUSH」から横バイ。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートは、また明日に。

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2012年8月28日 (火)

話題のバンドがiTunes Sessionに登場

Title:iTunes Session
Musician:Bon Iver

Itunes_bon_iver

昨年リリースしたアルバム「Bon Iver」が大きな話題となり、グラミー賞の最優秀新人賞を受賞し、一気に知名度を上げたアメリカのフォークロックバンド。今回のアルバムは、タイトル通り、iTunes Storeのみでダウンロード販売されている「iTunes Session」シリーズの一環としてリリースされた音源。「Bon Iver」のツアーの合間に、スタジオにバンドメンバー全10名が総集合し、ライブ録音にて、丸1日で収録した作品だそうです。

収録されているのは、そのアルバム「Bon Iver」に収録されている6曲と、Bjorkの「Who Is It?」のカバーの全7曲。全30分程度の短い内容ですが、Bon Iverはライブバンドとしても定評があるそうなので、大いなる期待のもとに、さっそくダウンロードして、聴いてみました。

・・・が、正直言うと、「Bon Iver」ではまったほどにははまらなかったなぁ、というのが感想。もちろん、「Bon Iver」からの曲なだけに、悪いわけはないのですが、オリジナルで感じた幻想的な雰囲気が、ちょっと薄めだったように感じました。

特に前半に関しては、率直に言ってしまうと、普通のAORみたいに感じてしまったりして・・・。もちろん、中盤Hinnom, TX」みたいに、アルバムで感じた幻想的で美しい風景を、このライブ盤からも感じられる作品もあったのですが、全般的にオリジナルで十分だったかも、と思ってしまうような内容でした。

いや、もちろん原曲が原曲なだけに、このアルバムも悪い作品ではありません。1,400円という値段の価値には十分すぎるほど見合った内容かと思います。そういう意味では、オリジナルアルバムではまったファンには、とりあえず「買い」。まだ彼らの音を聴いたことない方は、とりあえずは最新アルバム「Bon Iver」から。そんな感じかなぁ。

ちなみに、購入は、こちらを参考に。

評価:★★★★

Bon Iver 過去の作品
Bon Iver

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2012年8月27日 (月)

前半は文句なしの傑作、だけど

Title:Streets In The Sky
Musician:The Enemy

「oasisの後継者的バンド」。そう言われて、デビュー当初、大きな注目を集めたThe Enemyも、これが3作目。一方では、ハイプ?という心配もされた彼らですが、人気の面では、さすがに1位を獲得したデビュー作ほどの人気は持続できなかったものの、最新アルバムもUKチャートでは4位に入っていて、一定の人気は確保している模様です。

さて、そんな彼ら、前作「Music For The People」では、メロディアスでパンキッシュというデビュー当初のスタイルから、叙情的なメロを前に押し出した感があり、個人的には、ちょっと狙いすぎという感じの凡作、という印象を受けました。

そんな2作目に比べると、メロディアスでパンキッシュという彼ら本来のスタイルが戻ってきた感がするのが、この3作目。特に1曲目「Gimme The Sign」から「1-2-3-4」への流れは、爽やかでアップテンポなメロがとても印象的で、気持ちも高揚するようなナンバーが並んでいて、彼らの魅力がよくあらわれた出だしになっている、そういう印象を受けました。

その後も、「2kids」みたいな、しんみりメロの曲も挟みつつ、全体的にはパンキッシュな作風の曲が多かった今回の作品。ただ、今回の作品、一本調子なパンキッシュな作風の曲が多く、最初はよかったのですが、後半は、ちょっと飽きも来てしまいました。前半に関しては申し分なく、もうちょっと曲数を絞ってくれれば、文句なしの傑作だったようにも思えるのですが・・・。(特に日本盤だと、ボーナストラック2曲がついていて・・・勢いのあるアルバムだっただけに、ちょっと余計だったような・・・)

そんな訳で、前作よりは良かったものの、ちょっと物足りなさも残ってしまった、そんなアルバムでした。前半はよかっただけに・・・惜しい感のする1枚でした。

評価:★★★★

The Enemy 過去の作品
We'll Live and Die in These Towns
Music For The People


ほかに聴いたアルバム

In The Key Of Disney/Brian Wilson

今年は、The Beach Boys再結成で大きな話題を呼んだBrian Wilsonのソロ作。前作では、ジョージ・ガーシュインのカバーを手がけましたが、今度は、ディズニーの名曲をカバー。誰でも知っている楽曲が多く、ブライアンのファンではなくても、聴きやすいアルバムでは?アレンジでは、原曲の良さをいかしつつ、彼らしい、絶妙のコーラスラインを聴かせてくれたりして、実に魅力的。原曲から大きく雰囲気の変った曲はなかったものの、彼らしい仕事ぶりがキラリと光る、さすがの1枚でした。

評価:★★★★★

Brian Wilson 過去の作品
That Lucky Old Sun
Reimagines Gershwin

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2012年8月26日 (日)

悪くはないと思うのですが・・・。

Title:Looking 4 Myself
Musician:Usher

Usherの約2年ぶりとなる新作。このアルバム、序盤で感じたのは・・・「韓流??」(笑)。

今風のエレクトロなリズムと、アップテンポでメロウなメロディーライン。序盤「Can't Stop Won't Stop」「Scream」も、そんな雰囲気のナンバー。いい意味でも悪い意味でも、今風のサウンド。ヒットチャートの王道的なR&Bだなぁ、という印象を抱きました。

もちろん、その後はそんなナンバーばかりではなく、「Twisted」のような、ファンキーな楽曲や、表題曲「Looking 4 Myself」みたいな、80年代のニューウェーブポップを彷彿とさせるような楽曲もありました。特に後半は、メロウに聴かせるような楽曲が多く、その表現力ある歌声には、彼のボーカリストとしての実力も感じました。

ただ、全体的には今風のエレクトロサウンドをベースとした、王道のヒットチャート路線といった感じ。まあ、「韓流」という表現は、ちょっと冗談ながらも、「今風」なのですが、最先端という感じはなく、アイドルポップに使われそうな、「ちょっと前の最先端」って表現であっているでしょうか?一言でいえば、「ベタ」っていうことになりそうなんですが・・・。

もちろん、メロディーには魅力的な曲も多く、彼のボーカルに心ひかれるようなナンバーもボチボチ。そういう意味では、決して悪いアルバムではないと思います。Usherが好きなら、それなりに気に入ると思うし、R&B好きにはチェックして損はないアルバムかと。

でも、やはり序盤に感じた違和感は最後まで消えず。悪くはないけど、なんとなく物足りなさが残る、そんなアルバムのように感じました。

評価:★★★

Usher 過去の作品
HERE I STAND
RAYMOND V RAYMOND


ほかに聴いたアルバム

NOW 00's BEST

ご存知、洋楽ヒット曲を網羅的に収録したオムニバスアルバム「NOW」シリーズが、2000年から2009年のヒット曲を厳選して収録した、00年代ベスト盤。COLDPLAYからGORILLAZ、NORAH JONESにNe-Yoなどなど、まさに層々たるメンバーのヒット曲が並ぶ究極の洋楽ベストになっています。

ただ・・・こうやって網羅的に2000年代のヒット曲を聴くと、2000年代の10年って、ほとんど曲の雰囲気が進化しなかったなぁ、ということを感じます。いや、厳密にいえば、いろいろなジャンルが出ていて、音も進化しているのかもしれないですけどね。でも、やはりパッと聴いた感じでは、2000年初頭の曲と、今のヒット曲を並べて聴いても、そんなに大差がない感じが。CD不況とか言われて久しく、それはもちろん、CD媒体からダウンロードへのパラダイムシフトも大きな要因なんでしょうが、単純に、2000年代に入ってから、シーンを一変するような、新しい音楽があらわれていないのも大きな要因では?・・・ということは以前から思っていたことなのですが・・・

評価:★★★★★

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2012年8月25日 (土)

久しぶりにO.T.F.とタッグ!

Title:ハルカリノオカワリ
Musician:HALCALI

HALCALIのニューアルバムは、2枚組となる企画盤的なアルバム。DISC1は、彼女たちの初期のプロデューサーである、RIP SLYMEのRYO-ZとDJ FUMIYAによるプロデュースチーム、O.T.F(オシャレトラックファクトリー)がプロデュースを手がけた楽曲を収録した「O.T.F盤」。一方、DISC2は、カバー曲はじめ、数々のミュージシャンたちが提供した楽曲を集めた1枚になっています。

「O.T.F.盤」は、「タンデム」「ストロベリーチップス」など、初期の代表曲を収録した、ベスト盤的な役割と同時に、全8曲中4曲が新曲。その新曲では、なんと6年ぶりにO.T.F.とタッグを久那ことになります。その初期代表曲は言うまでもないのですが、その新曲4曲が、そんな代表曲と、全く遜色ない出来になっている、という点がうれしいところ。HALCALIの初期の代表曲といえば、ポップでキュートな作風だけども、トラックには様々なユーモアなアイディアがつまっていて、リスナーを飽きさせない展開になっています。そんなハッピーで楽しく、かつアイディアのつまった作風は、新曲でも全く変りません。特に、50年代あたりのダンスポップっぽい雰囲気のトラックがユーモラスな「アティチュード」など、新たなHALCALIの代表曲になりそう・・・。HALCALIの魅力が100%発揮されている1枚になっています。

そんな「O.T.F.盤」に比べると、DISC2の方は、ちょっと物足りなさを感じてしまいます。もちろん、こちらも数々の実力派が参加しているだけに、1曲1曲の出来はわるくないのですが、ちょっと真面目になりすぎというか、「O.T.F.盤」のような、はじけたような感じがなく、HALCALIの魅力を生かせていないような。唯一、よかったのが、Mr.DrunkことRHYMESTERのMummy-Dがプロデュースを手がけた「燃えよハルカリ」くらい。

そういう意味では、このアルバムを聴きとおして感じたのは、HALCALIとO.T.F.の相性の良さ。つーか、また以前みたいに、全面的にO.T.F.プロデュースの方がいいんじゃないの?そう強く感じてしまった企画盤でした。

評価:★★★★★

HALCALI 過去の作品
TOKYO GROOVE
TOKYO CONNECTION

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2012年8月24日 (金)

埼玉、再び。

Title:SAITAMA LOCAL MUSIC RECONSTRUCTION vol.2

Saitama2

音楽配信サイトOTOTOYで、毎度、無料ダウンロードコンピ企画としておなじみの「OTOTOYローカル・コンピレーション・シリーズ」。毎回、ひとつの街をテーマに、そこのインディーミュージシャンたちの音源を紹介する、なかなか興味深い企画なのですが、その第5弾となるのは、再び埼玉。9月にさいたまスタジアムで行われる音楽フェス「ぐるぐる回る2012」にあわせて、再びの登場となった模様です。

埼玉は2回目なのですが、第1回目と面子がかぶっていないのがさすが。700万人の人口を誇る県だけあって、まだまだ、紹介したりない、有望なインディーミュージシャンが多い、ということなのでしょう。ただし、第1回目では27組が参加していたのに対して、今回は16組。ちょっと少なめになってしまいました。

まあ、また、このコンピ全体としての感想は、第1弾と同様。良くも悪くも首都圏、東京のお隣といった感じ。独特の音を作り出し、先端を行こうという意味では、東京のミュージシャンと似ているのですが、どこか垢抜けなさを感じます。それがまたひとつの埼玉の魅力なのかもしれませんが。

ただ、正直言ってしまうと、第1弾に比べると、少々小粒だったかなぁ、という印象を抱いてしまいました。これ、と思ったミュージシャンは、あまりいなかったかなぁ?キムウェイツというシンガーソングライターの「BLACK SNACK」が、前半は独特の癖があるアコギの音が、後半は打ち込みも入れてくるなど、ユニークな音づくりをして、なかなか良かったかな、という印象を受けたのですが・・・。

なお、ダウンロードはこちらから。9月10日までなので、興味ある方は、是非。

評価:★★★

OTOTOYローカル・コンピレーション・シリーズ 過去の作品
All Along Kyoto(京都タワーからずっと)
IN THE CITY THERE IS A NAGOYA MUSIC
SAITAMA LOCAL MUSIC RECONSTRUCTION
イマ福岡デ ナッテイル音楽

