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2012年5月

2012年5月31日 (木)

お元気そうで、なによりです・・・。

Title:LIVE AT THE ROYAL ALBERT HALL 2011
Musician:B.B.KING

いわずと知れた、ブルース界のリビング・レジェンド、B.B.KINGの最新ライブアルバム。タイトル通り、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで行われたライブの模様を収録したアルバムで、DVDやブルーレイなどのバージョンも発売されているようですが、私は、CDとDVDの2枚組を輸入盤で購入しました。

もうね、彼くらいの存在になってしまうと、元気でがんばってくれていると、それだけでうれしくなっちゃう存在。ちょっと違うかもしれませんが、日本のマンガ界で言うところの、藤子不二雄A先生みたいな感じ(笑)。会場からも、そんな暖かい空気を感じます。

正直なところ、往年のプレイに比べると、やはりギターの迫力という点では、衰えが目立つのは否定できないところ。ギターもそんなにギュンギュン弾きまくるといった感じではありません。ただ、時折入る、ギターソロは、今でもやはり力強いものがあり、聴いていて惹き付けられるものがあります。

途中から、デレク・トラックスやスーザン・デデスキ、ロニーウッドやシンプリーレッドのミック・ハックネル、スラッシュなどがゲストで参加。一緒にギタープレイを楽しめます・・・といっても、B.B.KING自体は、ほとんど演奏は周りにまかせていましたが(笑)。スーザン・デデスキの、そのルックスからは信じられないようなエッジの効いたギターや、スラッシュのギターが、そのイメージとは異なる、かなり優しい音だったのが印象に残りました。

今回、輸入盤で購入したため、ライブの中のMCや、ボーナストラックのインタビューなどはほぼわからなかったのが残念。英語の字幕くらいないかなぁ、と思ったのですがそれもなく(T T)。やはり国内盤を購入することをお勧めします。

ライブの出来とかを考えると、正直、万人にお勧めといった感じではないので、下の評価で。ただ、ブルースが好きなら、とりあえずチェックして損のないアルバムだと思います。

この時、御歳86歳のキングですが、声にははりがありますし、ステージ上ではずっと座っていましたが、出退場の際は、誰の助けも借りずにスタスタと歩いていたし、かなりお元気そうで、安心しました(笑)。さすがに、来日はもう無理だよなぁ・・・。いつまでもお元気で!

評価:★★★

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2012年5月30日 (水)

またもや例の・・・

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

まあ、今週の1位は、既にご存知かと思いますが・・・

今週1位は、AKB48「真夏のSounds good!」。ご存知の通り、AKB48の選抜総選挙の投票券付で、その影響もあり、初動売上は161万6千枚。昨年のおなじ投票券付シングル「Everyday、カチューシャ」の133万3千枚を大きく上回り、前作の「GIVE ME FIVE!」の128万7千枚を上回っています。ここ最近、初動130万枚前後で頭打ちになり、徐々に下降傾向に転じていましたが、このタイミングをみはからい、人気No.1の前田敦子を卒業させ、東京ドーム公演を発表するなど、この機の見計らい方はさすがです。もっとも、何度も言うように、同じ消費者に、同じ商品を複数枚買いさせる商法は、音楽云々ではなく、ビジネスとしても「無し」だと思いますが。AKB48に限らず。

2位は、ジャニーズ系のアイドルグループNYC「ハイナ!」がランクイン。ちょっとお祭り囃子テイストの、素朴なポップスといった感じ。通常の水曜日発売ではなく、金曜日発売という時点で、はなから勝負を捨てています(笑)。ただ、初動売上は9万1千枚と、前作「ワンダフル キューピット」の4万枚から大幅アップ。販売形態は、2種類から3種類と増加していますが、それを差し引いても、売上増となっています。

3位初登場が、GLAYのニューシングル「Bible」。GLAYらしいメロディアスなポップスロックナンバー。前作「My Private "Jelousy"」は1995年の「生きてく強さ」以来のベスト5落ちになりましたが、本作はベスト3に復帰。ただし、初動売上4万9千枚は、前作の4万8千枚からほぼ横バイになっています。

5位に入ってきたのが、ベスト盤もヒット中のゆずのニューシングル「with you」。日本生命のCMソングとして流れまくっている、ゆずらしい爽やかでスケール感あるナンバー。もちろん、先日のベスト盤には収録されていませんが、初動売上3万4千枚で、前作「翔」の3万9千枚からダウンしてしまいました。

6位には、先日の着うたチャートではAKB48を下して1位を獲得した西野カナ「私たち」がランクイン。今回は、恋愛ではなく、女性同士の友情を歌ったナンバー。映画「ガール」の主題歌。初動売上2万8千枚は、前作「SAKURA,I love you?」の3万3千枚よりダウン。前々作「たとえ どんなに・・・」とほぼ同水準に戻しています。

7位は後ろから這いより隊G「太陽曰く燃えよカオス」が初登場。秋元康っぽいけど、微妙に違う雰囲気のミュージシャン名ですが、テレビ東京系アニメ「這いよれ!ニャル子さん」の登場キャラクターによるオープニングテーマ曲。妙にユーモラスがあって、インパクトが非常に強いあたりが、いい意味で、アニソンらしい曲になっています。

最後2曲は、いずれもK-POP勢。9位には、女性アイドルグループT-ARA「Lovey-Dovey」、10位には、男性アイドルグループ超新星「Stupid Love」がそれぞれランクインしています。

T-ARAは、初動1万9千枚で、前作「Roly-Poly」の4万1千枚から大幅ダウン。前作は通常盤+初回盤2種だったのが、本作では通常盤と、それにDVDが付いただけの初回盤という販売形態が大幅減の理由でしょう。ただ、それを差し引いても、大きな下がり方です。超新星も1万6千枚は、前作「君だけは離さない」の初動3万5千枚から大幅ダウン。こちらも、前作は、4種類での発売だったのが、本作は、通常盤と、それにDVDが付いた初回盤のみという販売形態の影響か?

今週のシングルチャートは以上。アルバム&着うたチャートは金曜日に!

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2012年5月29日 (火)

初心者にもお手軽・・・ちょっとお高めだけど(^^;;

今日、紹介するのは、ブルースやソウルの日本でのレーベルとして知られるP-Vineから発売された、ブルース・ハーモニカについての入門書「ブルース・ハーモニカよくばりガイド」。内容的には、これからブルース・ハーモニカをはじめる人に向けた教本・・・というよりも、ブルース・ハーモニカという視点から、ブルースを語ったような本。そういう意味では、ハーモニカは吹かないけど・・・というブルースリスナーでも興味深く読めた本でした。

内容は、ブルース・ハーモニカの製造工場のレポートやら、ブルース・ハーモニカをめぐる簡単な歴史やら、ブルース・ハーモニカの名盤や、著名なミュージシャンの紹介や簡単な用語集などが、シンプルにまとめられています。

ある意味、目玉になっているのは、CDで、HOWLIN' WOLFやSONNY BOY WILLIAMSONなどの大御所から、比較的最近の録音まで抑えられています。ガイドブックの中には、聴きどころも具体的に書いているため、ガイドブックで書かれているブルース・ハーモニカの奏法などについての具体例を耳で知ることが出来ます。個人的には、SONNY BOY WILLIAMSON「Steady Rollin' Man」の、ウッドベースとハーモニカだけのシンプルな演奏に、強く惹かれるカッコよさを感じました。

Bluesharmonica

ただ・・・正直、2,300円という価格を考えた時に、本が、予想以上に薄っぺらかった・・・(^^;;(左の写真参照)。いや、この程度のシンプルな内容の方が、私みたいな完全な初心者にとっては入り込みやすかったのは事実で、全10曲入りのCD込みの価格と考えるべきだとは思うのですが・・・。この手のコンピレーションは、20曲以上入って、2,500円程度ということを考えると、CD代を加味しても、「暴利」と怒るほどではないものの、ちょっと高いなぁ・・・というのが正直な感想になってしまいます。

ここに書かれている内容自体に文句はないし、この本を読んで、よりブルース・ハーモニカに興味を持って、機会があれば、自分でも演奏したいなぁ~とも思ったのですが・・・。1,500円くらいだったら、一番妥当だったような感じも。この1点だけ、ちょっと残念です。

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2012年5月28日 (月)

ようやく新作!

Title:2PLATOONS
Musician:ホフディラン

ここ最近、ライブ盤が続いており、新作がなかなかリリースされませんでした。ホフディランといえば、2002年に活動休止し、2006年に活動再開したのですが、一度活動休止したミュージシャンが、活動再開後、1、2枚のアルバムを出した後、すぐ解散、というケースは少なくないだけに、「このまま活動が徐々にフェイドアウトしていって、解散、ということになってしまうのではないか?」と危惧していたのですが・・・・・・約3年ぶり、久しぶりのニューアルバムが発売されました!

1曲目「ドライブ」は、小宮山雄飛らしい、ちょっと切なくもメロディアスなギターロック。そして続く「ブライド」は、自分の結婚式がテーマという、男視点からすると、ちょっと珍しい、しかし、底抜けにハッピーな、これまたベイビーらしいナンバー。これぞホフディラン!という感じの曲が続き、久々の新譜でも、すっかり安心できる出だしでした。

その後も「サンキュー」みたいな、ユウヒらしいメロディーラインが心地よいポップナンバーや、「僕のクロネコちゃん」みたいな、ベイビーらしいかわいらしくもハッピーなポップナンバーが並んでいます。

その中でも、特に印象的だったのが、「ねえ清志郎さん」。タイトル通り、忌野清志郎に捧げるナンバー。ワタナベイビーは、忌野清志郎から絶大な影響を受けているのですが、生前は親しい間柄で、以前、ここでも紹介した、忌野清志郎の著作「瀕死の双六問屋」でも、ワタナベイビーの名前が出ています。ベイビーらしいポップにまとめながらも、清志郎を慕う気持ちが素直にあらわれている名曲でした。

以前に、ホフディランのアルバムの出来は、ベイビーの曲の出来で決まる、と書きました。比較的、安定している小宮山雄飛の楽曲に比べて、ベイビーの曲は、とんでもない傑作がある一方、凡曲も少なくない、と振れ幅が大きい印象があります。で、今回のアルバムに関しては、ベイビーの曲は絶好調!という感じがしました。それだけに、アルバムの出来としては、久々の新譜としては納得の出来だったのですが・・・ただ、一方で、今度は小宮山雄飛の曲が、ちょっとおとなしめというか、後ろに下がってしまった印象が・・・。もっとも、ファンなら久々の新譜として、十分楽しめる出来だったと思います。次はもっと短いスパンで新譜を出して欲しいなぁ。

評価:★★★★

ホフディラン 過去の作品
ブランニューピース
13年の金曜日
14年の土曜日
15年の日曜日


ほかに聴いたアルバム

FAKE BOOK III/大橋トリオ

大橋トリオのカバーアルバム第3弾。いつも通り、邦洋楽の名曲を、彼らしい、ちょっとジャジーな雰囲気でカバーしています。後半は、フジテレビ系ドラマ「ハングリー!」の劇中バンドに提供した曲のセルフカバーが収録されています。

カバーのうち、特に小沢健二の「ラブリー」なんかは、大橋トリオの曲の世界にマッチしていて名カバーだったなぁ。「あの素晴らしい愛をもう一度」は、フェイクしまくりで、ジャジーに歌っていますが、とても切ない感じがよく出ていて、名曲だなぁ。

いい意味で、安心して聴ける「大人のアルバム」という感じで、ついつい聴きほれてしまいます。もちろん、後半のセルフカバーも名曲揃い!(こちらは、原曲を聴いたことないので、原曲との比較は出来ませんが・・・)40分弱のミニアルバムですが、非常に充実した1枚でした。

評価:★★★★★

大橋トリオ 過去の作品
A BIRD
I Got Rhythm?
NEWOLD
FACEBOOKII
L
R

君がまたブラウスのボタンを留めるまで/BIGMAMA

タイトルが、どこか青春の甘酸っぱい感じがして、印象的なエモバンド、BIGMAMAの新作。っていうか、このタイトルの付け方は、なんか秋元康っぽいんですが。ストリングスをふんだんに取り込んだアレンジは、スケール感があるけど、ちょっと大味な感じも。タイトル同様、歌詞は若々しさがあふれて、悪くいえば「青っぽい」感じで、さすがに私くらいの世代でははまれなかったかも。後半は、比較的バリエーションも多くなり、おもしろくはなってきたと思うのですが。

評価:★★★

BIGMAMA 過去の作品
Dowsing For The Future

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2012年5月27日 (日)

新たなる一歩

Title:勘違い
Musician:安藤裕子

出産後、初となるオリジナルアルバム。昨年は、カバーアルバムのリリースがありましたが、オリジナルとしては、約1年半ぶりのニューアルバムとなります。

前作「JAPANESE POP」は、比較的、ストレートなポップス路線が多かったのに対して、今回は、新たな一歩を踏み出そうとする彼女の姿を感じます。特にタイトルチューンの「勘違い」、それに続く「エルロイ」は、安藤裕子のボーカルがひとつの楽器となっているような、サウンドに主眼を置いたような楽曲になっており、賛否はわかれそうながらも、新たな彼女の挑戦を感じます。

もっとも、中盤から後半にかけては、いつもの彼女らしい、メロディアスなポップチューンが続いていきます。「すずむし」は、タイトルもユニークながら、最初はしんみり聴かせながら、サビではいきなりダンスチューンになるという構成もユニーク。「お誕生日の夜」は、メロが切ないのですが、歌詞はやはりわが子に向けたメッセージでしょうか?母となった彼女の暖かさを感じさせます。

最後を締めくくる「鬼」はスケール感のあるポップナンバー。しかし、「お誕生日の夜」では「未来を伝えたくて」と歌ったり、この「鬼」でも「甘い未来を君に見せてあげる」なんて、歌詞があったり、未来という言葉を使ってくるあたりは、やはり子どもが出来た影響なのでしょうか?

