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2012年4月

2012年4月30日 (月)

ラストを意識したライブではないけれども・・・。

Title:ラストライブ オブ ゴー!ゴー! ~“Go!!GO!GO!Go!!Tour”Live 8.7.2010 Tokyo~
Musician:GO!GO!7188

一時期、本当にはまっていたなぁ、GO!GO!7188。初のワンマンライブにも足を運んだし、デビュー前にリリースされたカセットテープも、ほぼ毎日、何回も聴いたし・・・。その後、ここ最近は正直、彼らのライブからも足が遠のいていて、そろそろ久しぶりにGO!GO!7188のライブも、なんておもっていた矢先のいきなりの解散。素直にショックでした。

ただ、最後に見た2006年のライブでは、メンバー3人に、微妙な距離を感じたし(もっとも、それから解散まで6年が経っているだけに、直接的には無関係かもしれまえんが)、ゆうは、GO!GO!7188よりチリヌルヲワカとしての活動が楽しそうに感じられたし、ひょっとしたら、という予感があったのですが・・・。ライブバンドにも関わらず、ラストライブもやらずにそのまま解散というのは、やはりメンバーの間に溝が生じていたのかなぁ、なんて邪推もしてみたくなります。

このアルバムは、GO!GO!7188の、事実上ラストライブとなった2010年8月7日に行われたSHIBUYA-AXでのライブから選曲して収録されたライブアルバム。最後の最後には、未発表曲「数え唄」がおさめられていますし、ライブでおなじみ「ジェットにんぢん」も、最後の賛否がわかれそうなジッタリンジンの歌詞が若干変わっていて「ジェットにんぢん2010」とタイトルが変っています。

当たり前ですが、解散を意識したライブではないため、「ラストライブ」というアルバムタイトルとは異なり、演奏からは悲愴感もなければ、ラストという意気込みもなく、いい意味でいつも通りの彼女たち。もともと、デビュー当初からライブに定評のあった彼らですが、非常に足腰のしっかりしたヘヴィーな演奏は、CD音源で聴いても迫力たっぷり。1曲目「エオエオエ」から、しびれるギターリフを聴かせてくれ、ライブの空気感が伝わってくるよう。

本編最後には、デビューシングル「太陽」が収録されているのですが、この曲、デビュー当初はまっていた頃には、何度もライブで聴いたことある曲。やはり、演りなれているだけあって、安定感と迫力は抜群。何度聴いてもやはりカッコいい!

ラストライブではなく、事実上のラストアルバムになってしまった「Go!!GO!GO!Go!!」発売後のライブツアーの模様を収録しているだけに、「Go!!GO!GO!Go!!」の曲が多く、そういう意味では若干バランスは悪いのですが、それを差し引いても、これが最後だと感じさせないバンドとしての一体感もきちんと感じさせつつ、圧倒するライブパフォーマンスを聴かせてくれています。あらためて、ライブバンドGO!GO!7188の解散が惜しくなるライブ盤でした。

評価:★★★★★

GO!GO!7188 過去の作品
虎の穴2
2マンTour 徹子のHair+Open Night Family~夜明けの家族
アンテナ

Go!!GO!GO!Go!!
アコースティック大作戦!!アコースティック・ライブ・ベスト


ほかに聴いたアルバム

BEST OF MIXCD NO.2/KREVA

KREVAの2枚組MIXCD。1枚目は彼の曲からラップを取り去って、トラックだけ聴かせる曲。2枚目は、インストとして、メロディーに相当するようなフレーズも加えたインストナンバー。特にトラックのみの1枚目は、それだけでちゃんと曲として成り立っており、KREVAというミュージシャンの実力を感じさせます。まあ、ただやはり全体的には、ファンズアイテム。まずはKREVAのオリジナルを聴いてから、となってしまいますが。

評価:★★★★

KREVA 過去の作品
心臓
OASYS
GO

ゴールデン・アルバム/ゴールデンボンバー

本人たちは演奏せず、演奏の「口パク」、いわゆる「エアバンド」が話題の彼らだけに、バンドとして迫力のある演奏・・・とかは期待していませんが、「エアバンド」というユーモラスな要素を前に押し出しながら、コミックバンドとしてはどうもいまひとつ。完全に高校生にターゲットを絞ったような歌詞の内容は、オーバーサーティーの私が聴くにはかなり厳しいのを差し引いても、コミックソングなのか、真面目なJ-POPなのか、中途半端。90年代のJ-POPそのままの曲をやるくらいなら、もっと思い切りパロディーやコミックソングに走ったほうがおもしろいのに。

評価:★★★

ゴールデンボンバー 過去の作品
ゴールデン・アワー~下半期ベスト2010~

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2012年4月29日 (日)

戦前のジャズの名曲たち

戦前の日本のジャズを復刻する企画「ニッポン・モダンタイムス」。最初は、いろいろな曲が入っているオムニバスを聴き、興味を持った二村定一を聴いたら、予想以上によかったので、他のアルバムも一気に聴いてみました。で、その感想を一気に・・・。

Title:Empire Of Jazz
Musician:ディック・ミネ

「ディック・ミネ」という名前自体は、私も聞いたことがあるのですが、曲を聴くのはこれがはじめて。二村定一の「青空」は、彼も歌っているのですが、歌の中にフェイクを入れてきたりして、技術的な高さを感じます。この曲に限らず、歌い方によりスウィング感を感じ、歌手としての実力を存分に感じます。それ以上に、色っぽいボーカルが魅力的で、当時の人気の高さは、今聴いても納得。後半は、当時としてはバタ臭かったのかもしれませんが、今聴くと、ムード歌謡曲色が強くて、ちょっと楽しめなかった部分もありましたが・・・。

評価:★★★★

Title:ジャズを歌う
Musician:藤山一郎

藤山一郎といえば、国民栄誉賞も受賞した、昭和を代表する歌手・・・なのですが、もちろん、歌はほとんど聴いたことなく。ただ、イメージ的には、直立不動できれいなアクセントで歌う正統派歌手という印象。ある意味、現在の歌が下手な「アイドル歌手」の対極にいる正統派歌手として、「昔の歌手は・・・」的な流れで語られるケースもありますが、ただ、他の歌手と比べても、彼の歌い方というのは、飛び抜けて「堅い」歌い方をしています。

ただ、そんな彼が歌ったジャズをメインとしたこのアルバムは、ともすればお堅いイメージからほど遠い、軽快な曲が多く、ヘレン隅田という女性シンガーとのデゥオ「公園で」では、男女の会話を軽快に歌にした、楽しいポップソング、「僕の失恋」は、タイトル通り、女の子を好きになってはふとしたきっかけで失恋する悲しくもユーモラスな、ノヴェルティソング風の曲で、どちらもとても身近に感じられるポップソングです。

あと、ちょっと興味深いのが、「ミッキイ・マウスの結婚」という曲が!まぎれもなく、あのディズニーの人気キャラクター、ミッキー・マウスを題材にした曲で、1934年の作品だとか。Wikipediaによると、戦前から「都市部ではかなり知名度が高かったと思われる」と記載されており、ディズニーというと、戦後、日本に入ってきたようなイメージがあっただけに、ちょっとビックリでした。

評価:★★★★

Title:La Tanguista
Musician:松島詩子

彼女も戦前から戦後を代表する歌手で、一番初期の紅白歌合戦には何度も出場していた人気歌手だったそうですが、すいません、名前も歌も、今回はじめて聴きました(^^;;タンゴの色合いが強い、ムーディーな曲がメイン。確かに、当時では洋楽色が強い曲だったのですが、今の耳からすると、ちょっとムード歌謡曲色が強かったかなぁ。これはこれで、違う魅力はあるのでしょうが、個人的には、いまひとつピンと来ず・・・。

評価:★★★

Title:唄の世の中~岸井明ジャズ・ソングス
Musician:岸井明

個人的に、この4枚の中で、一番良かったのが、彼。戦前から戦後にかけて活躍した、巨漢のコメディアンで歌手だった岸井明。名前も歌も今回はじめて聴いたのですが、軽快なジャズ風のサウンドにのせて歌い上げるのは、ノヴェルティ・ソングの色合いが多いユーモアたっぷりのポップス。いわゆす庶民の生活を本音ベースでユーモラスに描いた歌詞が特徴的でした。

自分は一家の主だと息巻きながらも、実際には奥さんに頭のあがらない亭主を歌う「家になんか帰るかい」、恋人同士のささいな喧嘩を描く「ほんとに困りもの」などなどのユニークな曲。戦前の歌詞なのですが、そこで歌われている男女の関係は、今でも通用しそうな話。戦前でも、なんだかんだいっても恋人や夫婦って、あまり今と変っていないんだなぁ、ということを感じます。

後半には、いわゆる戦時歌謡も収録されていますが、「代用品時代」など、ウィットに富んだ皮肉をきかせる歌詞がとてもユーモラスで、時代は変れど、暗い時代の戦時歌謡曲なのに、聴いていて楽しくなる感じがします。

コミカルで親しみやすい彼のボーカルも楽曲にとても生かされていて、軽快なポップソングを最後まで楽しめたアルバムでした。ノヴェルティ・ソングって、特に日本では、評価が非常に低いのですが、時代を超えて聴くと、ある意味庶民の本音が描かれていて、その時代の空気を如実に反映している印象を受けました。そして、そのどれも、ともすれば暗い時代の描かれがちな戦前も、多くの日本人は楽しく、明るく、その日々の生活を送っていたんだなぁ、ということを実感できました。こういう発見もまた、昔の曲を聴く楽しみのひとつなんでしょうね~。

評価:★★★★★

ニッポン・スウィングタイム
Swing Time 1928-1941
SWING GIRLS 1935-1940
Sweet Voices~ニッポンのスウィング・エラ~KING&TAIHEI collection 1934-1942

私の青空~二村定一ジャズ・ソングス

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2012年4月28日 (土)

ベテランの域に達しても・・・

Title:Some Girls LIVE IN TEXAS '78
Musician:THE ROLLING STONES

「『サム・ガールズ・ライヴ・イン・テキサス'78』はローリング・ストーンズの1978年7月18日、テキサス州フォーと・ワースのウィル・ロジャース・メモリアル・センターでのライヴを全曲収録した作品だ。

これまで一部のみアメリカでテレビ放映されたことがあるが、全曲収録版が世に出るのはこれが初めて。33年の月日を経て、幻の映像が公式リリースされるのは、ひとつの歴史的事件といっていい。」
(ライナーツノートより)

今年、結成50周年を迎えるTHE ROLLING STONES。ここ数年、ストーンズとしての活動は鳴りを潜めていますが、逆にストーンズがらみのアイテムや、リイシュー盤などの販売が相次いでいます。

この作品もそんな1枚。ライブアルバム・・・・・・というよりも、DVDがメインで、CDは初回盤のみについているおまけといった感じですね。1978年といえば、ミックやキースは35歳。世の中ではパンク・ムーブメントが起こっており、ディスコミュージックなどもヒットし始めた頃だそうです。

そんな中、既にベテランバンドの領域に達してしまった彼ら。しかし、このライブDVDを見る限り、そんな雰囲気はみじんもありません。このDVDやCDで収録されているライブ会場は、比較的小規模の会場なのですが、そんな狭い会場でも、縦横無尽に歌いまくるミック・ジャガー。今回のライブDVDでは、特にメンバー同士がからむシーンが多く、ベテランの領域に達しながらも、バンドとして、実に脂がのりまくっていたんだなぁ、ということがDVDからも伝わってきます。

ストーンズといえば、昨年夏、ライブ映画「The Rolling Stones;Let's Spend The Night Togeter」を見ました。こちらのライブは、10万人ものファンを集めた会場のライブの模様も収録されています。映画は1981年、こちらは1978年とほぼ同時期ながら、小規模なホールでのライブである、このDVDとはある意味対照的。しかし、ライブ映像を見る限りだと、どちらのライブも、ある意味、ライブパフォーマンスに差があまりないように感じました。どちらの会場でも、スタイルを変えず、ある意味、彼ららしさをしっかり貫いている印象を受け、さすがだなぁ・・・とも思ったのですが・・・

でも、このDVDのボーナス映像で収録されているミック・ジャガーへのインタビューでは、彼自身が「会場の広さが違うと、パフォーマンスも選ぶ曲も全然違うから大変」という趣旨の話をしていました。よくよく考えると、ライブ会場の広さが違えば、やり方が違うのは当たり前ですよね(^^;;逆に、会場の広さによって、自分たちがよりよく見えるベストなパフォーマンスのやり方を知っているから、広い会場でも小規模な会場でも、同じようにストーンズの魅力を感じられるのでしょうか。

そのパフォーマンスからは、若手バンドのようなアグレッシヴさを感じられるのですが、ベテランならではの実力も同時に感じられるようなライブパフォーマンス。全ロックリスナー、必見、必聴の1枚。

評価:★★★★★

The Rolling Stones 過去の作品
Shine a Light: Original Soundtrack

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2012年4月27日 (金)

アルバム1位はちょっと意外でした・・・。

今週の着うたチャート

2012年4月18日~2012年4月24日付チャート

今週1位は、あの4人組の新曲。

着うたチャート1位は、GReeeeN「オレンジ」。4月25日にリリースされたニューシングルからの先行配信。先週はカップリングの「ワイはワイワイでいいワイ~おまえワィ?~」が10位にランクインしてきましたが、こちらは見事1位獲得となりました。

2位は今週のシングルチャートで1位を獲得したMr.Children「祈り ~涙の軌道」が3位からワンランクアップ。逆に、先週2位だったいきものがかり「ハルウタ」が3位にランクダウンしています。

4位以下の初登場では、梶浦由記プロデュースによる音楽ユニットKalafina「to the beginning」が5位にランクイン。今週のシングルチャートでは惜しくも11位に留まりましたが、着うたチャートでは4位という好位置につけてきました。アニメ「Fate/Zero」のオープニングテーマで、スケール感のあるゴシック風のナンバーになっています。

