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2012年7月19日 (木)

「堂島孝平×A.C.E」を率いての新作

Title:A.C.E
Musician:堂島孝平

堂島孝平のニューアルバムは、「堂島孝平×A.C.E」によるニューアルバム。「堂島孝平×A.C.E」のメンバーは、ボーカルの堂島孝平に、NONA REEVESの小松シゲル(Dr.)、奥田健介(G)、そして、元SUPER BADで、今は様々のミュージシャンのサポートで活躍している鹿島達也(B)の4人組となるバンドです。

今回のアルバムで、まず特徴的なのは、シンプルな4ピースバンドでの曲づくりをメインにしたからでしょうか、かなりソリッドでシンプルな音づくりをしているなぁ、といった曲づくりをしている点。音の隙間の多いようなバンドサウンドで、公式サイトのアルバム紹介でも「ニューウェイヴ、ポストパンクのサウンドスタイルにも通じる、自由自在な「痛快感」」と紹介されていますが、特にポストパンク的な部分が、堂島孝平のイメージからすると、ちょっと意外な感じにもして、特に印象に残りました。

ただ、基本的なメロディーや歌詞の世界は、いつもの堂島孝平。軽快なポップソングの「ギミラ!ギミラ!ギミラ!」に、先日発売されたベスト盤にも収録されていた「ハヤテ」、ちょっと切ない「赤と白」など、彼らしい、珠玉のポップソングが並んでいます。個人的に一番気に入ったのが「ベランダでベルリラ」で、学生時代の音楽系の部活の風景を思い出される歌詞が印象的。ノスタルジックで、切ない印象すら受ける歌詞とメロがとても印象的な曲でした。

他にも印象的だったのがユーモラスな「センタッキ!」。タイトル通り、洗濯機をそのまま歌ったファンクナンバー。まさに歌詞のリズムだけを取り出したユーモラスなナンバーで、最近で言えば、在日ファンクっぽい感じの楽曲。アルバムの中でも、ちょうどよいインパクトになっています。

全編40分弱というちょうどよい短さや、シンプルなサウンド、また、他にもタイトル曲「A.C.E」みたいなエレポップがあったりと、バラエティーもある展開で、最後まで飽きさせることなく、珠玉のポップを聴かせてくれたアルバムでした。彼もそろそろベテランの域に入るミュージシャンなのですが、全く瑞々しさを失いませんね~。ポップス好きなら、無条件でお勧めしたい傑作です。

評価:★★★★★

堂島孝平 過去の作品
UNIRVANA
VIVAP
Best of HARD CORE POP!


ほかに聴いたアルバム

カジツ/Qomolangma Tomato

新メンバー加入後、初となる、約3年ぶりのニューアルバム。基本的にシンプルなギターロックなのですが、シンプルなだけに、奥深さを感じるバンドサウンドと、独特なボーカルの声色に、時折ポエトリーリーディングを混ぜる手法が、彼らにしかない世界観を作り出している感じが。いままでのアルバムは、成長の途上といった印象だったのですが、徐々に、彼らの個性を確立しつつあることを感じさせる1枚。

評価:★★★★★

Qomolangma Tomato 過去の作品
Limelight Blue on the Q.T.
camouflage

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