序盤「勘違い」「エルロイ」は、新しい作風で、緊張感も感じ、最高傑作か??というくらいの出だしだったのですが、後半のポップな曲は、若干の失速気味の曲もあったりして、全体としては、「JAPANESE POP」の出来には至らなかったかなぁ。ただ、彼女の新たな挑戦も感じられ、そういう意味では、次回作への布石になったかもしれない作品。次はどんな一歩を歩みだすのか・・・楽しみになる作品でした。

評価:★★★★★

安藤裕子 過去の作品
クロニクル
THE BEST '03~'09
JAPANESE POP
大人のまじめなカバーシリーズ


ほかに聴いたアルバム

Tell Your World EP/livetune feat.初音ミク

タイトル曲がGoogle ChromeのCMソングとなり話題となった、同人音楽ユニットのミニアルバム。同じく同人音楽出身で人気を集めたsupercellが、初音ミクにこだわらず「人間」のボーカルを使って楽曲を作っているのに対して、彼の曲は、むしろ人口音声としての初音ミクをより押し出した形に。無機質な声は、CMソングとしてお茶の間に流れたのとは裏腹に、正直、ネットコミュニティーの世界を出て受け入れられるには難しいものは感じるものの、初音ミクにこだわったポップスの新しい形を模索しているとも感じる部分も。メロディーに関しては、ぶっちゃけ平凡だった前作「Re:package」よりも進化した感が。

評価:★★★★

livetune feat.初音ミク 過去の作品
Re:package

NATURALLY/清水翔太

清水翔太の特徴は、R&Bをベースにしながらも、ポップ色の強い曲が多く、このアルバムでも、小田和正をゲストに迎えた「君さえいれば」なんて曲もあったりもします。R&Bをベースにしながらも、ポップス志向という点では、平井堅と近いのかも。ただ、「Only me,Only you」は平井堅の「世界で一番きみが好き?」に似ている感じもするのですが、大丈夫?あと、「冬が終わる前に」は、完全に槇原敬之の「冬がはじまるよ」を意識している感じも。耳なじみやすいポップが並んでいて、比較的、万人にお勧めできるタイプのアルバムながら、もう一歩、清水翔太だけが持っているような個性が欲しい感じも・・・。

評価:★★★★

清水翔太 過去の作品
Umbrella
Journey
COLORS

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2012年5月26日 (土)

僕たちのヒット曲!

「僕たちの洋楽ヒット」。そう題されたコンピレーションが発売されたのが2002年のこと。タイトル通り、洋楽のヒット曲を包括的に収録した全15枚のコンピレーションアルバムで、それなりのロングヒットを記録したそうです。かくゆう私も、洋楽のヒット曲を手っ取り早く聴けるコンピレーションということで、この「僕たちの洋楽ヒット」と、続編の「続・僕たちの洋楽ヒット」を一通り聴きました。ただし、レンタルで。

今回、元々のコンピレーションが、原盤権などの関係で、一部、廃盤になっていることを受け、リニューアル。全8作、それぞれ2枚組というボリュームで発売されました。そんな訳で、今回はCDを購入し、聴いてみることにしました。

このコンピの壺は、「洋楽ヒット」といっても、ビルボードや全英チャートでヒットした曲ではなく、あくまでも日本においてヒットした曲を収録している点。そのため、日本でだけヒットした曲や、海外のミュージシャンが日本向けに歌った曲なども収録されています。

そのため、いわゆる「ロックの歴史」や「ポップス史」などにおいて、忘れられているようなミュージシャン、語られることのないような曲も多く収録されています。そういう意味では、その後に大きな影響を与えるような重要曲が収録されている、とは限りません。ただ、当時の日本の音楽シーンをにぎわせた曲が多いため、リアルタイムに音楽を聴いてきた世代にとっては、懐かしさを感じさせるのではないでしょうか。

Title:僕たちの洋楽ヒットDELUXE Vol.1 1955-63

さすがに1955年から63年という時期は、自分の親たちの世代でも、リアルタイムに体験しているか微妙な時期。ただ、シリーズ8枚の中、実は「知っている曲」の割合が一番多かったのがこのアルバムというのが不思議なところ。「Unchained Melody」「Moonlight Serenade」のような、美しいメロディーが誰からも愛されるような曲(逆にいってしまいえば、刺激の少ない無難な曲)が、映画やCM、テレビのBGMなどにくり返しつかわれてきたからでしょう。このアルバムに収録されている「Whatever Will Be,Will Be」なんて、この間、CMソングとして使われていましたしね。

いわゆるロックがはやる前夜で、映画音楽的なインストナンバーが多かった時代。ただ、一方では、ロックンロールの一番最初のヒット「(We're Gonna)Rock Around The Clock」だったり、CHUCK BERRY「Johnny B.Goode」なども収録されています。今ではおなじみのロックンロールのスタンダードナンバーですが、このアルバムで、スタンダードなポップスナンバーと並べて聴くと、そのリズムといい、サウンドといい、あきらかに浮いており、当時は非常に異質で、かつ刺激的な音楽だったんだなぁ、ということに気がつきます。有名曲が多く、なにげに、リアルタイムで体験していない世代が、一番入り込みやすいのは、このアルバムかも。

評価:★★★★

Title:僕たちの洋楽ヒットDELUXE Vol.2 1964-69

ビートルズが世界を席巻し、ロックが一気に市民権を得た時代。ただ、このアルバムを聴くと、勢いがあったのはロックだけではなく、大衆音楽全体が花開いた時代だったのでは?と思います。SAM&DAVE「Soul Man」や、OTIS REDDING「(Sittin' On)The Dock Of The Bay」のような、ソウルのスタンダードナンバーも収録。一方では、FRANCE GALL「Nous Ne Sommes Pas Des Anges(天使のためいき)のような、いわばガールズポップも目立つのがこのアルバムの特徴。前作に引き続き、リアルタイムで聴いたことない私にとっても「知っている」率が高いアルバムで、時代の勢いを感じさせてくれる楽曲が揃っています。

評価:★★★★★

Title:僕たちの洋楽ヒットDELUXE Vol.3 1970-72

個人的に、このアルバムを聴くと、1970年を挟んでの前後が、ポピュラーミュージックにおいてのひとつのピークだったんじゃないかな、と感じます。それだけ、Vol.2とVol.3は、8枚のアルバムの中で楽曲の勢いがありました。曲のバリエーションも豊富だし、ソウルからロック、ポップスまで、どの曲もいまでも輝くようなメロディーとサウンドを奏でています。

CHICAGO、THE JACKSON5、ELTON JOHN、ARETHA FRANKLIN、VAN MORRISON、DEEP PURPLE、FACES・・・・・・層々たる名前が並び、そのどの曲も非常に魅力的なのですが、その中でも個人的に一番気に入ったのがJANIS JOPLIN「Me And Bobby McGee」。昔の恋人との思い出をつづった彼女の代表曲。切ない歌詞とメロと、そして、そんな曲にピッタリなジャニスのボーカルが、とにかく泣けました!

Vol.2とVol.3は、リアルタイムを知らない音楽ファンでも無条件でお勧めできそうなアルバム。有名どころもたくさんですしね。豪華なコンピレーションです。

評価:★★★★★

Title:僕たちの洋楽ヒットDELUXE Vol.4 1973-76

70年代後半あたりからが、急速につまんない。こういうことをいうと、異論も多そうですが、なんというか、ロックは急速に様式化し、ポップは無難なポップスが増え、全体的に、瑞々しさがポップスシーンから失われていくような、そんな印象を受けます。このアルバムに収録されている曲も・・・悪くはないけど、無難といった印象が強く・・・いままでのアルバムに比べると、勢いがグッと落ちた感が・・・。

評価:★★★★

そんな感じで、日本でのヒット曲とはいえ、音楽シーン全体の大きな流れを感じることの出来るコンピレーションでした。ただ、ビートルズやストーンズ、カーペンターズの曲は収録されていないのね。ここらへん、大人の事情か、それとも、今でも簡単に手に入るような有名ミュージシャンの曲はあえて収録しなかったのか(でも、Vol.5でQUEENとかは入っているし・・・)。

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2012年5月25日 (金)

やはり強いミスチル!&着うたの女王

今週の着うたチャート

2012年5月16日~2012年5月22日付チャート

着うたの女王、やはり強し!

今週1位は、西野カナ「私たち」。23日に発売したシングルの先行配信なのですが、2位AKB48「真夏のSounds good !」を抑えての1位となりました。AKB48は、例の総選挙投票券付のCD(というよりも、CD付の投票券?(苦笑))で、おそらく来週のシングルチャートで、圧勝で1位を獲得しそうですが、着うたチャートでは西野カナが1位。着うたの女王としての面目躍如となりました。ちなみに、レコチョクのチャートでは11作連続1位ということで、ニュースにもなっています。

3位は、今週のシングルチャートで7位にランクインしてきた家入レオ「Shine」がランクアップ。着うたでは、初登場から3週目にしてベスト3入りです。

今週は、着うたチャートは妙に初登場が多く、1位2位を含め、全7曲が初登場という、着うたチャートとしては、かなりの新譜ラッシュとなっています。

うち、今週のシングルチャートにランクインした新譜は、他に4位にSKE48「アイシテラブル!」、10位にAAA「Still Love You」がそれぞれランクイン。どちらもシングルチャートの順位は下回る結果になってしまっていますが・・・。

その他には、まず5位にEXILE「ALL NIGHT LONG」がランクイン。6月20日発売予定のシングルで、シングルチャートでも上位に食い込みそう。

7位には、東京事変解散後、初のソロ作となる椎名林檎の新曲「自由へ道連れ」がランクイン。ヘヴィーなバンドサウンドと、ポップなメロが、椎名林檎らしい新曲で、配信限定のリリースということ。TBS系ドラマ「ATARU」主題歌に起用されています。

そして、8位に入ってきました!Dreams Come True「時間旅行」。そう、5月21日の金環日食のことを、22年も前に歌詞に読み込んでいたということで話題となったドリカムの曲で、1990年に発売されたアルバム「WONDER 3」に収録されています。もともと、ドリカムの代表曲のひとつだったのですが、今聴いても色あせない楽曲。金環日食にあわせて、一気にランクインです。


今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

やはり、強い!ミスチル!

という訳で、今週も、Mr.Childrenのベスト盤、「Mr.Children 2005-2010<macro>」が1位、「Mr.Children 2001-2005<micro>」が2位と、2週連続1位2位獲得という結果となっています。ミスチルは、前のベスト盤の時も、2週連続1位2位独占を記録しており、2週連続1位2位独占を2度行ったミュージシャンは、ミスチルが史上初だそうです。

ちなみに今週「macro」が17万9千枚、「micro」が17万1千枚を記録。先週とあわせて、「macro」が91万1千枚、「micro」が88万6千枚を記録しており、双方、100万枚突破は間違いない見込みです。

またミスチルは、今週も「Mr.Children 1992~1995」が10位にランクインしています。

初登場最高位は、3位。長渕剛のニューアルバム「Stay Alive」がランクイン。昨年の紅白で披露した「ひとつ」を含む新作で、その影響か、前々作から初動売上が大幅ダウンした前作「TRY AGAIN」の初動3万6千枚から持ち直し、初動4万2千枚を売り上げました。

4位以下で初登場は・・・まず4位に、韓国のバンドFTISLAND「20[twenty]」が入ってきています。前作「FIVE TREASURE ISLAND」は初登場1位を獲得しましたが、今回はベスト3落ち。ただ、初動売上は3万6千枚から4万1千枚にアップしており、前回がチャートの谷間だった一方、今回がチャートの売上水準があがった影響でしょう。

6位には、ちょっと聞き慣れない名前が。米津玄師「diorama」がランクインしてきました。米津玄師(ヨネヅエンシ)は、人気動画サイトニコニコ動画への投稿から人気を集めた男性シンガーソングライターで、これがデビューアルバム。もともとはボーカロイドを使った作品を発表していたそうですが、自身がボーカルを取ってのアルバムとなります。BUMP OF CHICKENあたりを彷彿とさせるギターロックと世界観が魅力的な感じ(といっても、数曲しか聴いていないのですが)で、ニコニコ動画発のヒットに食指が動かないようなリスナー層にもアピールできそうな感じの曲調です。

最後9位には、韓国の男性アイドル、元東方神起のメンバーで、現在はJYJとして活動しているXIAH junsu(ジュンス)の韓国でのアルバム「1集 - Tarantallegra」がランクインしています。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年5月24日 (木)

HIP HOPサイドはカッコよかったけれども

Title:Pink Friday:Roman Reloaded
Musician:Nicki Minaj

デビューアルバム「Pink Friday」が大ヒットを記録し、一躍話題の人となったアメリカの女性ラッパー、Nicki Minaj(ニッキー・ミナージュ)。そのデビューアルバムの時は、例によって、日本ではほとんど話題にのぼらなかったのですが、その後、徐々に日本でも知名度をあげ、この2ndアルバムでは、見事、日本でもベスト10ヒットを記録しました。もちろん、ビルボードチャートでは1位を獲得しています。

今回のアルバムは、オリジナルは19曲、国内盤ではボーナストラックを含めて22曲というフルボリューム。今回も、NasやDrake、Lil Wayneといった豪華な面子がゲストとして参加しています。

その新作の特徴は、前半と後半で雰囲気が異なること。前半はHIP HOPサイド、後半はエレクトロなダンスチューンやポップナンバーが中心という2部構成になっているみたいです。

個人的にも、前作「Pink Friday」が気に入ったため、かなり期待した今回のアルバム。前半のHIP HOPサイドについては、その期待に十分に応えてくれた出来だったと思います。音数を絞り込んだトラックに、タイトなリズムがインパクトを放つナンバー。「やばさ」を感じながらも、ポピュラリティーを兼ね備えた絶妙なバランスが印象的。2 Chainzをフューチャーした「BEEZ IN THE TRAP」や、Lil Wayneを迎えた「ROMAN RELOADED」あたりは、特にカッコよく感じました。

ただ、一方で、後半に関しては、正直、期待はずれでした。ポップなナンバーや、エレクトロなダンスチューンは、確かに耳障りのいい楽曲だったと思います。しかし、似たようなタイプの曲が多く、トラックもメロディーも正直平凡。「売り」を狙ったとは思わないのですが、悪い意味で、耳障りだけがいい、ベタな曲が多かったように感じました。

そんな感じで、前半だけなら文句なしの傑作だったのですが、後半で一気に失速してしまった感じ・・・。別にエレクトロなダンスチューンやポップナンバーも数曲だけならアクセントとして悪くないと思うのですが、後半、そんな曲ばかりの連続で、正直、少々飽きてしまいました。

HIP HOPサイドを聴く限りは、その勢いが衰えた感じはしないのですが・・・次回作は、前半みたいなカッコいい楽曲をもっと、是非!

