数多くのミュージシャンを輩出した街
Title:イマ福岡デ ナッテイル音楽
毎回、ここでも紹介している、音楽配信サイトOTOTOYの企画、ローカル・コンピレーション・シリーズ。第4弾となるのは、満を持しての登場の福岡。かつては、ルースターズやシーナ&ザ・ロケッツ、THE MODS、最近では、NUMBER GIRLやMO'SOME TONEBENDER、あるいは椎名林檎といった、数多くのロックミュージシャンを輩出してきた街。それだけに、ここに収録されているミュージシャンから、将来の日本のロックシーンを背負って立つ人材が出てくるかも??そう期待しつつ、ダウンロードして、さっそく聴いてみました。
まず、序盤からして、福岡のロックシーンの勢いを感じる作品が並んでいました。変態チックなギターノイズが、独特の個性を放つ百蚊の「YA SU KU NI」に、迫力あるハードコアパンクのstep lightly「白いヤミの中」、さらに独特なリズム感が癖になりそうなインストaccidents in too large field「Southern Slaves(No Resort)」と、めんたいロックいまだ健在を感じさせる、パワーのあるバンドが並んでいました。
このコンピシリーズを聴くと、狭い日本なのに、街ごとにそれぞれの色を感じさせます。福岡に関しては、このコンピとは別に、東京のバンドをおさめた「TOKYO NEW WAVE 2010」と近いものを感じます。それは、新しく尖っている感じ。そういう意味では、前回の埼玉のバンドにも近いのかもしれませんが、ただ、埼玉のバンドは、東京を目指そうとしてなりきれない感があるのに対して、福岡のバンドのベクトルは、東京のバンドとはちょっと違う方向を向いており、福岡にしかない個性を感じさせます。
また、東京のバンドとは異なり、どこかぬぐいきれない泥臭さがあるのですが、その泥臭さに田舎臭いとか垢抜けないとかいうネガティブなイメージはなく、確固たる個性として確立されているところも福岡のバンドの特徴でしょうか。
他には、ある歌手のおっさんをテーマとした、ハードコアパンクTHE VOTTONES「藤田のおっさん」や、下流社会のリアルを鋭く歌った(ってか、歌詞の内容が西原理恵子っぽいんですが)ポカムス「トルエン売り」などは、福岡らしい泥臭さを前面に押し出した感じで、良かったです。逆に、ポップでインパクトがあったのが、folk enough「Rock'n Roll Sunday」や2907831「光」でしょうか。他にもタイトル通りの珍曲とんちピクルス「まんこにタッチ」なんて曲もインパクトはあったのですが、さすがに、歌詞の内容にちょっと引いた・・・(^^;;
そんな訳で、全体的に荒削りな部分はあったものの、個性派そろいで、めんたいロック、ここにありを主張するには十分なコンピレーションだったと思います。ちなみにダウンロードはこちらから。8月21日までの期間限定で無料なので、興味がある方は急げ!
評価:★★★★★
OTOTOYローカル・コンピレーション・シリーズ 過去の作品
All Along Kyoto(京都タワーからずっと)
IN THE CITY THERE IS A NAGOYA MUSIC
SAITAMA LOCAL MUSIC RECONSTRUCTION
Next Music From Tokyo
TOKYO NEW WAVE 2010
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