Next Music From Tokyo
TOKYO NEW WAVE 2010


ほかに聴いたアルバム

NEW ERA~Call This Love~/FIRE BALL

ここ3作続けてですが、ポップで軽快な作風が続くFIRE BALL。うーん、もう完全にこの路線で行くんだ・・・。確かに、流行に売れ筋「レゲエ」ミュージシャンに比べると、ポップな作風でも彼ららしい骨がある部分を感じられ、一線を画するのは間違いないと思うんですが、正直、ちょっと物足りなさを感じてしまいます。

評価:★★★

FIRE BALL 過去の作品
DON'T LOOK BACK
ZERO

MUSIC/清竜人

今年2月に行われた「EMI ROCKS 2012」で、役者も起用したミュージカル風なステージで、大きな話題を呼んだ清竜人の新作。このステージからある程度予想できたのですが、今回の作品は、全編ドラマ仕立てのミュージカル風。基本的に、アニメやゲーム、アイドルといった人脈からゲストを招いているため、アニソンっぽかったり、アニメっぽかったりするのですが、一度聴いたら忘れられないインパクトある作品に仕上がっています。

ただし、正直言ってしまえばインパクトだけ。悪い言い方をしてしまえば、入り口だけ妙に豪華だけど、中は張りぼて、みたいな。いや、もともとミュージシャンとして定評のある彼だけに、純粋に音楽だけ取り出せば、決して悪くはないのかもしれませんが、強烈なインパクトだけを付与してしまっただけに、中身も、やけに薄っぺらく聴こえてしまいます。

1度聴いて忘れられないのですが、2度目で徐々に飽きてきて、3度聴いたら、もうお腹いっぱい、そんなアルバムだったように思います。これ1作だけならこれはこれであり、かもしれませんが、もしこれが2作3作と続いたら、厳しいなぁ・・・。ただし、1度聴いた時のインパクトは、他と比べられない強烈なものがあるので、とりあえず1回は聴いてみて損はないかと。

評価:★★★

清竜人 過去の作品
WORLD

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2012年8月23日 (木)

お盆中なので、新譜は少なめ

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

いつも通り新譜ラッシュだったシングルチャートに比べ、アルバムチャートは新譜は少なめ。やはりお盆シーズンだから?

で、1位は、そんな新譜の谷間を狙ってきた・・・訳じゃないと思うのですが、AKB48のニューアルバム「1830m」が獲得です。初動売上は87万枚で、前作「ここにいたこと」の60万2千枚から大幅にアップ。初動売上では、ミスチルのベストを抜き、今年1番の売上を記録したとか。もっとも、今回、ついにアルバムにも握手会参加券をつけ、その影響も大きい模様。

2位は、まだまだ強いです。桑田佳祐「I LOVE YOU-now&forever-」が先週の3位から順位を上げてきました。もっとも、売上は、4万枚から3万枚にダウンしていますが。3位には、先週1位のSMAP「GIFT of SMAP」が、2ランクダウンながらもベスト3をキープしました。

続いて4位以下の初登場ですが、初登場は3枚のみ。まず6位に、「THE IDOLM@STER ANIM@TION MASTER 生っすかSPECIAL 01」がランクイン。先週のシングルチャートで、ゲーム「アイドルマスター」からのキャラクターソングが大量にランクインしていましたが、こちらはそのゲームから派生したアニメに登場するキャラクターのキャラソンやミニドラマを収録したアルバムだそうで、第5弾までリリースされる模様。とりあえず第1弾は初動1万4千枚で、この位置につけてきました。

9位には、「ニコニコ動画」から人気を得たボーカロイド系プロデューサーcosMo@暴走PによるcosMo@暴走P feat.初音ミク、GUMI「星ノ少女ト幻奏楽土」がランクイン。前作「初音ミクの消失」に続く2枚目となるアルバムですが初動売上は前作の1万9千枚から9千枚に大きくダウンしてしまいました。

最後10位には、SUPER JUNIOR「スパイ」がランクイン。こちらは、韓国盤のアルバムで、発売日の関係で、ベスト10圏外からのランクアップにより、2週目にしてベスト10入り。7月にリリースされ、オリコンチャートでも5位にランクインしたアルバム「Sexy, Free & Single」に新曲4曲を加えて、リパッケージで販売したものになります。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に。

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2012年8月22日 (水)

お盆明けのチャート

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週の集計対象期間は8月13日から19日と、ちょうどお盆真っ盛り・・・・・・っていっても、特別な動きはないんですけどね・・・。

で、1位は例のごとくジャニーズ系。Kis-My-Ft2「WANNA BEEEE!!!」。メンバーの藤ヶ谷太輔、北山宏光が出演するTBS系ドラマ「ビギナーズ!」主題歌。トランス調のテンポのよい、いかにもジャニーズ系っぽいナンバー。初動売上は28万4千枚。前作「SHE!HER!HER!」の19万2千枚より大幅アップ。前作は、アルバム先行だった影響か、初動が大幅に落ちていたため、前々作「We never give up!」と比較しても、前々作の24万5千枚より大幅アップ。デビュー以来、右肩下がりだった初動売上が下げ止まりました。両A面で、もう1曲「Shake It Up」も日テレ系ドラマ「私立バカレア高校」オープニングテーマ。ドラマタイアップ効果でしょうか?

2位はPerfume「Spending all my time」。またしても初登場2位で、これで7作連続2位という、ちょっとかわいそうな記録に。初動売上は8万4千枚で、前作「Spring of Life」の9万3千枚より若干ダウン。もちろん本作も、作詞作曲プロデュースは中田ヤスタカ。

3位には、「ニコニコ動画」で人気を博した、ボーカロイド系のプロデューサー、じん「チルドレンレコード」がランクイン。シングルとしてはこれがデビュー作で、いきなりのベスト3ヒットとなりました。テンポのよいオルタナ系ギターロックなので、無機質なボーカロイドの声に抵抗がなければ、ロックリスナーでも楽しめそうな楽曲。以前リリースしたアルバム「メカクシティデイズ」は初動2万2千枚で初登場6位でしたが、本作は初動2万9千枚と、アルバムの初動を超えてきました。

以下、4位からの初登場曲ですが・・・

4位には、miwa「ヒカリヘ」がランクイン。フジテレビ系月9ドラマ「リッチマン、プアウーマン」主題歌という好タイアップ。初動売上は、前作「片想い」の1万5千枚から2万7千枚に上昇。ここ何作か、初動売上は1万5千枚前後だっただけに、明確にタイアップ効果はあった模様。いままでの彼女のイメージとはちょっと異なる打ち込みの4つ打ちナンバー。シンガーとして、成長した感も?

5位は、人気声優田村ゆかり「微笑みのプルマージュ」が入ってきました。アニメ映画「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's」エンディングテーマで、ピアノとストリングスでスケール感を出したバラードナンバー。いかにも映画のクロージングで流れてきそうな感じ。初動売上は1万9千枚。前作「Endless Story」の1万6千枚よりアップしています。

6位には、Superfly「輝く月のように」がランクインです。TBS系ドラマ「サマーレスキュー~天空の診療所~」主題歌。ミディアムテンポの歌い上げるナンバーで、ロック色はちょっと薄め。初動売上は1万6千枚。前作はトータス松本と組んだ「STARS」の初動1万1千枚だったので、こちらからは大幅アップ(フジテレビ系「ロンドンオリンピック」テーマ曲だったのに、あまり売れなかったですね・・・)。ソロ名義での前作「愛をくらえ」は初動1万7千枚だったので、ほぼ横バイ。タイアップ効果はほとんどなかった模様です・・・。

続く7位ランクインが、倉木麻衣「恋に恋して」。例のごとく、日テレ系アニメ「名探偵コナン」エンディングテーマ。メロウなR&Bなのは相変わらずですが、ある意味、長く活動していて、ベクトルがここまで変らないっていうのは珍しいかも。もっとも、ビーイング系は、みんなそんな感じですが。初動売上1万6千枚は前作「Your Best Friend」の1万7千枚からほぼ横バイ。ここ最近、1万6千枚前後で推移しており、完全に固定ファンで売上を固めている感じ。

最後10位には、「ニコニコ動画」で人気を博したボーカリスト5人によるユニット√5「Love Doctor」がランクイン。なんか、歌い方も歌詞の内容も、一昔前のアイドルユニット・・・というよりも、ホストみたい(苦笑)。前作「三日月姫」は13位に終わったのですが、3作目にして、初のベスト10ヒットとなりました。初動売上1万3千枚は、前作の1万2千枚より若干のアップ。低水準のチャートに助けられた感も。

今週のシングルチャートは以上。明日はアルバムチャートの紹介です。

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2012年8月21日 (火)

サザン・ソウルの名曲揃い

Title:Atlantic R&B 1947-1974

アトランティック・レコードは、1947年にアメリカで設立されたレーベル。50年代から60年代にかけては、サザン・ソウルを代表するレーベルとして、レイ・チャールズやオーティス・レディング、アレサ・フランクリンなど、錚々たるメンバーが、このレーベルからアルバムをリリースしています。

今回発売された、このボックスセットは、もともと、1985年にアナログでリリースされた全7巻からなるアルバム「アトランティック・リズム・アンド・ブルース 1947-1974」を再構成したもの。それにプラス、鈴木啓志氏選曲による、レア音源集の2枚組がプラスされています。

アトランティック・レコードの代表的なナンバーが勢ぞろいしているボックスセット。ただ、やはり1万5千円というお値段には、最初、ちょっと躊躇してしまったのですが・・・。それでも、ちょっと迷いつつ、思い切って購入。でもね、まあ、予想通りと言われれば予想通りなのですが、名曲揃いの大満足なボックスセットでした。

収録曲からして、サザン・ソウルを代表するミュージシャンたちの、代表する楽曲が並んでいる訳ですから、内容が悪いわけありません。なかなかうれしかったのは、同封されたブックレット。収録ミュージシャンたちの情報が詳しく記載されているのですが、ヒットチャートで最高位何位とか、そのミュージシャンにおける、その楽曲の位置づけとか、読んでいて、その曲の情報が簡潔に記されていて、初心者にもとてもうれしい内容。特に、アトランティックをやめた後の情報も記載されているのは、ありがたいですね~。

しかし、そのブックレットを読むと感じるのは、とにかくヒット曲の多さ。どの曲どの曲も、チャート上位に食い込んでいる曲ばかりで、その当時のアトランティックの勢いが、ブックレットを読むだけで感じられます。

さて、肝心な楽曲の内容の感想ですが、一番感じたのは、やはり高い評価を受けているレジェントたちというのは、ヒット曲ばかり並んでいるこのボックスセットの中でも、一段と輝いているなぁ、ということでした。

例えばレイ・チャールズの、ジャズやブルースからR&Bまで自由自在に歌いこなすスタイルに感心したり、オーティス・レディングやサム&デイヴの力強い歌声に圧倒されたり。その中でも、一段と光っていたのがアレサ・フランクリンで、ボーカルの迫力といい、表現力といい、やはり、これだけ大物が並んでいる中でも圧倒されてしまいます。彼女のボーカリストとしての凄みが、彼女のアルバムを聴く以上に明確に感じられました。

このアルバムで、はじめて聴いたミュージシャンたちの中で、個人的に一番良かったのがRUTH BROWN。名前だけは一応知っていたのですが、音源を聴くのは、今回がはじめて。迫力あるボーカルが、特にアトランティック初期の楽曲の中では、頭ひとつ出ているような感じで、強く印象に受けました。

ボックスセットなだけに、値段的に、簡単に入手できる感じではないのかもしれませんが、1万5千円という値段には、十分お釣りがくるほどのボックスセットだと思います。サザン・ソウル好きなら、文句なしに聴くべし!名曲の数々に、感涙です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

The Road From Memphis/Booker T.Jones

そして、こちらは、上のアトランティック・レコードのボックスセットにも、楽曲が収録されている、Booker T. & the M.G.'sのフロントマンによる最新アルバム。最近、John LegendやBetty Wrightらとコラボを組み、ルーツ志向が強まっているHIP HOPバンド、THE ROOTSが全面的にバックバンドとして参加。結果、楽曲の雰囲気としては、往年のスタイルそのままな感じなのですが、一方で、サウンドは今風にアップデートしている感じが。かつての雰囲気そのままに、現代風の音と上手くバランスされており、今なお、現役感あふれるアルバムでした。

評価:★★★★★

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2012年8月20日 (月)