6位はレゲエユニットINFINITY 16 welcomez MINMI & JAY'ED「雨のち晴れ」がランクイン。同じくレゲエシンガーのMINMIと、R&BシンガーJAY'EDを迎えてのナンバー・・・なのですが、メロウに聴かせる楽曲は、レゲエ色は薄め。相変わらずの着うた向けといった感じ。

9位には、女性シンガーソングライターMs.OOJAの「My Way」が入ってきました。アップテンポながらも、ちょっと切ない感じのポップソング。シングルチャートではギリギリ50位にランクインしていますが、着うたでは見事ベスト10入り。ちなみに、今週、前作「Be...」が先週の11位から10位にランクアップし、2週ぶりにベスト10に返り咲いています。

返り咲き組といえばもう1曲。7位にナオト・インティライミ「愛してた」が、先週の13位から7位にランクアップ。こちらは3月27日付チャートから4週ぶりのベスト10返り咲き。アルバムリリースの影響を受けてでしょうか。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャート1位は、正直、ちょっと意外でした・・・。

今週1位は、男性シンガーソングライター、ナオト・インティライミ「風歌キャラバン」が獲得。デビューから3作目で初の1位獲得となりました。初動売上は、初のベスト10ヒットとなった前作「ADVENTURE」の2万枚から大きくアップの4万枚。1位としては若干寂しい数値ながらも、本人的には大健闘の初の1位獲得です。

2位は、2010年に再結成した男性2人組ユニットDef Techの初となるベスト盤「GREATEST HITS」がランクインです。初動売上は3万2千枚。直近のオリジナルアルバム「UP」の2万6千枚は上回りましたが、復帰後第1弾となる「Mind Shift」の4万枚からもダウン。ベスト盤としては厳しい結果となっています。

3位には、「DJ KAORI'S PARTY MIX3」がランクイン。Lady GagaやMAROON5などの洋楽のヒット曲を並べたDJミックスアルバム。初動売上1万6千枚は、同シリーズ「PARTY MIX2」の1万7千枚からほぼ横バイ。直近の邦楽のヒット曲を並べた「DJ KAORI'S JMIX V」の1万5千枚からもほぼ横バイ。邦楽だろうが洋楽だろうが、リスナー層は固まっているということでしょうか。ただ、この売上枚数で3位とは・・・。

4位以下の初登場は、まず4位に入ってきたのが、人気男性声優宮野真守「FANTASISTA」。3rdアルバムにしてアルバムでは初のベスト10入り。初動売上1万2千枚も、前作「WONDER」の6千枚から倍増。人気急上昇中といった感じでしょうか。

6位にはORANGE RANGE「NEO POP STANDARD」がランクイン。前作「orcd」は初登場9位と後がなくなってきましたが、今回は初登場6位と順位の面では回復。ただ、初動売上はわずか8千枚と、前作の1万枚からダウン。ついに1万枚未満まで落ち込んでしまいました。

8位にランクインしてきたのは、人気動画サイト、ニコニコ動画で人気を得た男性シンガー赤飯「EXIT TUNES PRESENTS SEKIHAN the TREASURE」。初動売上は6千枚。前作「EXIT TUNES PRESENTS SEKIHAN the GOLD」の1万2千枚から大幅に下げてしまいました。しかし、初動わずか6千枚でベスト10入りですか・・・。

9位には、ロックバンド藍坊主「ノクティルカ」が入ってきています。アルバムで初のベスト10ヒットとなった「ミズカネ」に続くベスト10入りで、9位は自己最高位・・・なのですが、初動売上は6千枚と「ミズカネ」の1万枚から大きくダウンしてしまっています。

そして最後10位には、一青窈「歌窈曲」がランクインです。タイトル通り、「リンゴ追分」や「アカシアの雨がやむとき」など、昭和の歌謡曲をカバーしたカバーアルバム。初動売上は6千枚。直近のベスト盤「ハナミズキ ~君と好きな人が 百年続きますように~」は、初動わずか3千枚でしたが、移籍前のレコード会社が、勝手にリリースしたベスト盤なので参考にならず。直近のオリジナル「花蓮街」は8千枚だったので、それよりもダウン。カバーアルバムで売上アップという感じには残念ながらならなかった模様。ただし、低水準のチャートに助けられ、2008年のアルバム「Key」以来、久々のベスト10ヒットとなりました。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年4月26日 (木)

珠玉のポップソングが揃っています。

Title:ALL SONGS MUST PASS~Office Augusta 20th Anniversary BEST~
Musician:福耳+All Stars

杏子や山崎まさよしを擁する音楽事務所、オフィスオーガスタ。毎年、事務所全体のミュージシャンが一堂に会するイベント「オフィス・オーガスタ」がおなじみですね。おそらく最も知名度の高い音楽事務所のひとつだと思われます。

そのオフィス・オーガスタの20周年を記念してリリースされたのがこのアルバム。所属のミュージシャンたちが、それぞれ2曲を提供した2枚組のアルバムになっています。

山崎まさよしや、最近、オフィス・オーガスタから独立したスガシカオも参加していますが、その他にも、数多くの実力派ミュージシャンを擁する事務所。ただ、どの曲に関しても共通するのが、メロディーと歌詞を主軸としたポップソングということ。アコースティックテイストが強かったり、ギターロックだったり、あるいはエレクトロやファンクなど、それぞれ個性を持ったミュージシャンばかりだったりするのですが、どの曲もポップなメロと、しっかりと聴かせる歌詞が耳をひく曲ばかりです。

ただ、その中でも、やはり山崎まさよしとスガシカオは頭ひとつ出ているよなぁ。なんというか、曲を聴いただけで、彼だ、とわかる個性といい、大人の余裕とユーモラスを兼ね備えたような歌詞といい、一度聴けば忘れられないようなボーカルといい、どれも一級品。高い人気を誇る理由も納得です。

でも、もちろんこのアルバムで魅力的なのは彼らだけではありません。おなじみスキマスイッチや秦基博も名曲を聴かせてくれていますし、また、UKギターロック好きにたまらないのがCOIL!特に「BIRDS」はノイジーなギターに哀愁あるメロがたまらない傑作。サビに入る前の転調には、おもわずゾクゾクと鳥肌がたつほど。

他に、いままであまりチェックしていなかったのですが、なにげに良いなぁ、と思ったのが長澤知之。ちょっとかすれたボーカルは中村一義を思いだすのですが、メロも、中村一義の系統を彷彿とさせるようなひねくれたポップソング。それに世の中を達観したような歌詞が妙にマッチしていて、独特の世界を作り上げています。もう一皮むければ、かなりおもしろいシンガーになりそう・・・次のアルバムも聴いてみたくなりました。

珠玉のポップソングばかりがつまった2枚組。収録ミュージシャンのファンならもちろん、そうでない方も、広い層の方にお勧めできる作品。ちょっと残念だったのは、昔、オフィス・オーガスタにいて、事務所をやめてしまったような人の曲も入れて欲しかった・・・・・・のは、やはり今の音楽業界では無理なのかなぁ。

評価:★★★★★

福耳 過去の作品
10th Anniversary Songs~tribute to COIL
福耳 THE BEST ACOUSTIC WORKS
HOME~山崎まさよしトリビュート


ほかに聴いたアルバム

BUTTERFLY/L'Arc~en~Ciel

約4年3ヶ月ぶりのアルバムは、11曲中7曲(うち2曲は両A面)で、1曲は先行配信。うーん、4年以上待たされたアルバムが、ベスト盤みたいなオリジナルですか。ラルクって、こういうことしなさそうなイメージがあったのですが・・・。ただ、シングル曲が多いだけに、非常に聴きやすく、いい意味でも悪い意味でもラルクらしいアルバムになっており、ある種、初心者向け、と言えなくもないかも・・・。

評価:★★★★

L'Arc~en~Ciel 過去の作品
KISS
QUADRINITY~MEMBER'S BEST SELECTIONS~
TWENTY 1991-1996
TWENTY 1997-1999
TWNETY 2000-2010

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2012年4月25日 (水)

全曲新譜!

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

最近では、決して珍しくはないのですが・・・今週は、ベスト10全曲が初登場となりました。

そんな中、1位を獲得したのが、着うたチャートでは先週まで4週連続1位を獲得していたMr.Children「祈り~涙の軌道」。ストリングスがスケール感を醸し出しつつも、メロウなメロディーラインを聴かせる王道のバラードナンバー。CDシングルは、「HANABI」から4年ぶりとなり、久しぶりのシングルとなりました。初動売上は17万4千枚。これは「HANABI」の26万枚より、残念ながら大幅ダウンとなってしまいました。

2位初登場は、韓国のアイドルグループINFINITE「Be Mine」。ダンスが売りのグループなのですが、楽曲の感じも本人たちの雰囲気もジャニーズ系っぽい感じ。初動売上は5万枚。日本でのデビュー作となった前作「BTD」の2万6千枚からは大幅アップ。ただし、前作は土曜日発売で、集計日が短かった影響もあったので、単純に比較は出来ませんが。

3位には、ハロプロ系のアイドルグループ℃-ute「君は自転車 私は電車で帰宅」がランクイン。ちょっと70年代のアイドル歌謡曲あたりを彷彿とさせるバラードナンバー。妙に泣きのギターが目立つアレンジになっています。前作「世界一HAPPYな女の子」は初動1万7千枚。ここ最近、2万枚から1万7千枚に微減傾向が続いていましたが、今回は初動4万枚と大幅アップ・・・したのは、CDの種類を3種類から7種類に大幅アップさせた影響。最近、よくある話ですが、なんじゃそりゃって感じですが。

さて、続いて4位以下の初登場ですが、今週、モバゲー向けゲーム「アイドルマスター シンデレラガールズ」からのキャラクターソングが一気に5枚同時にランクイン。ゲームのキャラクターソングが5枚同時にランクインするのははじめてで、話題になっています。

4位 THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 002 双葉杏(あんずのうた)/双葉杏(五十嵐裕美)
6位 THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 001 渋谷凛(Never say never)/渋谷凛(福原綾香)
7位 THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 004 高垣楓(こいかぜ)/高垣楓
8位 THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 003 三村かな子(ショコラ・ティアラ)/三村かな子
8位 THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 005 城ヶ崎莉嘉(DOKIDOKIリズム)/城ヶ崎莉嘉(山本希望)

双葉杏は、完全にアニメ声のトランスで、聴く人をかなり選びそうですが、歌詞はユニークでインパクトはありまくり。一度聴いたら忘れられない感じ。渋谷凛は90年代風の王道J-POPといった感じ。一番平凡な感じ。高垣楓はゴシックテイストもあるスケール感あるバラードナンバー。三村かな子は、軽快なポップソング。城ヶ崎莉嘉も、聴く人を選びそうなトランシーなアニソン風のポップス。5人5様ですが、ある意味、「アイドルソング」のイメージをいろいろなジャンルで体現化した感じ。

ゲームやアニメは完全に門外漢なのですが、最近は、いかにもキャラソンのCDを売るあたりまで視野に入れたようなゲームやアニメが増えてきた印象があるので、今後もこの手のキャラソンは増えそう。また、モバゲー向けゲームというあたりにも、時代を感じさせます・・・。

他には・・・5位にSUPER☆GiRLS「1,000,000☆スマイル」がランクイン。avex系の女性アイドルグループ。初動売上は3万6千枚。前々作から大幅増となった前作「女子力←パラダイス」の4万8千枚からはダウン。ただし、前々作「MAX!乙女心」の2万9千枚は上回りました。

最後、10位には、韓国のバンドFTISLAND「NEVERLAND」がランクイン。アップテンポでスペーシーなポップスロック。初動売上は2万8千枚で、前作「Distance」の3万9千枚からダウン。5月16日にニューアルバムの発売が予定されているので、その影響でしょうか。

今週のシングルチャートは以上。アルバム&着うたチャートは金曜日に~。

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2012年4月24日 (火)

ヒップホップの魅力と限界

最近、ちょっと話題になっているヒップホップの入門書。遅ればせながら、読んでみました。

「文科系のためのヒップホップ入門」。ヒップホップに詳しいライターの長谷川町蔵氏と、ヒップホップの壺が最初はわからず、最近、ようやく聴き始めたというライターの大和田俊之氏の対談形式により、ヒップホップの歴史や、ヒップホップの楽しみ方などを解説している本。「文科系」という書き方をしていますが、対象は、ヒップホップの聴き方がいまいちわからない、理論派(というか理屈派?)音楽ファンのための、といった感じでしょうか?