評価:★★★★

Nicki Minaj 過去の作品
Pink Friday


ほかに聴いたアルバム

Fluorescence/Asobi Seksu

ボーカルYUKI CHIKUDATEの、ちょっとケルティッシュな、陽性のボーカルが印象的。突き抜けるような明るい歌声がインパクトがありつつも、シューゲイザー直系のノイズギターはあいかわらず。時に中盤からの、ファンタジックな雰囲気にボーカルがピッタリとマッチ。時折流れるシューゲイザー風なギターがほどよいインパクトを奏でていました。

評価:★★★★★

Asobi Seksu 過去の作品
Hush

F.A.M.E./Chris Brown

本作もビルボードチャートで1位を獲得するなど、アメリカで大人気のR&Bシンガー。楽曲は、今風のエレクトロポップといった感じ。ポップで聴きやすい反面、悪い意味で、アイドルシンガーみたいな平凡な楽曲は、正直、あまり面白みを感じませんでした・・・。

評価:★★★

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2012年5月23日 (水)

金環日食にちなんだ曲も・・・。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

先日、日本各地で金環日食が観測され、大きな話題となりました。みなさんも見ました?私も、家のマンションのベランダから、ちょうど良い具合で太陽が見れて、めがねをつかって、しっかり観測しました。今週は、その金環日食にからむ曲がランクインしています。

まず1位は、AKB系のグループ、SKE48「アイシテラブル!」が獲得。アイドルソングの王道なのは前作から引き続き。初動47万3千枚を売り上げ、4作連続の1位は、女性グループでは史上4組目だとか。ただし、初動売上は前作「片想いFinally」の49万5千枚からダウン。これで頭うちになった感が?

2位は、韓国の男性アイドルグループSHINee「sherlock」が獲得。初動売上4万8千枚は、前作「LUCIFER」の5万枚からダウン。前作は初回盤2種+通常盤の3種リリースだったのが、初回盤+通常盤の2種になった影響か?ただ、初回盤はトレーディングカードがランダムに入っている仕様みたいなので、複数枚買い組はあまり変らなさそうですが。

3位は、日本の男女アイドルダンスグループAAA「Still Love You」。昔、TM Networkに「Still Love Her」って曲があったなぁ、と思ったのですが、残念ながら、今回は小室先生の作品ではありません。初動売上は4万8千枚で、前作「SAILING」の4万2千枚からアップ。前々作「Charge&Go!」の初動売上まで戻してきています。ちなみに2位とはわずか714枚差でした。

さて、冒頭に出した金環日食の話題。多分、Dreams Come Trueが1990年の作品「時間旅行」で、この金環日食を歌詞に登場させた、ということで、今回、話題になっています。1990年の段階じゃあ、まさかこの頃までドリカムが第1線で活躍し続けているとは、想像できなかったよなぁ。そんな訳で、今週5位にランクインしてきたのがDreams Come True「MY TIME TO SHINE」。カップリングに、その「時間旅行」を収録しています。

その影響か、純粋にタイトル曲がファンケルのCMソングとしてバンバン流れている影響か、初動売上3万枚は、前作「LIES,LIES.」の1万2千枚から大幅アップ。ただ、前々作「生きてゆくのです」は初動3万4千枚を売り上げているおり、前作はアルバムからの先行リリースだったことを考えると、CM効果も、金環日食もさほどなかった模様・・・。

ちなみに、次の金環日食は、日本では2030年に北海道で、2041年に名古屋を中心に東海アエリアで見える模様。18年後に29年後と、かなり遠い先みたいに思えますが、ドリカムの「時間旅行」から22年。この曲が発売された頃は、今回の金環日食も遠い先と思えたのですが・・・あっという間でしたね。もっとも、その間、ドリカムは、3人組から(以下、自粛)。

6位には、ヴィジュアル系バンドViViD「REAL」がランクイン。着うたチャートでも先週ランクインしてきましたが、TBS系アニメ「機動戦士ガンダムAGE」主題歌という好タイアップ曲。王道J-POPのポップスロックといった感じで、売れそうなタイプだと思うのですが、初動売上2万枚と、前作「message」の1万9千枚から若干のアップと、タイアップ効果はあまりなかった模様。

7位は、家入レオ「Shine」が入ってきています。こちらも、先週の着うたチャートでも入ってきましたが、フジテレビ系ドラマ「カエルの王女さま」主題歌。前作「サブリナ」がヒットをした、YUIや絢香を輩出した音楽スクール出身の新人の2枚目で、楽曲も完全にYUIや絢香の路線。初動売上1万9千枚は前作の8千枚から大きくアップ。レコード会社からはかなりプッシュされているみたいですが、順調に人気を伸ばしていると取るか、あれだけプッシュされてこの程度と取るかは微妙なところ・・・。

9位には、木村カエラ「マミレル」がランクインです。元BOaT、現NATSUMENのAxSxE作曲によるエレクトロロックナンバー。初動売上は、最高位13位に終わった前作「喜怒哀楽 plus 愛」の9千枚から、1万2千枚にアップ。前々作「A winter fairy is melting a snowman」以来のベスト10入りとなりました。

最後10位には、韓国の男性タレント、JUNO「Everything」がランクイン。元東方神起、現JYJのジュンスの双子の兄です。これが日本での3作目で、初のベスト10ヒットとなった前作「believe...~君を信じて~」の初動9千枚から、初動1万1千枚と若干アップしています。

今週のシングルチャートは以上。アルバム&着うたは金曜日に~。

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2012年5月22日 (火)

ポピュラーセンスとユーモラスのある作品

Title:MUSIC EXPRES$
Musician:サイプレス上野とロベルト吉野

誰でもすんなり入れるポピュラリティーと、ユーモアセンスを併せ持ち、かつ、HIP HOPミュージシャンとしての実力を兼ね備えている・・・RIP SLYMEとかスチャダラパーとかRHYMESTERとか、日本のHIP HOPシーンにもそういうミュージシャンは少なくありません。そして、彼ら、サイプレス上野とロベルト吉野もおそらく、そんな「実力派」たちの仲間だよなぁ。

今回のアルバムに関しては、ポピュラリティーとユーモアセンスが増して、聴き終わった後、妙に印象に残るナンバーが多かったように思います。エレクトロなサウンドの、「よっしゃっしゃっす〆」は、そのタイトルのラップが印象に残りますし、続くタイトルチューン、「MUSIC EXPRES$」はメロウなトラックが印象的なナンバーと、序盤から聴きごたえのある曲が並んでいます。

その後も、SPECIAL OTHERSを迎えたバンド色の強い「YOKOHAMA AWESOME6」があったり、また、日々、食事の出来ることのありがたさを歌った「食EX」は、ちょっとまじめすぎるんじゃないの?と思ったとところで、「食後」みたいなワンクッションが入ったりして。さらには「GOLD DIGGER」はエレクトロニカ的な強いリズムがインパクト十分な曲が印象に残りました。

そんな中でも、強く印象に残ったのが、「ちゅうぶらりん」。この曲、あの元ミドリの後藤まりこのゲストボーカルとして参加。ちょっと舌ったらずな感じのボーカルが耳に残り、ある意味、後藤まりこに曲がのっとられちゃっている感じも(笑)。

一方では、日本の音楽業界の現状を嘆く「OH!WHAT A CONTESTS(オ・ワ・コ・ン)」なんて曲があったり。また、サイプレス上野は、先日、日本語ラップの歴史を語った「LEGEND オブ 日本語ラップ伝説」なんて本を出しましたが、日本語ラップに関しての思いを、その歴史をからめせながら綴った「日本語ラップKILLA★」が最後を飾ります。なんか、彼ら、本当に音楽を愛し、日本語ラップを愛しているんだなぁ・・・そういうことを感じてしまいました。

アルバム全体、ポップなナンバーが多く、バリエーションも豊富。彼らの本領の発揮された、いい意味で、とても聴きやすいアルバムだったと思います。これだけポピュラリティーのあるアルバムを作っているんだから、もっと売れてもいいタイプのラッパーだと思うんですけどね。彼らのアルバムのうち、いままで聴いたアルバムの中で、一番インパクトもあり、楽しめた作品でした。

評価:★★★★★

サイプレス上野とロベルト吉野 過去の作品
WONDER WHEEL
YOKOHAMA LAUGHTER
サ上とロ吉のINMIX~non stop rental~

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2012年5月21日 (月)

栄ミナミ音楽祭 '12 その2

昨日に引き続き、名古屋栄で行われたフリーライブイベント、栄ミナミ音楽祭'12のレポです。

Minami2

DEPAPEPE@矢場公園

この日、一番のお目当てはギターインストコンビの彼ら。以前、サマソニで一度ステージを見たのですが、爽やかなギター2本で奏でるステージがとても素晴らしく、また、見たい!とずっと思っていました。

天気がとても良かったこの日に、ビールを片手に、またマッタリしながら彼らのステージを楽しみます。この日は、まさにこんな日にふさわしい曲ということで「いい日だったね」や「START」、さらに最後には「ONE」などを披露。相変わらず2人で奏でる爽やかなギターインストがとても心地よいステージでした。

ただ・・・正直言ってしまうと、以前見た、サマソニのステージの方がよかったなぁ。幕張の海辺で、のんびりしながら見た環境もよかったのかもしれないのですが・・・2人のノリというか、MCなどもふくめたステージ上のキレが、以前の方があったような。以前見たステージは、もっとアグレッシブだったような記憶があるのですが、それと比べると、ちょっとおとなしいステージだったようにも感じました。この日ももちろんいいステージだとは思ったんですけどね・・・。

宮地佑紀生@矢場公園

で、続いては、名古屋人ならおそらく誰もが知っている地元タレント、宮地佑紀生が、なんとライブで登場(笑)。まあ、話のネタに、ちょっとライブを見てみようかなぁ、と思ったのですが・・・・・・うーん、なんか一言で言うと、場末の温泉街とか、地域の夏祭りとかで、名前も知らない演歌歌手が呼ばれて歌ったようなステージ(^^;;肝心の曲も、B級歌謡曲といった感じでいまひとつ。この人はつくづく、テレビの人なんですね。

IWAO@ナディアパーク アトリウム

そんな訳なので、早々に矢場公園を離れて、隣の、もうひとつのメインステージ、ナディアパークアトリウムのステージへ。ちょうどIWAOというウクレレ奏者のステージの最中でした。ウクレレ一本で軽快で爽やかなインストを聴かせるステージ。日本のウクレレ界の大御所、牧伸二と高木ブーが同じ年生まれという話をしたり、日本のウクレレと、ハワイのウクレレのリズムの違いを解説したり、軽快なMCを挟みながらの、なかなか楽しいステージ。しんみり聴かせるところは聴かせ、客を盛り上げるところでは盛り上げるパフォーマンスに、しばし見入ってしまいました。

その後も、いろいろなメンバーを入れ替えつつ、ナディアパーク アトリウムのステージは続いていったみたいなのですが、IWAOのウクレレでの単独ステージが終わった段階で、再び矢場公園へ。相変わらず宮地佑紀生のステージが続いていて、スガキヤのCMソングなんかを歌っていたりしたのですが・・・相変わらず場末の温泉宿みたいなステージ(^^;;

バンバンバザール@矢場公園

で、そのまま矢場公園でバンバンバザールのステージへ。この日は、メインメンバー2人に、ゲストも加えた、「バンバンバザールデラックス」でのステージだそうです。ニューオリンズの軽快なジャズを思い出すような、とても楽しくハッピーになれるようなライブ。夕方になり、ちょっと涼しくなり、日曜日の午後、ちょっと寂しい気分になりだした時間帯に、逆の意味でピッタリ来るような、とても気分が晴れやかになるライブでした。

バンバンバザールというバンド自体は、名前だけは知っていたのですが、ライブを見るのはこの日がはじめて。楽しそうなバンドだなぁ、と思っていたのですが、予想通り、とても楽しいステージでした。また、機会があればライブを見てみたいです。

鈴木聖美@矢場公園

そして、この、栄ミナミ音楽祭でオオトリを飾ったのが、鈴木聖美。実は彼女のステージも見るのはこれが2回目。以前は、2003年に行われた、エピックソニー25周年ライブイベントで見たので、9年ぶりということになります。

彼女に関しては、有名な「ロンリーチャップリン」とかを知っている程度で、正直、そんなに期待はしていなかったのですが・・・ステージを見て、驚きました。当たり前の話かもしれませんが、めちゃくちゃ歌が上手い!それも、こういっては何なのですが、ただ声量があるだけの、歌謡曲的な「上手さ」じゃなくて、感情たっぷりで、ソウルフルなボーカルなんですよね。

先日リリースしたカバーアルバムから「想い出ぽろぽろ」と「星空のふたり」、さらには、ギターを弾いていた旦那(!)とのデゥオで、「ロンリー・チャップリン」と「TAXI」と、ちゃんとヒット曲も披露。さらに最後はパワフルなボーカルで「Over The Rainbow」で締めくくってくれました。

最新アルバムでは、主に歌謡曲のカバーに挑戦したみたいなのですが、いやあ、これだけソウルフルなボーカルの持ち主なら、歌謡曲よりも、本格的なソウルミュージックをカバーしてほしいなぁ。そのパワフルで、表現力豊かなボーカルにすっかり魅了されてしまったステージでした。

