イタタタタ・・・。
Title:忘れらんねえよ
Musician:忘れらんねえよ
rockin'on主催の新人コンテストで入賞し、デビューを果たした男性3人組バンドのデビューアルバム。ジャケットもあれですが、ミュージシャン名自体も、かなりあれな感じのバンド(笑)。ただ、ミュージシャン名のとおり、その名前のインパクトの強さに一度その名前を聞いたら「忘れらんねえよ」なバンドですが。
楽曲はストレートなパンクロックで、タイプとしては、サンボマスターに近い雰囲気も。最初に、ボーカルの「語り」から入る曲もありますし。ただ、このバンドの一番の特徴は、やはりその歌詞にあると思います。
彼らが書く歌詞では、もてない野郎の、あまりに情けない、もてない行動をそのまま描写しています。「ブログを覗き見る」では、タイトル通りストレートに、好きな子のブログを見たら、彼氏とデートに行っていた、という情けない内容ですし、「慶応ボーイになりたい」も、好きな子が慶応ボーイと結婚した、という話。
ある意味、あまりに身も蓋もないなのですが、それが逆に、私みたいなもてなかった男性からすると、どこか心あたりがあって、グサリと来てしまう部分が(笑)。それだけインパクトの強い内容だけに、一度聴いたら彼らの名前の通り、忘れらんねえ歌詞が並んでいます。
確かに、この手の情けない男の歌というのは、例えばサンボマスターだったり、ガガガSPだったりもネタとしていますが、彼らの書く歌詞の身も蓋もなさは、それを上回ってあまりにストレート。そのため、聴く人にとっては、ちょっと引いちゃう人もいるかもしれませんが・・・そういう人は、おそらく学生時代から、相手には苦労しなかった人なんだろうなぁ、ということで・・・。
ただ、ちょっと残念なのは、内容があまりにストレートでひねりがなさすぎる、という点。インパクトは非常に強い反面、何度か聴くうちに飽きてしまいそうな気がしますし、近い将来、ネタ切れを起こしそうな気も。ここらへん、もうひとひねりが欲しかった気がします。もっとも、ひとひねりすれば、このストレートな歌詞の魅力が失われてしまいそうな感も否定できないのですが、う~ん。
そういう意味では、これから彼らがどういう方向で進んでいくのか、とても楽しみであり、不安も感じるアルバム。ただ、このインパクトの強さは、最近の新人バンドの中ではピカイチではないでしょうか。要注目のバンドです。
評価:★★★★
ほかに聴いたアルバム
FEBRUARY&HEAVENLY/Tommy february6/Tommy heavenly6
Tommy february6がデビューしてから10周年を記念してリリースされたアルバムは、Tommy february6とTommy heavenly6が同時にクレジットされ、5曲ずつ、それぞれの名義で歌うスタイル。ってか、もう10年もやっているんですか。正直、トミフェブもトミヘヴも、B級っぽいチープなバブルガムポップが魅力なんですが、チープさが魅力なだけに、そういつまでも続けるプロジェクトじゃないと思うんですよね。実際、似たような曲が多く、ここ最近ではすっかりマンネリ気味で、面白みを感じません。そろそろブリグリの活動を本格化させるか、このキャラは卒業し、もうちょっと腰を落ち着けた、ソロプロジェクトをはじめて欲しいのですが・・・。
評価:★★★
Tommy february6/Tommy Heavenly6 過去の作品
I KILL MY HEART(Tommy Heavenly6)
Strawberry Cream Soda Pop “Daydream”(Tommy February6)
Gothic Melting Ice Cream’s Darkness “Nightmare”(Tommy heavenly6)
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2012年」カテゴリの記事
- 私たちの身に染み付いたサウンド(2013.02.12)
- まだまだ現役!(2012.12.27)
- 素朴な曲が心に響く(2013.01.04)
- 懐かしい名前の復帰作(2013.01.05)
- 沖縄発世界一周?(2012.12.20)
コメント