「ヒップホップは音楽ではない」と言い切り、「ヒップホップは『場』を楽しむものである」というのが長谷川氏の主張。「ヒップホップは『少年ジャンプ』である」「ヒップホップは『プロレス』である」「ヒップホップは『お笑い』である」という大胆な主張は、わかりやすく、かつおもしろい。正直、ともすれば突飛にも感じられる主張は、「本当?」とも思ってしまったのですが、書評などを見ると概ね好評に捉えられているところから、間違いではないのでしょう。「ヒップホップとロック」などで語られるロックとの対比など、ちょっと単純化しすぎているのでは?とも思う部分もあるのですが、非常にユニークな主張が興味深かったです。

と、ここらへんの大胆な主張に関して概ね高い評価を得ているのですが、個人的に、この本で一番おもしろかったのは前半のヒップホップの歴史。いままで、ヒップホップの成り立ちについては、何冊か本も読んだのですが、この本は、ヒップホップの進化が、とてもわかりやすくまとめられていて、いままでいまひとつピンと来なかった部分も腑に落ちる内容になっていました。

特に、長谷川氏は「ヒップホップは『音楽』ではない」と主張しているのですが、音楽的な説明が詳しいのが特徴的。具体的な曲名もあげられているため、You Tubeなどで試聴しながら、ヒップホップの歴史について、わかりやすく、壺をおさえながら理解できる展開になっています。

ただ、この本を読んで感じたのは、ヒップホップというジャンルの限界でした。ヒップホップが「場」を楽しむ文化であるとすれば、おそらくそう遠くない将来、ヒップホップは一気に縮小してしまう危険性を感じます。それは、昔は国民的人気を誇ったプロレスが、いまや日本では一部のファンだけが楽しんでいるスポーツになってしまったのと同じく。「場」を楽しむためには、そのジャンルをよく知らなければいけません。それはともすれば「初心者お断り」になりかねません。

いままで私は、これだけヒップホップというジャンルが隆盛を誇りながら、例えば昔のビートルズのように、全世界から熱狂的に迎えられ、社会現象にまでなるようなスターが出てきていないということに、以前から少々疑問に感じていました。それは、ラップにはメロディーがなく、そうすると広い層が楽しめないから・・・と思っていたのですが、この本を読む限り、おそらくそうではないんでしょうね。「場」を楽しむ文化だからこそ、どうしてもリスナーを限定してしまう。それがヒップホップの魅力でもある一方で、限界でもあるように感じました。

ただ、この本を読んでいると、無性にヒップホップが聴きたくなりました(笑)し、聴いてみると、なんとなくいままで見えてこなかったような魅力が見えてきたような・・・。そういう意味では、ヒップホップの入門書として非常に優れた一冊だと思います。ヒップホップに興味があって、アルバムを何枚か聴いたけど、いまひとつよくわからない・・・という方、お勧めです。

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2012年4月23日 (月)

あの著名なゲームミュージックもサンプリング

Title:Taylor Allderdice
Musician:Wiz Khalifa

Taylorallderdice

昨年3月にリリースしたアルバム「Rolling Papers」がビルボードチャートで2位(R&Bチャートでは1位)を獲得するなど、一躍時の人となった、アメリカのHIP HOPミュージシャン、Wiz Khalifaが3月14日にリリースしたミックステープ。発表した直後は、サイトにアクセスが殺到し、ダウンするなど、その人気を見せつけています。

ウィズ・カリファの新作ミックステープ公開、アクセス殺到!!

ちなみに上のサイトでも紹介されていますが、ダウンロードはこちらから。さすがに今は、何ら問題なくダウンロードできる模様。

Wiz KhalifaというMC自体は、Wikipediaによると大麻をテーマにしたリリックが多いとのこと。ただ、ミックステープでは当然ながら和訳はついていませんし、私の乏しい英語力では読解も無理。正直、そのリリックの内容はわかりません・・・。

ただ、トラック自体は、非常にメロウで聴かせるものが多く、聴いていてとても心地よい音をつかっています。1曲目「Amber Ice」は美しいギターとピアノからスタートしますし、「Mia Wallace」のジャジーなピアノや「The Cruise」のピアノのリフもとてもメロディアスで印象的に聴かせてくれます。

彼のラップ自体も、淡々として綴る感じのラップ。これらのメロウなトラックともとてもマッチし、心地よくリズミカルに聴こえてきます。ついつい惹き込まれてしまうようなラップで、アメリカでの高い人気も納得です。

そんな中、注目したいのが「Never Been(Part Ⅱ)」。こちら、私くらいの世代だったらおなじみのゲーム「クロノトリガー」の「樹海の神秘」をそのまま使用。哀愁ある神秘なトラックが胸をうつトラック。「クロノトリガー」は音楽も高い評価を得ているそうなのですが、この起用にはちょっとビックリ。

他に、日本がらみの話題として、スモーキーなトラックが耳を惹く「Nameless」が、日本のトラックメイカーのトラックを使用していながら、別人がクレジットされていることが、ちょっとしたニュースとなっていたりして。

ウィズの大ヒット・ミックステープ、実は日本人トラックメーカーのビートが使用されていた

ミックステープとしては全1時間。ボリュームも十分ですし、クオリティーも申し分ありませんし、大満足の作品。8月には待望のニューアルバムのリリースも予定されているそうですが、そちらも楽しみです。

評価:★★★★★


The Great American Songbook/Aretha Franklin

アレサ・フランクリンが、アトランティック・レコードに移籍する前、コロンビア時代の音源からピックアップした、いわば「初期ベスト」ともいうべきアルバム。この時期の作品は、ジャズ寄りだったり、コンテンポラリーっぽかったり、ソウルリスナーから評判悪いみたいで、確かに、後のソウルフルな彼女の楽曲に比べると、悪い意味でポップすぎるきらいはありますが、それでも、彼女のパワフルで表現力豊かなボーカルは、この時期の曲でもとても魅力的。選りすぐりのベスト盤的なので、いまひとつな曲が収録していないだけかもしれませんが、最初期から、十分魅力的なシンガーだったんだなぁ、ということを実感できました。

評価:★★★★★

SINGLES&EPS:2001-2005/THE MUSIC

昨年のイギリスと日本へのツアーを最後に惜しまれつつ解散したイギリスのロックバンドTHE MUSICが、最後にリリースしたベストアルバム。「これでもか!」というほど、うねる、まさに文字通りグルーヴィーでダイナミックなバンドサウンドが魅力的。非常にUKバンドっぽいなぁ、と感じる反面、ここまでダイナミックなバンドサウンドを聴かせるバンドは唯一無二の個性も感じ、あらためて解散というニュースが残念。ただ、似たような雰囲気の曲も少なくなく、これ以上続けていても、マンネリになったかな?そう考えると、いい引き時だったの・・・・・・かも?

評価:★★★★★

THE MUSIC 過去の作品
STRENGTH IN NUBERS

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2012年4月22日 (日)

A.I.の「独立」

Title:INDEPENDENT
Musician:A.I.

前作が「The Last A.I.」。そしてニューアルバムが「INDEPENDENT」。前作までがユニバーサルで、本作ではEMIに移籍。いわば前作は、移籍前最後のアルバムという意味だったのでしょう。それに対して本作は、レコード会社を移籍して心機一転のアルバムとなっています。

前作は、安室奈美恵はじめ、様々なミュージシャンとのコラボが話題になりましたが、それに対して本作では、本作のコラボは、The Jacksonsとコラボした「Letter In The Sky」のみで、基本的に彼女1人のボーカルによるアルバム。そういう意味で、「独立」というタイトルにしたのでしょうか。

心機一転のアルバムということもあるのでしょうか、今回のアルバムは、ここ最近のアルバムの中で、もっともパワーがあるように感じました。

基本的にエレクトロアレンジが多い今回のアルバム。いわば無機質なアレンジの中でも、特にA.I.のボーカルが目立つような印象を受けます。特に「INDEPENDENT WOMAN」「FUTURISTIC LOVER」あたりは、そんなパワフルなA.I.のボーカルが、より目立ったナンバーではないでしょうか。

ただ、そんな彼女のボーカルは、パワフルとはいっても、いわば声を張り上げている、という感じではありません。むしろ張り上げたボーカルを想像すると、あまりにも力を抑えた感じすらします。しかし、その抑えた雰囲気のボーカルの中に、非常に力強さと包容力を感じます。デビューから10年以上が経ち、既にベテランの仲間入りをしている彼女ですが、今の彼女だからこそ身につけたような、パワーを感じさせるようなボーカルが印象的でした。

前作は、様々なミュージシャンとのコラボの中で、A.I.というミュージシャン像を浮かび上がらせたアルバムだったのですが、今回はそれとは対照的。しっかりA.I.のみのボーカルで勝負して、そして、見事、A.I.らしさを勝ち取ったアルバムだと思います。

そしてクライマックスは終盤。「One Love」「ウツクシキモノ」は、ピアノやストリングスの音を入れて、スケール感たっぷりにA.I.のボーカルを聴かせる楽曲。最後の最後まで、A.I.のボーカリストとしての実力を存分に発揮した1枚でした。

最後にボーナストラック的に入っているThe Jacksonsとのコラボ「Letter In The Sky」は、A.I.以上に、メロウなThe Jacksonsのボーカルが目立つ作品。これも、A.I.との息もピッタリで、甘い雰囲気のボーカルをたっぷり聴かせてくれる楽曲に仕上がっています。

レコード会社を移籍して心機一転の影響か、ベスト10入りを逃した前作から一転、本作はチャートでも2位という好成績を記録(なにげにオリジナルでは自己ベストタイ!)。ただ、この内容なら、この結果も納得。ボーカリストとしての実力を存分に発揮した1枚でした。

評価:★★★★★

A.I. 過去の作品
DON'T STOP A.I.
VIVA A.I.
BEST A.I.
The Last A.I.


ほかに聴いたアルバム

No Night Land/moumoon

なんか前作も同じようなことを感じたのですが、楽曲のタイプがバラバラすぎ。ちょっとおしゃれなネオアコ系ポップスというイメージがシングル曲のイメージなら、アルバムの中ではギターロックやエレクトロポップにアコースティックなナンバー・・・うーん、1曲1曲はそれぞれのジャンルを上手く咀嚼し、ポップにまとめあげていて、決して悪くないのですが、統一感がないので、いまひとつ、彼女たちの顔が見えてこないのです。

評価:★★★

moumoon 過去の作品
SPARK
15 Doors

D.E.N.W.A.e.p./the telephones

the telephonesの新作は、テレフォンだから、「D.E.N.W.A.e.p.」って、そのままですね(^^;;今回は新作は2曲のみで後はセルフカバー。そういう意味では、ちょっと物足りなさも。ただ、エレクトロなダンスロックチューンは相変わらず。ある種の大いなるマンネリ風になりつつも、安心してきける1枚。

評価:★★★★

the telephones 過去の作品
DANCE FLOOR MONSTER
A.B.C.D.e.p.
Oh My Telephones!!! e.p.

We Love Telephones!!!
100% DISCO HITS! SUMMER PACK
Rock Kingdom

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2012年4月21日 (土)

震災の影響も感じつつ

Title:UTOPIA
Musician:カーネーション

東日本大震災の後、数多くのミュージシャンたちが、直接的、あるいは間接的に、震災の影響を受けた歌をつくってきました。CARNATIONの7曲入りとなるミニアルバムからも、震災の影響を強く感じる作品になっていました。

このアルバムのハイライトとなるのが、なんといっても「女川」。タイトルそのまま、宮城の地名なのですが、タイトル通り、石巻や女川の浜辺を思い起こしながら即興演奏した曲だそうで、とても悲愴感に充ちたサックスの音色が胸を打つ名曲。言葉はなくても、震災の悲しみがストレートに表現された楽曲になっています。

その他の曲に関しても、決してストレートに震災について歌ったわけではありません。ただ、例えばタイトル曲「UTOPIA」にしても

「いつか胸の奥にしまい込んだ痛み
だれにも明かせなかったひとつの悲しみ」

「だれにも会えなくなったある日の夕暮れ」
(「UTOPIA」より 歌詞 直枝政広)

といった歌詞が、震災の影を感じさせます。

また、タイトルそのもの「Electric Company」は、タイトルがあまりにストレートなのですが、

「だれも住まぬ街へ」

「床屋の前の庭で
遊んじゃだめと言われた」

(「Electric Company」より 歌詞 直枝政広)

といった歌詞は、福島の原発事故を彷彿とさせる、よくよく聴くと、皮肉めいた内容になっています。

そんな最新作ですが、「女川」をのぞけば、メロディーとアレンジは、いつもの彼ららしい、決して派手ではないものの、しっかりとした骨太なサウンドと、ポップなメロディーラインが楽しめる曲ばかり。山本精一や梅津和時ら、豪華なゲストも話題になっていますが、山本精一が参加した「Turn」では、聴かせるバラードナンバーがらも、幻想的なバイオリンの音色が印象的な楽曲になっています。

いい意味でベテランらしい安定感がある、しっかりと聴かせる傑作でした。

評価:★★★★★

カーネーション 過去の作品
Velvet Velvet


ほかに聴いたアルバム

いい星じゃんか!/TOMOVSKY

TOMOVSKYの新作は、いい意味でいつも通り。様々な音を取り込んだ軽快なポップソングで、皮肉めいた歌詞が大きな特徴。例えば「無い!」では、「素顔のままがいいというけど、俺は無理。隠すぞ」と歌ったり、ちょっと斜めから世の中を見たようなユニークな視点が楽しい・・・と思うのですが、前作に続き、そんな一度で覚えてしまうようなインパクトのある歌詞の曲が少なめだったような。昔は、ほぼ全曲、インパクトありまくりで、一度聴いたら忘れられないような曲が並んでいたのですが・・・うーん。

評価:★★★★

TOMOVSKY 過去の作品
幻想
秒針

言いたいことはなくなった/The Mirraz

全体的にポップなメロのラブソングが多かった今回の作品。ただ・・・正直言って、全体的に平凡でいまひとつ。確かにポップなメロディーはそれなりにインパクトはあるものの、どうも薄味で後に残らず。歌詞も、いままで強いインパクトを残す単語をちりばめてきたのに、本作に関しては、それもほとんどありません。なんとなくスランプ気味にすら感じさせる作品。タイトルは、まさか今の彼らの状況のことじゃ・・・。

評価:★★★

The Mirraz 過去の作品
We are the fuck'n World

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2012年4月20日 (金)

初登場ラッシュの着うた&新譜少なめのアルバムチャート

今週の着うたチャート

2012年4月11日~2012年4月17日付チャート

今週は、ベスト10のうち5曲が初登場。着うたチャートとしては、初登場の多いチャートになりました。

そんな中、1位を獲得したのが、3人組ポップスユニットソナーポケット「月火水木金土日。~君に贈る歌~」がランクイン。4月25日発売予定のシングルからの先行配信で、今回は、いつものラップは全くなく、楽曲は90年代のJ-POPみたいな、平凡なポップソング。相変わらず着うたでは強さを見せています。