そんな訳で、最後はフィナーレが行われたようなのですが、その前に会場を去りました。栄全体のいろいろなところでライブが行われており、有名無名、数多くのミュージシャンが参加したイベント。正直、玉石混合といった感じではあるのですが、そういう点も含めて、おもしろいイベントだったと思います。街を歩くだけで、ライブの演奏が聴こえてくるのって、何かいいですよね~。無料だし、来年も是非足を運びたいです。とても楽しかったです~♪

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2012年5月20日 (日)

街角音楽祭 その1

栄ミナミ音楽祭'12

会場:矢場公園特設会場 他 日時:2012年5月13日(日)

今回、参加したのは、栄ミナミ音楽祭という、今回が6年目となるイベント。矢場公園の会場を中心に、矢場町や住吉町などの栄ミナミ(というか、いつからこの辺のことを「栄ミナミ」なんて言うようになったんだ?)地域と、一部大須の街角に会場を設けて、フリーライブを開催するというイベント。そりゃあ、音楽好きとしては、足を運ばざるを得ないでしょう(笑)。12日13日2日間のイベントでしたが、13日のみ、遊びに行ってきました。

大島圭太@住吉通山家東横コインパーキング

で、最初は昼飯を食べた場所のすぐ近くでやっていた大島圭太というギター1本のフォークシンガー。客の数は、数えられるほどまばらだったのですが、意外とおじさんとか年輩のファンが多かったのが印象的。ただ、ライブ自体は、これが予想外によかった!なんというか、こういうストリートの場で観客を盛り上げる壺を心得ている感じで、客をいじったり、一緒に盛り上げたりしながら、アコギ一本で力強くポップなフォークソングを歌い上げる曲が印象に残りました。全く初耳のミュージシャンだったのですが、軽く一緒に盛り上がってしまいました。

Minami1

奥華子@矢場公園

で、続いてはメイン会場である矢場公園で、奥華子のライブ。矢場公園は、この日、大きなステージが登場し、周りには屋台も並び、まさにちょっとしたお祭りな感じ。観客もかなりの数、集まっていました。で、予定時間から10分ほど経過し、奥華子が登場。名前だけは以前から知っていたのですが、ライブを見るのはこの日がはじめてです。

ステージ上にはキーボードが1台だけ置かれ、そのキーボードを弾き語りしてのステージ。司会者は、散々「奇跡の歌声」とあおっていましたが・・・うーん、声は、それだけで惹き付けられるほどではないんじゃない?いや、かわいらしい声ではありましたが。

楽曲は、良くも悪くもシンプルなポップスという感じ。演奏も歌詞もメロディーも、いたってシンプルでストレート。最後の方で、「初恋」を演ったのですが、この曲はベスト10ヒットになったこともあって、私も知っている曲。この曲に関しては、やはり耳を惹きますね。思わず聴きいってしまいました。

五島良子@CAFE&KITCHEN BAR MALKA

次に足を運んだのが、矢場公園脇にあるカフェ。ここの中で、五島良子のライブが行われていました。五島良子って、なにげに高校生の頃から知っているベテランミュージシャンなのですがライブを見るのはこれがはじめて。すらりとした長身のとてもきれいな方で、ちょっとビックリしました。

オープンカフェの外からライブを見ていたのですが、ついた時には、ちょうどミリー・リパートンの「Lovin' You」を披露していました。ギター一本のサポートで、ちょっとジャジーな雰囲気のステージ。高音部を特に聴かせる、きれいで伸びやかなボーカルが印象的で、その歌声にしばし聴き入ってしまいます。電気グルーヴやくるりの曲にも参加している彼女ですが、その美しいボーカルに、いろいろなミュージシャンからひっぱりだこなのはわかるような感じがするなぁ。

矢場公園のすぐ横ということで、メインステージの音が聴こえてきてしまって、正直、店の外からだと、ちょっと聴き取りにくかったのが残念。ただ、大人のおしゃれな雰囲気の、とても素晴らしいステージだったと思います。また、ライブを見てみたいです。

千綿偉功@大津通パルコ西館前

次はパルコ西館前で、千綿偉功というミュージシャンのライブ。むか~し、CHASEという名義のユニットで、「あの空をもう一度」という曲がスマッシュヒットを記録したことがありました。実は彼のライブを見るのはこれが2度目。もう10年も前に、ライブイベントでちょっとだけ見たことがあったりするんです・・・。

この日はギター1本のステージだったのですが、楽曲は、まさに90年代J-POPそのままといった感じのポップスロック。楽曲のノリも、本人のMCも、かなり熱い感じで、ちょっと懐かしさすら感じてしまいました。良くも悪くも、90年代からそのままといった感じ。ただ、彼のステージ開始が遅れたのと、次に矢場公園ではじまるDEPAPEPEが、この日一番の目当て、ということで、矢場公園に戻ります。

アノインテッドマスクワイヤー@CAFE&KITCHEN BAR MALKA

しかし、矢場公園に戻ると、まだDEPAPEPEの前のミュージシャン、アノインテッドマスクワイヤーのライブの真っ最中・・・なのですが、ステージの上には人、人、人・・・どころか、ステージの下までズラリ(笑)。なんでも総勢130名のステージ。パンフレットによると、総勢は約1000人にも及ぶとか(^^;;

パワフルなゴスペルミュージシャンで、重厚なコーラスワークには圧巻。何十にも積み重なった人の声は、一種幻想的ですらあります。アメリカの黒人の教会とかで歌われるゴスペルって、まさにこの世界なんだろうなぁ、なんてこと考えつつ、しばし聴き入ってしまいました。

次へ続く

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2012年5月19日 (土)

イタタタタ・・・。

Title:忘れらんねえよ
Musician:忘れらんねえよ

rockin'on主催の新人コンテストで入賞し、デビューを果たした男性3人組バンドのデビューアルバム。ジャケットもあれですが、ミュージシャン名自体も、かなりあれな感じのバンド(笑)。ただ、ミュージシャン名のとおり、その名前のインパクトの強さに一度その名前を聞いたら「忘れらんねえよ」なバンドですが。

楽曲はストレートなパンクロックで、タイプとしては、サンボマスターに近い雰囲気も。最初に、ボーカルの「語り」から入る曲もありますし。ただ、このバンドの一番の特徴は、やはりその歌詞にあると思います。

彼らが書く歌詞では、もてない野郎の、あまりに情けない、もてない行動をそのまま描写しています。「ブログを覗き見る」では、タイトル通りストレートに、好きな子のブログを見たら、彼氏とデートに行っていた、という情けない内容ですし、「慶応ボーイになりたい」も、好きな子が慶応ボーイと結婚した、という話。

ある意味、あまりに身も蓋もないなのですが、それが逆に、私みたいなもてなかった男性からすると、どこか心あたりがあって、グサリと来てしまう部分が(笑)。それだけインパクトの強い内容だけに、一度聴いたら彼らの名前の通り、忘れらんねえ歌詞が並んでいます。

確かに、この手の情けない男の歌というのは、例えばサンボマスターだったり、ガガガSPだったりもネタとしていますが、彼らの書く歌詞の身も蓋もなさは、それを上回ってあまりにストレート。そのため、聴く人にとっては、ちょっと引いちゃう人もいるかもしれませんが・・・そういう人は、おそらく学生時代から、相手には苦労しなかった人なんだろうなぁ、ということで・・・。

ただ、ちょっと残念なのは、内容があまりにストレートでひねりがなさすぎる、という点。インパクトは非常に強い反面、何度か聴くうちに飽きてしまいそうな気がしますし、近い将来、ネタ切れを起こしそうな気も。ここらへん、もうひとひねりが欲しかった気がします。もっとも、ひとひねりすれば、このストレートな歌詞の魅力が失われてしまいそうな感も否定できないのですが、う~ん。

そういう意味では、これから彼らがどういう方向で進んでいくのか、とても楽しみであり、不安も感じるアルバム。ただ、このインパクトの強さは、最近の新人バンドの中ではピカイチではないでしょうか。要注目のバンドです。

評価:★★★★


ほかに聴いたアルバム

FEBRUARY&HEAVENLY/Tommy february6/Tommy heavenly6

Tommy february6がデビューしてから10周年を記念してリリースされたアルバムは、Tommy february6とTommy heavenly6が同時にクレジットされ、5曲ずつ、それぞれの名義で歌うスタイル。ってか、もう10年もやっているんですか。正直、トミフェブもトミヘヴも、B級っぽいチープなバブルガムポップが魅力なんですが、チープさが魅力なだけに、そういつまでも続けるプロジェクトじゃないと思うんですよね。実際、似たような曲が多く、ここ最近ではすっかりマンネリ気味で、面白みを感じません。そろそろブリグリの活動を本格化させるか、このキャラは卒業し、もうちょっと腰を落ち着けた、ソロプロジェクトをはじめて欲しいのですが・・・。

評価:★★★

Tommy february6/Tommy Heavenly6 過去の作品
I KILL MY HEART(Tommy Heavenly6)
Strawberry Cream Soda Pop “Daydream”(Tommy February6)
Gothic Melting Ice Cream’s Darkness “Nightmare”(Tommy heavenly6)

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2012年5月18日 (金)

ミスチル、やはり強し

今週の着うたチャート

2012年5月9日~2012年5月15日付チャート

今週の着うたチャートは、レコチョクのシステム障害で、レコチョクのデータが入っていないそうです。そんな状態でチャートを発表しちゃっていいの?

まず今週の1位は、女性シンガーMs.OOJA「Be...」が獲得。先週の11位からのいきなりの1位獲得で、ベスト10には2週ぶりに返り咲きとなりました。今週、アルバムチャートでランクインしてきたアルバム発売の影響でしょう。

2位はいきものがかり「ハルウタ」がワンランクダウン。3位には、ビジュアル系バンドViviD「REAL」が初登場でランクイン。5月16日発売予定のシングルからの先行配信で、TBS系アニメ「機動戦士ガンダムAGE」主題歌という好タイアップ曲。前作「message」はシングルチャートでも4位を獲得していますし、この曲もヒットしそうな予感が。

4位以下の初登場では・・・まず4位に、Lady Gaga「Born This Way」が再登場!先日、来日公演を行ったばかりの彼女ですが、この再登場はその影響でしょう。再登場といえばもう1曲。今週9位に、ZONE「secret base~君がくれたもの~」がいきなりランクイン。この曲は、いわゆるガールズバンドのZONEが、2001年にリリースして70万枚を売り上げたヒット曲。いきなりのベスト10入りはなぜ?と思ったのですが、5月12日放送テレビ朝日系バラエティー「関ジャニの仕分け∞」に本人たちが出演し、この歌を披露した影響でしょうか?

そして今週、ベスト10圏外からのランクアップによる初登場がもう1曲。5位に家入レオ「Shine」がランクイン。5月16日に発売されたシングルからの先行配信で、フジテレビ系ドラマ「カエルの王女さま」主題歌。YUIや絢香を輩出した音楽スクール出身の新人の2枚目で、デビューシングル「サブリナ」でいきなりベスト10ヒット。かなり厚遇されている感のある新人です。


今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、注目のベスト盤が1位2位を獲得!

今週は、Mr.Childrenの2枚のベスト盤が、1位2位を獲得。1位は、「Mr.Children 2005-2010<macro>」、2位は「Mr.Children 2001-2005<micro>」という結果となっています。

初動売上は、「2005-2010<macro>」が73万1千枚、「2001-2005<micro>」が71万5千枚という結果に。もちろん、現在のCD市場を考えれば、圧倒的な結果で、直近のオリジナル「SENSE」の初動50万1千枚を大きく上回りましたが、「SUPERMARKET FANTASY」が初動70万1千枚ということを考えると、ちょっと寂しい感じもします。もっとも、このアルバム、通常のアルバムと異なり木曜日発売と、1日集計期間が短かったため、その影響もあったのかも。

ちなみに、前回のベスト盤「Mr.Children 1992-1995」の初動120万2千枚、「Mr.Children 1996-2000」の100万4千枚からのダウン。まあ、これはさすがにCDをめぐる状況も違うし、前作は初のベスト盤だった、ということもあるし、仕方ない結果なのでしょうが。

ただ、今週、やはりミスチル強し!と感じたのは、この1位2位というよりも、むしろ、9位に、なんとその以前のベスト盤「Mr.Children 1992-1995」がランクインしてきたこと!ちなみに「Mr.Children 1996-2000」も12位にランクインしています。10年以上前の作品を、いまさら買い求めるファンも多いという点、ミスチルの強さを感じました。

3位には、先週まで2週連続1位を獲得していたゆずのベスト盤「YUZU YOU[2006-2011]」が、2ランクダウンながらもベスト3をキープしています。

4位以下初登場は、まず4位に、着うたチャートで1位を獲得した女性シンガーMs.OOJA「HEART」がランクイン。CD媒体ではシングル、アルバム通じて初のベスト10ヒット。初動売上1万5千枚は、前作「VOICE」の25位4千枚から大きくアップしています。

6位には、韓国のアイドルグループ少女時代の別働ユニットTaetiseo(テティソ)の「Twinkle」がランクイン。韓国盤のみでの発売ながらも、ベスト10にランクインしてきました。

8位はL'Arc~en~Ciel「World's Best Selection」が入ってきています。こちらは、ライブ会場限定リリースとなるベスト盤。こちらもライブ会場のみの売上という変則的な発売方式ながらも、8千枚を売り上げ、見事ベスト10入りです。

最後10位には、「魔法使いの夜 オリジナルサウンドトラック」がランクイン。こちらはパソコンゲームのサントラ盤が見事ベスト10ヒットを記録しました。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に!

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2012年5月17日 (木)

この自由さはミックステープならでは?

