名ソングライターによる珠玉の作品たち
Title:Don't Count Me Out
Musician:GEORGE JACKSON
先日紹介した、「Fame Studio Story」でも、その曲を聴くことが出来るGEORGE JACKSONのコンピ盤。GEORGE JACKSONというミュージシャンは、ジェイムス・カーやウィルソン・ピケットなどに数々の名曲を提供した作家として、その名前を知られるミュージシャンです。
彼自身、アルバムをリリースしたことがなく、楽曲はシングルでのみ聴けるのみでしたが、ここ最近、そんな彼の楽曲をまとめてCD化したアルバムがリリースされているようで、これもそんなアルバムの1枚。そのフェイム・スタジオに残してきた曲を収録しているそうです。
さて、そんな彼ですが、ボーカリストとしての実力は、他の著名なシンガーに比べて、やはり一歩劣る、と思わざるをえません。「Fame Studio Story」を聴くと顕著ですが、決してパワフルなボーカルでもスウィートな声の持ち主でもない彼のボーカルは、至って「普通」といった感じ。確かに、やはり作家タイプなんだなぁ、と感じます。
しかし、彼の書く楽曲は、そんなボーカリストとしての実力なんて、どうでもよくなるほど、実に魅力的。このアルバムには、そんな素敵な名曲が数多く収録されています。
例えば「GETTING THE BILLS(BUT NO MERCHANDISE)」は、しんみりと切ないメロがとても魅力的ですし、続く「LET'S STOP HURTING EACH OTHER」が醸し出すムーディーな雰囲気も印象に残ります。「YOU CAN'T MAKE IT NO BETTER」みたいなファンキーなナンバーもあったり、「GREASY TWO BY FOUR」みたいな正統派のブルースナンバーがあったりとバリエーションも豊富。しかし、どの曲も、実に見事なメロディーラインが心ひかれる楽曲に仕上がっています。
全24曲。かなりボリュームたっぷりの内容ですが、その珠玉の名曲の数々に聴きほれ、あっという間に幸せな時間が過ぎていくようなアルバムでした。今回のアルバムは、CD化第1弾で、今後、第3弾まで予定されているとか。まだまだ他にも魅力的な楽曲が数多く待ているわけですね!いまからとても楽しみです!!
評価:★★★★★
ほかに聴いたアルバム
2011 GRAMMY NOMINEES
毎年、日本でも大きな注目を集めるアメリカを代表する音楽賞、グラミー賞にノミネートされた楽曲をあつめたコンピ盤。今年はAdeleが賞を独占し、大きな話題となりましたが、こちらは昨年盤です。
2011年を代表する楽曲が収録されている訳ですが・・・・・・はっきりいって、いまひとつおもしろくない(苦笑)。Lady AntebellumやBruno Marsなど、メロディーは耳を惹きますし、決して悪くはないのですが、楽曲に真新しさはありませんし、音楽シーンの次の一歩を占えるような楽曲は皆無。確かに、Lady Gagaとか、個人的に好きですが、インパクトはあるのはそのスタイルで、楽曲自体には、(もちろんいい曲だとは思うんですが)新鮮味は薄いんだよなぁ。
昨今、CDが売れないというのは、もちろんダウンロードへの媒体の変化もあるのですが、それ以前に、純粋に音楽シーンに、真新しい動き、新しいジャンルがあらわれていないというのが大きな理由のような気もします。今度を考えると、ちょっと不安にすら感じられるコンピ盤でした。
評価:★★★
| 固定リンク
「アルバムレビュー(洋楽)2012年」カテゴリの記事
- 21世紀のシューゲイザーバンド(2013.01.06)
- 「今風」のR&Bなれども(2012.12.22)
- 今を生きるブルース(2012.12.18)
- ブレイク後の彼ら(2012.12.09)
- 天才、復活(2012.12.16)
コメント