憧れの都(?)
Title:東京こんぴ
私は、大学から社会人にかけて、東京に、合わせて10年以上住んでいました(まあ、その約半分は、東京というより、多摩でしたが(^^;;)。その後、ふるさとである名古屋に戻ってきたわけですが、そんな私が、いまさら東京に抱く感想は、東京は人が住む街じゃない!ということ(笑)。
とにかく、こちらは住みやすいんです。ふるさとだから、ということもあるかもしれませんが、人の多さもちょうどいいし、通勤ラッシュも通勤時間も適度だし、治安や生活環境も名古屋の方が快適です。
ただ、それでも、1年に1、2ヶ月くらいの期間は、東京にまた住みたいなぁ~と、思ってしまいます。確かに東京は、人ゴミだらけだし、治安も悪いし、生活環境もよくないけど、一方では、それをおぎなってあまりある魅力にもあふれている訳ですよね。
で、今回のこのアルバム、「東京」というタイトルの曲をまとめたコンピレーション。全13曲中11曲が「東京」、1曲が「Tokyo」、もう1曲が「弦楽四重奏曲第9番ホ長調『東京』」という、非常にユニークな構成になっています。
以前から思っていたのですが、「東京」って曲は、基本的に、地方出身のミュージシャンが歌っているんですよね。今回のコンピでも、東京出身なのは、Base Ball BearとTHEラブ人間くらい(□□□は出身地不明でした)。桶川という微妙なところもあるのですが、くるり(京都)といいBEGIN(沖縄)といい、ガガガSP(神戸)といい、地方出身のミュージシャンだからこそ、東京に対する、独特な思いがあるのでしょう。
ユニークなのが、「東京」について歌う歌詞が、大体パターン化していること。ひとつが自分が東京に出てきて、孤独の中で必死に生きているというパターン。くるり、小谷美紗子、GO!GO!7188などがそのパターンで、一番多いパターンかも。もうひとつのパターンが、東京へ行ってしまった好きな子を思い描くパターン。ガガガSPとBEGIN(こちらは70年代のフォークグループ、マイ・ペースの曲のカバーですが)がまさにそのパターン。「東京」というと、たくさんの人の中での孤独と、一方では、都会の憧憬という、ふたつのイメージが、やはり地方出身者には持っているということなのでしょうか。
もうひとつユニークだったのが、その東京出身のTHE ラブ人間とBase Ball Bearの曲が、いずれも「東京に住んでいる君と僕の日常」がテーマという点。ここらへん、東京の内側からの視点という意味でユニーク。ただ、Base Ball Bearが、都会の無機質さを歌詞に入れている一方、THE ラブ人間は、都会の中の暖かさみたいなものも感じさせる歌詞で対極的なのも興味深いところでした。
個人的に、このコンピの中ではじめて知って、気に入ったのが、倉橋ヨエコの「東京」。ファンキーなリズムに不協和音風なピアノに、ちょっと歌謡曲風のメロが非常にユニーク。名前は知っていたんですが、ノーチェックだったなぁ。名古屋出身で、もう引退しちゃったんですね・・・残念。
そんな訳で、「東京」というひとつのテーマを縦糸にして曲を集めたこのシリーズ。同じテーマで、それぞれのミュージシャンがどんな曲を書くか、比較できてとてもおもしろい試みでした。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
on the remix/東京スカパラダイスオーケストラ
3月にリリースされたオリジナルアルバムに先立って発売されたリミックスアルバム。石野卓球や中田ヤスタカなど、豪華なリミキサー陣を迎えての作品で、エレクトロ系が目立った感じが。特に中田ヤスタカのリミックスは、原曲の良さを出しながらも、リミキサーの個性を生かした良作でした。
評価:★★★★
東京スカパラダイスオーケストラ 過去の作品
Perfect Future
PARADISE BLUE
WILD SKA SYMPHONY
Goldfingers
HEROES
Sunny Side of the Street
23edge/SEEDA
エレクトロサウンドがメインで、いわゆる「今時の音」といった感じ。ストリート感がありながらも、ポップにまとめられているため、いい意味で聴きやすさがある一方で、インパクトのあるリリックがちょっと少なかったのは残念な感じ。ラストはアコギでメロウに聴かせる「LIVIN'」で締めくくり、暖かさが後に残る内容。
評価:★★★★
SEEDA 過去の作品
BREATH
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2012年」カテゴリの記事
- 私たちの身に染み付いたサウンド(2013.02.12)
- まだまだ現役!(2012.12.27)
- 素朴な曲が心に響く(2013.01.04)
- 懐かしい名前の復帰作(2013.01.05)
- 沖縄発世界一周?(2012.12.20)
コメント