2位はいきものがかり「ハルウタ」が3位からワンランクアップで2位まであがってきました。3位には、先週まで4週連続1位を獲得していたMr.Children「祈り ~涙の軌道」がこの位置までダウンしてしまっています。

4位以下の初登場曲ですが、まずは、既にシングルチャートにランクインしている2曲。4位にPerfume「Spring of Life」、5位にKis-My-Ft2「SHE! HER! HER!」がそれぞれランクイン。Perfumeは今週のチャートで2位、Kis-My-Ft2は4月2日付チャートで1位を獲得していますが、どちらもシングルのチャートには及ばなかった模様。

他の初登場曲は、まず7位にDreams Come True「MY TIME TO SHINE」がランクイン。5月16日発売のニューシングルからの先行配信で、吉田美和結婚後、初となるニューシングル。吉田美和が出演しているファンケルCMソングで、シングルのヒットも期待できそう。

そして10位にはGReeeeN「ワイはワイワイでいいワイ~おまえワィ?~」がランクイン。こちらは4月25日発売予定のシングル「オレンジ」のカップリングで、「花王クリアクリーン」のCMソング。軽快なポップナンバーなのですが、最初のAメロがちょっとミスチルっぽい雰囲気が・・・。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

シングルチャートと同様、今週はアルバムチャートでもジャニーズ系が1位獲得です。

1位はKinki Kids堂本剛のソロアルバム「shamanippon -ラカチノトヒ-」がランクインです。奇妙なタイトル「ラカチノトヒ」って、逆から読むと「人の力」ってことですか・・・。妙に宗教じみた曲名が中2病っぽい感じなのですが。初動売上は7万2千枚。剛紫名義でリリースした前作「美 我 空 - ビ ガ ク 〜 my beautiful sky」の4万4千枚からアップ。244 ENDLI-x名義でリリースした前々作「I AND 愛」の7万6千枚からは若干のダウンとなりました。

2位にランクインしてきたのは、現役女子高生の2人組アイドルユニットClariSのデビューアルバム「BIRTHDAY」。「アイドルユニット」でありながら、顔出しはせず、ジャケットなどではイラストのみを使用と、アニメキャラクター的要素が強い感じでしょうか。初動売上は5万3千枚。直近のシングル「ナイショの話」の初動3万4千枚を上回っており「アイドル」としては好調な滑り出し。

3位にはKARA「スーパーガール」が、先週の36位から突如ランクアップし、ベスト3返り咲き。日本来日公演を記念してリパッケージアルバム「スーパーガール JAPAN TOUR Special Edition」をリリースした影響の模様。

4位以下の初登場では、まず4位にストーリー性の高いアルバムが話題の同人音楽出身Sound Horizonのベストアルバム「Chronology[2005-2010]」がランクイン。アルバム毎に、ひとつの物語を作るコンセプチュアルな作風のミュージシャンなだけに、ベスト盤というのは、ちょっと意外だったのですが・・・初動売上は、前作「Marchen」の5万7千枚から大きくダウンの1万7千枚。やはりあまりベスト盤向きのミュージシャンではない模様・・・。

そして6位には、入ってきました!NICKI MINAJ「ROMAN RELOADED」。前作「PINK FRIDAY」がアメリカで大ヒットを記録し、一躍大きな話題となった女性ラッパー。発売日の都合で、先週、23位に初登場で入ってきたのですが、2週目にしてベスト10入り。前作「PINK FRIDAY」は最高位20位だったので、初のベスト10ヒットになりました。ちなみに、アメリカでもイギリスでも、もちろん1位を獲得。人気がようやく日本にも飛び火した模様です。

着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年4月19日 (木)

痛快で自由自在

今回紹介するのは、忌野清志郎の「瀕死の双六問屋」。もともと、1998年から2001年にかけて、「TVブロス」で連載されたエッセイ。彼が絵本以外では唯一といっていい、ゴーストライターやインタビューおこしではなく、自分で書いた本で、とても気に入っている一冊だとか。2000年に発売された単行本では、オリジナルのテーマ曲を収録したCDも付録としてついていました。その後、文庫本化され、こちらは今でも容易に入手できるのですが、付録のCDもつき、さらに2000年の単行本では未収録だった最終回も加えての、「完全版」だそうです。

このエッセイ・・・・仮に「エッセイ」と読んでいますが、一言「エッセイ」で片付けられない不思議な展開になっています。日々の出来事をつぶやいたかと思えば、社会派なエッセイもあり、かと思えば、小説がはじまって、その小説もフィクションかノンフィクションかわからない・・・小説、エッセイ、フィクション、ノンフィクションの壁が全くない、自由自在、彼の書きたいことが書き綴られている内容で、エッセイの枠組みにあてはまらないその自由さは、最初読んでいてとまどってしまいました。

しかし、最初はとまどいつつ読みすすめていくうちに、徐々に不思議な感覚を覚えてきました。それは、本を読んでいるにも関わらず、まるでキヨシローのアルバムを聴いているような、そんな感覚。この自由自在なエッセイの世界が、彼の音楽と、全くの地続きだったから、でしょうか。また、軽快な文体に、音楽的なリズムを感じたから、かもしれません。

そして、このエッセイを読んで、一番おもしろかったのは、彼の書く内容が、実に痛快だ、ということ。無責任なつまらない連中を「田舎モノ」と切り捨て、世の中で流行するJ-POPは、「つまらない」と一刀両断。そして、一番痛快なのは、彼の切り捨てる対象は、あくまでも彼自身の価値観によるもの、ということ。決して世の中の常識や法律に従って良し悪しを判断しているわけではなく、彼自身が「おかしい」と思ったものは、容赦なく切り捨てます。それは、彼の音楽と全く同じ。

「君が代」をパンクロック風にアレンジした曲を収録したアルバムが発売中止になったり、インディーシーンを皮肉った「ライブ・ハウス」を収録したアルバムが、インディーズからも発売中止になったり、このエッセイを連載している間に、彼をめぐっていろいろな事件が起こりましたが、そちらのエピソードもしっかりと収録されており、ここらへんの話も要チェック。

ちなみに付録CDで収録されている「瀕死の双六問屋」のテーマ曲が、これがまた、実に彼らしいブルースロックの名曲!キヨシローらしさがつまった作品で、文庫本を持っている方も、このCD目当てだけに購入しても損はないかも。

実に彼らしい、痛快で変幻自在なエッセイ集でした。あまりに自由すぎて、正直、連載時に読んでいたとしたら、内容がよくわからなくて混乱してしまったかも(笑)。まさに、忌野清志郎の「読む」アルバム作品ともいえる作品。ファンはもちろんですが、その内容に、ファン以外でも楽しめるエッセイ集だと思います。お勧め!

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2012年4月18日 (水)

またジャニーズ系です。

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

先週まで、2週続けて非アイドル系ミュージシャンが1位を獲得していましたが、今週はジャニーズ系の新人ユニットが1位を獲得しています。

今週の1位は、ジャニーズ系アイドルSexy Zoneの2ndシングル「Lady ダイヤモンド」が獲得。初動売上11万5千枚は、デビューシングルである前作「Sexy Zone」の17万2千枚から大幅ダウン。前作では、AKB48の派生ユニットNot yetとの首位争いを演じ、急遽、イベントを開催するなど、なりふり構わないやり方が話題となりましたが、本作はそういうイベントもなく。その影響か、初動売上も大幅ダウンとなりました。楽曲の方は、前作に引き続き、馬飼野康二作曲による、爽やかなアイドルらしいポップチューンに仕上がっています。

2位はPerfume「Spring of Life」が初登場。キリンチューハイ「氷結」のCMソングで、もちろん作詞作曲及びプロデュースは中田ヤスタカ。これで6作連続2位という、ちょっと不運な結果になっています。初動売上9万3千枚は、アルバム先行で売上のダウンした前作「スパイス」の7万5千枚からアップ。前々作「レーザービーム」と同水準に戻しています。

3位には、モーニング娘。「恋愛ハンター」がランクインです。初動売上4万1千枚は前作「ピョコピョコ ウルトラ」の3万1千枚からアップ。メンバーの新垣里沙がこの曲を最後に卒業するそうなので、その影響でしょうか。同じく高橋愛が脱退した前々作「この地球の平和を本気で願ってるんだよ!」の初動4万9千枚からはダウンしています。ちなみに、この曲で、ベスト10入りシングルは49作となり、オリコン歴代最多ランクインを記録したそうです。メンバーの加入、脱退(卒業)をくり返し、最初とは全く違うグループになってしまっている彼女たちを、他のミュージシャンたちと単純比較できるのかはとても微妙なのですが。

そして4位以下の初登場ですが、まずは韓流。5位に男性アイドルグループ2AM「電話に出ない君に」、6位に同じく男性アイドルグループSHU-I「HITORIJIME」がそれぞれランクインしています。

2AMの曲はバラードナンバー。日本でのデビューシングルだった前作「Never let you go ~死んでも離さない~」の2万6千枚から大幅ダウンの初動1万6千枚。一方、SHU-Iは、日本が活動拠点の韓流アイドル(って、BIG IN JAPANってこと?)。初動売上1万4千枚は、前作「ネバギバYeah!」の1万1千枚からアップ。前々作「summer sweet」の同水準まで回復しました。

7位には、人気声優竹達彩奈「Sinfonia! Sinfonia!!!」がランクイン。これが、初のシングルとなり、いきなりのベスト10ヒットとなりました。かわいらしいボーカルは、ある意味典型的なアニメ声といった感じで、聴く人を選びそう・・・。

で、最後はロックバンド2組の新曲がランクイン。まずは8位。ASIAN KUNG-FU GENERATION「踵で愛を打ち鳴らせ」がランクインです。祝祭色も感じられる、鮮やかな感触のあるロックナンバー。順位は前作「マーチングバンド」の9位からアップしましたが、初動売上は1万7千枚から1万3千枚にダウン。

そして10位には元ミッシェル・ガン・エレファントのチバユウスケ、クハラカズユキの在籍するバンド(元マイラバのフジイケンジもいるよ!)The Birthday「ROKA」が入ってきています。こちらも、ガレージサウンドがベースながらも、アップテンポで明るい雰囲気のポップテイストなナンバー。初動売上9千枚は、前作「なぜか今日は」とほぼ同水準になっています。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは、また金曜日に~。

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2012年4月17日 (火)

10年以上前の音源ですが・・・

Title:Live at All Tomorrow's Parties,9th April 2000
Musician:MOGWAI

Mogwai_live

最近(という感じじゃないか、ここ数年)、著名なミュージシャンも、ライブ音源を突如ネット上にアップし、フリーで配布するスタイルが日常になりました。

で、先日突如ネット上でフリーでアップされたのが、MOGWAIのライブ音源。ただ、最近のライブ音源ではありません。なぜか2000年4月9日という、10年以上前の、オルタナ系のロックフェス、All Tomorrow's Partiesの音源が、アップされました。

試聴とダウンロードはこちらのサイトから。期間は未定なので・・・いまのうちに急げ!

2000年、といえば、ちょうどMOGWAIがはじめてフジロックに出演し、その演奏が音楽ファンの中で大きな話題となった頃。それと共にMOGWAIという名前が一気に広まりました。

それは、日本人がMOGWAIというバンドにはじめて触れたから、そのもの珍しさから話題となった・・・ということもいえるかもしれません。しかし、今回あらためて2000年のライブ音源を聴くと、当時、彼らのライブが大きな衝撃を持って受け止められた理由が、嫌というほどわかりました。このライブ音源だけでも、彼らの魅力が、これでもかというほど伝わってきたからです。

特に「Christmas Steps」。最初は静かなギターの音ではじまります。ゆっくりと奏でるギターのメロは、ちょっと不気味な感じも。それが徐々に盛り上がっていったかと思うと、4分あたりからギターノイズが増え、5分くらいからは一気にノイズで埋め尽くされます。特に4分30秒くらいからのエッジの効いたギターとドラムスの演奏には、ゾクゾクっとさせられるものが。

一方では「Chrstmas Song」では、ピアノとストリングスでおごそかな雰囲気を醸し出したり、かと思えば、最後の「Mogwai Fear Satan」では、序盤からギターノイズが埋め尽くされ、ダイナミックなサウンドを聴かせてくれたり。次から次へと変っていく展開に、耳が離せません。

個人的に、このアルバムのMOGWAIの演奏で一番魅力に感じたのは、静と動の対比でしょうか。静寂感のある音と激しいギターノイズを対比させることにより、ライブ全体のダイナミックさがより際立っています。特に「Mogwai Fear Satan」の7分あたりで繰り広げられる、静かな音から激しいギターノイズへ一気にブレイクする展開には、鳥肌モノでした。

全7曲50分弱。十分、ライブ盤としての魅力が満載。いままで、いくつかのフリーダウンロードのライブ音源を聴いて、ここでも紹介してきましたが、いままで聴いた中でベストかも。MOGWAIのライブの魅力が、否応なくつたわってくる音源。いままで彼らの音楽を聴いたことない方にもお勧めできるかも。

評価:★★★★★

MOGWAI 過去の作品
The Hawk Is Howling
HARDCORE WILL NEVER DIE,BUT YOU WILL


ほかに聴いたアルバム

She's Always a Woman to Me:Lovesongs/BILLY JOEL

本人選曲によるラブソングを集めたバラードベスト・・・・・・とはいっても、必ずしもミディアム・テンポのナンバーだけではなく、「Until The Night」のようなアップテンポなナンバーもあって、バラエティーある選曲。「Honesty」みたいなおなじみのナンバーもあるものの、全体的に裏ベスト的な内容。もっとも、魅力ある曲の数々は、ビリー・ジョエルの最初の1枚、としても、彼の魅力を十分に伝えられる選曲だと思います。