Title:California Republic
Musician:The Game

Californiarepublic

今回紹介するのは、アメリカで人気のラッパー、The Gameが、4月にリリースしたミックス・テープ。もちろん、ミックス・テープなだけに、フリーダウンロードの作品。もちろん、さっそくダウンロードし、聴いてみました。

ダウンロードはこちらのサイトから。

フリーダウンロードの作品とはいえ、非常に豪華な今回の作品。特にゲストが豪華で、ネプチューンズやLupe Fiasco、Snoop Doggなど。まさに大物がズラリと並んでおり、フリーとは信じられないような豪華さが目立ちます。

そんな中、ユニークだったのが、最近話題で、ここでも取り上げたTyler, the Creatorの「Yonkers」のトラックをそのまま使いながら、フリースタイルのラップを繰り広げた「Yonkrs Freestyle Base」。女性のあえぎ声なんかも入ったエロチックな内容は、原曲とは違ったヤバさを感じました。

そして、90分以上に及ぶボリューム感満点の今回の作品は非常にバリエーションの富んだ作風に。マイクリレーが耳を惹く「Death Penalty」、メロウで力強い女性ボーカルが魅力的な「Tonight」、トラックが、どこかオールドスタイルなソウルっぽい「Skate On」、ネプチューンズがプロデュースを手がけた「It Must Be Tough」は、爽やかな雰囲気が、いい意味でポップスさを感じられる作品になっています。

個人的には、音数を絞ったタイトなトラックが魅力的だった「Pussy Money Weed」や、強いビートに、どこか悲しげなピアノが効果的なトラックを奏でる「Come Up」あたりが印象に残りました。

このバリエーションの多さ、フリーのミックステープにも関わらず・・・というよりも、フリーのミックステープだからこそ、いろいろなミュージシャンがそれぞれのスタイルで自由にやっている、そう感じました。ある意味、この自由さがミックステープの良さなのかなぁ。ボリュームたっぷりの作品に大満足。興味のある方は、是非。

評価:★★★★★

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2012年5月16日 (水)

2位でも30万枚という結果に

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、1位2位がジャニーズ系とAKB48からみのハイレベルな対決となりました。

結果、1位は「Face Down」、2位はNMB48「ナギイチ」という結果に。嵐は初動52万6千枚、NMB48は37万5千枚と結果的には、嵐が格の違いを見せ付けた結果になっています。ただし、嵐は前作「ワイルド アット ハート」の55万枚からダウン、勢いは一段落気味。一方、NMB48は前作「純情U-19」の32万9千枚からアップし、勢いを感じられる結果になっています。

ちなみに、シングルチャートで2位の作品が30万枚を超えたのは、2001年7月16日付チャート以来だとか。もっとも、その当時と、シングルがアイドルの販促グッズになってしまった今とでは、記録の持つ意味も変わってきそうですが。ちなみにその週の10位はCHEMISTRY「Point of No Return」で5万枚。今週の10位はSMAP「さかさまの空」の7千枚なので、2位だけ売上があっても・・・という感じですね。

3位は韓国の男性アイドルグループSUPER JUNIOR「Opera」がランクイン。初動売上15万9千枚は、前作「Mr.Simple」の8万9千枚から大きくアップ。初回限定盤のうち、9種類が、メンバーそれぞれの顔写真を、パズルにしたジャケットになっていて、それを組み合わせると、大きなパネルとなる仕掛け。初動売上大幅アップは、この売上が原因の模様。よくよく考えるよなぁ、と感心します。賞賛はしませんが。

4位は、シド「S」が入ってきています。最近、妙に宣伝している映画「貞子3D」のテーマソング。先週ランクインした「残り香」から2週続けてのランクインで、初動売上2万3千枚は、「残り香」の2万枚より若干アップしています。

7位には、May'n「Chase the world」がランクイン。アニメ「アクセル・ワールド」テーマソング。アニメ「マクロスF」の登場人物シェリル・ノーム starring May'n名義では毎回ヒットを記録しているものの、なにげにMay'n名義でのシングルベスト10入りはこれがはじめて。初動売上1万6千枚は前作「Brain Driver」よりアップ。ちなみに作曲は浅倉大介です。

初登場最後、9位にTUBE「いつも、いつまでも」が入ってきています。暖かくなってきたと思ったら、もうTUBEの季節ですか~。本作は、暖かい雰囲気のミディアムテンポのナンバー。初動売上は1万1千枚。14位に終わり、ベスト10入りを逃した前作「Touch Happy!」の9千枚より若干アップです。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2012年5月15日 (火)

久々の傑作!

Title:For Your Pianist
Musician:末光篤

昨年、3年半ぶりとなるニューアルバムをリリースしたSUEMITSU&THE SUEMITHあらため末光篤。その前作「Dear Grand Piano」の続編的となるミニアルバムがリリースされました。

末光篤の曲は、個人的にメロディーにしろ、分厚いピアノ主導のアレンジにしても、重層的に重ねられた彼のコーラスワークや、澄んだ感じのボーカルも非常に壺・・・・・・なのですが、アルバム的に大絶賛できるアルバムに、なかなか出会えていません。理由は簡単。似たタイプの曲が多いから。木村カエラに提供した「Butterfly」がロングヒットを記録するなど、そのメロディーメイカーとしての実力は、既に証明済みの彼にとって、曲のバラエティーの乏しさというのは、大きなウィークポイントになっています。

そして、今回のアルバムに関しては、そのウィークポイントを意識的に克服しようとしてきたような印象を受けました。

1曲目「Reach」こそ、実に彼らしい、重厚なアレンジと美メロのポップナンバーなのですが、続く「Lazy Line Painter Jane」は、あの坂本真綾とのデゥオに挑戦していますし、「Sen My Baby Back」あたりは、ピアノと同様にギターが目立つギターポップナンバー。「Pekingese The Dog」は軽快なポップナンバーなのですが、末光自身はコーラスにまわり、メインボーカルを子どもたちが取っている異色のナンバー。

そしてバラードナンバーの「I Novel」をはさみ、トリを飾るのが、まさにキラーチューンともいえる「Butterfly」のセルフカバー。なにげに、この曲のボーカルは、末光自身の方が合っているんじゃないか?と思うほど、しっかり末光色になっています。

そんな訳で、わずか8曲のミニアルバムとはいえ、意図的にすら感じられるバラエティーのある作風になった作品。聴きどころも多く、最後を飾る「Butterfly」まで、飽きることなく聴けるアルバムになっていました。

彼のアルバムは、デビュー作以来すべて聴いていますが、最後までだれなかったアルバムはデビューアルバム「Man Here Plays Mean Piano」以来かも。大ヒット曲「Butterfly」も収録されていますし、末光篤の1枚目としてもピッタリのアルバムかも。次はフルアルバムで、期待しています!!

評価:★★★★★

末光篤(SUEMITSU&THE SUEMITH) 過去の作品
Shock On The Piano
Best Angel for the Pianist-SUEMITSU&THE SUEMITH 05-08-
Dear Grand Piano

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2012年5月14日 (月)

相変わらずの無国籍な彼ら

Title:ITALIAN GARDEN
Musician:クレイジーケンバンド

今回のアルバムのタイトル「ITALIAN GARDEN」とは、もともとは横浜・本牧にあったアメリカンバーの老舗の名前だそうです。アメリカの雰囲気が漂っていたこのバーには、多くの米軍兵だけではなく、日活のスターも集まっていたとか。そして、このバーこそ、クレイジーケンバンド発祥の地、だそうです。アメリカンバーなのに「イタリアン・ガーデン」。うーん、なんか、この古き良きアメリカテイストが漂いながらも、なぜか「イタリアン」という無国籍さが、彼らの音楽と通じるところがある・・・のか??

ま、そんな「無国籍」というネタは私が勝手に思いついたこじつけなので、そういう訳でもないのでしょうが、アジアンテイストという共通軸があった前作「MINT CONDITION」と比べると、今回は、彼ららしい「無国籍」さがよりストレートに出たアルバム、そう感じました。

タイトルそのまま「マカロニ・イタリアン」という1曲目は、ギター小野瀬雅生によるギターソロナンバーで、タイトル通り、西部劇の世界ですし、「京都野郎」は、タイトルとは異なり、パーカッションがどこかラテン風味。「夏っ子」は、メロウなスウィートソウル風ポップ。「女のグランプリ」は、トランペットの音が哀愁たっぷりの、ベタベタなムード歌謡曲だよなぁ。

古き良きアメリカの香りと、ディープなソウルと、アジアンテイストと、昭和歌謡曲と、等距離を保ちつつ、絶妙な、CKB流ポップを作り上げているのは相変わらず。今回の作品は、彼らの原点である場所をタイトルにしたからか、原点回帰・・・・・・って感じじゃないですね。いい意味で、いつも通りのクレイジーケンバンド(笑)。その魅力は相変わらずです。

また、今回は、芸能界のドン、堺正章と組んだ「そんなこと言わないで」みたいな、ポップ路線の楽曲も(ただ、この曲も軽快な歌謡ポップの絶品!)あったりして、彼らの音楽的な懐の大きさも感じられます(もっとも、堺正章も、日本音楽史に名前の残る、列記としたミュージシャンだったのですが)。

ただ、ここ最近、「アルバムを出せば必ず最高傑作」だった彼らですが、前作「MINT CONDITION」に続き、最高傑作か、と言われるとちょっと微妙かなぁ。「勢い」という点では、前々作「ガール!ガール!ガール!」の頃が最高潮だったような気もします・・・。

とはいえ、このアルバムも、ファンにとっては十分満足できる傑作だったのは間違いないと思います。今回も、80分近いフルボリュームのアルバムながらも、最後までダレルことなく聴けるのはさすが。まだまだ、彼らの活躍は続きそうです。

評価:★★★★★

クレイジーケンバンド 過去の作品
ZERO
ガール!ガール!ガール!
CRAZY KEN BAND BEST 鶴
CRAZY KEN BAND BEST 亀

MINT CONDITION
Single Collection/P-VINE YEARS


ほかに聴いたアルバム

THE OCRACY/BACK DROP BOMB

約4年ぶり、久々となるBACK DROP BOMBのニューアルバム。典型的なミクスチャーロックといった感じで、最近だと、逆に珍しくなってしまったような印象すら。楽曲によって、それなりにバリエーションを入れているものの、正直、取り入れ方もわかりやすすぎる感じもして、ピンとこなかったなぁ。在日ファンクを迎えた最後の「READY ON THE GROUND」はよかったと思うのですが・・・。

評価:★★★

BACK DROP BOMB 過去の作品
VENOMETEORIC
THE BDBEST

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2012年5月13日 (日)

2012年を代表する新人バンド・・・か?

Title:透明なのか黒なのか
Musician:赤い公園

最近、急激に注目を集めているバンド、赤い公園。なんか、とても不思議な名前のバンドですが、女性4人組のロックバンド。インディーズでミニアルバムを1枚リリース後、メジャーデビュー。このアルバムは、全9曲入りですが、うち3曲は1分に短い曲(?)で、事実上、6曲入り(といっても、うち1曲は2分に満たないのですが)のミニアルバムになっています。

そんな話題になっているバンドなのですが、一言で言うと・・・・・・・・・・一言で言い表せないバンドです(笑)。

1曲目を飾る「塊」は、最初静かにスタート。ちょっと不気味な童謡みたいな歌詞が耳に残りつつ、突如ヘヴィーなギターが鳴り響く感覚は、デビュー時のCoccoを彷彿とさせる感じが。

「透明」の冒頭の、まるで暗い下水道の中の足音のような出だしのリズムといい、「潤いの人」の、水の中の泡の音といい、不思議な音を奏でつつ、ヘヴィーなギターが入ったり、テンポのよいリズミカルな作品になったり。どこかポストロック的な要素も強かったり。

メロディーも昭和歌謡曲的な要素が入りつつ、「塊」とか「世紀末」なんかは、メロディアスといえばメロディアスだし、かといって、楽曲の複雑な展開と、それにからむアレンジは、ポップであることを拒絶しているようにも感じるし・・・。

ある種の「わけのわからなさ」が、いい意味での「先の読めなさ」につながっていて、それでいてしっかりとしたメロディーと、ガールスバンドらしいクリアなボーカルが、絶妙にポップなバランスを保っているような、実に不思議なバンド。オルタナだとかハードコアだとかポストロックだとか、いろいろなジャンル付けされそうでいながらも、そんなジャンル付けを拒否するような、不思議なバンドでした。

このアルバム、傑作!と大絶賛したり、はまった、といった感じではありません。というよりも、今の段階では、「よくわからない・・・」という部分も少なくないのが正直な感想。ただ、一方では、その展開に、最後まで耳が離せませんでしたし、次のアルバムも実に楽しみになってきたりしている自分もいます。

なんでも、先日、彼女たちのポップな側面を押し出したミニアルバム第2弾「ランドリーで漂白を」が発売されたとか。このミニアルバムを聴けば、赤い公園というバンドがどんなバンドなのか、もっとわかるのでしょうか?

