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2012年7月26日 (木)

23年ぶり!

Title:THAT'S WHY GOD MADE THE RADIO
(邦題 ゴッド・メイド・ザ・ラジオ~神の創りしラジオ~)
Musician:THE BEACH BOYS

60年代、アメリカを代表するロックバンドとして一世を風靡したTHE BEACH BOYS。特に、1966年にリリースした「PET SOUNDS」は、ロック史上に残る名盤として、今なお、多くのリスナーに愛され、また、ビートルズの「Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band」に大きな影響を与えたことでも知られています。

もともとは、その「PET SOUNDS」を作り上げ、ビーチボーイズの音楽的な核となるブライアン・ウィルソンはじめとしたウィルソン兄弟を中心に活動をしていたものの、ブライアンの精神上の問題から脱退し、カールやデニスといったオリジナルメンバーの相次ぐ早世で、バンドは事実上の分裂状態だったのですが、このたび、ブライアンを含めて残ったメンバーが再集結したことで大きな話題となりました。

そして発売されたのが今回のニューアルバム。オリジナルとしては1992年の「Summer in Paradise」以来、20年ぶり、ブライアン参加のアルバムとしては、1989年の「Still Cruisin'」以来、実に23年ぶりとなるニューアルバムとなりました。

今回のアルバム、久々にブライアンが参加したことにより、どんな音を聴かせてくれるのか、大きな期待が集まりました。「ボーイズ」を名乗りながらも、メンバー全員、とっくに還暦を彼らですが、特にブライアン・ウィルソンに関しては、全く「楽隠居」といった感じではありません。実際、2008年にリリースされた「That Lucky Old Sun」は高い評価を受け、当サイトの洋楽年間ベストでも4位とするほど、個人的にも気に入った傑作でした。ともすれば、この歳になってなお「脂がのっている」そう表現できるほどの活躍ぶりを感じさせます。

そして、この待望のニューアルバムでしたが、美しいメロディーラインとコーラスワークがとても魅力的。THE BEACH BOYS健在!を感じさせるアルバムだったと思います。ただ、その一方で、やはりあくまでも60年代のビーチボーイズの延長なんだな、ということも同時に感じました。

それはブライアンの最近のソロ作と比べると、このアルバムは、ある種の懐古的な雰囲気を感じてしまうからです。よく言えば、かつてのファンにとっては懐かしさを感じるアルバム。悪く言ってしまえば、今を反映していないアルバム。つまり、あくまでも昔、ビーチボーイズのファンだった人たちに対してつくられたアルバム、ということを感じてしまいました。

まあ、もちろん、今回の再結成も、ある種同窓会的なノリはあるのでしょうし、そういう方向性も悪くはないかと思います。実際、オールドファンにとっては、感涙モノの出来ではないでしょうか。ただ、最近ビーチボーイズを知った若いファンが、最初の1枚として手に取る分には、正直どうかなぁ・・・とも感じてしまいました。

とはいえ、爽快なポップサウンドは相変わらず。夏には来日公演も予定されていて、実は私も行く予定なのですが、それも非常に楽しみ~♪今後はコンスタントに活動するのでしょうか、それとも・・・。ともあれ、ビーチボーイズが好きという方なら、文句なく要チェック。ただし、一度も聴いたことない・・・という方は、過去の作品から、どうぞ。

評価:★★★★

THE BEACH BOYS 過去の作品
SMILE

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