評価:★★★★★

BILLY JOEL 過去の作品
LIVE AT SHEA STADIUM

Let England Shake/PJ Harvey

イギリスの女性シンガーソングライターによるアルバム。イギリスのメディアでは、かなり評判良く取り上げられていましたが、日本ではほとんど無視。イングランドの歴史という、アルバムのテーマが、日本では捉えられづらいからかなぁ。ただ、フォーキーな雰囲気や、曲によってはケルト民謡のテイストを入れた楽曲は、歌詞の背景がよくわからなくても、とても魅力的。どこか憂いを秘めたメロディーも、心に残ります。どこか幻想的なファンタジックな雰囲気は、古き良きイングランドのイメージでしょうか?比較的シンプルな音作りをしているため、そんな雰囲気が、より伝わってくる傑作だったと思います。

評価:★★★★★

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2012年4月16日 (月)

愛情あふれる素晴らしい「コピー」

Title:TWISTIN' THE NIGHT AWAY
Musician:トータス松本

60年代のソウルミュージックのスターとして、数多くのヒットを出し、その後のミュージシャンたちに多大な影響を与えたシンガー、サム・クック。彼に憧れ、影響を受けたシンガーは数多くいますが、ここにも、ひとり、サム・クックを尊敬するシンガーが。トータス松本。今回のアルバムは、サム・クックが1962年にリリースしたアルバムを、そのまままるごとカバーした作品になっています。

もともと、このアルバムをリリースしようとしたきっかけは、このアルバムが、CD化されておらず、現状、気軽に聴ける状況ではない、ということを知ったから、だそうです。これだけの名盤を埋もらせておくのは惜しすぎる。CD化されていないのなら、自分がそのアルバムをカバーして、このアルバムの素晴らしさを世の中に紹介したい、ということだからだそうです。

そのため、このアルバム、カバーアルバムというよりも完全にコピー。歌い方もサム・クックそのままなら、アレンジもそのまま。なんでも、サム・クックを詳しくしらないバンドメンバーに勉強会までひらいたり、さらにミックス・ダウンは、わざわざサム・クックと同様、ロサンゼルスで行ったとか。さらにレコードノイズまで入っているこだわりよう。

細かいこだわりは音楽だけじゃなく、ジャケットにもあらわれています。↓こちらが、もともとのサム・クックのジャケットなのですが

みての通り、そのまんま(笑)。ボーズは指の先まで完全に再現しています。

ただ、唯一の違うのは、オリジナルのジャケットではビクターのおなじみニッパー犬が蓄音機を覗き込んでいるロゴが入っているのですが(上は復刻版なので、入っていませんが・・・)、さすがにビクターのロゴは使えなく、代わりに、猫がパソコンを覗き込んでいるイラストが入っています(笑)。

このサム・クックの「TWISTIN' THE NIGHT AWAY」ですが、トータス松本が企画制作した段階では、確かにCDで入手できませんでした。しかし、このアルバムが発売した直後にオリジナルのCDでのリイシューが決定。この企画の当初の目的が、オリジナルの復刻という形で実現してしまいました(^^;;

ただ、だからといってこのアルバムの価値がなくなった、という訳ではありません。むしろ、誰でも気軽にオリジナルとトータス松本盤の聴き比べが出来るようになったのが大きなポイント。聴き比べてみると、あらためて細かい部分までのこだわりを感じられる一方で、それでも色濃く残る、トータス松本らしさを発見することが出来ます。

特にトータス松本は、このアルバムでは、いつもの彼と違って、こぶしは抑え目。サム・クックの節回しを忠実に再現しています。それでも、ところどころに感じられるトータス松本らしい、サム・クックとはちょっと違う節回しがユニーク。さらっと甘く歌うサム・クックに比べて、よりソウルフルなトータス松本といった感じがまた、いくらコピーしてもにじみでてくるトータス松本の個性を強く感じます。

オリジナルが文句なしの名盤なだけに、トータス松本盤も悪いわけがありません。忠実なカバーに、トータス松本のサム・クックに対する愛情を存分に感じるアルバムです。あ、もちろん、このアルバムを買う時は、オリジナルもご一緒に(オリジナルのCD化は、限定生産みたいなので、お早めに・・・)。

評価:★★★★★

トータス松本 過去の作品
FIRST
マイウェイ ハイウェイ


ほかに聴いたアルバム

ロックンロール・ラブレター/ザ50回転ズ

「ロックンロール・マジック」「ロックンロール・世界旅行」に続くロックンロールシリーズ第3弾にして完結編。今回は、タイトル通りの「ラブソング」にこだわったミニアルバム。どれもストレートなラブソングなのですが、曲自体も歌詞の雰囲気にあわせて、青春パンク風からサーフ・ロックの雰囲気が入った曲やハードロックなど、あくまでもロックをベースとしながら雑多な雰囲気。相変わらずアルバム全体を貫かれている、いい意味でもB級っぽさが、彼ららしくていいなぁ。

評価:★★★★

ザ50回転ズ 過去の作品
50回転ズのビックリ!!
ロックンロール世界旅行

SEBULBA/踊ってばかりの国

「世界が見たい」を先に紹介しちゃったのですが、アルバムとしては、こちらの方が先・・・って、「世界が見たい」よりこちらの方がいいじゃないですか!独特の浮遊感と、ちょっと怖かったり、皮肉めいた歌詞という彼らの個性はしっかりとこの段階で確立されています。さらに、メロがポップなために、妙な人なつっこさがあって、でも、よくよく聴くと、非常に個性的な音を出していたり・・・で、ついついはまってしまいます。個人的に、いままで聴いた彼らのアルバムの中ではベスト。次回作もこれくらいの傑作を期待したいところです。

評価:★★★★★

踊ってばかりの国 過去の作品
グッバイ、ガールフレンド
世界が見たい

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2012年4月15日 (日)

THE ROOTSのコラボ第2弾は・・・。

Title:Betty Wright:The Movie
Musician:Betty Wright&The Roots

2010年には、John Legendと組み、昔ながらのソウルミュージックをカバーして、大傑作を作り上げたTHE ROOTS。そのJohn Legendに続いてタッグを組んだのが、マイアミ・ソウルの女王と呼ばれるBetty Wright。「Claen up Woman」のヒットや、74年にグラミー賞を獲得した「Where is the Love」でも知られるシンガーの、10年ぶりとなる新作で、見事なタッグを組んでいます。

John Legendとのタッグでも、単純にオールドスタイルのソウルを演るのではなく、HIP HOPの要素を取り入れるなど、巧みに「今風」を取り込んだTHE ROOTSでしたが、「懐かしい歌を聴きましょうよ」という呼びかけからはじまる本作でも、SNOOP DOGGやLIL WAYNEなどといった、HIP HOPミュージシャンがゲストとして多く参加し、単純に、懐古趣味のソウルミュージックとは一線を画するアルバムになっています。

また、THE ROOTSの演奏もまた魅力的。「TONIGHT AGAIN」「HOLLYWOULD」あたりでは、シンセの音などを取り込みつつも「WHISPER IN THE WIND」では、優しいギターとストリングス、ホーンの音で、メロウな雰囲気を作り上げていたり、「OLD SONGS」ではファンキーなギターを聴かせたり。ただ、全編に共通して、Betty Wrightのボーカルを引き立てる、暖かみの感じさせるサウンドが、とても魅力的でした。

しかし、このアルバムで一番魅力的だったのは、やはりBetty Wrightのボーカルでしょう。いわゆるはりあげるタイプのボーカルではなく、その声からは優しさが感じられるものの、その一方、その奥には、一本芯の通った力強さが感じられます。

このアルバムに収録されている「SURRENDER」は、今年のグラミー賞のBest Traditional R&B Performanceにノミネートされ、話題になりました。このバラードナンバーも魅力的ですが、個人的には、それに続く「GRAPES ON A VINE」が良かったなぁ。ちょっとしっとりとしたボーカルを、最初は優しく、そして時にはシャウトするボーカルに、ロックテイストのギターサウンドは、ゾクゾクっとします。「同じ木になる葡萄がいつも甘いワインになるわけじゃない ちょっと渋くても、熟成すればするほど味がよくなるのよ」という歌詞も、ベテランシンガーの彼女だからこそ歌える大人の味わい。とても魅力的なナンバーです。

John Legendとのコラボに続いて、またもや傑作コラボ。輸入盤は昨年の発売だったのですが、日本語訳詞もついている国内盤は、ようやく発売になりました。これを機会に、是非。

評価:★★★★★

THE ROOTS 過去の作品
WAKE UP!(John Legend&The Roots)
undun


ほかに聴いたアルバム

INTRODUCING DIGITAL HARDCORE/ATARI TEENAGE RIOT

2010年に復活し、昨年はフジロックへも出演したドイツのデジタルハードコアバンドATARI TEENAGE RIOT。その復活や、フジロックへの出演を記念して、日本限定でリリースされたベスト盤。選曲は、9mm Parabellum Bulletが手がけています。わずか6曲というのは、ちょっと物足りなさを感じる一方、1,700円という安さや、デジタルハードコアというジャンルがら、好き嫌いが分かれそうなことを考えると、ちょっと興味があるけれど・・・という方が手を伸ばすには最適なベスト盤かも。

評価:★★★★

ATARI TEENAGE RIOT 過去の作品
ATARI TEENAGE RIOT 1992-2000
IS THIS HYPERREAL?

VIVA ELVIS THE ALBUM/ELVIS PRESLEY

あのエルヴィス・プレスリーの新録音として話題となった作品。シルク・ドゥ・ソレイユの「Viva ELVIS」の協力のもと、彼のボーカルトラックのみ残して、バックのサウンドを完全に今の音に作り変える企画。企画としてはおもしろいと思うけど・・・ただ、バックサウンドを作り変えても、楽曲の魅力が変らないというのは、やはりエルヴィスのボーカリストとしての魅力によるものが大きいんでしょうね。彼のボーカルは、今聴いてもとても魅力的ですし、男が聴いてもうっとりするほど。

ただ、企画としてはおもしろかったのですが、これで新たなエルヴィスが誕生したか、と言われると微妙で。曲によっては、少々チグハグな感じもしないこともなく。何年後か後に、「まあ、悪くはなかったよね」みたいな感じで、想い出の彼方に行ってしまいそうな感じのアルバム、かな?

評価:★★★

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2012年4月14日 (土)

被災地への思い その2

OTOTOYのサイトでダウンロード販売している東日本大震災被災者への支援アルバム「Play for Japan 2012」。今回は、Vol.8からVol.11の紹介、これがラストです。

ダウンロードサイトはこちらから

Title:Play for Japan 2012 Vol.8

Play_for_japan2012_8

このアルバムでなんといってもインパクトがあってユニークだったのが、井乃頭蓄音団「誕生日」。情けなさと寂しさとインパクトを兼ね備えたフォーキーな作品。Wikipediaによるとアンケートに「「歌詞が気持ち悪い」「聴くに見るに耐えがたし」などかかれたこともある。」もそうですが、確かにインパクトがある歌詞は少々どぎつくもあり、好き嫌いはわかれそう。ただ、非常にユニークなバンドであることは間違いなく、ほかの曲も聴いてみたくなります。

Vol.8ではギターロックバンドが比較的多く、ほかには、Lily Bell「あと少し」はつじあやの+空気公団といった感じで、暖かいポップを聴かせてくれますし、nothingman「夢の続き」は、切ないメロと歌詞を聴かせるギターロックの佳作。tokyo pinsalocks「Unlucky doughnuts」はPUFFYと少年ナイフを足してニューウェーヴで割った感じ(?)で、印象に残りました。

評価:★★★★

Title:Play for Japan 2012 Vol.9

Play_for_japan2012_9

Joseph Nothing Orchestraも参加したVol.9。そのJoseph Nothing Orchestraの17分にも及ぶ大作「EBE pt01(20 light years mix)」も、ポップな装いながらも、様々な音があらわれる展開に耳を惹かれます。

他にも、静かなピアノの音や美しいストリングスの音色が耳を惹くポストロック風のTakahiro Kido「Oranges&Lemons」や、ダイナミックなエレクトロダンスチューンDAMAGE「SIGN OF THE TIMES」、同じくダイナミックなサウンドが耳を惹くギターロックTACOBONDS「BPM4」などが印象に残りました。

ただ、アルバム全体としては、ピアノがメインとなったインストナンバーが多く、特に終盤はしんみりとした曲が多く、静かな印象が残るアルバムに仕上がっていました。

評価:★★★★

Title:Play for Japan 2012 Vol.10

Play_for_japan2012_10

で、この回には、先日もこのサイトで紹介した青葉市子の他、アナム&マキの河島アナムと本夛マキがそれぞれソロで参加しています。青葉市子は、先日紹介したアルバムに収録されていた「奇跡はいつでも」を歌っているのですが、やはり名曲!青葉市子をはじめ、アコースティックな作品が目立つ1枚になっています。

他には、爽やかなフォークソング、笹倉慎介「春の声」やノスタルジックな暖かい歌詞が良い、フォーキーなマモルとダイジュ「手を握る」なども印象的。アコースティックな楽曲が多いため、暖かい気持ちにさせてくれる1枚でした。

そんな中、フォークギターをバックにラップをつむぐDream Come Through「東京のどまん中」は、まさに震災の時の東京の情景をそのままラップしており、非常に印象的。こういう題材を使えるのは、ラップならでは。ある種のジャーナリスティックな内容も兼ねているといえるかもしれません。

評価:★★★★

Title:Play for Japan 2012 Vol.11

Play_for_japan2012_11

そしてこれが最後。大トリは、Date Course Pentagon Royal Gardenが飾っています。最後らしく、アコースティックからギターロック、エレクトロニカ、ジャズなど、様々な楽曲が入ったアルバムになっていました。

そんな中でも個人的によかったのが、ショピン「ミクロコスモス」。リコーダーとアコギを奏でる暖かい雰囲気のポップナンバー。昨年発売した「Play for Japan Vol.2」にも参加していましたね。この楽曲を優しいボーカルで歌っている野々歩は、あの「ぽぽぽぽ~ん」のACのCM「まほうの言葉」の曲を歌っていた人です。

他には、シドニーから参加してくれたHinterlandt「Motion」tella×macra「優しい瞬きのあと」Paranel「蛇の心臓」、ソフトロックが心地よいスノーモービルズ「夕景の魔法」、テンポ良いエレクトロチューンLEF!!!CREW!!!「Suck A Free(MAYAKU's Ghetto Work)」や同じくアップテンポなエレクトロチューンRyoma Maeda「Are You Experienced?」などが印象に残りました。

評価:★★★★

そんな訳で全11枚。どれも1時間半を超えるボリューム満点の作品ばかりで、もうおなか一杯です(笑)。もっとも、いろいろと興味深いミュージシャンの曲にも出会えて、チャリティーしながらも、なかなかお得なコンピだったと思います。ただ・・・正直、全体の出来としては、震災直後にリリースした、前作の方がよかったかも、とも思ってしまったり・・・・・・。とはいうものの、前にも書いたとおり、このボリュームで1枚1,000円は間違いなくお得!まだまだ厳しい状況が続く被災地のためにも、ここで是非1枚!