暑い夏に清涼感あふれるコンピ

Title:kilk records sampler summer 2012

Kilk2012summer

音楽サイトOTOTOYで、また恒例の、エレクトロ/ポストロック系のレーベルkilk recordsのサンプラーが無料ダウンロードでリリースされています。

収録曲とミュージシャンは以下の通り

Live Again/Aureole
The strange sun/cellzcellar
Sunshine State/Tie These Hands
サンダーソニア/nemlino
hello/bronbaba
Godfather/Manuok
cenotaph/Meme
Lemoncholic/Stripmall Architecture
Gabriel feat. Elísabet Eyþórsdóttir/Yagya
Parity bit/speaker gain teardrop
terra/虚弱。
Hope For November/Glaschelim
tring,opening/hydrant house purport rife on sleepy
Cellular Respiration/Lööf
Brave And Kind/Gamine

幻想的なサウンドに、クリアなボーカルのメロ、という、夏にピッタリな清涼感のあるいつも通りの王道パターンの曲も多かった反面、bronbabaの「hello」やManuokの「Godfather」のように、ギターサウンドを前に押し出してきたような曲も目立ちました。

ただ、以前のサンプラーと同じく、どの曲も一定水準以上のレベルの曲を楽しめる一方、アルバム単位で聴いてみたい、と思えるような大ヒットは見当たらず。その中では、美しいサウンドの中で、鼓動のようなリズムが、まるで母親の胎内を彷彿とさせるようなLoofの「Cellular Respiration」や、ピアノの音色をバックに、チャイルディッシュなボーカルが切ないメロディーを歌い上げるGamineの「Brave And Kind」がヒットでした。

現在も、無料ダウンロード中みたいなので、ポストロック/エレクトロニカ系が好きな方は是非。ダウンロードはこちらのサイトからになります。

評価:★★★★

Kilk Records Sampler 過去の作品
Kilk Sampler 2011 Spring

Kilk Record Sampler 2011 Summer


ほかに聴いたアルバム

ウクレレ栗コーダー2~UNIVERSAL 100th Anniversary~/栗コーダーカルテット

サブタイトル通り、ユニバーサル・ピクチャーズ100周年を記念して作成された企画盤。そんな訳で、ユニバーサルの映画音楽を、いつもの彼らどおり、リコーダーやウクレレなどで脱力カバーしています。あの壮大な映画音楽が、彼らの手により、一気に箱庭サイズに。「刑事コロンボ」のように、クスッと笑える脱力カバーもありますが、意外やこの箱庭サイズのカバーがマッチしていて、意外な魅力も発見できる、ほっこり暖かい気持になるカバーでした。

評価:★★★★★

栗コーダーカルテット 過去の作品
15周年ベスト
夏から秋へ渡る橋
渋栗(川口義之with栗コーダーカルテット&渋さ知らズオーケストラ)

遠くの友達
生渋栗(川口義之with栗コーダーカルテット&渋さ知らズオーケストラ)
羊どろぼう

DestroyingBeauty/killingBoy

ART-SCHOOLの木下理樹と、ストレイテナーなどで活躍する日向秀和により結成されたユニットの第2弾アルバム。前作同様、リズムに一工夫を入れて、どこかファンキーさを感じるサウンドが魅力的。特に今回は、ギターで参加した元SPARTA LOCALSの伊東真一が、いい味を出しています。って、まんまSPARTA LOCALSっぽいんですが。ここらへんのリズム隊のカッコよさに、木下理樹のボーカルがちょっと負けちゃっているような印象も受けたのですが、ここらへんは好き嫌いの問題か?

評価:★★★★★

killing Boy 過去の作品
killing Boy

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2012年8月19日 (日)

FUJI ROCK FESTIVAL その5

その4からの続き

Fuji018

午前4時の段階で、まだ入場制限が行われていたCRYSTAL PALACE。ちょっと待って、中に入ると・・・なんと、THE TROJANSのライブが、まだ続いていました!

THE TROJANS@CRYSTAL PALACE

THE TROJANSは、軽快なスカバンドながらも、バグパイプが入って、アイリッシュ・トラッドの作風を取り入れた、とても楽しい音楽を奏でています。イメージとしては、ソウル・フラワー・ユニオン+スカといった感じ?その、底抜けに楽しい演奏で、会場は熱気の渦に。CRYSTAL PALACEは、テントになっている屋内ステージなのですが、めがねが熱気で曇るほどでした(笑)。

そりゃあ、あれだけ軽快なポップソングを奏でられれば、楽しめないわけがありません。スカとアイリッシュ・トラッドという、どちらも軽快でハッピーになれるサウンドに、すぐに惹きこまれました。ステージ前方では、多くの若者によりストームがおきていました。さすがに、前方には繰り出せなかったのですが、客席後方で、しばし、その軽快なリズムに身体を揺らしていました。

時間的には30分弱で終わってしまったのですが、楽しかったなぁ~。入場規制が起こっても、列に並んで、もっと早くから見ておくべきだった!残念!!次は、出来れば、野外で見てみたいと思うような、底抜けに楽しいステージでした。

で、ここで時間は4時半。東の方から、徐々に明るくなってきました。シャトルバスは5時始発だったので、久々のフジロック、名残惜しさはありましたが、これにて終了。会場から静かに立ち去りました。

Fuji019

↑明け方の会場入り口付近。夜を明かしてグロッキーになった若者たちの姿が目立ちます。

最後に、今年のフジロック全体の感想を。

楽しかった~~!!久々のフジロック。その間に、サマソニに限らず、いろいろな「フェス」に参加しましたが、やはりフジロックは、会場の雰囲気といい、参加しているミュージシャンといい、その他のアトラクションや出店などといい、格が違いますね。

なんでも、今年の入場者数は史上最高だったそうで、どこへ行っても人、人、人だったのですが、それでも、食事といい、トイレといい、比較的列にならばずに済み、あれだけの人ゴミにも関わらず、あまりストレスを感じませんでした。ストレスを感じたのは、往復のシャトルバスの待ち時間と、電気グルーヴのライブの前のOASISの大混雑ぶりくらいか・・・?

ただ、一方、久々に来て感じたのは、残念ながら、参加者のマナーが悪くなったなぁ、ということでした。特に感じたのは、どんな混んだ会場でも、平気で折りたたみ式の椅子を広げて、周りの迷惑おかまいなしに、座っている人が多かったこと!入場制限がかかるようなステージにもそういう人が平気でいましたし、電気のライブの前のOASISの混雑ぶりの最大の理由は、OASISの中央に、これでもかというほど、折りたたみ式椅子が並んでいたことだと思う・・・。

セキュリティーの数も少なくても、観客のマナーに助けられてきた部分もあるフジロックだけに、これだけ観客のマナーが悪くなると、今後、変な事故が起こらないか、少々心配にも感じてしまいました。頼むから、ラブ・パレードみたいなことはやめてくれよ・・・・・・。

そんなちょっと心配になることもありながらも、文句なしに楽しかった1日を、存分に満喫したフジロックでした。個人的に、よかったのは、やはりBUDDY GUY、それからJUSTICE、最後のTHE TROJANSのステージが特によかったかなぁ。他にROVOもMONOもサカナクションもよかったし、ライブにハズレなし、なのはさすがですね!次はいつ来れるかわかりませんが、出来れば、また近いうちに参加したいです!

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2012年8月18日 (土)

FUJI ROCK FESTIVAL その4

その3から

さて、JUSTICEをちょっと早めに切り上げ、電気グルーヴを見るため、RED MARQUEEに向かったのですが・・・RED MARQUEEの手前、OASISが、とんでもない数の人、人、人。通勤ラッシュの電車並みの人ゴミで、RED MARQUEEにたどりつける気配がありません。少々身の危険すら感じだしたので、急遽引き上げ。ふと、どこか聞き覚えのある音が流れてきて、ちょうどころ、苗場食堂でキノコホテルのライブが行われていることを思い出し、急遽、苗場食堂へ向かいます。

キノコホテル@苗場食堂

とはいえ、キノコホテルのステージも、ステージ前に大量の人、人、人。正直、ほとんどステージは見えませんでした。彼女たちのステージは2度目なのですが、骨太のロックンロールサウンドは、以前見た時よりも安定感と迫力がまし、「ロックバンド」としての実力を感じました。

以前、見た時にくらべてMCは少なめだったように感じたのですが、途中のMCでは、マリアンヌ東雲はMCで、「苗場プリンスの窓から、たくさんのテントが見えるんですが、みなさんはあそこに泊まっているの?(「そう」という声)そう、ご苦労なことで・・・」なんて、いかにも彼女らしいMCをしていたのが印象的。ステージは、0時半までの予定でしたが、「最後なんで好きにやっていい、と言われたので」ということで、予定を大幅にオーバーし、1時近くまで延長してくれました。もっとも、私は後半、1日の疲れが出て、後ろの方の椅子に座り、聴きながらうつらうつらしてしまったのですが(^^;;

で、続いては、夜のみ開いている「THE PALACE OF WONDER」へ。ここは、お祭りの出し物のような、カジノだったり、アトラクションだったりが楽しめる場所。しかし、この日は1時過ぎても人、人、人(苦笑)。さすがにちょっとうんざりしたのですが、ちょうどBIR KHALSA DALというパフォーマンス集団のショーをやっていたので、見てみました。

BIR KHALSA DAL@PLACE ARENA

まあ、一言で言うと、「インド版電撃ネットワーク」といった感じ(笑)。首で、剣を折り曲げたり、目隠しして、トンカチを振り回しながら、人の頭の間においたスイカを、頭をカチ割らないように、スイカ割りをやったり、2人で、激しい剣劇のパフォーマンスを繰り広げたり、見ていてハラハラするようなショー。時間的には、わずか15分程度の短いパフォーマンスでしたが、なかなか楽しめました。

Fuji013

↑その剣劇の最中です。

その後は、さすがに混雑したTHE PALACE OF WONDERにうんざりし、OASISに戻り、夜食に焼きソバを購入。その後、World Restaurantの前の椅子席で、うつらうつらしながら、3時頃までしばしの休憩を。

3時からは再びTHE PALACE OF WONDERに戻り、ROOKIE A GOGOという、新人専用のステージで、ヤセイ・コレクティブという名前のバンドのライブを見ました。

Fuji014

↑終演後のROOKIE A GOGOのステージ

ヤセイ・コレクティブ@ROOKIE A GOGO

いや、このバンドについては、音はもちろん名前も初耳で、時間がちょうど空いていたので、見た、という程度だったんですけどね。最初は、チップチューンっぽい打ち込みのインストソングから。打ち込み主体のポップなインストバンドかなぁ、と思いきや、徐々にサイケなギターサウンドもまじりはじめ、サイケデリックっぽいギターロックに。打ち込みのサウンドも入れつつ、プログレっぽい雰囲気もありつつ、ポップな側面もありつつ。ガツンと来る感じは残念ながらありませんでしたが、今後次第では、おもしろいバンドになる、かも?

その後、CRYSTAL PALACE TENTのTHE TROJANSのライブを見ようと思ったのですが、既に超満員で、入場制限も。残念だったのですが、THE TROJANSのライブはとりあえず諦め、さすがに3時を過ぎて、ちょっと空いて来た、THE PALACE OF WONDERで楽しむことにしました。

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↑THE PALACE OF WONDER全景。ちょっとボケボケの写真ですいません。

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↑妙に目立っていた、見世物小屋風のアトラクション。怪しげな内容に惹かれて、思わず見てみたのですが、中は学園祭ノリの小芝居でした。まあ、妙にテンションの上がる、夜中の3時くらいに見る分には楽しめましたが(^^;;

Fuji017

↑沖縄から来たファイア・ダンサーによるショーで盛り上がりました。この夏の暑い日に・・・といった感じですが、この時間帯の苗場は、長袖ではないと寒いくらいの気温でした。

そろそろ、フジロックも最後に近づき、最後に、4時からのCRYSTAL PALACE TENTのBABY SOULというミュージシャンのステージでも見てみようかなぁ、とCRYSTAL PALACE TENTに向かったのですが、まだ、若干の入場待ちがあって・・・・・・

その5(最終回)に続く

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2012年8月17日 (金)

真夏の贈り物?

