様々なアイディアを聴かせてくれるけれども
Title:DR DEE
Musician:DAMON ALBARN
再結成したblurや、現在、活動休止中のGorillaz、先日、アルバムを発売したRocketjuice and The Moonなどなど、様々なバンドで活躍を続けるデーモン・アルバーン。正直、様々なバンドやプロジェクトを立ち上げては、「喰い散らかしている」という印象も否定できないことはないのですが・・・。今回は、ようやくといっていいのか、初となる自己の名義でのソロアルバムがリリースされました。
とはいっても、通常のオリジナルではなく、この夏、ロンドンで上映されるオペラ「ドクター・ディー」のために書き下ろしたアルバムで、いわば「サントラ盤」になっています。
ただ、サントラ盤とはいっても、そこは彼のこと。いろいろなアイディアがつまった作品になっているのが特徴的でした。オペラらしい、クラシカルな楽曲があるかと思えば、アコースティックな作品、荘厳な合唱曲、ミュージカルのような作品。また、独特のリズムを聴かせるような作品があり、ここらへんの音楽性の豊富さは、さすが様々なバンドやプロジェクトで活躍を続ける彼ならでは、といった感じでしょうか。
でも・・・正直言ってしまえば、このアルバム、熱心なファンではなければ、ちょっとお勧めしがたい内容かも。確かにいろいろなアイディアはつまっているものの、目新しさはありませんし、ポップという側面からもどうも中途半端。まあ、ここらへんは「サントラ盤」なだけに、あくまでも元となるオペラありき、の作品と言ってしまえばそうなのですが・・・。その点を差し引いても、どこか突き抜けなさというか、あと一歩で傑作になりそうだったのに、という惜しさも同時に感じました。
あと一歩だったのに、いまひとつ突き抜けていない、という面では、先日発売されたRocketjuice and The Moonの作品と近い部分があるのかも、なんてことを思ったり。いろいろな意味で残念さを感じさせるアルバム。熱心なファン以外の方は、blurの新作(出るのか?)を待った方がよいかと。
評価:★★★
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