相変わらずな彼ら
2人組宅録ユニットCOIL。その卓越したメロディーセンスが実に魅力的なユニットで、個人的にデビュー当初から応援しているのですが、あまり派手さがないためか、いまひとつ芽が出ず。「福耳」としての活動はあったものの、オリジナルアルバムが2008年の「Vitamin C」以降発売されていなかったため、どうしたのか心配していたのですが、昨年、いつの間にか3枚のアルバムをリリースしていたんですね!ただし、オフィスオーガスタファミリークラブという、事務所の公式通販サイトとライブ会場でのみ発売・・・・・・。1枚1,200円で、3枚買っても3,600円と1枚のアルバム並みだったので、3枚同時に買いました!その3枚が、この3枚!
Title:ソナチネ
Musician:COIL
Title:ボサノバ
Musician:COIL
Title:カフェラテ
Musician:COIL
久しぶりに聴いたCOILの新作。「ソナチネ」の1曲目「僕と彼女とモーツァルト」は、タイトル通りモーツァルトのおなじみ「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」の有名なフレーズがそのまま曲の中に使われているギターロックナンバー。しかし、このあまりにもインパクトの強いフレーズにまけないメロディーをしっかりと書いてきているのがCOILらしいところ。あいかわらずのメロディーセンスを再確認できます。
基本的に、どのアルバムも岡本定義作詞作曲で、彼がボーカルを取る曲が4曲、佐藤洋介が作詞作曲で彼がボーカルを取る曲が4曲。ミックスは佐藤洋介が手がけています。2人の作業の分担も、相変わらず。以前と変わらないCOILのスタイルを守っています。
オルタナ系のギターロックを2人の共通項に、岡本定義は、よりアコースティックテイストが強く、またメロディー志向が強い一方、佐藤洋介は、よりヘヴィーに、また打ち込みやサイケの要素が強い方向性があります。ひとつの根っこの上に、違う方向に葉を伸ばしていきながらも、微妙にからみあったりてい。本当にいいバランスの2人だよなぁ、ということを新ためて感じます。
3枚のアルバムは、大きな方向性は変わらないものの、あえていえば、「ソナチネ」はシンプルなポップが多く、「ボサノヴァ」は、アコースティック志向。タイトルがユニークな「イパネマの孫」なんてボサノヴァテイストのナンバーがあったり。「カフェラテ」は、ちょっと大人のテイストのアルバムかな?
そんな訳で、いつも通りマイペースともいえるCOILの新作。ギターロックやら歌謡曲っぽいやつやらボサノヴァやら打ち込みやら、いろいろなジャンルを取り込みながらも、ちゃんとCOILの音として仕上げてきているのはさすが。久々の新譜ながらも、彼らのスタイルは全く変わっていませんでした。もちろん、いい意味で。
これだけいい曲を書いていながら、なんで売れないのかなぁ~。オルタナ系のギターロックだったり、美メロのポップスロックバンドが好きなら、是非とも!1枚1,200円なので、とりあえず1枚、「ソナチネ」あたりから、どうですか?
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
Z16/THE ZOOT16
TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美によるソロプロジェクトTHE ZOOT16のベスト盤。基本的にソウルセットからラップが消えた感じ・・・ってそのままだな(^^;;基本的にラテンで、曲によっていろいろな試みもあるのですが、基本路線はほぼ一貫。メロディーはもちろん悪くないと思うのですが、さすがにちょっとダレるような・・・。
評価:★★★
THE ZOOT16 過去の作品
ヒズミカル
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