とりえあず、次のアルバムが楽しみなのは間違いありません。2012年を代表する新人バンドになるか??今後に要注目です。

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

plenty/plenty

昨年、ドラムスが脱退し、2人組となったオルタナ系ギターロックバンド。タイトルがそのまま内容をあらわした「人との距離のはかりかた」という曲が収録されていますが、この曲をはじめ、全体的に、どこか居場所がなく、孤独を感じる若者を歌った曲が多いのが特徴的。っていうか、完全に「中2病」バンドです(笑)。いや、それって決して悪いことじゃなくて、やはり10代の頃って、多くの人がこういう感覚を抱くでしょうし、逆にそんな世代の若者の心境をストレートに、上手く読み取っていると思います。まあ、それだけに30代以上にとっては、青すぎて、ちょっと厳しい部分もあるのですが・・・。あと「待ち合わせの途中」の歌詞につかわれている「此処ではない何処か」は、NGワードだと思います(笑)。

評価:★★★★

plenty 過去の作品
拝啓。皆さま
理想的なボクの世界

北と南/OKI meets 大城美佐子

アイヌの楽器「トンコリ」奏者で、アイヌ民謡を楽曲に多く取り入れるOKIと、沖縄民謡の歌い手、大城美佐子によるコラボアルバム。まさにタイトル通り「北と南」。どちらも日本でありながらも、本土の文化とは全く異なる文化背景を持ったミュージシャン同士のコラボ。そこからどんな音楽が産まれるのか、興味深かったのですが・・・

アルバムは全体的に沖縄民謡主導な印象が。ひょっとしたら詳しい人に言わせれば、沖縄民謡とは全く異なるモノになっているのかもしれませんが、正直、パッと聴いた感じでは、一部の曲では、OKIの演奏が生かされていたのですが、全体としては、大城美佐子の色の方が強かったような。これはこれでよかったとは思うのですが、北と南の融合、というイメージとは、ちょっと違ったような・・・。

評価:★★★★

OKI 過去の作品
SAKHALIN ROCK(OKI DUB AINU BAND)

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2012年5月12日 (土)

企画盤だけど聴き所たくさん

Title:15th P
Musician:POLYSICS

結成から15周年を記念してリリースされた、POLYSICSの15周年記念盤。もっとも、15年前というのは、初ライブの時点。私がはじめて知ったのは、「1st P」がリリースされた1999年頃だったのですが・・・それでも、もう13年も経つんですね・・・。あの頃は、「ライブを3回見ると飽きる」なんて言われていたのですが・・・もう隔年の感はあります(って、なにかにつけ、このコメントしているような(^^;;)

今回のアルバムは、15周年を記念した企画盤、ということで、1曲1曲、ちょっと変わった試みが行われています。1曲目「Buggie Technica 2012」は、デビューアルバム「1st P」に収録されていた曲のセルフカバーですし(イントロは、いかにもPOLYSICSといった象徴的な感じですね)、彼らの決め台詞をそのままタイトルにした「ありがTOISU!」は、なんといままでリリースされた曲の中から61曲(!)をマッシュアップした作品だとか。

「Mix Juice」は初のラップに挑戦したり、「明るい生活」では、チュートリアルの徳井義実が参加しているコント調(?)の楽曲だったり、「友達ケチャ」では、総勢67人のミュージシャンが参加しているとか・・・。

一方、音楽的な側面でも、「MECHA-MANIA BOY」では、なんと彼らの憧れDEVOのMark Mothersbaughとコラボしたエレポップナンバーだったり、そして、個人的にうれしかったのが、「1.2.ダー!」で、小島麻由美と元GO!GO!7188のゆうという、個性的な女性ボーカリスト2人のデゥオによる昭和歌謡風エレポップ。コジマユとGO!GO!7188のファンである私にとっては、この曲だけでも別の意味でうれしかったです(笑)。

そんな訳で、お遊び的要素が強い反面、音楽的にもきちんと聴かせてくれる、この絶妙なバランス感覚がまた、なんだかんだと言われながら、15年と、長く活動を続けてこれた大きな理由かもしれません。

ファンズアイテム的アルバムでありながらも、いままでPOLYSICSを聴いてこなかった人にとっても、最初の1枚として取っ付きやすいアルバム。ただ、「ライブバンド」としての側面は、このアルバムではあまり強くは感じられませんでしたが。

評価:★★★★★

POLYSICS 過去の作品
We ate the machine
We ate the show!!
Absolute POLYSICS
BESTOISU!!!
eee-P!!!
Oh!No!It's Heavy Polysick!!!

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2012年5月11日 (金)

GW中のチャート

今週の着うたチャート

2012年4月25日~2012年5月8日付チャート

着うたチャートは、先週はゴールデンウィークでお休みだったので、今週は2週分のチャートとなります。

そのGW中のチャート、1位は前回3位だったいきものがかり「ハルウタ」が獲得。初登場から5週目にして、初の1位獲得となりました。2位は、前回1位のGReeeeN「オレンジ」がワンランクダウンながらも、根強い人気で2位をキープしています。

3位には、前回12位だったAKB48板野友美のソロシングル「10年後の君へ」が2週目にして初のベスト10入り、かつ、ベスト3入り。AKB48からのソロはもう1曲。今週のシングルチャートで2位を獲得した指原莉乃「それでも好きだよ」が初登場で5位に入ってきています。

今週、初登場はもう1曲のみ。ゴールデンウィーク中のチャートということで初登場は少なくなっています。それが7位初登場Juliet「ヒミツ ~キミのそばに居るために~」。5月16日発売予定シングルからの先行配信。着うたチャート「だけ」でおなじみの女性3人組ユニット。タイトルで大体の想像が出来てしまう、とりたてて特徴のないラブソング。最近は、着うたでも苦戦していて、前作「ジモト」は36位はかなり崖っぷちな状況でしたが、前々作「モトカノ」以来の着うたでのベスト10ヒットとなりました。

他には今週の返り咲き曲が・・・9位にB'z「GO FOR IT, BABY -キオクの山脈-」が、55位から大きくランクアップし、初のベスト10入り。10位には、韓流男性アイドルグループBIGBANG「FANTASTIC BABY」が15位からランクアップし、4月10日付チャート以来、3週ぶりのベスト10返り咲きとなっています。


今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週は、対象週がゴールデンウィーク真っ最中だったということもあり、新譜は少なめです。

そんな中、今週はゆずのベスト盤「YUZU YOU[2006-2011]」が2週連続1位を獲得。売上5万8千枚で、先週の14万9千枚とあわせて、20万枚を突破しています。また、2位にはBENI「COVERS」が、先週の14位から一気にランクアップ。売上も6千枚から1万8千枚と3倍増。カバーアルバムでロングヒット狙いという作戦は、見事に功を奏した模様です。

初登場で最高位は3位。中川翔子「しょこたん☆べすと--(°∀°)--!!」がランクイン。デビュー10周年を記念した、タイトル通りのベスト盤。初動売上は1万4千枚。前作のカバーアルバム「しょこたん☆かばー4-2~しょこ☆ロック篇~」の7千枚から倍増。3位もアルバムでは自己ベスト。ただし、直近のオリジナル「Cosmic Inflation」も初動1万4千枚だったので、ベスト盤としては、浮動層をほとんど獲得できなかった模様です。

4位以下で初登場は・・・

8位に、なんと、3人組ロックバンドandymori「光」がランクインです。決して派手なバンドではないものの、音楽ファンから着実な人気を得ている彼ら。4作目にして、初のベスト10ヒットです。ただし、初動売上8千枚は、12位に終わった前作「革命」の1万枚よりダウン。低水準だった今週のチャートに助けられてのベスト10入りとなった模様です。

もう1枚。9位には、レゲエパンクバンドSiMのミニアルバム「LiFE and DEATH」がランクイン。前作「SEEDS OF HOPE」は最高位55位だったので、順位を大幅にあげて、もちろん初のベスト10ヒットとなりました。ただし、売上はわずか6千枚とかなり寂しい感じ。わずか6千枚でベスト10ヒットですか・・・・・・うーん・・・。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年5月10日 (木)

大化けした2枚目

Title:この声
Musician:高橋優

高橋優、大化けしました!!

高橋優というシンガーソングライターの曲をはじめて聴いたのは、前作「リアルタイム・シンガーソングライター」でした。メディアを中心にかなりプッシュされているシンガーで、どんなもんだろうか、とはじめて聴いてみました。

ただ、正直言って、前作は、あまりピンと来ませんでした。特に心に残るような歌詞もなければ、メロディーもさほど後に残らず。なんだ、完全に「ハイプ」か・・・ぶっちゃけて言ってしまうと、そう思ってしまいました。

ところが、最新アルバム「この声」を聴いて、彼に対するイメージが完全に変わりました。アコースティックなサウンドをベースに、彼の力強い声が響くこのアルバム。そこで描かれる世界で歌われる厳しい現実は、聴いた私の心に深く刻み込まれました。

特に序盤「蛍」「誰がために鐘が鳴る」「雑踏の片隅で」は、「2ch」あるいは「~なう」などといったネット用語をたくみに取り入れて「今の時代」を皮肉的な視点で厳しく切り取りながら、その一方で明日への希望を歌っています。

そしてそんな現実を歌いながらも続く「気ままラブソング」では文字通り、気ままなラブソング。現状を肯定しながら、その中での幸せを見つけていこうとするこの曲は、大変な現実の中にいきる私たちにとって、心に響くナンバーだと思います。

他にも、「一人暮らし」なんかは、タイトル通り、一人暮らし経験者にとっては、やけにリアリティーがあり、共感をおぼえそう。どの曲も1曲1曲、描写が妙にリアリティー。ただ、多くの曲に共通しているのが、日常に立脚した視点の歌詞で、現実を否定せず、平凡な生活の中で、希望を見つけようとするスタンスを感じられます。

この「ささいな日常の肯定」というスタンス、どこか斉藤和義に通じるものを感じます。その力強い歌声といい、等身大な歌詞の姿勢といい、もうちょっと肩の力が抜ければ、斉藤和義の後継者的な位置につけるだけのシンガーソングライターになれるかも?いや、2作目でグッとおもしろくなりました。これは、これからが楽しみです。

評価:★★★★★

高橋優 過去の作品
リアルタイム・シンガーソングライター


ほかに聴いたアルバム

guitarium/miwa

こちらは女性シンガーソングライターの2枚目。前作から大ブレイクしていたのですが、ちゃんと聴くのはこれがはじめて。イメージ通りギター主体のガールズロックがあるかと思えば、スカ風のリズムを取り入れたり、打ち込みを入れたり、ハードロック風のナンバーがあったりとバラエティー豊富・・・なのですが、変に様々なタイプの曲をやっているだけに、彼女の核の部分がいまひとつ見えてこないような。作風が豊かというよりもバラバラな印象を受けてしまいました。

評価:★★★

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2012年5月 9日 (水)

ライバル対決・・・っていってもねぇ(苦笑)

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週は、同じAKB48がらみの曲が、1位2位を獲得しています。

1位は、AKB48の「公式ライバル」乃木坂46「おいでシャンプー」、2位はAKB48からのソロデビュー作、指原莉乃「それでも好きだよ」がそれぞれランクイン。「ライバル対決」みたいな煽った話題が多いのですが、なんかこういう露骨に作られた感が、たまらなく嫌なんですが。「ライバル」なんて存在まで、こんなわかりやすい形でつくってあげなくてはいけないんですか、今の音楽業界って??乃木坂46は、初動15万5千枚。デビューシングルの前作「ぐるぐるカーテン」の13万6千枚よりアップです。

3位には、YUKI「プレイボール」がランクイン。ベスト3入りは、2005年の「ドラマチック」以来7年ぶり。前作「Hello!」はアルバム先行シングルということもあり、最高位13位初動1万3千枚に終わりましたが、本作は初動2万1千枚までアップ。前々作「ひみつ」の1万5千枚も上回っています。YUKIといえば、先日、ソロデビュー10周年を記念して、東京ドームライブを決行。バンドとソロの両方で東京ドーム公演を行った女性ミュージシャンは史上初だとか。

以下、初登場は・・・

まず5位に、ヴィジュアル系バンドシド「残り香」がランクイン。正直、ちょっといまさら感のある「桜」ソング。初動売上2万枚は、前作「冬のベンチ」の2万5千枚からダウン。前々作「いつか」は初動4万枚だったので、下落傾向が続いています。2週連続シングルリリースだそうで、来週にランクインされるであろう第2弾「S」の結果も気になるところ。

今週は、1位2位がAKB48系だったのですが、6位7位も女性アイドルグループが並んでいます。6位にはハロプロ系アイドルグループスマイレージ「ドットビキニ」が、7位は、これがメジャーデビューになる私立恵比寿中学「仮契約のシンデレラ」がそれぞれランクインしています。スマイレージは初動2万枚。前作「チョトマテクダサイ!」の1万9千枚からほぼ同水準。私立恵比寿中学は、インディー時代の前作「もっと走れっ!!」が初動5千枚でしたが、一気に初動1万9千枚までアップです。

最後2曲は、いずれも男性シンガー。ちょっと方向性は違いますが・・・。

9位には、最近好調の三浦大知「Two Hearts」。テレビ朝日系ドラマ「ANSWER 警視庁検証捜査係」主題歌。伸びやかなクリアボイスでしっかりと聴かせるナンバー。なんと、これがシングルでは初のベスト10入りとなりました。初動売上は、前作「Turn Off The Light」の8千枚から倍増の1万6千枚。アルバム「D.M.」が初のベスト10ヒットを記録しましたが、シングルもそれに続く結果に。この勢いはまだ続きそう。

最後、10位には、斉藤和義「月光」がランクイン。斉藤和義といえば、前作「やさしくなりたい」が主題歌となったドラマ「家政婦のミタ」が大ヒットを記録しました。続く本作も、またもドラマタイアップ。しかし、そのタイアップがついたフジテレビ系ドラマ「家族のうた」が大コケし、逆の意味で話題になっています。ただし、初動売上1万4千枚は、その「やさしくなりたい」の1万5千枚からほぼ横バイ。ドラマ人気がほとんど関係していないのがおもいろいところ。歌詞の中で「キース・リチャーズ」「ジョー・ストラマー」という有名なロックミュージシャンの名前が入ってくるところがいいですね。現実の中でもがく男の姿を歌うロックナンバーという、実にせっちゃんらしい曲に仕上がっています。

今週のシングルチャートは以上。アルバム&着うたチャートは金曜日に~。

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2012年5月 8日 (火)

ポップ回帰??

Title:Kitsune Maison Vol.12-Good Fun Issue

ここのサイトでも、何度か紹介している、フランスのレーベルKitsuneからリリースされるコンピレーションアルバムの第12弾。毎回、エレクトロ系のミュージシャンを中心に、最新の音楽シーンを彩るミュージシャンたちの新曲が紹介されており、今のシーンを知るにはうってつけな、お得なコンピになっています。

まずおもしろかったのが、The Cast Of Cheersというバンドの「Goose」。パンキッシュで、エッジの効いたギター、ダンスナンバーのようなリズミカルなリズム、なにげにポップでキュートなメロが魅力的。アイルランド、ダブリン出身の4人組バンドで、なかなかおもしろそうかも。

ノルウェーのエレクトロ・デゥオ、Lemaitre「Excuse Me」も、強いビートのエレクトロ路線に、端整なボーカルのメロディーラインが乗った、ポップだけど刺激的なナンバーで魅力的ですし、全体的にちょっとシューゲイザー系のような、ノイジーなエレクトロに哀愁のあるメロがのったMan Without Country「Closet Addicts Anonymous」なども個人的には自分好みかも(^^;;

全体的には、エレクトロサウンドをベースに、しっかりとしたメロディーラインをのせてくるポップなミュージシャンが多かったような印象を受けました。前に聴いた「Kitsune Maison 10」も、80年代を彷彿とさせるようなキュートなメロディーラインを書いた楽曲が多かったような印象を受けたのですが、時代的にポップ回帰が進んでいるのでしょうか?

