« 洋楽が目立つアルバムチャート | トップページ | 歌は世につれ・・・ »

2012年6月30日 (土)

単なるアコギデゥオにあらず

Title:YUZU YOU[2006-2011]
Musician:ゆず

先日、ミスチルのベスト盤を紹介しましたが、今回はゆずのベスト盤。どちらもトイズファクトリー所属のミュージシャンという共通点(ゆずは、トイズ傘下のセーニャ・アンド・カンパニー所属ですが)がありますね。

今回、3枚目となるベスト盤では、2004年に開催されたアテネオリンピックのNHKのテーマソング「栄光の架橋」のオーケストラバージョンから、2011年に発売された「Hey和」までのシングルを収録された、ほぼシングルベスト的な内容になっています。ただ、配信限定シングル「LOVE&PEACE」や2011年に発売された「翔」、また2010年に発売された「桜会」と両A面扱いだった「マイライフ」が未収録ということからも、ファンの間でも賛否はあるようですね・・・。

ストリートライブが話題となり、「夏色」でデビューしてから14年。すっかりベテランバンドになった彼ら。ただ、イメージとしては、いつまでも爽やかで若々しいアコースティック・デゥオという印象がつきまとっているような感じがします。そのため、少々軽く見られがちな印象も受けるのですが、ただ、ストリートから出てきて、これだけ長く人気を維持しているだけあって、やはりポップスグループとして、非常に優れた実力を持ったミュージシャンだと思います。

「シシカバブー」のような、軽快なポップスを奏でたかと思えば、「桜会」では、東洋風のメロでしんみり聴かせたり、「陽はまた昇る」では、ブルース・スプリングスティーンを彷彿とさせるようなサックスの音色が印象に残ります。アコギという印象が強い彼らですが、シングルだけでも、様々なバリエーションの曲をリリースしていることがわかります。

また、何よりもメロディーがいいですね。「いちご」みたいな、女の子受けしそうなかわいらしいメロディーや「ストーリー」「慈愛への旅路」みたいなスケール感あるメロディーも印象に残ります。個人的にメロディーが好きなのが「逢いたい」で、サビでマイナーコードに転調する展開に、思わずグッと来てしまいます。

ただ、とにかくスケール感を出すことを目標としているのか、単なるアコースティックデゥオとなめられないようにするためか、ここ最近のシングルは、やたらめったらストリングスをつかって、安直にスケール感を出そうとしている曲が目立つような印象を受けます。ここらへん、先日のミスチルのベストと似た感じもするのですが・・・。特に、このベスト盤に収録されている「栄光の架橋」のオーケストラバージョンは、ただでさえ仰々しい元曲が、より仰々しくなり、正直、一度聴いたらお腹いっぱい・・・。もうちょっとシンプルに、限られた音を生かすような曲のアレンジでもいいような気がするんだけどなぁ~。

なんてことを思いつつも、やはり名曲が揃っているベスト盤。ファンの中では賛否わかれているみたいですが、ヒットシングルも揃っているし、最初の1枚としても悪くないのでは?ゆずの魅力をあらためて実感できた1枚でした。

評価:★★★★★

ゆず 過去の作品
WONDERFUL WORLD
FURUSATO
2-NI-

|

« 洋楽が目立つアルバムチャート | トップページ | 歌は世につれ・・・ »

アルバムレビュー(邦楽)2012年」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 単なるアコギデゥオにあらず:

« 洋楽が目立つアルバムチャート | トップページ | 歌は世につれ・・・ »