被災地への思い
先日紹介した、東日本大震災へのチャリティーアルバムの第2弾。今回は、Vol.4からVol.7までの紹介です。
Title:Play for Japan 2012 vol.4
Vol.4には、ちょっと懐かしい名前が・・・。デビュー当初、楽曲がアニメ「NARUTO」のテーマ曲に起用されてスマッシュヒットを飛ばしたり、その独特の作風が大きな話題となったAkeboshiの楽曲が。レコード会社との契約も切れ、しばらく活動休止状態だったのが、復帰したみたいです。その「Standing on the line」は、打ち込みのリズムとピアノの音とバンドサウンドが、見事に融合して美しいハーモニーを奏でるギターロック。個人的に、Vol.4ではベストの作品だったと思います。
他にも、昔、「ONE PIECE」の主題歌がスマッシュヒットした大槻真希が率いるSHERBICが参加していたり、麻倉晶として「ベイビーリップス」や、ROMANTIC MODEとして、ガンダムの主題歌をヒットさせた斉藤さおりが参加していたりと、妙に懐かしい名前が揃っていました。
また、先日もこのサイトでアルバムを紹介した青葉市子が参加していたりして、全体にフォーキーなポップソングが多く収録されていました。その青葉市子+内橋和久の「火の子」もフォーキーなメロが良かったですし、歌謡曲風のメロに懐かしさを感じるギターロック(ちょっとたまあたりを彷彿とするボーカルもよい!)ヤーチャイカの「ふるさと」、伸びやかなボーカルが爽やかだったアラカキヒロコの「白い鳥の唄」など、メロディーが心に残る曲がたくさん。一方では、ドブロクの「ぐろーばる!!」みたいなファンクや、politruの「27」みたいなテンポのよいテクノなどが、様々なタイプの佳作が揃っていました。
評価:★★★★
Title:Play for Japan 2012 Vol.5
この回では、yuxuki wagaやとりPなど、初音ミクを使った楽曲があったり、ゲームミュージックなどを手掛ける柚楽弥衣が参加していたりと、いわゆるおたく系のカルチャーにつながるミュージシャンが目立ちました。全体的には、エレクトロ、エレクトロニカ系ミュージシャンが多く、個人的に、いままで聴いてきた中ではベストの内容だったかも。ちなみに、明和電機の経理のヲノさんことヲノサトルも参加しています。
そんな中でも、ミニマルなピアノと女性のボーカルが神秘的な美しさを醸し出すFerriの「Hymn」、無機質な電子音と美しいコーラスの対比がおもしろいCube(K5)の「step」、テンポよく力強いビートが印象的なDE DE MOUSE「dance of life」は必聴。他にもmatryoshka、GAK SATO、Drip-Dry eyesなど、佳作揃いだったと思います。
で、それとは別に妙にインパクトが強かったのが4D Modulation Studio+miyako「ゆるせや/yuruseya」。静かなサウンドに、女性の押し殺したような静かな声で、淡々と「ゆ~る~せ~や~」と歌われる内容は、暗い部屋で一人で聴いたら、ホラー映画並みの怖さなんですが(^ ^;;とりあえず、いろいろと聴きどころの多い回だったと思います。
評価:★★★★★
Title:Play for Japan 2012 Vol.6
で、Vol.6。折り返し地点ですね。この回も、エレクトロ、ポストロック系の作品が多かったような。
その中で、一番良かったのは、やはりSPENCERこと元Polaris、Lab LIFeのオオヤユウスケの「ステレオ」。そう、2000年に惜しまれつつ解散したLab LIFeの名曲のセルフカバー!懐かしいなぁ~やはりいいなぁ~。元のテクノポップ調ではなく、アコースティックテイストにカバーしていますが、曲の良さは変わりません。好きだったなぁ、Lab LIFe。久しぶりに「WORLD WIDE LOVE SONG」とか、You Tubeで聴いちゃった・・・。
他にも、元THE JERRY LEE PHANTOM、現THE BEACHESのあゆ子のソロプロジェクトfrillsや、SPANOVAなどが参加ていますが、個人的に良かったのが、noidの「ツバメ」。アコースティックなポップスなのですが、ちょっとジャジーなテイストが心地よく聴かせるナンバー。他にも、13分にも及ぶ壮大なポストロックナンバー夢中夢「楽園」なども良かったですし、後半にはアコースティックテイストの曲が並んでいたのですが、ツチヤニボンド「夜になるまで待って」や、ELEKIBASS「君は恋泥棒」などのポップなメロディーも印象に残りました。
評価:★★★★
Title:Play for Japan 2012 Vol.7
そして第7弾。こちらには、S-WORDことSWO'D'ROLL-JAHやMACKA-CHINなど、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのメンバーが参加しており、HIP HOPやラップの曲が目立っています。他には、Audio ActiveのギタリストCutsighも曲を提供しています。
その先頭を飾るのが田中光&MASAYA YONEYAMAの「STAY」。人生振り返り系の歌詞をつづるラップは、よくありがちな題材とはいえ、やはりいい。強く印象に残ります。他にも、強いビートを利かせるノイジーなエレクトロチューンa.b.perspectivesの「If this,If that」あたりは、個人的にも壺なナンバーかも。他にも、強いリズムを聴かせるエレクトロナンバーk-over「レジスター」あたりにもはまりました。
他にも、そのMACKA-CHINの「沈黙の春」は、タイトル通りの静かなエレクトロナンバーで、その音に聴きいってしまいます。Black-Chiwawa、スーパーノア、MIDICRONICA×Shin-Skiあたりも良かったのですが、一番インパクトがあったのがMr.G-in of 90gcrewの「H2H」。ストレートに地震の体験を歌ったレゲエナンバー。正直、ちょっとベタな部分はあるのですが、胸をうつものがあります。
評価:★★★★
そんな訳で、第7弾まで聴いたのですが・・・ちょっとエレクトロやポストロック系、あるいはエレクトロニカの楽曲が多すぎ・・・(^^;;もちろん、それ以外のジャンルの曲もたくさんあります。ただ、個人的に好みのジャンルとはいえ、半数近くがそちら方面の曲だと、ちょっといい加減に飽きが(苦笑)。とはいえ、名曲も少なくないのも事実。興味のある方は、是非こちらから!1枚1,000円は、チャリティーを差し引いても、間違いなくお得です。
以前のPlay for Japanの感想はこちら
Play for Japan Vol.1~Vol.3
Play for Japan Vol.4~Vol.6
Play for Japan Vol.7~Vol.10
Play for Japan 2012 Vol1~Vol.3
| 固定リンク
「アルバムレビュー(邦楽)2012年」カテゴリの記事
- 私たちの身に染み付いたサウンド(2013.02.12)
- まだまだ現役!(2012.12.27)
- 素朴な曲が心に響く(2013.01.04)
- 懐かしい名前の復帰作(2013.01.05)
- 沖縄発世界一周?(2012.12.20)
コメント