久々の傑作!
Title:For Your Pianist
Musician:末光篤
昨年、3年半ぶりとなるニューアルバムをリリースしたSUEMITSU&THE SUEMITHあらため末光篤。その前作「Dear Grand Piano」の続編的となるミニアルバムがリリースされました。
末光篤の曲は、個人的にメロディーにしろ、分厚いピアノ主導のアレンジにしても、重層的に重ねられた彼のコーラスワークや、澄んだ感じのボーカルも非常に壺・・・・・・なのですが、アルバム的に大絶賛できるアルバムに、なかなか出会えていません。理由は簡単。似たタイプの曲が多いから。木村カエラに提供した「Butterfly」がロングヒットを記録するなど、そのメロディーメイカーとしての実力は、既に証明済みの彼にとって、曲のバラエティーの乏しさというのは、大きなウィークポイントになっています。
そして、今回のアルバムに関しては、そのウィークポイントを意識的に克服しようとしてきたような印象を受けました。
1曲目「Reach」こそ、実に彼らしい、重厚なアレンジと美メロのポップナンバーなのですが、続く「Lazy Line Painter Jane」は、あの坂本真綾とのデゥオに挑戦していますし、「Sen My Baby Back」あたりは、ピアノと同様にギターが目立つギターポップナンバー。「Pekingese The Dog」は軽快なポップナンバーなのですが、末光自身はコーラスにまわり、メインボーカルを子どもたちが取っている異色のナンバー。
そしてバラードナンバーの「I Novel」をはさみ、トリを飾るのが、まさにキラーチューンともいえる「Butterfly」のセルフカバー。なにげに、この曲のボーカルは、末光自身の方が合っているんじゃないか?と思うほど、しっかり末光色になっています。
そんな訳で、わずか8曲のミニアルバムとはいえ、意図的にすら感じられるバラエティーのある作風になった作品。聴きどころも多く、最後を飾る「Butterfly」まで、飽きることなく聴けるアルバムになっていました。
彼のアルバムは、デビュー作以来すべて聴いていますが、最後までだれなかったアルバムはデビューアルバム「Man Here Plays Mean Piano」以来かも。大ヒット曲「Butterfly」も収録されていますし、末光篤の1枚目としてもピッタリのアルバムかも。次はフルアルバムで、期待しています!!
評価:★★★★★
末光篤(SUEMITSU&THE SUEMITH) 過去の作品
Shock On The Piano
Best Angel for the Pianist-SUEMITSU&THE SUEMITH 05-08-
Dear Grand Piano
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