以前のPlay for Japanの感想はこちら
Play for Japan Vol.1~Vol.3
Play for Japan Vol.4~Vol.6
Play for Japan Vol.7~Vol.10
Play for Japan 2012 Vol1~Vol.3
Play for Japan 2012 Vol.4~Vol.7

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2012年4月13日 (金)

やはりミスチル強し!

今週の着うたチャート

2012年4月4日~2012年4月10日付チャート

やはり強いですね~ミスチル。

今週第1位はMr.Children「祈り~涙の軌道」。これで4週連続の1位。相変わらずの強さを見せつけています。そして2位は、福山雅治「生きてる生きてく」。先週の3位から、さらにワンランクアップしてきました。また3位には、いきものがかり「ハルウタ」が、8位からランクアップ。初登場から2週目にしてベスト3入りです。

今週、初登場で最高位は4位。今週のシングルチャートで1位を獲得したB'zの配信限定シングル「Into Free -Dangan-」がランクインです。カプコンのゲーム「ドラゴンズドグマ」の主題歌で、試聴して聴いたことあるなぁ、と思ったら、この曲、「さまよえる蒼い弾丸」の英語詞なんですね。

もう1曲初登場。9位にヒルクライム「内容の無い手紙」が入ってきています。この曲、もともとはジャニーズ系アイドルNEWSに提供した曲で、4月25日にリリース予定のベストアルバム「Best of Hilcrhyme ~SILVER~」に収録予定の楽曲です。

今週は、初登場が少ない影響か、ベスト10圏外からのランクインが2曲ありました。それもどちらも韓流。7位にはKARA「スピードアップ」が先週の16位からランクイン。こちらは2週ぶりのベスト10返り咲きとなります。また、8位に、男性アイドルグループBIG BANG「FANTASTIC BABY」が11位からランクアップ。初登場から2週目にしての初のベスト10入りとなります。こちらは、先週のアルバムチャートで3位に入ってきたアルバム「ALIVE」の収録曲。テンポよい、エレクトロトラックのラップナンバーになっています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週のアルバムチャートは初登場がわずか3枚!ここ最近では珍しい、新譜の谷間になっています。

そんな中で1位を獲得したのは、遊助ことタレントの上地雄輔の「あの・・涙があるから愛があるんですケド。」・・・・・あの・・・タイトルの意味が不明なんですケド。

これで前作「あの・・夢もてますケド。」に続いて2作連続の1位なのですが、初動売上3万8千枚は、前作の7万9千枚から大きくダウン。前々作は初動16万7千枚なので、急落傾向が続いています。羞恥心で得た歌手としての人気の効果が、衰えてきた感じでしょうか。

2位は先週1位だったジャニーズ系アイドルKis-My-Ft2のデビューアルバム「Kis-My-1st」がワンランクダウンで2位をキープ。3位には、BENI「COVERS」が先週の12位から急上昇で、3位にランクアップ。売上も1万1千枚から1万3千枚にアップさせており、初登場から3週目にして、最高位を獲得です。カバーアルバムでのヒット狙いが、まんまと功を奏した感じですね。

初登場2作目は、6位の「EXIT TUNES PRESENTS Vocalogemini feat.鏡音リン、鏡音レン」。VOCALOIDソフト鏡音リン、鏡音レンを使用した、人気曲を収録したオムニバス盤です。VOCALOIDのコンピレーションといえば、直近では「EXIT TUNES PRESENTS Vocalodream feat. 初音ミク」が初動2万6千枚を記録していますが、本作は初動1万1千枚に留まっています。

そして初登場3作目。10位に、4人組ロックバンド[Champagne]「Schwarzenegger」がランクインです。これがメジャー3作目となるのですが、もちろんはじめてのベスト10ヒット。いきなりのベスト10入りにビックリ。そんなに人気のあるバンドだったんだ・・・。前作「I Wanna Go To Hawaii.」もなにげに最高位14位を記録しています。そして初動売上も前作の5千枚から8千枚にアップ。低水準のチャートに助けられた感もあるのですが、見事、初のベスト10入りとなりました。

着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年4月12日 (木)

幸福感があふれだす

Title:ULTRA
Musician:bonobos

去年の「Rock on the rock」ではじめてbonobosをライブで見まして。正直言って、予想以上に平凡なステージで(^^;;なんというか、bonobosのアルバムで感じたような、独特な浮遊感がほとんどない、普通のギターロックバンド、といった感じで。そんなこともあったので、このニューアルバムも、あまり期待していなかったのですが・・・。

しかし、これがまた、予想以上に素晴らしい内容でした!

一言でいえば、CDから、幸福感があふれだしそうな作品、といっていいでしょうか。

最初から最後まで、ハッピーな雰囲気がみちあふれているアルバムなんですよね。「リレー」からして、フリーなピアノとギターロックがとても祝祭色あふれる音を作り出していますし、続く「星の住処」も、ストリングスにホーン、ピアノやヴィブラフォン(?)まで加わり、にぎやかでとても楽しいナンバーになっています。

中盤「虹」のような、ピアノで幻想的な世界を描き出すナンバーや、ポップなメロディーを聴かせる「夕景スケープ」など、聴かせるナンバーもあるのですが、それらの曲も、のんびりとした雰囲気の中、満ち足りた気分にしてくれる楽曲。特に「あなたは太陽」などは、タイトル通りの讃歌。

「たとえばあなたが伝説の、孤独に旅する猿として
あなたが行くのはそのような
圧倒的な原野だろう」

という現実を描きながらも

「日だまりを行くといい、愛することに出会うといい
あたりまえの営みを、どうかあなたは続けてね」
「そこは光の苗床だ、そこは命の苗床だ
あなたの未来に祝福を
圧倒的な祝福を」

(以上 「あなたは太陽」より 作詞 蔡忠浩)

と歌い上げるこの曲は、ある意味、このアルバムを象徴する曲。そして最後は「Go Symphony!」で、最後の最後まで祝祭色あふれる曲が並んでいます。

最近は暗いニュースが多く、ともすれば後ろ向きになりがちな中、そんな現実の中でも、幸せを求めようとするこのアルバムは、今、多くの方に聴いて欲しいアルバムだと思います。はやりの前向きソングのように、根拠のない単純な前向き応援歌ではなく、曲全体にハッピーな雰囲気がありながらも、「あなたは太陽」のように、現実を踏まえた上での未来を歌うこのアルバム。bonobosの傑作だと思います。最後まで、満ち足りた気分になれる1枚でした。

評価:★★★★★

bonobos 過去の作品
Pastrama-best of bonobos-
オリハルコン日和

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2012年4月11日 (水)

珍しく2週連続非アイドル系が1位

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週も、先週に続き、AKB、ジャニーズ、韓流系以外が1位!

今週1位は、B'z「GO FOR IT,BABY -キオクの山脈-」。サントリー「PEPSI NEX」CMソング。前作「Don't Wanna Lie」は、初回盤と通常盤を両方買えば、特典としてCDがもらえるという、複数枚買い誘導のキャンペーンで1位獲得を狙ってきて話題になりましたが、今回はそういうプロモーションはなし。その影響で、初動売上は16万8千枚から14万3千枚にダウン。もっとも、前々作「さよなら傷だらけの日々よ」は初動13万枚だったので、タイアップ効果か、事実上、初動売上はアップしています。

今回の1位獲得で、1位獲得数が、通算63週でピンク・レディーと並んだとか。ただ、いくらCD不況とはいえ、初動売上10万枚台前半だと、発売週を狙わないと、1位を獲得するのが難しい状況に。今回の1位も、毎週のようにAKB関連とジャニーズ関連のCDが発売される中、よくチャートの隙間を狙ったなぁ、と逆に感心するくらいです(^^;;

2位はSUPER JUNIOR DONGHAE & EUNHYUKの「Oppa,Oppa」がランクイン。韓国のアイドルグループSUPER JUNIORのDONGHAEとEUNHYUKからなるユニット。タイトル通り、ユーモラスな曲調とインパクトある歌詞のパーティーチューン。初動6万8千枚は、SUPER JUNIORとしての前作「Mr.Simple」の8万8千枚からはダウンしていますが、グループ内ユニットのシングルということを考えると、かなりの健闘といった感じ。

3位は先週1位を獲得した福山雅治「生きてる生きてく」が、2ランクダウンながらもベスト3をキープしました。

以下、4位から10位の初登場曲ですが・・・

まず4位には久しぶりの演歌勢。水森かおり「ひとり長良川」がランクインです。あいかわらずのご当地演歌で今回の舞台は長良川なのですが・・・この歌詞、3番で飛騨高山が登場するのですが、高山に流れているのは、神通川水系の宮川で、長良川とは全く別。「ご当地演歌」といいながらこんな歌詞でいいの??初動売上2万枚は、前作「庄内平野 風の中」の2万8千枚からダウン。

5位は女性アイドルグループFairies「Best Generation」。幼いルックスの、日本的なアイドルなのに、楽曲は露骨にK-POPというのは前作と同様。前作「HERO」の1万2千枚から、初動売上は1万8千枚に大きくアップ。5位というのは、自己最高位になります。

で、ここでちょっとビックリした曲がランクインです。MAN WITH A MISSION「distance」が、なんと6位。初動売上1万枚を売上げ、もちろん初のベスト10入り。前作「NEVER FXXKIN' MIND THE RULES」は最高位88位だっただけに、いきなりのベスト10入りはかなり驚きです。MAN WITH A MISSIONは、頭は狼、身体は人間という設定の5人組ロックバンド。ライブが高い評判となり、徐々に人気を獲得してきました。

8位には、ファッションモデルとして人気のきゃりーぱみゅぱみゅ「CANDY CANDY」がランクイン。前作「つけまつける」に続くベスト10入り。また、前作と続き、中田ヤスタカプロデュースになります。ただ、前作と同様、サビのインパクトが強く、それ以外の部分のメロがちょっとやっつけ的なのが気になりますが。初動売上は9千枚で、「つけまつける」の1万3千枚から若干ダウンしてしまいました。

ベスト10最後は10位に女性4人組オルタナロックバンドねごと「sharp #」がランクイン。TBS系テレビアニメ「機動戦士ガンダムAGE アセム編」主題歌という好タイアップにより、初のベスト10入り。爽快でアップテンポなギターサウンドが心地よいナンバーに。ただ、初動売上7千枚は、前作「メルシーリーep」の6千枚から微増。タイアップ効果というよりも、今週の低水準のチャートに助けられた感じです。

今週のシングルチャートは以上。アルバム&着うたチャートは金曜日に!

