ベテランの域に達しても・・・
Title:Some Girls LIVE IN TEXAS '78
Musician:THE ROLLING STONES
「『サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス'78』はローリング・ストーンズの1978年7月18日、テキサス州フォーと・ワースのウィル・ロジャース・メモリアル・センターでのライヴを全曲収録した作品だ。
これまで一部のみアメリカでテレビ放映されたことがあるが、全曲収録版が世に出るのはこれが初めて。33年の月日を経て、幻の映像が公式リリースされるのは、ひとつの歴史的事件といっていい。」
(ライナーツノートより)
今年、結成50周年を迎えるTHE ROLLING STONES。ここ数年、ストーンズとしての活動は鳴りを潜めていますが、逆にストーンズがらみのアイテムや、リイシュー盤などの販売が相次いでいます。
この作品もそんな1枚。ライブアルバム・・・・・・というよりも、DVDがメインで、CDは初回盤のみについているおまけといった感じですね。1978年といえば、ミックやキースは35歳。世の中ではパンク・ムーブメントが起こっており、ディスコミュージックなどもヒットし始めた頃だそうです。
そんな中、既にベテランバンドの領域に達してしまった彼ら。しかし、このライブDVDを見る限り、そんな雰囲気はみじんもありません。このDVDやCDで収録されているライブ会場は、比較的小規模の会場なのですが、そんな狭い会場でも、縦横無尽に歌いまくるミック・ジャガー。今回のライブDVDでは、特にメンバー同士がからむシーンが多く、ベテランの領域に達しながらも、バンドとして、実に脂がのりまくっていたんだなぁ、ということがDVDからも伝わってきます。
ストーンズといえば、昨年夏、ライブ映画「The Rolling Stones;Let's Spend The Night Togeter」を見ました。こちらのライブは、10万人ものファンを集めた会場のライブの模様も収録されています。映画は1981年、こちらは1978年とほぼ同時期ながら、小規模なホールでのライブである、このDVDとはある意味対照的。しかし、ライブ映像を見る限りだと、どちらのライブも、ある意味、ライブパフォーマンスに差があまりないように感じました。どちらの会場でも、スタイルを変えず、ある意味、彼ららしさをしっかり貫いている印象を受け、さすがだなぁ・・・とも思ったのですが・・・
でも、このDVDのボーナス映像で収録されているミック・ジャガーへのインタビューでは、彼自身が「会場の広さが違うと、パフォーマンスも選ぶ曲も全然違うから大変」という趣旨の話をしていました。よくよく考えると、ライブ会場の広さが違えば、やり方が違うのは当たり前ですよね(^^;;逆に、会場の広さによって、自分たちがよりよく見えるベストなパフォーマンスのやり方を知っているから、広い会場でも小規模な会場でも、同じようにストーンズの魅力を感じられるのでしょうか。
そのパフォーマンスからは、若手バンドのようなアグレッシヴさを感じられるのですが、ベテランならではの実力も同時に感じられるようなライブパフォーマンス。全ロックリスナー、必見、必聴の1枚。
評価:★★★★★
The Rolling Stones 過去の作品
Shine a Light: Original Soundtrack
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