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

先週は、日本ミュージックシーンの重鎮が1位2位を獲得しましたが、今週は、ある意味2000年代を代表した2組が、1位2位を獲得しています。

まず1位。SMAPのニューアルバム「GIFT of SMAP」がランクイン。今回のアルバムでも菅野よう子に前山田健一、ナオト・インティライミに椎名林檎、さらにTHE BAWDIESのRyo Watanabe(!)と、ある意味、今、流行のミュージシャンを並べた節操ない作曲家陣が目をひきます。今回は、なんとスペシャル限定盤では、19曲全部が別々のCDにわけて、それぞれジャケットをつけたという超豪華盤をリリース。他にも初回盤、セブンネット限定盤もわけてリリースした影響か、初動売上21万枚は、オリジナルとしての前作「We are SMAP!」の18万枚を上回る結果になりました。

で、2位は浜崎あゆみ。サマーソングを集めた企画盤「SUMMER BEST」がランクイン。直近のオリジナル「Party Queen」が、1位を逃してしまいましたが、前作に続き、本作も2位止まり。初動売上8万3千枚と、1位SMAPとも大差となってしまっています。初動売上は、そのオリジナル「Party Queen」の9万7千枚からもダウン。最近発売したベスト盤「A COMPLETE ~ALL SINGLES~」の53万9千枚からも大幅ダウン。正直、落ちぶれた感は否めず、発売週をSMAPの週にあてられるあたり、avexの中でも、微妙な立場になっているのかも。

3位は相変わらず強い桑田佳祐「I LOVE YOU-now&forever-」が、まだまだベスト3をキープです。

4位以下の初登場ですが・・・まず4位に、今、人気上昇中のハードコアロックバンド、Fear,and Loathing in Las Vegas「All That We Have Now」がランクインです。初のベスト10ヒットとなった、ミニアルバム「NEXTREME」の1万2千枚から大幅アップの、初動2万3千枚を記録しています。

5位には、80年代後半から90年代にかけて、一世を風靡したシンガー、森高千里のベスト盤「ザ・シングルス」がランクイン。最近はすっかり主婦業や子育てがメインとなり、テレビに出てくることが少なくなった彼女ですが、このベスト盤リリースを機に、歌手活動を再開するそうです。CDとしては2004年にリリースしたベスト「MY FAVORITES」以来。こちらは、71位初動3千枚という結果だったのですが、本作はプロモーションの効果もあり、初動1万9千枚。ベスト10入りは、現段階で最後のオリジナル1998年の「Sava Sava」以来となりました。今なお、人気健在をアピールした結果に。個人的には、ギャル色を前面に出して、派手派手だった90年代よりも、むしろ今の方が綺麗に思えるくらいなのですが(^^;;

7位には、人気動画サイトニコニコ動画で人気を博したシンガー96猫「memoReal」がランクイン。ここらへんは、アルバムを出すと、一定以上の安定した売上を記録しますね。

9位には、仙台出身のシンガーソングライターハジ→「ハジバム3。」がランクイン。初動売上は9千枚。前作「ハジバム2。」は36位初動3千枚だったので、大きくアップし、初のベスト10ヒットとなりました。

最後10位には、イギリスの5人組アイドルグループONE DIRECTION「Up All Night」がランクイン。昨年リリースされ、イギリスとアメリカで大ヒットしたアルバム。日本盤も発売され、見事ベスト10入りに。

今週のアルバムチャートは以上。来週は、いつも通り、水曜日にアップする予定です、多分。

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2012年8月16日 (木)

夏、真っ最中

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

諸般の事情により、昨日、恒例のシングルチャートの更新が出来ませんでした。申し訳ありません。そんな訳で、1日遅れのシングルチャート評です。

今週1位は、大阪を拠点に活動する、AKB48の姉妹ユニットNMB48「ヴァージニティー」でした。前作「ナギイチ」は嵐に阻まれて2位だったため、前々作「純情U-19」以来の1位に。ただし、初動売上31万5千枚は、前作の37万5千枚から大幅ダウン。前々作の32万9千枚よりも下回る結果となっています。

しかし、この曲、いきなり出だしの

「ねえ キスをしたって
減るもんじゃない
言いたいこと わかるけど」

(「ヴァージニティー」より 作詞 秋元康)

ってのが、いかにもおやじの発想っぽくて、それを、あの小太りのオヤジが書いていると思うと、少々気持悪いんですが・・・(苦笑)。

2位は、EXILEの弟分的ユニット、三代目J Soul Brothers「0~ZERO~」がランクイン。全4曲入りで、それぞれの曲を1曲目に持ってきた4種類のジャケットが用意されています。初動売上は10万1千枚。前作「Go my way」の6万8千枚からアップ。彼らにとって、過去最高の初動売上を記録しています。

3位には、ジャニーズ系、V6「kEEP oN.」が入ってきています。NONA REEVESの西寺郷太作詞作曲によるナンバーで、彼らしいポップなダンスナンバーなのですが、6人でユニゾンで歌われると、ちょっと違和感が。例のごとく、いのっちが出演しているテレビ朝日系ドラマ「警視庁捜査一課9係」主題歌なのですが、ドラマの世界観と、いまひとつ曲調がマッチしていないような・・・。

続いて、4位以下の初登場ですが、今週はキャラソンが大量ランクイン。

まず4位は、フジテレビ発のアイドルグループアイドリング!!!「One Up!!!」が入ってきています。初動売上は4万2千枚。前作「MAMORE!!」では初動5万6千枚にアップしましたが、この水準からはダウン。前々作以前の水準に戻しています。

5位は、主にアニソンで活躍している女性シンガーLiSAの2ndシングル「crossing field」がランクイン。アニメ「ソードアート・オンライン」オープニングテーマ。マイナーコード主体の叙情感あるアップテンポなナンバーって、なんでアニソンってこのタイプの曲が多いんだろう?初動売上は3万9千枚。LiSA名義での1stシングルとなる前作「oath sign」の4万5千枚よりはダウンしてしまいました。

6位には、韓国の5人組バンドFTISLAND「TOP SECRET」が入ってきました。アルバム先行販売だった前作「NEVERLAND」の初動2万8千枚から初動3万4千枚に戻しましたが、前々作「Distance」の3万9千枚からはダウンしてしまいました。

7位はゆず「また明日」。TBS系ドラマ「浪速少年探偵団」主題歌。ゆずらしい、爽やかで、どこかノスタルジックさを感じるナンバー。初動売上3万3千枚は、前作「with you」の3万4千枚から若干のダウン。

で、今週9位以下には、モバゲー用のゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」の登場人物によるキャラソンがズラリと並んでいます。そのうち、9位の神崎蘭子(内田真礼) 「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 006 神崎蘭子(華蕾夢ミル狂詩曲~魂ノ導~)」、10位に諸星きらり(松嵜麗) 「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 008 諸星きらり(ましゅまろ☆キッス)」の2曲がベスト10入りしています。

この「アイドルマスター シンデレラガールズ」のキャラソン。以前も5枚同時にランクインしており、その時は、5枚ともにベスト10入りしたのですが、今回は3作のみ。初動売上も、前作は4位につけた双葉杏(五十嵐裕美) 「THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 002 双葉杏(あんずのうた)」が3万7千枚で、その他も概ね3万枚を超えてきたのですが、本作は、9位神崎蘭子が2万3千枚で、その他は概ね1万8千枚とダウン。ただ、ここらへんはキャラクター人気にも因りそうで、そこらへんのことはよくわからないのですが・・・。

そんな感じで、今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートは明日の予定!

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2012年8月15日 (水)

FUJI ROCK FESTIVAL その3

その2より

THE SPECIALSに続いて、サカナクションを見るためにWHITE STAGEまで向かいます。その頃は、すっかり日も沈み、GREEN STAGEとWHITE STAGEの間には、こんなオブジェが木から釣り下がっていました。

Fuji010

サカナクション@WHITE STAGE

サカナクションのステージも、これでもかというほど超満員。よく入場規制がおきなかったな・・・。なんとか場所を確保し、スタートを待ちます。

やがてライブがスタートすると、最初、メンバー全員が、直立したままで、マックのラップトップパソコンに向かい、パソコンを操作して、音を奏でるスタイルに。そう、まるでクラフトワークのステージを模したようなスタート。非常にスタイリッシュな雰囲気を醸し出したスタートでした。

そのラップトップパソコンの前で奏でたインスト曲が終わると、メンバーはそれぞれの楽器を持ち、1曲目「『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』」からスタートします。その後のステージは、一言で言うと、ストイックな印象を受けました。途中、特にMCもなく、黙々と続く演奏。モノトーンで統一された、ある種の無機質な雰囲気を感じさせるステージで、一種のコンセプトを感じるステージでした。

結局、途中の「僕と花」まで見て、会場を離れたのですが、統一感ある考えられたステージから、さらに大きくなった彼らの姿を見て取れました。ただ、楽しさ、という意味では、ステージがはじまった後、2階席からおもわずステージ前に駆け出した、おととしのサマソニのステージの方が上だったかなぁ。

そして、WHITE STAGEを離れて、ORANGE COURTへ向かいました。

Fuji011

↑ORANGE COURTの全景。これは、昼間の写真ですが・・・。

BUDDY GUY@ORANGE COURT

そう、シカゴ・ブルースの最後の大物といわれるBUDDY GUY!正直、今年のフジロック、参戦を決めた最大の理由は彼だったりします。なんといっても、彼は御年75歳。こう言っては失礼ですが、来日できる今のうちにライブを見ておかなければ・・・。

昨年のフジロックでも来日が予定されていたのですが、直前に病気のため、来日中止となり、心配したのですが、しかし、この日ステージにあらわれた彼は、75歳という年齢を全く感じさせない、若さあふれるステージ。ステージ上を縦横無尽にかけまわり、全く年齢を感じさせないアグレッシブなギタープレイをみせてくれました。

そんな彼のステージは、印象としては、「本場シカゴのブルースのライブって、こういう風なんだろうなぁ」ということを感じるステージ。要するに、悪い意味での「よそ行き」を感じられない、自由なステージ、かつ、ユーモラスを感じるエンターテイメント性あるステージでした。会場の空気を見ながら、曲をはじめ、ワンフレーズだけ弾いたと思えば、次の曲へ。かと思えば、曲によっては、長くジャムセッションを。といった感じで、非常に自由度を感じるステージでした。

この日のステージでは、「Hoochie Coochie Man」では、観客とコールアンドレスポンズを繰り広げ、最新アルバム「Living Proof」から「74 Years Young」なんかも聴かせてくれました。この曲を演る時には、「このアルバムを出した頃は『74 Years Young』だったが、それから時間がたって、今は『75 Years Young』だ」なんてことを言っていました。

ステージ上では、背中でギターを弾いたり、服にこすりつけてギターを弾いたりと、ユニークなプレイスタイルを見せてくれたり、途中、いきなりステージ上からいなくなったかと思えば、客席の後ろの方からいきなり登場!これにはビックリしました。さらに、最後には、CREAMの「Sunshine Of My Heart」の有名なギターリフをベースにジャムセッション。途中、キーボードに対して、BUDDYが、「お前にこれを弾けるか」といった感じで、ギターのチョーキングを聴かせると、キーボードがそれに応え、全く同じフレーズを出し、BUDDYが負けじと、もっと難しい音を出すと、キーボードがそれに応えて・・・。なんともまあ、ユーモラスなやり取りを楽しめました。

全1時間20分程度。BUDDYのステージは、本当に年齢を全く感じさせない、若さあふれるステージで、期待以上の内容でした。次は是非、ソロライブを見てみたいなぁ。次の来日がいつになるかわかりませんが、また、彼のステージは、是非とも見てみたいです!

