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2012年5月22日 (火)

ポピュラーセンスとユーモラスのある作品

Title:MUSIC EXPRES$
Musician:サイプレス上野とロベルト吉野

誰でもすんなり入れるポピュラリティーと、ユーモアセンスを併せ持ち、かつ、HIP HOPミュージシャンとしての実力を兼ね備えている・・・RIP SLYMEとかスチャダラパーとかRHYMESTERとか、日本のHIP HOPシーンにもそういうミュージシャンは少なくありません。そして、彼ら、サイプレス上野とロベルト吉野もおそらく、そんな「実力派」たちの仲間だよなぁ。

今回のアルバムに関しては、ポピュラリティーとユーモアセンスが増して、聴き終わった後、妙に印象に残るナンバーが多かったように思います。エレクトロなサウンドの、「よっしゃっしゃっす〆」は、そのタイトルのラップが印象に残りますし、続くタイトルチューン、「MUSIC EXPRES$」はメロウなトラックが印象的なナンバーと、序盤から聴きごたえのある曲が並んでいます。

その後も、SPECIAL OTHERSを迎えたバンド色の強い「YOKOHAMA AWESOME6」があったり、また、日々、食事の出来ることのありがたさを歌った「食EX」は、ちょっとまじめすぎるんじゃないの?と思ったとところで、「食後」みたいなワンクッションが入ったりして。さらには「GOLD DIGGER」はエレクトロニカ的な強いリズムがインパクト十分な曲が印象に残りました。

そんな中でも、強く印象に残ったのが、「ちゅうぶらりん」。この曲、あの元ミドリの後藤まりこのゲストボーカルとして参加。ちょっと舌ったらずな感じのボーカルが耳に残り、ある意味、後藤まりこに曲がのっとられちゃっている感じも(笑)。

一方では、日本の音楽業界の現状を嘆く「OH!WHAT A CONTESTS(オ・ワ・コ・ン)」なんて曲があったり。また、サイプレス上野は、先日、日本語ラップの歴史を語った「LEGEND オブ 日本語ラップ伝説」なんて本を出しましたが、日本語ラップに関しての思いを、その歴史をからめせながら綴った「日本語ラップKILLA★」が最後を飾ります。なんか、彼ら、本当に音楽を愛し、日本語ラップを愛しているんだなぁ・・・そういうことを感じてしまいました。

アルバム全体、ポップなナンバーが多く、バリエーションも豊富。彼らの本領の発揮された、いい意味で、とても聴きやすいアルバムだったと思います。これだけポピュラリティーのあるアルバムを作っているんだから、もっと売れてもいいタイプのラッパーだと思うんですけどね。彼らのアルバムのうち、いままで聴いたアルバムの中で、一番インパクトもあり、楽しめた作品でした。

評価:★★★★★

サイプレス上野とロベルト吉野 過去の作品
WONDER WHEEL
YOKOHAMA LAUGHTER
サ上とロ吉のINMIX~non stop rental~

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