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2012年4月10日 (火)

次の一歩に動き出した意欲作

Title:PORTAL
Musician:Galileo Galilei

Galileo Galileiのニューアルバムには、正直、かなりビックリしました。

Galileo Galileiといえば、auのCMソングが話題になったギターロックバンド。ポップなメロディーラインはインパクトがあり、それだけにヒットを記録したものの、「よくありがちなギターロックバンド」というイメージしか持ちませんでした。

しかし、このアルバム、1曲目の「Imaginary Friends」のイメージがガラリと変ります。エレクトロなリズムに、キラキラと輝くようなサウンド。ちょっと幻想的な雰囲気で、女性のコーラスが実に効果的。歌詞もあわせて、何かが始まるような希望を感じさせるナンバーです。

その後も、基本的に、エレクトロのサウンドとバンドサウンドを融合した感じの曲調。イメージとしては、後期スーパーカーあたりに近い方向性??90年代後半に、多くのギターロックバンドが、エレクトロ方面に走った時期がありましたが、そのイメージに近いかもしれません。

そんな中で「Kite」のようなギターロック色が強い曲や、「星を落とす」のようなシューゲイザー色が強い曲なども交えつつ、個人的には、やはりその1曲目と、同じく、ちょっと幻想的で、サイケな雰囲気をまじえつつ展開するラストナンバー「くじらの骨」が名曲だと思いました。

ただ一方で、「ああ、90年代にこのタイプのバンド、よくいたよなぁ」なんて思ってしまったり、Galileo Galileiだけが持っている何か、と言われると、まだ不足しているような感じも。というよりも、「普通のギターバンド」から、ようやく次の一歩を踏み出して、Galileo Galileiらしさを、より模索しだした意欲作といった感じがします。

そういう意味では、このアルバムだけ取ると、傑作、というにはちょっと物足りなさを感じる部分も。ただ、次の傑作に間違いなく繋がりそうな作品に感じました。次あたりはとんでもない傑作を産み出すかも・・・。そういう意味でも、彼らから今後、目が離せなさそうです。

評価:★★★★

Galileo Galilei
パレード


ほかに聴いたアルバム

Citizen Soul/People In The Box

パッと聴いてポップな雰囲気を醸し出しながらも、独特の世界観の歌詞と、複雑な楽曲の構成で、聴けば聴くほどはまってしまう彼ら。最初の「沈黙」も、ちょっと聴いた感じではポップなギターロックながらも、聴きすすめると、「あれ?」といった感覚に陥ってしまいますし、続く「親愛なるニュートン街の」も、不思議な雰囲気の歌詞が深読みできそう。最後の「汽笛」は、暖かい雰囲気のポップなメロが、素直に楽しめる作品。表面的なポピュラリティーと、その後ろにある奥深さが、さらに増したような作品です。本当に、1曲キラーチューンが出来れば、一気にブレイクしそうな感じもするんだけどなぁ。

評価:★★★★★

People In The Box 過去の作品
Ghost Apple
Family Record

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2012年4月 9日 (月)

バンドブームの中心にいた彼らの今

ブルーハーツとジュンスカ。共に80年代後半から90年代にかけて、絶大な人気を得たパンクロックバンドです。また、いまなお、日本の多くのパンクバンドに影響を与えています。ブルハは95年に、ジュンスカは97年に解散。その後はご存知の通り、ブルハはヒロト&マーシーがハイロウズ、クロマニヨンズとバンド形態を変えながら活動を続け、今なお第一線で活躍を続けています。

そして昨年、東日本大震災のチャリティーライブをきっかけに、ジュンスカが再結成。今年、過去の彼らの代表曲を、今の彼らで再録音した「ベスト盤」がリリースされました。

Title:B(S)T
Musician:JUN SKY WALKER(S)

そして、奇しくも、この同日に、クロマニヨンズもニューアルバムをリリースしました。

Title:ACE ROCKER
Musician:ザ・クロマニヨンズ

こう言ってしまうとなんですが、90年代のバンドブームを支えた2組ですが、年の取り方が全く違うなぁ・・・という感じがしました。

再結成のジュンスカは、はっきりいえば、同窓会のおやじバンド、という枠組みを出ていません。もともと、ジュンスカの曲は、いまでいえば青春パンクように、青臭い曲が多く、まあ、それはそれで20代前半の彼らが歌えばリアリティーはあったのですが、オーバーフォーティーになった彼らがそのまま歌っても、痛々しさを感じてしまいます。

確かに、演奏技術は格段に向上していますが、逆にその上手さが、楽曲自体の雰囲気とミスマッチして、「昔の仲間たちが、懐古的に集まった」という雰囲気を増幅しています。

4月にはオリジナルアルバムのリリースが予定されていますが、その内容がどうなっているのか・・・。かつてのジュンスカのイメージそのままで突き進むのなら、かなり厳しいような感じがするのですが・・・。

で、一方のクロマニヨンズは、こちらもある意味相変わらず。ただ、当たり前ですが、ブルハの時代とは全く違う地点に立っていますし、ヒロト&マーシーはすでに50歳に手が届く年齢になっていますが、それを感じさせない若々しさと、リアリティーがあります。ここらへん、常に第一線のパンクバンドとして活動し続けた彼らだからこそ身に着けたものなんでしょう。

歌詞も相変わらずなのですが、今回は、妙に前向きな歌詞や、リスナーを力づけてくれるような歌詞が目立ったような印象が。例えば

「トケテ ヒロガル イマ ハル」
(「ハル」より 作詞 甲本ヒロト)

「やる事は わかってる 立ち上がる 立ち上がる
いつまでも どこまでも 立ち上がる 立ち上がる」

(「ナンバーワン野郎!」より 作詞 真島昌利)

「合言葉は雷雨決行
嵐に船を出す

引き返す訳にゃいかないぜ

夢がオレたちを見張ってる」

(「雷雨決行」より 作詞 甲本ヒロト)

なんかがそんな感じでしょうか。ここらへん、やはり震災の影響、ということなのかなぁ。

とはいえ、こういう歌詞が入ることによって、妙に説教臭くなることも青臭くなることもなく、基本的にはいつものクロマニヨンズ。意味不明な歌詞や、ユーモラスな歌詞などを織り交ぜて、私たちをしっかりと楽しませてくれます。

90年代を引きずるジュンスカと、しっかりと今を爆走するクロマニヨンズ。90年代のバンドブームの中心にいたメンバーのバンドですが、大きな差を感じます。もっとも、今度ジュンスカが活動を続けていくのなら、2010年代の新しいジュンスカの姿が見えてくるとは思うのですが。

評価:
B(S)T ★★★
ACE ROCKER ★★★★★

ザ・クロマニヨンズ 過去の作品
CAVE PARTY
ファイヤーエイジ
MONDO ROCCIA
Oi! Um bobo


ほかに聴いたアルバム

サ上とロ吉のINMIX~non stop rental~/サイプレス上野とロベルト吉野

「TSUTAYA」限定レンタルとなっている、サイプレス上野とロベルト吉野の代表曲を並べたDJ Mixアルバム。3月7日にリリースされたアルバム「MUSIC EXPRES$」のプロモーション目的だと思われますが、彼らの代表曲を並べたベスト盤的な内容で、初心者向けとしてピッタリ。レンタルオンリーとはいえ、楽曲同士のつながりもよく考えられてミックスされており、レンタルオンリーというのはもったいないくらいの出来。アルバムのプロモーションとしてだけではなく、サ上とロ吉の入門としても、今後もお勧めできそうな1枚。

評価:★★★★★

サイプレス上野とロベルト吉野 過去の作品
WONDER WHEEL

YOKOHAMA LAUGHTER

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2012年4月 8日 (日)

ふるさとへの思い

Title:わが美しき故郷よ
Musician:畠山美由紀

東日本大震災から、早くも1年以上の時間が流れました。今なお、行方不明者が多数残っている状況であり、また、多くの方が避難生活を余儀なくされています。また、原発事故の影響はいまなお続いており、復興作業は、まだまだ中途の状況であるというニュースが流されています。

この1年間、数多くのミュージシャンたちが、東日本大震災に向けての曲をつくってきました。そんな中、このアルバムはもっとも心に響いたアルバムかもしれません。畠山美由紀。宮城県気仙沼市出身。彼女自身も、地震の後、両親と1週間以上連絡が取れなかったそうです。タイトル通り、そんな彼女が、震災と向き合い、美しい故郷を思いながら歌ったこの曲。どんな曲よりもストレートに胸に響いてきます。

しかし、震災に向き合った曲なのですが、このアルバムで歌われているのは、決して人々の絆とか、未来への希望とか、あるいは原発事故や政府の対応への怒りだとか、そういうことではありません。ただ、淡々と、故郷気仙沼の美しい風景や思いを曲に込め、歌い上げています。そこにあるのは、津波の被害を受け、変わり果ててしまった美しいふるさとに対する限りない愛情。それだけに、より心に染みるものがあります。

特に「わが美しき故郷よ」では、ふるさとへの思いを、具体的な地名をまじえながら朗読しています。おそらく、地元の方なら、彼女の詞を聴いて、情景が思い浮かぶのではないでしょうか。思いいれ一杯で読まれる詞には、気仙沼という地を知らない私でも、その情景が思い浮かぶようで、涙が出てきました。

このアルバムには、オリジナル曲の他に、「What A Wonderful World」「Over The Rainbow」などのスタンダードナンバーのカバーが多く収録されています。インタビューによると、実際に被災地に訪れた時、まず歌ったのは、自分の持ち歌ではなく、誰もが知っているような曲をみんなで歌ったそうです。今回多く収録されたカバー曲は、そういう被災地での体験が反映された選曲なのでしょうか?まとても優しく歌われたこれらの楽曲からは、彼女の被災地への思いが、痛いほど伝わってきます。多くの方に歌い継がれたスタンダードナンバーだからこそ、そこにボーカリストとして多くの思いを載せることが出来たのでしょうか?

震災に向き合ったとはいえ、ダイレクトに震災を歌ったというよりも、故郷への愛情を歌った曲が多く収録されています。それだけに、震災直後の今だから、ではなく、今後長く、私たちの心を捉えそうなアルバムだったと思います。ただ、今だからこそ聴いて欲しいとも言えるアルバムです。

評価:★★★★★

畠山美由紀 過去の作品
わたしのうた(畠山美由紀withASA-CHANG&ブルーハッツ)


ほかに聴いたアルバム

The Beginning/絢香

2009年の紅白を最後に活動を休止し、昨年末の紅白で復帰した絢香の3年8ヶ月ぶりとなるニューアルバム。うーん、正直いっていまひとつ。以前に感じた勢いがなくなっちゃったなぁ。もともと絢香は、「ポップスシンガー」で、ロックも歌えばポップスも歌う、いまひとつ主軸がはっきりしない部分がありました。勢いがある時は、それが曲の幅としてプラスになっていたのですが、今回のアルバムでは、いまひとつ、そのために彼女の顔が見えてこなかったような感じが。

評価:★★★

絢香 過去の作品
Sing to the Sky
ayaka's History 2006-2009

ACIDMAN THE BEST 2002-2012/ACIDMAN

今年でメジャーデビュー10周年を迎える彼らの初となるオールタイムベスト。デビュー時はカッコいいと思っていたのですが、最近はあまりピンと来ないな・・・と、彼らのことは思っていたのですが、あらためて聴くと、やはりデビュー直後の作品は、今聴いても、重厚なサウンドにゾクゾクっと来るカッコよさがあります。ただ、一方で、ただでさえ仰々しいアレンジに、ボーカルも感情たっぷりに歌い上げ、さらに似たようなタイプの曲も多いため、聴きすすめていくうちに飽きが・・・。おそらく、1曲1曲別々に聴けば、それなりに楽しめると思うのですが、あまりのトゥーマッチさに、胸焼けしそう。

評価:★★★★

ACIDMAN 過去の作品
LIFE
A beautiful greed
ALMA
Second line&Acoustic collection

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2012年4月 7日 (土)

水と油

神聖かまってちゃん×B.B.クィーンズ 夢のENDは鳴り止まないっツアー!

会場:Zepp Nagoya 日時:2012年3月18日(木) 19:00~

ミュージシャン同士が一緒に組んでシングルをリリースしたり、ツアーをしたりすることは決して珍しいことではありません。その組み合わせには、相性がよさそうで、期待できる組み合わせあれば、なぜ、この2組が?と思うケースもあります。ただ、この組み合わせの予想外加減には、心底驚かれました。

神聖かまってちゃんとB.B.クィーンズ。もともと、かまってちゃんの出囃子で、B.B.クィーンズの「夢のENDはいつも目覚まし!」を流していたのがきっかけだそうですが、B.B.クィーンズといえば、ご存知90年代に一世を風靡したビーイング系のユニット。それもちびまる子ちゃん主題歌の「おどるポンポコリン」のためにデビューした、まずビジネスありきのユニット。逆に神聖かまってちゃんは、「商業音楽」のスタンスからはほど遠い自由な活動が特徴的なバンド。完全にスタンスとしては逆のバンドがコラボすると、どうなるのか・・・そう期待半分不安半分で、多分最初で最後となるであろうツアーを是非とも見たい!ということで出かけていきました。

で、結論としては水と油(笑)。最後まで、ほとんど2組が交わることのない、ある意味、ちょっと不思議なライブイベントとなっていました。

Bb_kamattechan

会場に入ると、←こんな手ぬぐいがプレゼント。開始10分前には、BBゴローという芸人さんのちょっと寒い(笑)前説があり、ライブがスタートしました。

最初に出てきたのはB.B.クィーンズ。出囃子が、B.B.KINGの名盤「LIVE AT THE REGAL」の冒頭だったのに、軽くしびれそうになりながらメンバーが登場。例のごとく、坪倉唯子は、前身の星を着飾ったど派手なドレスで登場。近藤房之助も、以前とおなじ「インチキおじさん」(笑)スタイル。そして宇徳敬子!40過ぎてもめちゃくちゃきれいなんですが。最初の曲は、タイトルがわからなかったのですが、ギターの増崎孝司と近藤房之助がブルージーでロックなギターをかきならして、ミュージシャンとしての実力を見せ付けてくれました。

そして、続くは神聖かまってちゃんの「ロックンロールは鳴り止まないっ!」のカバー。先日発売された、かまってちゃんとB.B.クイーンズのスピリットシングルにも収録されていたカバー曲です。このカバーは正直言っていまひとつ・・・。なんというか、彼ら、上手すぎるんですよね・・・。あの原曲のような、若々しいバンドだからこそ感じられるようなパワーというかリアリティーがなくて、聴いていて、違和感がぬぐえませんでした。

その後は、ちょっと懐かしい、ちびまる子ちゃんのオープニングテーマ「夢いっぱい」に、坪倉唯子がステージから去ったと思ったら、宇徳敬子がメインとなり、近藤房之助と、「Good-bye Morning」に、さらに、なんとMi-Keの曲「想い出の九十九里浜」。いやぁ、出し惜しみなしの懐かしのヒット曲連発に、感涙。さらには「ぼくらの七日間戦争」に、「ドレミファだいじょーぶ」など、日テレ系のバラエティー「はじめてのおつかい」で流れている曲のメドレー、そして最後はおなじみ「おどるポンポコリン」で締めくくり。会場はかまってちゃん目当てのファンが多かったのですが、最後の「ポンポコリン」ではさすがに会場大盛り上がりでした。

いやぁ、やはり実力のあるミュージシャンたちが集まったユニットだけあって、ステージは非常に安定していて、懐かしいヒット曲連発に、とても楽しめたステージでした。ヒット曲も出し惜しみなしという、まさにエンターテイメント性あふれたステージだったと思います。

そして後半は神聖かまってちゃんの登場。後ろで見ていたかまってちゃんのファンも前につめかけて、会場はさらにヒートアップしました。

「怒鳴るゆめ」からスタートしたこの日のライブは、基本的に持ち時間が限られているためでしょう、テンポがサクサクとすすんでいきます。の子は、いつも通り、monoへ悪態をつきながら、みさことmonoで、の子をなだめながらライブの進行をしていくというスタンスは、前回のライブと同様。ただ、基本的に、やはり時間がないためか、曲の間のMCの時間は短く、次から次へと曲が進んでいきます。

バンドとしての実力はあきらかにB.B.クィーンズの方が上ですし、安定感も比較にならないのですが、やはりライブバンドとしての勢いや迫力、見ていていい意味での緊張感が感じられるのは、かまってちゃんの方が上。特に中盤、「僕は頑張るよっ」から「アルティメット・レーザー」、さらに「ロックンロールは鳴り止まないっ!」の流れは、ライブバンドとしての実力も感じ、思わず見入ってしまう迫力がありました。

本編ラストは「夕方のピアノ」で終了。約1時間、先日のかまってちゃんワンマンに比べると、かなりあっさりとした内容ながらも、彼ららしさは凝縮されていたと思います。確かに、曲間のウダウダなMCもいいのですが、純粋に曲の魅力をライブでみせるというのならば、この日のように、限られた時間の方がいいのかも??