そんな感じで、非常に満ち足りた気分で、ORANGE COURTを離れて、再びWHITE STAGEへ。ちょうどJUSTICEのステージの真っ最中でした。

JUSTICE@WHITE STAGE

JUSTICEのステージは、ステージ上に、大きなサウンドシステムのセットが鎮座し、その中心には、彼らのトレードマークである十字のマークが。そして、そのサウンドシステムの中の、ひとつの機械のように、メンバー2人が座っていて、黙々とプレイしていました。

で、途中から参加したのですが、これが、とても素晴らしいステージで。重低音が腹に響きまくるのですが、音量がすごい割りには、音の悪さは感じません。そんな爆音で、鳴り響くのが、彼らの四つ打ちの、強いビートな訳ですから、これが楽しめない訳ありません。まさに、爆音に身体を預けるうちに、自然に身体が動いてしまうようなステージ・・・・・・だったのですが、さすがにこの頃には疲れていて、踊れなかったのですが(^^;;それでも、十分に楽しめたステージでした。

ただ、この後に行われる電気グルーヴのライブが見たく、また、ステージが終わった後だと、GREEN STAGEまでの通路が大混雑すると予想したため、後ろ髪を引かれる思いながら、途中で会場を後にしました。

Fuji012

↑誰もいなくなった、終演後のGREEN STAGE。本編は、ここで終わりなのですが・・・苗場の夜はまだまだ続くのであります。

その4へ続く

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2012年8月14日 (火)

FUJI ROCK FESTIVAL その2

その1から続き

麗蘭に後ろ髪をひかれつつ、ROVOを見るために、再びWHITE STAGEへ戻ってきました。

Fuji006

ROVO@WHITE STAGE

ROVOのステージはビックリするほどの超満員。なんとか場所を確保して、スタートを待ちます。

ROVOのステージを見るのは久しぶり。ひょっとしたら、この昼空の下で見るのははじめてかも・・・。というか、ステージが完全に見える状況でのROVOも不思議な感じで、メンバーみんな、見た目は普通の「おっちゃん」って感じなんですよね(失礼!)。しかし、ライブがはじまると、その音に圧巻されちゃうんですよね。

やはり勝井祐二のバイオリンが、独特の世界を作り出しているなぁ、とか、益子樹のシンセが、どこか変態ちっくでおもしろいなぁ、とか、圧巻のドラミングはなんど聴いてもすごいなぁ、とか思いながら、自然に身体を動かしながらライブを楽しみました。ROVOのステージって、そのサウンドに圧巻されるのですが、なにげに根底に流れるメロディーがポップで、ステージを見ている限りでは、万人受け・・・とまではいえないものの、いい意味で、多くの人を惹きつけそうな魅力を感じました。青空の下のROVOは、ちょっと違った印象でしたが、そのステージに、圧倒されつつ、テンポのよいリズムとメロディーを楽しめたステージでした。

さて、ROVOが終わって、次はどうしよう・・・と考えていたのですが、時間もあったので、思い切って、ORANGE COURTの奥にある、フジロックの会場の一番奥まで足を伸ばしてみることにしました。

まず、ORANGE COURTまでは、BOARD WALKという、森の中を進む道を歩いていきます。

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↑BOARD WALKは、こんな感じで、森の中を散歩できる感じの一本道。とても心地よい感じでした。ただ、相変わらず人は多かったですが・・・。

で、このBOARD WALKの途中にもステージが。ちょうどライブの真っ最中だったので、ちょっと足を止めて、ステージを楽しみます。

AO YOUNG with GORO SHIBATA@木道亭

アコギで弾き語るシンガーと、キーボードの2人組。ジャンル的には、フォークロックといった感じでしょうか?最後、わずか2曲のみ聴けました。しんみり暖かい雰囲気のポップソングは、森の中のステージにもピッタリといった感じ。ただ・・・正直、あまり印象に残らなかったのですが(^^;;

で、ORANGE COURTまでついたのですが、そこから歩くこと、また5分程度!ようやく、フジロックの最奥地に到着です。

Fuji008

さすがにここまで来ると、人もまばら、といった感じ。ここにも、飲食設備や、なぜかボーリング場、また、パリのギャラリーをイメージした「Cafe de Paris」などがありました。この「Cafe de Paris」でもライブが行われているのですが、その合間には、手品やポールダンスのショーが行われているみたいで、私が来た時も、ちょうどきれいなお姉さんによるポールダンスの真っ最中でした(↓)。

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で、その後は再びFIELD OF HEAVENへ。ELVIN BISHOPのライブの真っ最中でした。

ELVIN BISHOP@FIELD OF HEAVEN

元ポール・バターフィールド・ブルース・バンドのギタリスト、エルヴィン・ビショップのステージ。もともと、麗蘭のステージで、「敬愛するエルヴィン・ビショップと同じステージに立てるのは光栄です」とMCをしていたことから気になって、後半だけですが、見てみることにしました。

イメージ的には、ブルースのライブっぽい感じになるのかなぁ、と思っていたのですが、実際には、どちらかというと、ニューオリンズの空気を彷彿とさせるような、アメリカのサザンロック。ホーンも入ったステージは、軽快で楽しくて、こちらまでウキウキするようなステージ。彼は、現在70歳なのですが、その年齢を感じさせないステージでした。

それに、とくに好印象だったのが、合間合間のMCをすべて日本語でやった、という点(!)。これは、彼の誠実さをとても感じて、好印象でした。

最初はちょっと早めの夕食ということで、豚角煮丼とビールを片手に、まったりしながら見ていたのですが、そのハッピーなステージに、思わず前に行って、踊りながら見ていました。最初、見る予定はなかったのですが、想像以上に楽しいステージでした!

その後は、再び、GREEN STAGEまで戻ってきました。

THE SPECIALS@GREEN STAGE

彼らのリビング・レジェンド。イギリスのスカバンド、THE SPECIALS。やはり見ておかなければ、ということで、GREEN STAGEへ。終始、軽快なスカサウンドの連続だったのですが、曲によっては、哀愁ある歌謡曲みたいな雰囲気すらある曲もあり、予想以上にバラエティー豊富なステージという印象でした。

ただ、彼らのステージの時、ちょうどメールをする用事があったのですが・・・全く電波がつながらない(^^;;電波がつながるところをうろうろとした結果、ようやくメールが送れたのですが、THE SPECIALSのステージを、あまり見ることが出来ませんでした・・・残念・・・。

ちょっと残念に思いながら、WHITE STAGEへ向かいます。

その3

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2012年8月13日 (月)

6年ぶりの苗場!

FUJI ROCK FESTIVAL '12

会場:苗場スキー場 日時:2012年7月28日(土)

久しぶりに、フジロックへ行ってきました!前回、足を運んだのが2006年なので、実に6年ぶり。毎年、行きたい行きたいと思いつつ、ここ最近は、いろいろと生活環境が変ったり、忙しかったりしたため、なかなか行けなかったのですが、今年は、久しぶりに思い切って足を運んでみました。

今回のフジロック、土日及び3日券は完売。人の多さは越後湯沢駅の段階から顕著で、駅でのシャトルバス待ちに1時間半(!)。この混雑ぶりに、少々不安になりながらも、やはり会場に近づくと、気持ちが高鳴ります。そして、久しぶりの苗場に到着!

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10時半に越後湯沢についたのに、会場に入ったのは13時くらい。まずはOASISに向かい、腹ごしらえ。OASISも当然すごい人で・・・。

Fuji002_2

↑こんな感じ。ただし、店がたくさんあったため、選り好みさえしなければ、比較的、スムーズに食事にはありつけました。昼食は、地元越後のもち豚をつかったカツカレー。さほど混んでいなかった店なのですが、なかなかの美味でした。

SEUN KUTI&EGYPT 80@GREEN STAGE

まずは、この日、最初のお目当て、SEUN KUTI(シェウン・クティ)&EGYPT80のステージ。アフロ・ビートの創始者として知られる、フェラ・クティの息子で、本人も、昨年リリースしたアルバム「怒りのアフリカより:RISE」が話題となりました。

ステージはサックスを吹き鳴らす本人に、ドラマーやギター、ベース、なんか丸い楽器をカチャカチャかき鳴らす人(笑)に、セクシーな踊りを見せる2人のベースという大所帯。序盤から、アップテンポなアフロ・ビートで飛ばしまくります。これでもか、というほど繰り返す、軽快なリズムに、どんどんテンションがあがりまくるステージでした。

途中から、シェウン本人もシャツを脱ぎ捨てて上半身裸に。まだ、浅い時間ということもあって、比較的、前の方はガラガラで、私も、最初は後ろの方で昼食を食べながら見ていたのですが、後半からは前方に駆け出して、思いっきり踊りながら見ていました。後半からは、コール&レスポンスで観客をあおるあおる。残念ながら、私の英語力では、MCの内容はよく聴き取れなかったのですが(^^;;

2時間という長丁場ながらも、終始ハイテンションなステージで、フジロックがはじまったばかりなのに、いきなりテンション高く踊りまくってしまいました。

Fuji003

↑GREEN STAGEからWHITE STAGEに向かう途中。こんな感じで、通路にはオブジェが。人は、終日、こんな感じで大混雑でした。(これでも、まだ空いていた方かも)

MONO with The Holy Ground Orchestra@WHITE STAGE

続いては、WHITE STAGEに移動して、MONO with The Holy Ground Orchestraへ。WHITE STAGEは既にかなりの混雑ぶりでした。しかし、ステージがはじまると会場の空気が一変します。スタートしたのは、いきなり激しくノイズを響かせるギターの音。凶暴なギターノイズに、会場にいきなり緊迫感が走りました。

この日は、バンドの後ろにオーケストラピットを設けて、オーケストラとの共演という形。(オーケストラには、ちゃんと指揮者もいました・・・)サイケデリックなバンドサウンドと、美しいオーケストラの共演は、不思議な音色を奏でます。特に、オーケストラの前で、あくまでもうつむいたまま、激しい音を出し続けるMONOには、一種の狂気も感じました。ある意味、終始、リスナーを圧巻するようなステージを見せてくれました。

で、続いてのお目当てROVOまで、時間があいたので、NGO VILLAGEへ。

Fuji004

左手奥のテントや、一番奥の丸いテントで、NGO団体が、ブースを設けていました。脱原発団体のブースなんかが、やはり今年は一番目立っていた感じが。そんなブースもブラブラ眺めつつ、もっと奥へ。

Fuji005

やってきたのはFIELD OF HEAVEN(↑)。ちょうど、麗蘭のステージがはじまったばかりだったので、せっかくなので、ROVOがはじまるまで、見てみることにしました。

麗蘭@FIELD OF HEAVEN

ご存知、元RC SUCSESSIONの仲井戸麗市とストリート・スライダーズの土屋公平のギターユニットで、カッコいいロックンロールを聴かせてくれます。ジャンル的には、渋いブルースロックと、ハードロックの中間あたりといった感じになるのでしょうか?言わずと知れたベテランユニットなのですが、そのロックサウンドは、全く衰えません。当初、全く見る予定はなかったのですが、ついついそのプレイを見入ってしまいました。

30分程度見て、WHITE STAGEに戻ったのですが、そのカッコいいロックサウンドに、釘付けに。特に最初、バンドでジャムったのですが、これがまた、迫力があり、かつ一体感のあるサウンドでめちゃくちゃカッコいい!で、終わった後、仲井戸麗市と土屋公平が、グーパンチ・・・って、あまりに絵になっていてしびれました(笑)。いや、本当に、いいステージでした。

その2に続く

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2012年8月12日 (日)

2012年上半期 邦楽ベスト5

昨日の洋楽編に引き続き、遅くなってしまいましたが、邦楽編上半期ベスト5です。

5位 恋に似ている/THEラブ人間

聴いた当時の感想は、こちら

これがメジャーデビューアルバムとなる、今話題の新人バンド。決して派手さはないものの、耳を惹くのが、その歌詞。なにげない日常を、ドラマ仕立てで描く歌詞は、リアリティーのあり、心に染み入ります。じわじわと、侵食されて、気がついたらはまっている、そんなアルバムでした。

4位 MISOGI EP/GRAPEVINE

聴いた当時の感想は、こちら

デビューから15年が経過し、すっかりベテランバンドの仲間入りを果たした彼らですが、その勢いは止まる・・・どころか、ここ最近、ますます加速している感すらあります。独特のどす黒いグルーヴは相変わらずですが、マンネリさは感じられません。加えて、ここ最近の作品では、いい意味でのわかりやすさが加わった感じも。このアルバムは、6曲入りのミニアルバムながらも、今の彼らの勢いが、コンパクトにおさまった作品になっています。

3位 ULTRA/bonobos

聴いた当時の感想は、こちら

今、全体的に停滞感が漂う日本において、光り輝く1枚。もともと、彼らの音楽は、独特な浮遊感のあるポップソングでしたが、その浮遊感が、今回では、これでもかというほど輝き、幸福感あふれる作品になっています。ただし、よくあるヒット曲のような、単純な前向きソングではなく、現実を踏まえた上で、その向こうにある幸せを捜し求めるような作品。聴き終わった後、なんともいえない幸福な満足感を得られる作品です。

2位 B級映画のように2/田我流

聴いた当時の感想は、こちら

東日本大震災の後、様々なメッセージソングが生まれてきましたが、その中で、もっとも強烈だったのが、この作品。今の政治をバッサリ切り捨て、原発を推進する勢力も、ユーモアな視点を交えつつ、強烈な皮肉をあびせています。ただ、その一方では、明日へ続く希望も綴っています。このアルバムから感じられるのは、強いふるさとに対する愛情。この強いメッセージは、HIP HOPリスナー層にとどめておくのはもったいない。

