水と油
神聖かまってちゃん×B.B.クィーンズ 夢のENDは鳴り止まないっツアー!
会場:Zepp Nagoya 日時:2012年3月18日(木) 19:00~
ミュージシャン同士が一緒に組んでシングルをリリースしたり、ツアーをしたりすることは決して珍しいことではありません。その組み合わせには、相性がよさそうで、期待できる組み合わせあれば、なぜ、この2組が?と思うケースもあります。ただ、この組み合わせの予想外加減には、心底驚かれました。
神聖かまってちゃんとB.B.クィーンズ。もともと、かまってちゃんの出囃子で、B.B.クィーンズの「夢のENDはいつも目覚まし!」を流していたのがきっかけだそうですが、B.B.クィーンズといえば、ご存知90年代に一世を風靡したビーイング系のユニット。それもちびまる子ちゃん主題歌の「おどるポンポコリン」のためにデビューした、まずビジネスありきのユニット。逆に神聖かまってちゃんは、「商業音楽」のスタンスからはほど遠い自由な活動が特徴的なバンド。完全にスタンスとしては逆のバンドがコラボすると、どうなるのか・・・そう期待半分不安半分で、多分最初で最後となるであろうツアーを是非とも見たい!ということで出かけていきました。
で、結論としては水と油(笑)。最後まで、ほとんど2組が交わることのない、ある意味、ちょっと不思議なライブイベントとなっていました。
会場に入ると、←こんな手ぬぐいがプレゼント。開始10分前には、BBゴローという芸人さんのちょっと寒い(笑)前説があり、ライブがスタートしました。
最初に出てきたのはB.B.クィーンズ。出囃子が、B.B.KINGの名盤「LIVE AT THE REGAL」の冒頭だったのに、軽くしびれそうになりながらメンバーが登場。例のごとく、坪倉唯子は、前身の星を着飾ったど派手なドレスで登場。近藤房之助も、以前とおなじ「インチキおじさん」(笑)スタイル。そして宇徳敬子!40過ぎてもめちゃくちゃきれいなんですが。最初の曲は、タイトルがわからなかったのですが、ギターの増崎孝司と近藤房之助がブルージーでロックなギターをかきならして、ミュージシャンとしての実力を見せ付けてくれました。
そして、続くは神聖かまってちゃんの「ロックンロールは鳴り止まないっ!」のカバー。先日発売された、かまってちゃんとB.B.クイーンズのスピリットシングルにも収録されていたカバー曲です。このカバーは正直言っていまひとつ・・・。なんというか、彼ら、上手すぎるんですよね・・・。あの原曲のような、若々しいバンドだからこそ感じられるようなパワーというかリアリティーがなくて、聴いていて、違和感がぬぐえませんでした。
その後は、ちょっと懐かしい、ちびまる子ちゃんのオープニングテーマ「夢いっぱい」に、坪倉唯子がステージから去ったと思ったら、宇徳敬子がメインとなり、近藤房之助と、「Good-bye Morning」に、さらに、なんとMi-Keの曲「想い出の九十九里浜」。いやぁ、出し惜しみなしの懐かしのヒット曲連発に、感涙。さらには「ぼくらの七日間戦争」に、「ドレミファだいじょーぶ」など、日テレ系のバラエティー「はじめてのおつかい」で流れている曲のメドレー、そして最後はおなじみ「おどるポンポコリン」で締めくくり。会場はかまってちゃん目当てのファンが多かったのですが、最後の「ポンポコリン」ではさすがに会場大盛り上がりでした。
いやぁ、やはり実力のあるミュージシャンたちが集まったユニットだけあって、ステージは非常に安定していて、懐かしいヒット曲連発に、とても楽しめたステージでした。ヒット曲も出し惜しみなしという、まさにエンターテイメント性あふれたステージだったと思います。
そして後半は神聖かまってちゃんの登場。後ろで見ていたかまってちゃんのファンも前につめかけて、会場はさらにヒートアップしました。