他にも魅力的なミュージシャン、楽曲が多く、エレクトロ系、ポストロック系が好きなら、是非。

評価:★★★★★

Kitsune Maison 過去の作品
Kitsune Maison 7
Kitsune Maison 9
Kitsune Maison 10-The Fireworks Issue


ほかに聴いたアルバム

COLLAPSE INTO NOW/R.E.M.

昨年9月、突然の解散を発表した、アメリカのオルタナティヴバンドR.E.M.の、事実上、ラストアルバムとなった作品。最後の最後まで彼ららしさを貫いたアルバムで、アメリカンロックらしい、ちょっと泥臭くも、ポップで魅力的なロックが並んでいます。

評価:★★★★★

R.E.M. 過去の作品
Accelerate

Goodbye Lullaby/Avril Lavigne

こちらも良くも悪くも彼女らしいアルバム。全体として、カラッとして、いかにもといった感じのアメリカらしい(・・・って彼女はカナダ出身ですが(^^;;)ポップスロックが並んでいます。ただ、ポップなメロディーラインはいい意味で癖がなく、日本でも洋楽リスナーという層を超え、多くのファンに支持されている理由はわかる感じが。

評価:★★★★

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2012年5月 7日 (月)

正統派ポップスバンド

Title:NEWTRAL
Musician:いきものがかり

以前のレビューの時にもおなじようなことを書いたのですが、いきものがかりは、今、コブクロや絢香あたりと並んで、90年代に一世を風靡した「J-POP」のスタイルを、もっとも忠実に継承しているバンド・・・と思っています。歌詞もメロディーも愚直でシンプル。良くも悪くも耳に残るものの、好き嫌いがわかれそうな主張も少ない・・・そう、今回のアルバムのタイトルの基になった「中立=ニュートラル」という表現は、彼女たちにピッタリの立ち位置ではないでしょうか。

彼女たちが上手いのは、シンプルなポップ路線の中に、微妙に様々な作風の曲を取り入れていること。このアルバムの中でもポップなパーティーチューン「KISS KISS BANG BANG」や、軽快でかわいらしいポップナンバー「センチメンタル・ボーイフレンド」、ラテンテイストも取り込んだ「NEW WORLD MUSIC」など、バリエーションのある作品をアルバムの中にまぶしてあり、最後まで飽きさせない工夫がされています。

今回のアルバム「NEWTRAL」は、「NEUTRAL」(中立)の「U」を「W」に変えて、「新しい普通」というニュアンスを出そうとしているそうですが、キャバレーロックテイストの「恋詩」など、新しい雰囲気のナンバーも。ただ、それでもあくまで「いきものがかり」として予想できる範疇におさめているあたりが、彼らのバランス感覚を感じます。

明るいポップナンバーから、正統派バラードまで、インパクトあるメロディーラインの曲も並んでいますし、2年3ヶ月ぶりと、途中、ベスト盤の発売もあったものの、久しぶりのアルバムとなった本作ですが、以前の作品から、まだ勢いは衰えていない模様。アイドル系やK-POP系、あるいはアニソン系ばかりになりつつある今のチャートの中で、数少ない正統派ポップスバンドとして、まだまだ活躍が期待できそうな新作でした。

評価:★★★★

いきものがかり 過去の作品
ライフアルバム
My Song Your Song
ハジマリノウタ
いきものばかり

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2012年5月 6日 (日)

相変わらずな彼ら

2人組宅録ユニットCOIL。その卓越したメロディーセンスが実に魅力的なユニットで、個人的にデビュー当初から応援しているのですが、あまり派手さがないためか、いまひとつ芽が出ず。「福耳」としての活動はあったものの、オリジナルアルバムが2008年の「Vitamin C」以降発売されていなかったため、どうしたのか心配していたのですが、昨年、いつの間にか3枚のアルバムをリリースしていたんですね!ただし、オフィスオーガスタファミリークラブという、事務所の公式通販サイトとライブ会場でのみ発売・・・・・・。1枚1,200円で、3枚買っても3,600円と1枚のアルバム並みだったので、3枚同時に買いました!その3枚が、この3枚!

Title:ソナチネ
Musician:COIL

Sonatine

Title:ボサノバ
Musician:COIL

Bossanova

Title:カフェラテ
Musician:COIL

Caffelatte

久しぶりに聴いたCOILの新作。「ソナチネ」の1曲目「僕と彼女とモーツァルト」は、タイトル通りモーツァルトのおなじみ「アイネ・クライネ・ナハト・ムジーク」の有名なフレーズがそのまま曲の中に使われているギターロックナンバー。しかし、このあまりにもインパクトの強いフレーズにまけないメロディーをしっかりと書いてきているのがCOILらしいところ。あいかわらずのメロディーセンスを再確認できます。

基本的に、どのアルバムも岡本定義作詞作曲で、彼がボーカルを取る曲が4曲、佐藤洋介が作詞作曲で彼がボーカルを取る曲が4曲。ミックスは佐藤洋介が手がけています。2人の作業の分担も、相変わらず。以前と変わらないCOILのスタイルを守っています。

オルタナ系のギターロックを2人の共通項に、岡本定義は、よりアコースティックテイストが強く、またメロディー志向が強い一方、佐藤洋介は、よりヘヴィーに、また打ち込みやサイケの要素が強い方向性があります。ひとつの根っこの上に、違う方向に葉を伸ばしていきながらも、微妙にからみあったりてい。本当にいいバランスの2人だよなぁ、ということを新ためて感じます。

3枚のアルバムは、大きな方向性は変わらないものの、あえていえば、「ソナチネ」はシンプルなポップが多く、「ボサノヴァ」は、アコースティック志向。タイトルがユニークな「イパネマの孫」なんてボサノヴァテイストのナンバーがあったり。「カフェラテ」は、ちょっと大人のテイストのアルバムかな?

そんな訳で、いつも通りマイペースともいえるCOILの新作。ギターロックやら歌謡曲っぽいやつやらボサノヴァやら打ち込みやら、いろいろなジャンルを取り込みながらも、ちゃんとCOILの音として仕上げてきているのはさすが。久々の新譜ながらも、彼らのスタイルは全く変わっていませんでした。もちろん、いい意味で。

これだけいい曲を書いていながら、なんで売れないのかなぁ~。オルタナ系のギターロックだったり、美メロのポップスロックバンドが好きなら、是非とも!1枚1,200円なので、とりあえず1枚、「ソナチネ」あたりから、どうですか?

評価:★★★★★

COIL 過去の作品
ギャルソン
Vitamin C


ほかに聴いたアルバム

Z16/THE ZOOT16

TOKYO No.1 SOUL SETの渡辺俊美によるソロプロジェクトTHE ZOOT16のベスト盤。基本的にソウルセットからラップが消えた感じ・・・ってそのままだな(^^;;基本的にラテンで、曲によっていろいろな試みもあるのですが、基本路線はほぼ一貫。メロディーはもちろん悪くないと思うのですが、さすがにちょっとダレるような・・・。

評価:★★★

THE ZOOT16 過去の作品
ヒズミカル

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2012年5月 5日 (土)

遊び心満載の原点回帰作

Title:SQUARE ONE
Musician:m-flo

前作「COSMICOLOR」で、いろいろなボーカリストとコラボを組んだ「loves」シリーズにひとまず幕をおろし、事実上の活動休止状態になっていたm-flo。「loves」シリーズの次は、どのような音を聴かせてくれるんだろう、と待つこと5年、待望となるニューアルバムがリリースされました!

今回のアルバムのコンセプトはSQUARE ONE=原点回帰。LISAと活動した第1期、「loves」シリーズの第2期に続く第3期として、原点に戻って新たな活動を再開した彼ら。ただ、原点回帰といっても、肝心な「音」に関しては「原点回帰」ではありませんでした。

デビュー当初のハウスやR&Bのテイストはむしろ薄れ、楽曲としては、エレクトロ方面の色合いが強くなっています。特に「Perfect Place」のように、ビートの強い今時のエレクトロナンバーが多く、今の彼らの音の興味が、こちらの方向であることが感じられます。

もちろん、そんな中で、パンキッシュでロックテイストが強い「Don't Stop Me Now」や、「So Mama I'd Love To Catch Up,OK?」などトランシーな楽曲、また、メロウな女性ボーカルが入った「All I Want Is You」の冒頭はかつてのm-floを彷彿・・・させながらも、途中からビートの強いエレクトロナンバーに突入してきます。

そんな訳で、楽曲自体は決して「原点回帰」ではありません。ただ、彼らがこのアルバムを「原点回帰」というのは、楽曲自体ではなく、アルバム全体の遊び心ではないでしょうか?

まず、このアルバム、数多くのゲストボーカルが参加していますが、誰がどの曲に参加しているか、一切明らかにされていません。そのため、はじめてアルバムを聴く時に、どんなボーカルが聴けるか、ワクワクしながら聴けましたし、また、聴いた後も、どの曲が誰なんだろう、という推測がまた楽しかったりします。例えばパンクロック風の「Don't Stop Me Now」はハイスタ難波章浩という予想が圧倒的みたいですし、「ALIVE」はEXILEのATSUSHIでは?という声がネットでは多いみたいです。そんな中、タイトルそのまま「Sure Shot Ricky」では、消臭力のミゲル君をサンプリングしていて、とてもユニークなナンバーになっています。

また、アルバム全体がひとつのドラマのようになっているのも大きな特徴・・・というと、初期のアルバムを思い出す方も多いのではないでしょうか。今年2012年というと、そう「EXPO EXPO」で、バーチャル万博が行われる年。しかし、このアルバムの中では、不況の影響で、万博は中止に。グローバルアストロライナー社も倒産というニュースも飛び込んできます。思えば、「EXPO EXPO」が世に出た2001年は、CDも今とは比較にならないほど売れていたし、世の中も、まだ今よりは、明るい雲行きが見えていた時代。それと比べて今は・・・。そういう空気をたくみに読み込みながらも、物語の最後では・・・続きは是非CDを聴いてみてください(笑)。

「loves」シリーズでももちろん遊び心は多かったのですが、今回のアルバムはそれにも増して遊び心満載のアルバム。そう、この遊び心こそが、m-floの大きな魅力。そういう意味でも、まさに「原点回帰」のアルバムになっていたと思います。

音的には、正直言うと、ここ最近流行りの音で、「彼らもこの方向性に向かうんだ・・・」と思うとちょっと残念。とはいえ、彼ららしいポップスセンスあふれるメロディーは健在。十二分に楽しめる内容だと思います。

本格的に復活した彼ら。次は、やはりリミックスアルバムで、そのアルバムでは、本作の続きの物語も??と思うと、次回作もとても楽しみになってきます!m-floは、やはりこうでなくちゃ!あらためてそう思った1枚でした。

評価:★★★★★

m-flo 過去の作品
electriCOLOR -COMPLETE REMIX-
Award SuperNova-Loves Best-
m-flo inside-WORKS BEST III-
MF10 -10th ANNIVERSARY BEST-
m-flo inside-WORKS BEST IV-


ほかに聴いたアルバム

Condenser Baby/SHAKALABBITS

相変わらずのパンキッシュで元気なガールズロック路線炸裂な1枚。まあ、はっきりいって真新しさはなくマンネリ気味なのは否めないんですが、ええ、個人的に好きなんですよ、この手のガールズロックは(笑)。マンネリとはいえ、ポップなメロディーラインはやはり耳に残るし魅力的です。

評価:★★★

SHAKALABBITS 過去の作品
SHAKALABBITS
4 ALL AGES
Phasemeter Trippin' Bug Shake

VOICE/上原ひろみ featuring Anthony Jackson and Simon Phillips

このアルバムはすごい!

