ポップなスカパラの集大成
Title:Walkin'
Musician:東京スカパラダイスオーケストラ
ここ数年、すっかりポップス路線に舵を切ったスカパラ。その方向性には賛否がわかれました。まあ、さすがに、もう、ポップス寄りに否定的なファンは離れてしまった感はあるのですが・・・。
フルアルバムとして前作となる「WORLD SKA SYMPHONY」では、奥田民生、Crystal Kay、さらに斉藤和義という、豪華なゲストミュージシャンが目立った作品でした。それに対して、本作も多くのゲストが参加。ただ、今回は、あまりゲストを前面に押し出した、という感じではありません。うち、上原ひろみと菊地成孔は、以前のミニアルバム「Goldfingers」にも収録されていた曲ですしね。
しかし、そのゲストが、EGO-WRAPPIN'の中納良恵に、FISHBONEのAngelo Moore、さらには、ヨーロッパや中南米などの非英語圏で絶大な支持を得ているMANU CHAOが参加(日本でも昨年、フジロックに参戦し、話題となりました)。ヒットチャートの王道系といった感じではありませんが、かなり豪華なゲストが話題となっています。
ただ、ゲストは比較的「通好み」な雰囲気があるのに対して、アルバム全体としては、かなりポップな作品になっている印象を受けます。映画「ワンピース」の主題歌にもなった「Break into the Light~約束の帽子~」という、メロがインパクトのある曲が事実上の1曲目になっており、それ以降も、基本、スカをベースにしながら、十分、ヒットチャートで戦えるような、ポップな曲が続きます。
ただし、ただ単純にキャッチーなメロの曲、という訳ではなく、「Hungry Beast」みたいに怪しげなナンバーがあったり、中納良恵がボーカルを取るメロウなポップチューン「縦書きの雨」などバリエーションが豊富。上原ひろみのピアノがアクセントとなっている「水琴窟-SUIKINKUTSU-」など、ゲストがいい味を出しており、非常にバリエーションのある内容になっていました。
ポップに舵を取ったスカパラに関しては、賛否が分かれるものの、このアルバムは、そんな現時点でのスカパラの集大成のアルバムのように感じます。だからといって、ポップになって離れていってしまったかつてのファンも是非、という感じではないのですが・・・ただ、このアルバムが傑作であることは間違いないかと思います。これからも、ますますの活躍を予感させてくれる、彼らの実力を感じさせてくれた1枚でした。
評価:★★★★★
東京スカパラダイスオーケストラ 過去の作品
Perfect Future
PARADISE BLUE
WILD SKA SYMPHONY
Goldfingers
HEROES
Sunny Side of the Street
on the remix
ほかに聴いたアルバム
淡雪/遊佐未森
2年半ぶりとなるニューアルバム。独特の雰囲気は相変わらずながらも、全体的にポップな曲調。ただ、後半になればなるほど、より幻想的な雰囲気の曲が増え、その音の世界がよりクリアになった印象が。自分が高校生の頃から変らないスタイルなのですが、マンネリさはあまり感じず。やはり、個性的な強い世界観を持ったミュージシャンは強いですね。
評価:★★★★
遊佐未森 過去の作品
銀河手帖
Do-Re-Mimo~the singles collection~
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