幻想的な世界
Title:valtari(邦題:ヴァルタリ~遠い鼓動)
Musician:Sigur Ros
メンバーに、次々と子供が出来たことにより、活動休止状態となっていたシガー・ロス。その間、時間を持て余したヨンシーによるソロ活動があり、アルバムもライブも絶賛を集めましたが、本体、シガー・ロスも活動を再開。約4年ぶりとなるニューアルバムが完成しました。
アコースティックなサウンドがメインとなっていた前作「残響」から一転、今回の作品は、非常にアンビエントな作風に仕上がっています。美しく、静かなピアノの音色や合唱、また、サンプリングした音も、実に幻想的な雰囲気になっています。
今回のジャケット写真は、蜃気楼か何かでしょうか?遠くに、浮遊するかのような船の姿が、どこか現実ばなれした印象を与えるのですが、今回のアルバムも、そんな聴いているだけで、どこかに飛んでいってしまいそうな、神秘的で、幻想的な空気を存分に感じられます。
ただ、このアルバム、幻想的な作品ですが、そんなに難解さは感じられませんでした。ゆっくりと椅子かソファーに腰掛けながら、目をつぶって、このアルバムを聴けば、すんなりと耳に入ってきて、心の奥に溶け込んでくるような、そんなアルバムに感じます。確かに、真新しさ、斬新さという面では、少々劣る部分があるのかもしれませんが、聴いていて、アルバムの世界にどっぷりとつかれる作品であり、間違いなくリスナーの心に届いている傑作だと思います。まずは何も考えず、この世界にひたりたい、そう感じた1枚でした。
評価:★★★★★
Sigur Ros 過去の作品
Með Suð Í Eyrum Við Spilum Endalaust(残響)
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