そして・・・

1位 TOTAL/THA BLUE HERB

聴いた当時の感想は、こちら

3月11日以降の日本へのメッセージ、という意味では、2位の田我流と共通する点があるような感じのするTHA BLUE HERBの新作。強烈な政治批判は反原発も共通。また、ふるさとへの深い愛情という点でも共通しています。特に強烈だったのは、このアルバムのボーナスCDである「NUCLEAR,DOWN」で、原子力への思いを、これでもかというほどの強烈な言葉で綴っています。もちろん、そんなメッセージのみならず、O.N.O.の緊迫感あるトラックも耳を惹く作品。今作も、文句なしの傑作でした

以上5枚。洋楽も、上半期はちょっと不作気味でしたが、邦楽も、少々不作気味でした。他にベスト5候補だったのは・・・

うたびこ/青葉市子
STEREO WORXXX/capsule
この声/高橋優

あたりでしょうか。上半期ベスト5は、上位2位が、いずれもHIP HOPになりましたが、5位のTHEラブ人間といい、ベスト5には入れなかったものの、青葉市子や高橋優といい、強いメッセージを届けるミュージシャンのアルバムが、目立ったような印象を受けました。

あらためて、ベスト5を振り返ると

1位 TOTAL/THA BLUE HERB
2位 B級映画のように2/田我流
3位 ULTRA/bonobos
4位 MISOGI EP/GRAPEVINE
5位 恋に似ている/THEラブ人間

下期は、もっと、ベストを選ぶのに迷うような、傑作が多くリリースされることを期待しつつ。

ちなみに過去のベストは

2007年 年間1 
2008年 年間1  上半期
2009年 年間1  上半期
2010年 年間1  上半期
2011年 年間1  上半期

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2012年8月11日 (土)

2012年上半期 洋楽ベスト3

すいません。すっかり遅くなってしまいました。もう8月に突入してしまいましたが・・・恒例、上半期洋楽アルバムベスト3です。

3位 Live at All Tomorrow's Parties,9th April 2000/MOGWAI

Mogwai_live

聴いた当時の感想はこちら

すいません。厳密には、アルバムではないかもしれません。フリーダウンロード音源。その上、フリーダウンロードはもう終了してしまった模様(^^;;さらに、音源は10年前のもの。そういう意味では、「2012年のベストアルバム」としては、不適格かも・・・。しかし、そこらへんを差し引いても、あえて「ベスト盤」としたいほど、圧倒的な音世界がここにはありました。是非とも、CD化希望!

2位 The Odd Future Tape Vol.2/Odd Future

聴いた当時の感想は、こちら

昨年の年間ベストで4位に入れたTYLER,THE CREATORが参加するHIP HOP集団によるメジャーデビューアルバム。TYLER,THE CREATORに比べて、内省的な部分は薄くなり、より攻撃性が増した感じ。ただ、ダークで、やばさが光る世界観は、TYLER~と同様で、「Goblin」が気に入れば、文句なしに気に入るアルバムだと思います。賛否両論わかれるアルバムなような気がしますが、個人的には、「Goblin」同様、はまりました!

1位 The Idler Wheel.../FIONA APPLE

聴いた当時の感想は、こちら

先日、紹介したばかりで、ギリギリ間に合った!といった感じの、上半期の代表作。最初は、その静かなピアノの音色と、独特なパーカッションのリズムに、ゾクゾクし、その後は、力強い彼女のボーカルから耳が離せなくなり、気がついたら、アルバムが終了していました。文句なしの上半期最高傑作です。

以上。

他によかったのは、Locked Down/Dr.Johnでしょうか?最後に、FIONA APPLEの傑作がリリースされた上半期ですが、全体的には、傑作の数は少なめ。ベスト5を絞るのが大変だった昨年と対照的に、ちょっと上半期に関しては不作気味・・・。とはいえ、ここであげた3枚は、どこの年でも十分、年間ベストに食い込むだけの傑作だと思います。

あらためてベスト3をまとめると

1位 The Idler Wheel.../FIONA APPLE
2位 The Odd Future Tape Vol.2/Odd Future
3位 Live at All Tomorrow's Parties,9th April 2000/MOGWAI

下半期は、ベスト5を選ぶのに苦労するくらいの傑作に多く出会いたいところですが・・・。

ちなみに過去の洋楽ベストアルバムは・・・

2007年 年間
2008年 年間 上半期
2009年 年間 上半期
2010年 年間 上半期
2011年 年間 上半期

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2012年8月10日 (金)

タイトルは、また長いです。

Title:THE IDELER WHEELS...
Musician:FIONA APPLE

約7年ぶりとなるFIONA APPLEのニューアルバム。例のごとく、またタイトルが異常に長く、正式タイトルは「The Idler Wheel Is Wiser Than the Driver of the Screw and Whipping Cords Will Serve You More Than Ropes Will Ever Do」だそうです。

今回のアルバムで、まず印象に残ったのが、そのアレンジでした。とにかく、シンプルで音数の絞っており、ピアノが、彼女の歌声に寄り添うように、その音色を奏でています。そして、その音の間を埋めるように鳴るのが、独特なリズムを奏でるパーカッションやドラム。そのパーカッションやドラムのリズムが異様に生々しさを感じます。

それだけシンプルで、かつ生々しい音だからこそ、余計に際立つのが、FIONA APPLEのボーカル。こちらも、静かながらも力強く、いい意味での明け透けさを感じさせるボーカル。今回のアルバムで歌われているのも、基本的にラブソングながらも、心の奥底をするどくえぐるような歌詞と、彼女の心の奥をむき出しにするような力強いボーカルと、そのアレンジに、非常にマッチしているように感じました。

いつも以上に複雑なリズムパターンと、シンプルだけでも、それだけに奥の深いアレンジが印象的な作品。それだけに、このアルバム、「難解」と捉える方も少なくないようです。確かに、あくまでも彼女の「歌」を聴かせることがメインとなるアルバムではありますが、そのメロディーも、派手なサビがあるわけでもなく、微妙にひねくれています。そういう意味で、確かに「キャッチー」な作品ではないかもしれません。

ただ、個人的には、このアルバム、「難解」とは思いませんでした。確かに、複雑なリズムを奏でているものの、メインとなるのは、やはり彼女の歌。それも、歌詞の内容がわからなくても、しっかりと私たちの心に響いてくる力強さがあります。メロディーにしても、派手さはないものの、メロディアスなそのフレーズは、決してわかりにくいものではありません。ビルボードのアルバムチャートでは、最高位3位を獲得するヒット作となりましたが、その売上からも、決して、一見さんお断り的なアルバムではないことがわかるでしょう。

最初は、そのアレンジにゾクゾクと来て、このアルバムに深く惹かれましたが、徐々に、彼女のボーカルとメロディーに惹かれていき、気がついたら、全11曲45分、最後まで、全く耳を離せませんでした。

期待を大きく上回る傑作で、個人的には、今年のベスト盤候補だと思います。決して派手ではないものの、その奥ははてしなく深く、聴いていくうちに、FIONA APPLEの世界に徐々にはまっていってしまった、そんな傑作でした。

評価:★★★★★


Torches/FOSTER THE PEOPLE

昨年、話題となった、アメリカはロサンジェルス出身のインディーギターロックバンド。雰囲気としては、いかにも最近のインディーロックの流れといった感じ。ニューウェイヴ風の軽快でダンサナブルなリズムと隙間のあるシンセの音色、そしてポップなメロディー。Vampire WeekendやTwo Door Cinema Clubあたりに通じる雰囲気もあるのですが、それよりは、もっとポップス寄りで、「ギターポップ」というカテゴライズにも当てはまりそう。軽快なポップチューンが楽しめましたが、「よくあるインディーロックバンド」という印象も抱いてしまい、今度、長く人気を持続するには、もうひとつ、圧倒的な個性が欲しい感じも。

評価:★★★★

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2012年8月 9日 (木)

大物ベテランが並びました!

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週1位2位は、まさに今の日本のミュージックシーンの重鎮が並んでいます。

今週1位は、桑田佳祐のベスト盤、「I LOVE YOU-now&forever-」で、これで3週連続の1位。今週の売上は6万1千枚で、これで60万枚突破・・・ミリオンは微妙かなぁ?まだまだロングヒットは期待されますが。

で、その桑田佳祐に惜しくも敗れて2位となったのは、矢沢永吉「Last Song」。タイトルは意味深ですが、決して最後のアルバム、という訳ではないようで。初動売上は5万4千枚。前作「TWIST」の5万5千枚からほぼ横バイです。

3位は、ビジュアル系バンド、シド「M&W」がランクイン。前作「dead stock」の4位を上回り、2作ぶりのベスト3入りとなりましたが、初動売上は5万4千枚から4万5千枚にダウン。メジャーデビュー以来、下落傾向が続いています。

続いて、4位以下の初登場ですが・・・

まず4位に、倖田來未のリミックスアルバム「Beach Mix」がランクイン。初動売上2万5千枚は、直近のオリジナルアルバム「JAPONESQUE」の9万3千枚から大きくダウンしていますが、今回はリミックスアルバムなので、仕方ないですね。リミックスアルバムとしては、新曲を入れた影響か、今年3月にリリースした「KODA KUMI DRIVING HIT'S 4」の9千枚から大きく盛り返しています。

そして、今週は、初音ミク関連が目立ったチャートに。5位には、おなじみボーカロイドからみの曲を集めたオムニバス「EXIT TUNES PRESENTS Vocaloconnection feat.初音ミク」が、8位と9位には、初音ミクの発売から、5周年を記念したベスト盤「初音ミク 5thバースデー ベスト ~impacts~」(8位)と「初音ミク 5thバースデー ベスト ~memories~」(9位)が、それぞれランクインしています。

ベスト盤よりも、最新コンピの方が売れる、というのは、それだけ、まだ浮動層を確保していないということでしょうか?コンピ盤の方は、これが10作目。前作「EXIT TUNES PRESENTS Vocalogemini feat.鏡音リン、鏡音レン」は初動1万1千枚だったのに対して、1万9千枚とアップ。一時期に比べると、売上は落ちたものの、まだ人気は続いています。

初音ミクのベストは、2009年に、同じく2枚同時にリリースされた作品以来。その時の「初音ミク ベスト~impact~」「初音ミク ベスト~memories~」は、それぞれ初動2万6千枚、2万5千枚だったのに対して、こちらは、それぞれ9千枚、8千枚と大きくダウン。厳しい結果になっています。

最後。10位には、the pillowsの山中さわお、GLAYのJIRO、ELLEGARDENなどで活躍している高橋宏貴によるバンド、THE PREDATOPS「Monster in my head」がランクインしています。ベスト10入りは、前々作「牙をみせろ」以来、2作目。ただ、初動売上8千枚は、最高位12位だった前作「THIS WORLD」の1万2千枚よりダウンしてしまいました。

今週のアルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年8月 8日 (水)

ロンドン五輪テーマ曲

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

メダルラッシュで盛り上がるロンドンオリンピックですが、今週1位は、そんなロンドン五輪のテーマ曲です。

1位はSMAP「Moment」。TBSのロンドンオリンピック中継テーマソング。初動売上は13万6千枚。前作「さかさまの空」は初動13万5千枚なので、オリンピック効果はほとんどありませんでしたが・・・。作詞作曲は、サカナクションの山口一郎。楽曲は、メロディアスなポップソングなのですが、その後ろで鳴っている、テンポよい4つ打ちのリズムがサカナクションらしい感じが。

今週初登場で2位3位はいずれも声優系?2位は人気声優水樹奈々「BRIGHT STREAM」。映画「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A's」主題歌。初動売上は7万5千枚。前作「TIME SPACE EP」の5万2千枚から大幅アップ。いつもながらもマイナーコードで、これでもかというほど叙情感を出して盛り上げるアップテンポなナンバーで、ある意味王道なのですが、ちょっとマンネリ感も?

で、3位はAKB48からの派生ユニット、NO NAME「希望について」。こちらはアニメ「AKB0048」に、声優として参加しているメンバーによるユニットで、そういう意味では、「声優系」。哀愁あるマイナーコードでのアップテンポなナンバーというのは、ある意味、アニソンの王道といった感じなのですが、やはり、意識したのでしょうか?初動売上は4万6千枚といまひとつ低調なのでは、握手会などの特典がなかったからな模様で、それでここまで売上を落とすって、どうなの??