上原ひろみといえば、「THE STANLEY CLARKE BAND FEAT. HIROMI」がグラミー賞を受賞し話題になるなど、日本でも知名度の高いジャズピアニスト。しかし、「ジャズ」というカテゴリーなだけに、ロックやポップスフィールドであまり聴かれることのないようなイメージもあります。しかし、このアルバム、是非ともロック好きにも聴いて欲しい!特に1曲目2曲目は、バンドとの演奏が非常にスリリングで緊張感があり、まさに手に汗握る展開に。「Voice」では特に中盤のピアノとベースにドラムスがまざる演奏が、迫力満点。「Flashback」は、ピアノが奏でるメロに重なるポリリズム的なドラムスがとてもユニーク。その後も、緊張感ある演奏が続き、最後まで耳を離せません!ジャズにとどまらず、ロック好きならはまりそう。お勧めです。

評価:★★★★★

上原ひろみ 過去の作品
BEYOUND THE STANDARD(HIROMI'S SONICBLOOM)
Duet(Chick&Hiromi)

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2012年5月 4日 (金)

GW真っ最中のため・・・

今週の着うたチャートはお休みの模様です・・・。

今週のアルバムチャート

http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

あのデゥオのベスト盤が1位獲得です。

今週1位はゆずのベスト盤「YUZU YOU[2006-2011]」が入ってきました。タイトル通り、2006年から2011年までのシングルを収録した、3枚目となるベスト盤。初動売上14万9千枚は、オリジナルとしては直近の「2-NI-」の9万枚からは大きくアップ、ベスト盤効果が出ています。ただ、前回のベスト盤「HOME[1997-2000]」「Going[2001-2005]」は、それぞれ初動32万枚、28万枚を売り上げたので、そこからは大きくダウンしています。

今週は、ゆず以外にもベスト盤が目立つチャートになっています。2位にはヒルクライム「Best of Hilcrhyme~GOLD~」がランクイン。ちなみに2枚同時に発売しており、もう1枚「Best of Hilcrhyme~SILVER~」は7位にランクイン。2枚同時発売のアルバムで、ここまで差がつくというのは珍しいような・・・。もちろん「GOLD」に大ヒットした「春夏秋冬」が入っているというのも大きな理由でしょう。初動売上は「GOLD」が1万8千枚、「SILVER」が1万5千枚。オリジナルとしての直近作「RISING」は1万5千枚だったので、ベスト盤効果はほとんどなしといった感じでしょうか。「SILVER」に至っては、わずかですが、初動をダウンさせていますし。

3位は先週1位だったナオト・インティライミ「風歌キャラバン」が2ランクダウンながらもベスト3をキープしています。

4位も、ある意味ベストアルバム。テレビ東京系アニメ「BLEACH」で使用された曲を集めた「BLEACH BEST TRAX」がランクイン。T.M.RevolutionやAqua Timezの曲なども収録されています。このコンピ、これが第4弾ですが、初動売上1万7千枚は、前作「BLEACH BERRY BEST」の2万6千枚から大きくダウンしてしまいました。

今週は、他にも5位に、先週2位にランクインしたDef Tech「GREATEST HITS」が入っており、全体的にベスト盤が目立つチャートになっています。

6位には、麻枝准×やなぎなぎ「終わりの惑星のLove Song」がランクイン。麻枝准は、もともとアダルトゲームメーカーのシナリオライターや音楽で話題となったライター、やなぎなぎは、supercellのゲストボーカルとしても活躍するシンガーで、その2人が組んだ企画的アルバムみたいです。

8位は、ジャジーなポップソングが人気のアメリカの女性シンガーNORAH JONESの新作「Little Broken Hearts」がランクインです。初動売上は1万1千枚。コラボ作を集めた企画盤だった前作「...featuring(邦題:ノラ・ジョーンズの自由時間)」の8千枚からはアップ。ただし、オリジナルとしての前作「The Fall」の1万6千枚からはダウンしてしまいました。

そして最後、10位にはビジュアル系バンドSuG「Lollipop Kingdom」が入ってきました。メジャー3作目にして、初のベスト10入り。ただし、初動売上は前作「Thrill Ride Pirates」の9千枚と同水準。低水準のチャートに助けられたベスト10入りとなりました。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャート評はまた来週の水曜日に~。

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2012年5月 3日 (木)

やりたい音をヤスタカらしく

Title:STEREO WORXXX
Musician:capsule

ここ最近、すっかり中田ヤスタカの実験場となったcapsule。ポップ方面でやりたいことはPerfumeで、その他のミュージシャンは「お仕事」(きゃりーぱみゅぱみゅはちょっとやっつけすぎるだろ・・・)というスタンスはかなりわかりやすいものを感じます。

こしじまとしこがすっかり楽器の一部となってしまってから久しいcapsuleですが、本作では、さらにそのスタンスが明確。彼女の全身像がジャケットにこそなっていますが、残念ながら彼女のボーカルが前に出てくる曲はほとんどありません。

こしじまとしこのファンには、否定的な意見もあるみたいですが・・・ただ、ポップ方面をPerfume、capsuleは中田ヤスタカのやりたい音、というスタンスが定まって以来、capsuleのアルバムの出来は飛躍的に上昇し、このアルバムは、capsuleのアルバムの中でも最高傑作ではないでしょうか?特に、「Feelin' Alright」から「In The Rain」の流れは最高。メドレーみたいに切れ間無く続く3曲なのですが、最初はビートの強いロッキンなエレクトロナンバーからはじまり、最後はハウス風のメロウな雰囲気のナンバーまで、様々な展開を見せながらも、あくまでもバックにポップなメロが流れるのも彼らしいところ。こしじまとしこのボーカルの非常に効果的に配置してあり、確かに前面で歌うことはないかもしれませんが、その存在感は十分に発揮されているのでは?

「Step on The Floor」はPerfumeっぽさも感じられる爽やかでキュートなポップナンバーですし、「Tapping Beats」はどこかK-POP風なエレクトロナンバー。「All The Way」はラテン風なナンバー。全体的には、前作「WORLD OF FANTASY」の要素をさらに推し進めたといった感じでしょうか。いろいろと中田ヤスタカのやりたいことをやりたいようにやっているなぁ、と感じられます。

ただ、どの曲も、しっかりとメロディーが感じられ、あくまでもポップな曲づくりをしているのも彼らしいところ。最後を締める「Transparent」には、ちょっと初期のフレンチポップ風な要素もまた、capsuleらしいといえるでしょう。個人的に、capsuleのアルバムの中で最高傑作!な1枚でした。

評価:★★★★★

capsule 過去の作品
FLASH BACK
MORE!MORE!MORE!
FLASH BEST
PLAYER
WORLD OF FANTASY


ほかに聴いたアルバム

SOMEWHERE OUT THERE/MONKEY MAJIK

アコースティックサウンドをベースに、爽やかな音を聴かせるMONKEY MAJIKの新作。楽曲は、洋楽テイストで垢抜けている感じがするのですが、アルバム全体としては野暮ったさを感じてしまうのは何故だ?似たようなタイプの曲が多く、マンネリ気味だから?それとも、サウンドにいまひとつヒネリがないから??

評価:★★★

MONKEY MAJIK 過去の作品
TIME
MONKEY MAJIK BEST~10years&Forever~
westview

typical affair/面影ラッキーホール

音楽ファンの間で高い評価を得ている昭和歌謡風ファンクバンド面影ラッキーホール。いわゆる「ダメ人間」のリアリティーを赤裸々に描いた歌詞も話題なのですが・・・・・・「Whydunit?」に続いて、彼らのアルバムを聴くのは2枚目なのですが、ごめんなさい、正直、全然おもしろいとおもえません。子どもを虐待死させてしまう母親の心境を描いた「ゴムまり」は確かにおもしろいと思ったのですが(ただ、何度も聴きたくなるような曲ではありませんが・・・)、浮気をテーマにした「セカンドのラブ」なんて、テーマも平凡ですし、内容もひねりがなくて面白みもありません。

個人的に彼らの歌詞がいまひとつ面白く感じられないのは、「ダメ人間」のリアリティーを描きながら、「描いただけ」といった感じなんですよね。そこから普遍的なテーマを導き出すわけでもないし、人間の本質を鋭く切り取っている・・・とも思えません。前作で感じた感想と同様、インパクトはあります。ただ、インパクトだけ、そういう印象を抱いてしまいました。

評価:★★★

面影ラッキーホール 過去の作品
Whydunit?

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2012年5月 2日 (水)

バラエティーに富んだ新譜たち

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週も10曲中9曲が初登場!ただ、そのうち5曲がおなじゲームのキャラソンだった前回に比べて新曲はバリエーションに富んでいます。

まず1位はSMAP「さかさまの空」。NHK朝の連続テレビ小説「梅ちゃん先生」主題歌。ジャニーズ系が朝の連ドラ主題歌を担当するのはこれがはじめてだとか。また、ドラマにはSMAPのメンバーが出演しておらず、メンバーが出演しないドラマ主題歌を歌うのも彼らにとってこれがはじめて。ストリングスを効果的につかった、菅野よう子作編曲による爽やかで澄み切った青空を感じさせるナンバー。初動売上13万5千枚は、前作「僕の半分」の13万枚から若干のアップ。ドラマ主題歌効果は限定的だった模様。

1位がジャニーズ系なら、2位はAKBがらみ。AKB48板野友美のソロシングル「10年後の君へ」がランクイン。ちょっとラテン調の哀愁のあるナンバー。初動売上7万2千枚は前作「ふいに」の9万枚から大きくダウン。前々作では初動16万3千枚を記録しており、下落傾向が止まりません。ちょっと気になるところ。

3位には先週1位だったMr.Children「祈り ~涙の軌道」が2ランクダウンながらもベスト3をキープしました。

そんな訳で、唯一の旧譜が3位だったので、4位以下は全て初登場です。

まず4位にはいきものがかり「ハルウタ」がランクイン。なんか着うた系のヒットに似たようなタイトルの曲があったような・・・。マイナーコード主体のどこか切ないメロが印象的なナンバーは、映画「名探偵コナン 11人目のストライカー」主題歌・・・って、今回の主題歌はビーイング系じゃないんですね!ついに最後のビーイング系の聖域が崩れたということでしょうか?初動売上は3万5千枚で、前作「いつだって僕らは」の2万3千枚からアップ。前々作「歩いていこう」の3万枚からもアップしています。タイアップ効果でしょうか?

そして5位には、TM NETWORK「I am」が入ってきました!何度目の再始動??といった感じの彼らですが、ベスト10入りは2002年の「CASTLE IN THE CLOUDS」以来。今回の作品は、かなりシンプルなアレンジ&メロディーが好印象なナンバー。やはりPVでウツと木根さんと小室先生が椅子に並んで座っている図は、ファンからしたら思わずにやにやしてしまいます(笑)。初動売上2万1千枚は、前作「WELCOME BACK 2」の1万枚から大幅アップ。チケット付CDが発売された影響もあった模様ですが・・・。

6位7位は声優系。7位には人気声優ユニットスフィア「Non stop road」、8位には、人気女性声優花澤香菜 「星空☆ディスティネーション」がそれぞれランクイン。スフィアはTBS系アニメ「夏色キセキ」のオープニング。「Non stop road」はいかにもなアイドルソング。「星空☆ディスティネーション」もかわいらしいポップソングなのですが、どこか渋谷系っぽいのは、作編曲がRound Tableの北川勝利だから。納得。ちなみに、スフィアは前作「HIGH POWERED」の1万4千枚から大幅増の2万枚を記録しています。

8位9位も、ある意味、似たようなタイプというイメージが・・・。8位にはGReeeeN「オレンジ」、9位にソナーポケット 「月火水木金土日。~君に贈る歌~」がそれぞれランクイン。どちらも少々チープな前向きソング、楽曲にラップを用いている、等共通点が多いのですが、なぜか今回、どちらもなぜかはかったように、ラップを基本的には抑えて、ロックテイストなナンバーになっています。

初動売上はGReeeeNが1万4千枚と、前作「ミセナイナミダハ、きっといつか」の2万2千枚からダウン。ここ2作連続、初動売上がアップしていましたが、本作では一気にダウンしてしまいました。一方、ソナーポケットは、初動9千枚で、前作「365日のラブストーリー。」の6千枚からアップしています。

そして最後。10位には、ここまで出てこなかった韓流。男性シンガーSE7EN「LOVE AGAIN」がランクイン。約4年9ヶ月ぶりのニューシングルで、2作ぶりのベスト10ヒットとなりました。ただ、初動売上は11位に終わった前作「ありのまま」の1万枚からダウンの8千枚。低水準のチャートに助けられた形となっています。

そんな訳で、ジャニーズ系にAKB、声優に韓流、ベテランから中堅、ロックバンドにポップスに、と、今週は様々なタイプの曲がランクインし、バラエティーのあるチャートになっています。

今週は以上!着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2012年5月 1日 (火)

日本語ラップの歴史

先日、「文科系のためのヒップホップ入門」を紹介しましたが、この本で取り上げられていないのが、日本のヒップホップシーン。で、そんな日本語ラップの歴史を語った、うってつけの本が発売されました。

ロベルト吉野とのユニットで活動を続けるサイプレス上野と、東京ブロンクスの2人が、日本語ラップの代表的な名盤を1枚ずつ取り上げ、そのアルバムと、それにまつわるシーンを語る1冊。2007年にbounce.comに連載されたコラムに、今回、追加の対談も収録され、書籍として発売されたそうです。

取り上げられているアルバムは、キミドリからはじまり、ライムスターやスチャダラパー、ザ・ブルーハーブにリップスライム、さらには日本語ラップの黎明期を支えたいとうせいこうまで取り上げられており、幅広く、満遍なく網羅されている感じが。アルバムによっては、そのシーンの関係者も招き、トークに参加しています。

本人たちが「音楽語ってねー」と話していますが、アルバムの内容自体よりも、そのアルバムにまつわるシーンの空気を多く語っているのが特徴的。「文科系のためのヒップホップ入門」で、ヒップホップは、その「場」を楽しむことこそが楽しみである、と書かれていますが、さすがシーンの第一線で活躍している彼ら。ヒップホップの楽しみ方の壺を心がけている感じです。ただ、「文科系」の私にとっては、もうちょっと音楽の面も言及してほしかったのですが(^^;;

用語に注釈はついていますが、全体的には、少々「初心者」には入りにくい感もいなめません。特に、内輪的な話が多いので、私も「文科系のための~」を読んでいなかったら、かなりとまどったかも。もっとも、話を読んでいくと、そのアルバムも聴きたくなってしまうのは、なによりお2人の、ヒップホップに対する純粋な愛情を感じられるから。彼らが本当にヒップホップを愛してやまないんだなぁ・・・というのが、心からわかる文章になっています。

ただ、「文科系のための~」の感想でも書いた通り、この「内輪」的な空気は、やはり気になってしまいます。会話の中で、「ゲームにエントリーしないやつには発言権もないっていうのがヒップホップのルール」という発言があるのですが、正直、素直にはうなずけません。確かに、門外漢の意見は、事情を全く把握しておらず、トンチンカンであるケースは多いのですが、ただ、そういう意見に耳をふさいでいては、いつかはシーン全体が誰も見向きをされなくなってしまいます。一度、世の中に発表される作品は、どんな意見も甘受すべき。これが社会のルールではないでしょうか。

そういう意味では、「文科系のための~」で感じた、ヒップホップの限界を、この本でもまた感じてしまいました。今はシーンに活気があり、勢いがあるだけに、内輪的な空気が、逆に魅力にすらなっているとは思うのですが・・・。

とはいえ、ここで紹介されているアルバムには、非常に興味を持ちました。また、機会を見つけて、少しずつ聴いていきたいなぁ。

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