「怒鳴るゆめ」からスタートしたこの日のライブは、基本的に持ち時間が限られているためでしょう、テンポがサクサクとすすんでいきます。の子は、いつも通り、monoへ悪態をつきながら、みさことmonoで、の子をなだめながらライブの進行をしていくというスタンスは、前回のライブと同様。ただ、基本的に、やはり時間がないためか、曲の間のMCの時間は短く、次から次へと曲が進んでいきます。
バンドとしての実力はあきらかにB.B.クィーンズの方が上ですし、安定感も比較にならないのですが、やはりライブバンドとしての勢いや迫力、見ていていい意味での緊張感が感じられるのは、かまってちゃんの方が上。特に中盤、「僕は頑張るよっ」から「アルティメット・レーザー」、さらに「ロックンロールは鳴り止まないっ!」の流れは、ライブバンドとしての実力も感じ、思わず見入ってしまう迫力がありました。
本編ラストは「夕方のピアノ」で終了。約1時間、先日のかまってちゃんワンマンに比べると、かなりあっさりとした内容ながらも、彼ららしさは凝縮されていたと思います。確かに、曲間のウダウダなMCもいいのですが、純粋に曲の魅力をライブでみせるというのならば、この日のように、限られた時間の方がいいのかも??
で、アンコールの時間では、また前説を担当したBBゴローが登場し、抽選タイム。の子と近藤房之助が使っていたギターをプレゼントということで、2人が抽選で当たり、壇上でプレゼントを受けていました。
アンコールでは、神聖かまってちゃんとB.B.クィーンズのメンバーが並び、「夢のENDはいつも目覚まし!」を披露。演奏は、B.B.クィーンズにみさことちばぎんが加わってといった感じで、monoは、坪倉唯子にあわせて踊っていました(笑)。で、の子は終盤まで登場せず、最後にちょっとだけ登場し、曲は歌わず、奇声を発して帰っていきました(苦笑)。
その後は、クィーンズのメンバーは去っていき、ふたたびかまってちゃん。ラストは「いかれたニート」でラストは「ちりとり」でライブは終了。約2時間半。神聖かまってちゃんの単独ライブは3時間だったので、それに比べれば、ちょっと短めのライブでした(笑)。
さて、冒頭で書いたのですが、このライブ、最後までほとんど両者が交わることがなかった、という印象を受けました。まずファン層がまじわらない。かまってちゃん単独でもZeppがギリギリ埋まるかどうかという程度なだけに、この日は予想通り、客は少なめ。Zeppの後ろ1/3のスペースは、物販と、そしてライブのあとに行われた握手会の会場になり、客を入れていませんでした。
また、の子の方から、積極的にB.B.クィーンズに構うことはほとんどなし。アンコールの「夢のEND~」でも、ほとんど(というか全く)歌わず、終始、ふてくされた態度をとっていましたし。彼らしいといえば彼らしいのですが、この交わらなさは、予想通りといえば予想通りですし、全く違う両者から、新しい何かが生まれるのでは?とちょっと期待していた私にとっては、ちょっと残念・・・。
ライブ自体は、B.B.クィーンズも神聖かまってちゃんも、とても楽しいステージでおなか一杯になったのですが、正直、この両者で一緒にライブをやる意味があったのかな??なんてことまで思ってしまったライブイベントでした。まあ、こういういまいち訳のわからなさも、神聖かまってちゃんらしさ、なのかもしれないのですが、うーん。
| 固定リンク
« 3週連続! | トップページ | ふるさとへの思い »
「ライブレポート2012年」カテゴリの記事
- 2012年ライブまとめ(2012.12.30)
- ロックバンドとしてのステージ(2012.12.28)
- アットホームな3時間(2012.12.06)
- 森、道、市場 その2(2012.11.10)
- 森へ行ってきました。(2012.11.09)
コメント