4位以下初登場ですが、まず4位に人気ロックバンド、RADWIMPS「シュプレヒコール」がランクイン。前作「狭心症」から約1年半ぶりというから、久しぶりの新譜となりました。初動売上4万5千枚は、前作の初動6万8千枚から大きくダウン。売上的には、ちょっと間が開きすぎちゃった感が否めないところです。

そして、2曲、韓流が。5位に韓国出身のバンドCNBLUE「Come on」が、7位に、男性アイドルグループ大国男児「本気Magic」がそれぞれランクイン。CNBLUEは、前作「Where You Are」で見事1位を獲得しましたが、本作は、初動3万3千枚で、前作の6万枚から半減近くダウンで、ベスト3入りも逃しました。大国男児は、映画「愛を歌うより俺に溺れろ!」主題歌・・・って、B'zの曲のタイトルですか?軽快なサマーチューンは、いかにもなアイドルナンバーで、ジャニーズ系っぽい雰囲気も。初動1万8千枚は、前作「Jumping」の1万6千枚から若干アップ。ここ最近、微減傾向が続いていましたが、若干ですが持ち直しました。

8位には、着うたを中心に人気を獲得してきたラップユニット、ソナーポケット「君と見る未来。」がランクイン。今回は、ピアノバラードで、ラップの登場はわずか。タイトルを見れば、大体の曲の内容がわかっちゃそうですが、その通りの歌詞です。初動売上は1万枚。前作「月火水木金土日。~君に贈る歌~」の9千枚から若干のアップです。

最後、10位には、くるり「everybody feels the same」がランクイン。新メンバー吉田省念とファンファン参加後、初となるナンバーで、軽快で爽やかなロックンロールナンバー。初動売上9千枚で、前作「奇跡」の8千枚より若干のアップ。シングルでのベスト10入りは、2008年の「さよならリグレット」以来、久しぶり。ただ・・・事前にフリーライブなどを行ったりして、比較的、プロモーションに力を入れた感もあった割りには、売上が伸びなかった印象も・・・。

今週のシングルチャートは以上。明日には、アルバムチャート評をお送りします。

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2012年8月 7日 (火)

じわじわとはまっていきます。

Title:恋に似ている
Musician:THEラブ人間

これがメジャーデビューアルバムとなる5人組バンド、THEラブ人間。「恋愛至上主義」を掲げるバンドだそうで、名前は以前から知っていましたが、音源は、このアルバムではじめて聴きました。

楽曲は、フォーキーな印象も受けるギターロック。決して派手さはありませんし、メロディーもサビでグッと掴むような、そんなインパクトがあるものではありません。しかし、聴くうちに、アルバムから耳が離れなくなってしまい、はまってしまう、そんな魅力を感じさせるバンドでした。

なんといっても、その大きな理由が歌詞。日常のなにげない風景の描写が、ドラマ仕立てで描かれており、一度聴くと、ついつい最後まで聴きたくなる展開が楽しめます。そんな歌詞を描くのはボーカル金田康平。「恋愛至上主義」を標榜するように、彼の描く歌詞には、確かに恋愛模様の描写があります。

しかし、そこで描かれているのは、決して、今のヒット曲にありがちな、軽薄なラブソングではありません。例えば「悪党になれたら」では、描かれているシーンは、ホテルでの男女ながらも、描かれるテーマは、様々なしがらみという現実の中でもがく男の姿。

一方では「八月生まれのきみの結婚式」みたいな、男女の別れを描いた純粋なラブソングもあるものの、こちらも別れのシーンが、心理描写と共に描かれていて、リアリティーあり、切なくなるナンバーになっています。

もちろん、決して恋愛描写だけはなく、ふるさとへの帰省を歌った「西武鉄道999」、人とのつながりを歌った「砂男」など、身近な出来事をテーマに、リアリティーある歌詞がとても魅力的。聴いていくうちについついはまってしまいます。

そんな歌詞を支えるメロディーも、決して派手さはないものの、シンプルでメロディアスだからこそ、そんな歌詞を一層ひきたててくれています。音楽面で印象的なのが、バイオリン。メンバーにバイオリン担当の谷崎航大が参加していますが、効果的に挿入されるバイオリンの音色が、楽曲に幅や深みを与えているような、そんな印象を受けました。

いや、このバンドには結構はまっちゃったかも。一発でやられる、というよりも、何度か聴くうちにじわじわと来る魅力を感じます。これからに注目したい新人バンド。これから、どんな世界を私たちに見せてくれるのか、本当に楽しみです。

評価:★★★★★

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2012年8月 6日 (月)

楽曲全体で、独特の雰囲気が。

Title:渦になる
Musician:きのこ帝国

きのこ帝国は、これがデビューアルバムとなる4人組のバンド。いろいろと評判になっており、以前から名前は知っていたのですが、特に、音を聴く機会がなく。はじめてその音を聴いたのは、先日も紹介した、DAIZAWA RECORDS所属のミュージシャンの曲を集めた「代沢時代」の中に、このアルバムにも収録されている「WHIRLPOOL」が収録されていたことから。これでもかというほどのホワイトノイズが、楽曲全体に覆い尽くすシューゲイザーサウンドが、個人的に壺にはまり、さっそくアルバムも聴いてみました。

で、冒頭の「WHIRLPOOL」には、「代沢時代」の時と同様、圧巻されたのですが、ただ、そういうシューゲイザー系の音を期待していた私にとっては、それ以降に関しては、ちょっと残念だったかも。そういうホワイトノイズで覆いつくされたサウンドの曲は1曲目のみ。その後もギターノイズを前に出した曲もあるのですが、「WHIRLPOOL」のイメージで考えると、ちょっと拍子抜けするかも。バンドサウンドに関しては、全体的には、普通のギターロック、というイメージを受けました。

ただ、一方で、歌詞を含めた世界観を、この段階で既につくりあげているという点、非常におもしろいものを感じました。ちょっと暗い、鬱っぽい雰囲気の女性ボーカルが歌う歌詞は、鬱屈した、現代の若者の暗い部分を描いたような歌詞。歌詞とボーカルの親和性は抜群ですし、ノイジーなバンドサウンドも、どこか闇の部分を感じるようなバンドの世界観にもマッチしています。

そういう意味では、ボーカル、バンドサウンド、メロディー、そして歌詞が、見事にマッチして、タッグを組み、ひとつの世界を作り上げている、そんな印象を受けました。「WHIRLPOOL」のホワイトノイズが圧巻で、それ以外の曲のインパクトがちょっと薄く感じてしまったのですが(ただ、「夜が明けたら」は、復讐心をテーマとした歌詞の内容を含めて、インパクトのある作品ではあったのですが)、これからがどんどんおもしろそうになってくる、そんな予感のするデビューアルバムでした。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

6 REMIX'N BIRDS/中村一義

中村一義の代表曲を、6組のミュージシャンたちがリミックスしたアルバム。全体的にエレクトロアレンジが多いリミックスに。中村一義といえば、曲自体に強烈な個性を感じるミュージシャンですが、リミックスを担当するのが、石野卓球やらFPMやら、さすがの実力者をそろえているだけあって、新しい雰囲気の曲として生まれ変わっています。ファンなら要チェックかな。

評価:★★★★

中村一義 過去の作品
最高宝

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2012年8月 5日 (日)

モーサムの作品を下支えするのは・・・?

Title:
Musician:百々和宏

MO'SOME TONEBENDERのボーカリスト、百々和宏による、初のソロアルバム。

モーサムというと、爆音のガレージサウンドが特徴的なロックバンド。そのボーカリストのソロアルバムだから、当然、ガレージロックの・・・・・・と、想像するかもしれません。しかし、実際は、モーサムで奏でる音からは、ほど遠い音を聴かせるアルバムになっていました。

自叙伝的(?)な内容になっている「ロックンロールハート」こそ、ギターロックになっていますが、メロディーはあくまでもポップですし、続く「ポテトフォーピープル」は、完全に四畳半フォーク。「高架下の幽霊」はブルースですし、モーサムでは感じられなかったジャンルの音楽からの影響を強く感じます。特に、フォークからの影響は強く、他にも「ながいおわかれ」「Sad Vacation」など、フォーキーな作品が目立ちます。

他には、カバー曲も収録されているのですが、それがなんと、1曲は中島みゆきの「悪女」、もう1曲は「雨音はショパンの調べ」と、どちらも歌謡曲!どちらもヘヴィーなノイズギターを奏でる、原曲の雰囲気とはちょっと異なるカバーになっているものの、こちらもかなり意外なセレクトになっています。

そんな訳で、モーサムのイメージで聴くと、ちょっとビックリしてしまうソロアルバム。ま、モーサムで出来ることはモーサムでやっているわけで、そういう意味では、ソロアルバムらしいソロアルバムといえるかもしれません。

百々和宏が、いろいろなタイプの音楽から影響を受けていることがわかるアルバムで、そういう意味でも意義のある作品だったと思います。モーサムの作品は、意外とポップな作品も多いのですが、そこは、やはり彼の幅広い音楽からの影響が反映されている、ということでしょうか?

モーサムファンはもちろん、そうでない方も、フォーキーな作品はしんみりと聴かせてくれるし、それ以外の作品も、ノイジーなギターサウンドと、ポップなメロディーのバランスが妙な作品がならんでいて、バラエティー豊かな作風が楽しめるアルバムと思います。彼の幅広い音楽性を楽しむことが出来るアルバムでした。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

Keep on traveling/真心ブラザーズ

フルアルバムとしては3年半ぶり、ミニアルバム「タンデムダンディ 20」からも2年10ヶ月ぶりと、かなり久しぶりとなる真心ブラザーズの新作。19曲70分強の、かなりボリュームのある作品になっています・・・が、全体的に軽い感じのポップが多く、1曲1曲は決して悪くないのですが、核となる作品がなく、インパクトも薄いため、聴き通すと、ちょっと冗長になる部分も。1時間におさまる程度にまとめれば、悪い作品ではなかったと思うのですが・・・。

評価:★★★

真心ブラザーズ 過去の作品
DAZZLING SOUND
俺たちは真心だ!
タンデムダンデイ20
GOODDEST

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2012年8月 4日 (土)

伝説のバンドの解散ライブ

Title:I was THE STALIN~絶賛解散中~完全版
Musician:ザ・スターリン

昨年、ひとつとても印象に残ったニュースがありました。昨年、東日本大震災と、それに伴う原発事故により大きな被害を受けた福島の復興を手助けするイベントとして「8.15世界同時多発フェスティバルFUKUSHIMA!」というライブイベントがあったことはご存知の方も多いと思います。そのプロジェクト発足のニュースとして、NHKのニュースで、遠藤ミチロウが登場していました。いや、別に彼がNHKに登場するのは、これがはじめてではもちろんないんでしょうが、あの遠藤ミチロウがNHKのニュースに登場というのは、とても印象に残った出来事でした。

というのも、やはり彼が所属しているザ・スターリンというバンドは、そのあまりに過激な楽曲やパフォーマンスから、かつて、「良識的な大人」から、嫌われたバンドだったから。特に、ライブパフォーマンスの過激さは、ザ・スターリンが活動していた時代をリアルタイムで知らない私でも、その噂はよく耳にします。

ライブパフォーマンスの過激さは、ここのサイトで簡潔に書かれていますが、曰く
「観客席にイノシシを放つ、牛乳にウンコを混ぜて客に浴びせる、客に向かって放尿、ライブ中にオナニー、バクチクを投げ込んで大騒ぎ、全裸になった遠藤のチンコを最前列の女の子が突然咥えだす(でも遠藤は勃たなかった)、豚の内臓や頭(1個1000円らしい)を投げ込む、学園祭で全裸になって逮捕され女性週刊誌にスッパ抜かれる、ドラムが突然失踪するもその後泣きながら帰ってくる、テレビの生放送でノリの悪い客席に最期にダイブして番組終了、ライブ中に生きたニワトリを飛ばしたらライブ後にバラバラになっていた等」
など、こんなこと、今やったら大問題になりそうだなぁ・・・・・・。

で、このアルバムは、1985年2月21日、東京は調布の大映スタジオで行われた、ザ・スターリンの解散ライブの模様をそのまま収録したライブアルバム。いままで、その一部は、ライブアルバム「FOR NEVER」に収録されていたそうですが、このアルバムは、当日演奏した全ての曲を、曲順どおりに収録された完全版だそうです。

