正統派ポップスバンド
Title:NEWTRAL
Musician:いきものがかり
以前のレビューの時にもおなじようなことを書いたのですが、いきものがかりは、今、コブクロや絢香あたりと並んで、90年代に一世を風靡した「J-POP」のスタイルを、もっとも忠実に継承しているバンド・・・と思っています。歌詞もメロディーも愚直でシンプル。良くも悪くも耳に残るものの、好き嫌いがわかれそうな主張も少ない・・・そう、今回のアルバムのタイトルの基になった「中立=ニュートラル」という表現は、彼女たちにピッタリの立ち位置ではないでしょうか。
彼女たちが上手いのは、シンプルなポップ路線の中に、微妙に様々な作風の曲を取り入れていること。このアルバムの中でもポップなパーティーチューン「KISS KISS BANG BANG」や、軽快でかわいらしいポップナンバー「センチメンタル・ボーイフレンド」、ラテンテイストも取り込んだ「NEW WORLD MUSIC」など、バリエーションのある作品をアルバムの中にまぶしてあり、最後まで飽きさせない工夫がされています。
今回のアルバム「NEWTRAL」は、「NEUTRAL」(中立)の「U」を「W」に変えて、「新しい普通」というニュアンスを出そうとしているそうですが、キャバレーロックテイストの「恋詩」など、新しい雰囲気のナンバーも。ただ、それでもあくまで「いきものがかり」として予想できる範疇におさめているあたりが、彼らのバランス感覚を感じます。
明るいポップナンバーから、正統派バラードまで、インパクトあるメロディーラインの曲も並んでいますし、2年3ヶ月ぶりと、途中、ベスト盤の発売もあったものの、久しぶりのアルバムとなった本作ですが、以前の作品から、まだ勢いは衰えていない模様。アイドル系やK-POP系、あるいはアニソン系ばかりになりつつある今のチャートの中で、数少ない正統派ポップスバンドとして、まだまだ活躍が期待できそうな新作でした。
評価:★★★★
いきものがかり 過去の作品
ライフアルバム
My Song Your Song
ハジマリノウタ
いきものばかり
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2012年」カテゴリの記事
- 私たちの身に染み付いたサウンド(2013.02.12)
- まだまだ現役!(2012.12.27)
- 素朴な曲が心に響く(2013.01.04)
- 懐かしい名前の復帰作(2013.01.05)
- 沖縄発世界一周?(2012.12.20)
コメント