悪ガキどもが集まって・・・
Title:The Odd Future Tape Vol.2
Musician:Odd Future
個人的に、2011年を代表するアルバムの1枚だと思うTyler,The Creatorの「Goblin」。そのTyler,The Creatorが所属するHIP HOP集団、Odd Future。いままでは、主にネットのフリーダウンロードで作品を発表してきたみたいですが、この作品で、メジャーデビューとなりました。
このアルバムでも、Tyler,The Creatorが、主にプロデュースを担当しているため、イメージ的には「Goblin」と大きく変りません。音数を絞ったトラックと、ヘヴィーなリズム。空間があるからこそ、不気味さを漂わせる作品は、聴いていてゾクゾクしてしまいます。
そんな中でも、「Ya Know」や、「Analog2」みたいな、メロウな歌を入れてくるナンバーがあったり、特に前半、プロデュースをLeft Brainが手がけた楽曲については、トラックに、どこかスウィートさが混じった曲調も多く、ヤバさを感じる不気味なトラックの中で、一種独特な雰囲気を感じます。
一方、後半は、Tyler,The Creatorがプロデュースを手がけているナンバーが続き、ダークな雰囲気をより増したトラックになっています。ただし、ここらへんも、「Goblin」の最後と同様、最初はメチャクチャカッコよく感じるものの、聴き進めるうちに、ちょっと飽きかけてしまうのですが・・・。
リリックも、冷たい雰囲気のある、いかにも「今時の若者」らしい、暗い雰囲気なのも「Goblin」と近いものが。ただ、「Goblin」の時のような、個人的な感情を吐露するような感じではなく、攻撃的な内容も増えたような印象がありました。
「Bitches」のようなマイクリレーは、やはりHIP HOP集団ならではですし、個人のアルバムだった「Goblin」を、仲間内のアルバムに増幅させたような、そんなアルバムといった感じでしょうか?「Goblin」が気に入ったのなら、こちらも文句なくお勧めですし、そのカッコよさにしびれると思います。逆に「Goblin」が気に入らなかったり、一種の嫌悪感を覚えた人は、こちらのアルバムも厳しいかも・・・。
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
WASTING LIGHT/FOO FIGHTERS
昨年、大きな評判となったFOO FIGHTERSの新作。全編、デイヴ・クロールのガレージで録音したという、名実ともに「ガレージ・ロック」な作品。そのため、バンドサウンドの音が半端じゃありません。エッジの効いた音は聴いていて迫力があり、切れもあります。ヘッドフォンをつけて聴くと、その場で演奏しているかのよう。ロックが本来持っているダイナミックさを体現したようなアルバムで、これぞロックのカッコよさという音を体感できます。ロックが好きなら、聴くべし!
評価:★★★★★
FOO FIGHTERS 過去の作品
ECHOES,SILENCE,PATIENCE&GRACE
GREATEST HITS
| 固定リンク
「アルバムレビュー(洋楽)2012年」カテゴリの記事
- 21世紀のシューゲイザーバンド(2013.01.06)
- 「今風」のR&Bなれども(2012.12.22)
- 今を生きるブルース(2012.12.18)
- ブレイク後の彼ら(2012.12.09)
- 天才、復活(2012.12.16)
コメント