さすがに、CDでは前述の過激なパフォーマンスが行われたかどうかはわからないのですが、それでも、冒頭、爆竹が鳴らされるような音が響き、爆竹を鳴らさない旨の警告が発せられたアナウンスがそのまま収録されているなど、その過激さの一端が、CDにもしっかりとおさまっています。

肝心な楽曲の方なのですが、一番印象に残ったのは、30年近く前の楽曲ながらも、今聴いて、全く古さを感じさせない点でした。彼らの演奏するハードコアパンクは、いまでも十分通用する普遍的なポピュラリティーを感じさせましたし、それ以上に印象的だったのは、音の分厚さ。30年近く前のバンドサウンドは、今聴くと、音の分厚さという点で、今の耳では物足りなく感じる部分もあったりするのですが、全くそういう古さを感じさせません。そのバンドとしての音の迫力は、時代を超えて今でも伝わってきます。

2枚組でボリュームのあるアルバムですが、今なお、ザ・スターリンというバンドの魅力が伝わってくるようなライブアルバムでした。ってか、これだけ過激なことをやるバンド、もう出てこないだろうなぁ・・・。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

photogenic/Salyu

昨年、Corneliusと組み、salyu×salyu名義でアルバムをリリースした彼女ですが、今回は、2007年の「TERMINAL」以来、小林武史プロデュースとなる新作。salyu×salyuのイメージからすると、かなりかけはなれた感じのする作品(というか、本来は、こういう作風のミュージシャンだったのですが)で、印象としては、特に前半に関して、90年代のJ-POPそのまま、といった感じ。悪くはないのですが、あまり真新しさを感じなかったような・・・。

評価:★★★

Salyu 過去の作品
s(o)un(d)beams(salyu×salyu)

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2012年8月 3日 (金)

さぶちゃん

Title:Kitajima "36" SubLaw
Musician:OMSB

Kitajima__36__sublaw

ここ最近、徐々に話題となってきた、神奈川を中心に活動を続けるHIP HOPユニット、SIMI LAB。今年に入り、メンバーの一人、QNが、突如、同じメンバーのOMSBに対してビーフ(=中傷)をしかけ、脱退したりと、ある意味、HIP HOPらしい話題も振りまきました。

そんなSIMI LABのトラックメイカーの一人で、そのディスられた相手であるOMSBが、突然発表したミックステープがこの作品。36曲のトラックが収録された作品で、タイトルはずばり「Kitajima "36" SubLaw」(笑)。アートワークもそのままですし、MP3のジャンルのタグは「演歌」とついている細かさになっています。

その36曲1時間半以上にも及ぶ作品なのですが、そこで聴かせてくれるビートは、まさにカッコいい!の一言。今こそ、次々とあふれだしてくる音を、そのまま発表したい!という、OMSBの欲求がそのまま伝わってくるようです。曲数は多いものの、彼の音作りに対する欲求があふれだしているだけに、そのバリエーションも豊富。硬度の強いビートから、軽快なエレクトロナンバー、お祭り囃子を取り入れたような曲から、ポップなナンバー、歌モノ、ラップをサンプリングした曲、などなど。1時間半の長さながら、聴きはじめるとどんどんはまってしまい、全く飽きさせません。

ただ。とはいっても、基本的にインストメインのトラック集。そういう意味では、万人向け、ではないかな?私自身も、最初は、正直、あまりはまれない部分があり、何度か聴いて、ようやく気に入ってきた、といった感じでしたし・・・。とはいえ、ミックステープ、要するに無料ダウンロードで配布されている作品なだけに、いままでSIMI LABを聴いたことない人でも気軽に楽しめるかと。というか、私自身、まだSIMI LAB関連の作品を聴いたのは、これがはじめてでしたし(^^;;これを聴いて、SIMI LABのアルバムも聴いてみたくなりました。フリーなだけに、一度、是非。

ダウンロードは、現在、こちらのサイトから可能なようです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

東京こんぴ 藍盤

以前紹介した、東京コンピレーションシリーズの第2弾。第1弾は、そのものずばり「東京」というタイトルの曲を集めた作品でしたが、第2弾は、タイトルの中に、東京とつく曲をあつめたナンバー。そのため、必ずしも「東京」という大都会をイメージした作品とは限らず、そういう意味では、前作に比べて、コンピとしての統一感は薄かったように感じます。

とはいえ、曲としては、名曲も数多く。チャットモンチーの「東京ハチミツオーケストラ」は、東京を蜜蜂の巣に例えた、まさに地方出身の彼女たちだからこそ歌える名曲ですし、フジファブリック「東京炎上」は、志村正彦のメロディーセンスの良さをあらためて感じました。

フラカンの「東京タワー」も、彼ららしい力強さを感じるナンバーで、こちらも地方出身の彼らだからこそ歌えるナンバーといった感じ。あと印象的だったのがユニコーンの「東京ブギウギ」で、ご存知、笠置シズ子の1947年のヒット曲にカバー。1990年にリリースしたミニアルバム「ハヴァナイスデー」の中に収録されていたそうですが、原曲の楽しさそのままに、ユニコーンらしさをしっかりと付け加えた名カバー。1990年というと、まだ「昭和歌謡曲」が、今みたいに評価されていなかったような時代で、あえてこの曲をもってくる彼らのセンスの良さも感じます。

そんな訳で、コンピとしては、前作と比べると、統一感がなかったものの、名曲も多かった作品。前作同様、参加ミュージシャンを見て、気になった方は、是非。

評価:★★★★

東京コンピレーションシリーズ 過去の作品
東京こんぴ

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2012年8月 2日 (木)

ミリオン突破、行くか??

今週から、着うたチャートが一時休止ということで、アルバムチャートだけの紹介になります。それに伴い、更新は、今後、木曜日を予定しています。どうか、これからも、よろしくお願いします。

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

予想通り、強いですね~。

今週1位は、桑田佳祐のベスト盤、「I LOVE YOU-now&forever-」が2週連続で1位を獲得。今週も12万枚の売上を記録。先週とあわせて、売上枚数が55万枚に。微妙なところですが、ミスチルに続く、ミリオンセールス突破なるか??

2位は、元NEWS、山下智久のソロアルバム第2弾。その名も「エロ」。あんまりにもなタイトルが話題となっています。ただ、初動売上は8万枚に留まり、前作「SUPERGOOD,SUPERBAD」の10万1千枚からダウン。もっとも、前作の数字でも、桑田佳祐は超えられなかった訳ですが。

3位には、THE ALFEE「ALFEE GET REQUESTS」が入ってきています。彼ら初のセルフカバーアルバムとなる作品で、あの「星空のディスタンス」も収録されています。初動売上は2万2千枚。前作「新世界-Neo Universe-」の2万4千枚より若干ダウンしてしまいました。

4位以下の初登場ですが、5位に、人気声優喜多村英梨の初となるアルバム「RE;STORY」が入ってきました。初のベスト10ヒットとなった直近のシングル「Happy Girl」に続くベスト10入り。初動売上1万6千枚は、その「Happy Girl」の1万4千枚を上回っています。

8位には、日本が活動拠点の、韓流男性アイドルグループSHU-Iの、日本デビューアルバムとなる「NEXTAGE」がランクイン。初動売上は1万2千枚。直近のシングル「HITORIJIME」の初動1万4千枚からダウンしてしまっています。

最後、10位にアメリカのヘヴィーロックバンド、Slipknot「ANTENNAS to HELL」がランクイン。彼ら初となるベストアルバムです。2008年にリリースしたアルバム「ALL HOPE IS GONE」以来、ニューアルバムのリリースがない彼ら。その間には、メンバーのポール・グレイが急逝するなど、悲しいニュースもありました。ちなみに、このアルバム、アメリカでもイギリスでも、チャートは22位に留まっているのですが、日本では見事ベスト10ヒット。その人気のほどを見せつけました。ただ、初動売上は9千枚で、オリジナルとして前作「ALL HOPE IS GONE」の4万4千枚を、大きく下回ってしまいました。

そんな訳で、アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年8月 1日 (水)

1位は、映画キャラに扮した、あのジャニーズ系

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週1位は、エイトレンジャー「ER」。映画「エイトレンジャー」主題歌なのですが、このエイトレンジャーは、この映画の主役でもある関ジャニ∞のこと。初動売上は33万枚で、関ジャニ∞の前作「愛でした。」の26万2千枚より大幅アップ。前作の時に書いたのですが、このシングルと、前作を両方買うと、8月に大阪ドームで行われる「ファン感謝CD特典フリーイベント」に抽選で招待されるとか。好セールスは、その影響か?

2位はEXILE「BOW&ARROWS」がランクイン。FUJITSU「ARROWS」CMソングに起用されていますが、初動売上はわずか9万2千枚と、前作「ALL NIGHT LONG」の20万6千枚から大幅ダウン。前作は、様々な特典をつけたりして、販売数を伸ばしてきたみたいですが、本作の大幅ダウンは、その販売戦略の影響でしょうか?

3位も初登場。AKB48の渡辺麻友「大人ジェリービーンズ」がランクイン。初動売上8万7千枚は、デビューシングル「シンクロときめき」の12万3千枚から大きくダウン。前作では、山下智久とのデットヒートを繰り広げたのですが、本作では、同じジャニーズ系の関ジャニ∞に大差をつけられてしまいました。

4位以下も初登場が並びます。まず4位には、AAA「777~We can sing a song!~」が入ってきています。ホーンも入った、爽やかなサマーチューンは、いかにもavex系といった雰囲気。初動売上3万5千枚は、前作「Still Love You」の4万8千枚からダウンですが、これは、8月にアルバムリリースを控えている影響でしょう。

5位には、一十木音也(寺島拓篤),聖川真斗(鈴村健一),四ノ宮那月(谷山紀章),一ノ瀬トキヤ(宮野真守),神宮寺レン(諏訪部順一),来栖翔(下野紘),愛島セシル(鳥海浩輔)名義の「うたの☆プリンスさまっ♪Shining All Star CD(RAINBOW☆DREAM)」がランクイン。PSP用ゲーム「うたの☆プリンスさまっ♪」登場人物によるキャラソン。メインとなる「RAINBOW☆DREAM」は、ジャニーズ系っぽい曲調に、ちょっと韓流とアニソンの要素がまじったような、アイドルソングのおいしいとこ取りといった感じの曲。初動売上3万5千枚で、「うたの☆プリンスさまっ♪」のキャラソンとしては、「うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVE1000%アイドルソング 一ノ瀬トキヤ(七色のコンパス)」の1万4千枚から大幅アップしています。

6位以下には、女性アイドルグループがランクイン。6位にBerryz工房「cha cha SING」、9位にFairies「Tweet Dream」がそれぞれ入ってきています。

Berryz工房は、ここ最近、ダウン傾向が続いていましたが、本作は初動2万9千枚と、前作「Be 元気<成せば成る!>」の1万5千枚よりアップ。これは、握手会参加券をつけた効果でしょうか?ただ、同様の企画を行った、Berryz工房×℃-uteとしての前作「超HAPPY SONG」の4万8千枚よりは大きくダウンです。

Fairiesは、前作までK-POP風の作品が続いていましたが、新曲は、エレクトロチューンで、Perfumeあたりを意識したのか?タイトル通り、Twitterをテーマとした曲なのですが、いまさら感と、ネットの流行をむりやり取り込もうとした不自然さが微妙な曲となっています。それでも初動売上は2万枚で、前作「Beat Generation」の1万8千枚よりアップしています。

アイドル系はもう一組。こちらは韓流。男性アイドルグループU-KISS「Dear My Friend」が8位にランクイン。途中、ラップを取り入れた、よくありがちなR&B風ポップナンバーで、特に特色もない感じ。初動売上2万2千枚は、前作「Forbidden Love」の1万1千枚よりは大きくアップしましたが、デビューシングル「Tick Tack」の2万7千枚には及びませんでした。

初登場はあと1曲。7位に西野カナ「GO FOR IT!!」がランクイン。めずらしいアップテンポなナンバーなのですが、片想いラブソングで、歌詞の内容は相変わらずといった感じ。初動売上2万7千枚は、前作「私たち」の2万8千枚とほぼ同水準となっています。

今週のシングルチャートは以上。アルバムチャートは、明日、更新予定です。

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