で、アンコールの時間では、また前説を担当したBBゴローが登場し、抽選タイム。の子と近藤房之助が使っていたギターをプレゼントということで、2人が抽選で当たり、壇上でプレゼントを受けていました。

アンコールでは、神聖かまってちゃんとB.B.クィーンズのメンバーが並び、「夢のENDはいつも目覚まし!」を披露。演奏は、B.B.クィーンズにみさことちばぎんが加わってといった感じで、monoは、坪倉唯子にあわせて踊っていました(笑)。で、の子は終盤まで登場せず、最後にちょっとだけ登場し、曲は歌わず、奇声を発して帰っていきました(苦笑)。

その後は、クィーンズのメンバーは去っていき、ふたたびかまってちゃん。ラストは「いかれたニート」でラストは「ちりとり」でライブは終了。約2時間半。神聖かまってちゃんの単独ライブは3時間だったので、それに比べれば、ちょっと短めのライブでした(笑)。

さて、冒頭で書いたのですが、このライブ、最後までほとんど両者が交わることがなかった、という印象を受けました。まずファン層がまじわらない。かまってちゃん単独でもZeppがギリギリ埋まるかどうかという程度なだけに、この日は予想通り、客は少なめ。Zeppの後ろ1/3のスペースは、物販と、そしてライブのあとに行われた握手会の会場になり、客を入れていませんでした。

また、の子の方から、積極的にB.B.クィーンズに構うことはほとんどなし。アンコールの「夢のEND~」でも、ほとんど(というか全く)歌わず、終始、ふてくされた態度をとっていましたし。彼らしいといえば彼らしいのですが、この交わらなさは、予想通りといえば予想通りですし、全く違う両者から、新しい何かが生まれるのでは?とちょっと期待していた私にとっては、ちょっと残念・・・。

ライブ自体は、B.B.クィーンズも神聖かまってちゃんも、とても楽しいステージでおなか一杯になったのですが、正直、この両者で一緒にライブをやる意味があったのかな??なんてことまで思ってしまったライブイベントでした。まあ、こういういまいち訳のわからなさも、神聖かまってちゃんらしさ、なのかもしれないのですが、うーん。

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2012年4月 6日 (金)

3週連続!

今週の着うたチャート

2012年3月28日~2012年4月3日付チャート

今週は、上位5曲に初登場がない、比較的おとなしいチャートとなりました。

そんなの中で、やはり強いですね!Mr.Children「祈り~涙の軌道」。今週で3週連続の1位を獲得を獲得しました。また、2位に西野カナ「SAKURA,I love you?」が先週の3位からランクアップ。着うたの女王としての底力を見せています。また3位には、今週のシングルチャートで1位を獲得した福山雅治「生きてる生きてく」が、先週の6位からランクアップ。2週ぶりにベスト10返り咲きです。

初登場最高位は6位のUVERworld「7th Trigger」。今週、シングルチャートでは2位にランクインしてきましたが、着うたチャートでは6位に留まっています。

8位には、いきものがかり「ハルウタ」がランクイン。4月25日リリース予定のシングルからの先行配信で、劇場版「名探偵コナン 11人目のストライカー」主題歌だそうです。って、コナンなのにビーイング系ではないんですね。

最後10位には、LGYankeesらが所属するNO DOUBT TRACKSの男性シンガーSO-TAが4月18日にリリースするアルバム「SO-TA」より、LGYankees Produce SO-TA名義の「Lost Love feat. LGYankees, Noa」がランクインしています。


今週のアルバムチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/ja/

今週の1位は、ジャニーズ系アイドルKis-My-Ft2のデビューアルバム「Kis-My-1st」が1位獲得。初動売上は25万3千枚。ちなみに、最近のジャニーズ系グループのデビューアルバムでは、Hey!Say!JUMPのデビューアルバム「JUMP No.1」が15万6千枚。彼らに比べると大きく初動売上を上げましたが、ただ、このアルバム、販売形態が通常盤入れて4種類。さすがにシングルと違って、複数枚買いするファンは少ないとは思うのですが、それでも単純に額面通りの人気とは受け取れないかも。

2位初登場はポルノグラフィティ「PANORAMA PORNO」。約2年ぶりのアルバムとなります。初動売上は5万6千枚。前作「∠TRIGGER」の8万3千枚からダウン。前々作では、初動14万枚を売り上げており、売上の減少傾向が気になります。もっとも、前々作はもう5年前のアルバムなので、単純比較は出来ないかもしれませんが。

3位は韓流の男性アイドルBIG BANG「ALIVE」がランクイン。初動売上5万2千枚は、オリジナルとしては前作「BIG BANG 2」の6万5千枚よりダウン。ただし、昨年発売したベスト盤「THE BEST OF BIG BANG」の初動3万枚よりはアップしています。

ちなみに今週、韓流はほかにも目立ち、5位には女性アイドルグループ2NE1のベスト盤「COLLECTION」、10位には同じく女性アイドルグループRAINBOW「Over The Rainbow」がそれぞれランクインしています。

2NE1は、前作「NOLZA」がいきなり1位を獲得しましたが、本作は5位止まり。初動売上は前作も2万6千枚から2万4千枚にダウン。RAINBOWは、これが日本でのデビューアルバムとなりますが、初動売上1万3千枚は、直近のシングル「ガナガナGO!」と同水準。BIG BANGもそうですが、相変わらず雨後の竹の子のように韓流アイドルがデビューしていますが、人気は一段落した感があります。

一方、こちらは相変わらず人気の世界的スター。ご存知MADONNAのニューアルバム「MDNA」が4位に入ってきました。このアルバム、世界的に大ヒットしており、ビルボードで1位は確実視されているほか、イギリス、オーストラリア、韓国や台湾でも1位を獲得しています。ただし、日本では、前作「HARD CANDY」が初動5万5千枚だったのに対して、本作は3万1千枚と大きくダウンしています。

これだけ見ると、日本では悲しいくらい海外との違いを感じてしまうのですが、ただ、一方では今週9位に「Complete Studio Albums (1983-2008)」という、MADONNAがワーナーでリリースした11枚のアルバムをまとめたボックスセットが輸入盤のみの販売とはいえ、ランクイン。11枚組で3千円強という安さがヒットの理由らしいですが、安いとはいえ、ボックスセットが輸入盤のみでこれだけ売れちゃうところに、MADONNAの日本での人気を感じます。

初登場最後は8位に、おなじみDJ KAORIが、邦楽のヒット曲をつないだDJ Mixアルバム「DJ KAORI'S JMIX V」が入ってきています。EXILEや加藤ミリヤから、BENIやTEEなど、なぜか着うたで人気のミュージシャンの選曲が目立つほか、邦楽オンリーなのに、なぜか少女時代やKARAなど韓流が・・・。初動売上は1万5千枚。前作「JMIX VI」の1万9千枚からダウン。ちなみに直近のアルバムは、90年代の邦楽を集めた「DJ KAORI’S JMIX Classics」なのですが、こちらは初動7千枚に留まったため、こちらよりはアップしています。

今週の着うた&アルバムチャートは以上。チャート評は、また来週の水曜日に~。

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2012年4月 5日 (木)

名ソングライターによる珠玉の作品たち

Title:Don't Count Me Out
Musician:GEORGE JACKSON

先日紹介した、「Fame Studio Story」でも、その曲を聴くことが出来るGEORGE JACKSONのコンピ盤。GEORGE JACKSONというミュージシャンは、ジェイムス・カーやウィルソン・ピケットなどに数々の名曲を提供した作家として、その名前を知られるミュージシャンです。

彼自身、アルバムをリリースしたことがなく、楽曲はシングルでのみ聴けるのみでしたが、ここ最近、そんな彼の楽曲をまとめてCD化したアルバムがリリースされているようで、これもそんなアルバムの1枚。そのフェイム・スタジオに残してきた曲を収録しているそうです。

さて、そんな彼ですが、ボーカリストとしての実力は、他の著名なシンガーに比べて、やはり一歩劣る、と思わざるをえません。「Fame Studio Story」を聴くと顕著ですが、決してパワフルなボーカルでもスウィートな声の持ち主でもない彼のボーカルは、至って「普通」といった感じ。確かに、やはり作家タイプなんだなぁ、と感じます。

しかし、彼の書く楽曲は、そんなボーカリストとしての実力なんて、どうでもよくなるほど、実に魅力的。このアルバムには、そんな素敵な名曲が数多く収録されています。

例えば「GETTING THE BILLS(BUT NO MERCHANDISE)」は、しんみりと切ないメロがとても魅力的ですし、続く「LET'S STOP HURTING EACH OTHER」が醸し出すムーディーな雰囲気も印象に残ります。「YOU CAN'T MAKE IT NO BETTER」みたいなファンキーなナンバーもあったり、「GREASY TWO BY FOUR」みたいな正統派のブルースナンバーがあったりとバリエーションも豊富。しかし、どの曲も、実に見事なメロディーラインが心ひかれる楽曲に仕上がっています。

全24曲。かなりボリュームたっぷりの内容ですが、その珠玉の名曲の数々に聴きほれ、あっという間に幸せな時間が過ぎていくようなアルバムでした。今回のアルバムは、CD化第1弾で、今後、第3弾まで予定されているとか。まだまだ他にも魅力的な楽曲が数多く待ているわけですね!いまからとても楽しみです!!

評価:★★★★★


ほかに聴いたアルバム

2011 GRAMMY NOMINEES

毎年、日本でも大きな注目を集めるアメリカを代表する音楽賞、グラミー賞にノミネートされた楽曲をあつめたコンピ盤。今年はAdeleが賞を独占し、大きな話題となりましたが、こちらは昨年盤です。

2011年を代表する楽曲が収録されている訳ですが・・・・・・はっきりいって、いまひとつおもしろくない(苦笑)。Lady AntebellumやBruno Marsなど、メロディーは耳を惹きますし、決して悪くはないのですが、楽曲に真新しさはありませんし、音楽シーンの次の一歩を占えるような楽曲は皆無。確かに、Lady Gagaとか、個人的に好きですが、インパクトはあるのはそのスタイルで、楽曲自体には、(もちろんいい曲だとは思うんですが)新鮮味は薄いんだよなぁ。

昨今、CDが売れないというのは、もちろんダウンロードへの媒体の変化もあるのですが、それ以前に、純粋に音楽シーンに、真新しい動き、新しいジャンルがあらわれていないというのが大きな理由のような気もします。今度を考えると、ちょっと不安にすら感じられるコンピ盤でした。

評価:★★★

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2012年4月 4日 (水)

子どもにも人気が出そう(?)な1位

今週のシングルチャート
http://www.oricon.co.jp/rank/js/w/

今週1位は、久しぶりにAKBがらみでもジャニーズ系でも韓流でもありません。

今週1位は福山雅治「生きてる生きてく」。AKB、ジャニーズ系、韓流以外の1位は、BUMP OF CHICKEN「グッドラック」が1位を獲得した1月30日付チャート以来11週ぶり。ちなみにこ着うたチャートの先行配信では、3月13日付チャートで初登場4位を獲得しています。

この曲は「映画ドラえもん のび太と奇跡の島~アニマルアドベンチャー~」主題歌。ドラえもんの主題歌らしい、ちょっとデキシーランドジャズテイストの入った、軽快で前向きなポップチューン。子どもからの支持も十分獲得できそう。ただ、初動売上は11万9千枚。前作「家族になろうよ」の15万5千枚からはダウンしてしまいました。

2位は5人組ロックバンドUVERworld「7th Trigger」。打ち込みに、ラップの要素も取り入れた、アップテンポでダンサナブルなナンバー。初動5万2千枚は、前作「BABY BORN&GO」の5万3千枚からほぼ横バイで、前作と同様の2位。いい意味で安定感があります。

3位には、先週1位だったKis-My-Ft2「SHE!HER!HER!」が先週から2ランクダウンながらも、2週連続ベスト3をキープです。

続いて4位以下の初登場曲ですが、まず5位に、韓国の男性アイドルグループ大国男児「Jumping」がランクイン。前作「Love Days」はバラードナンバーでしたが、新作はダンサナブルなディスコナンバー。初動売上は1万6千枚と前作の1万7千枚から若干のダウン。ほぼ横バイ傾向ながらも、ここ2作、1万8千枚→1万7千枚→1万6千枚と、ちょっとずつダウンしているのが気になるところ。

6位には、主にアニメソングやゲーム音楽などを手がける作家志倉千代丸と、人気声優桃井はるこがプロデュースを手がけるアイドルグループアフィリア・サーガ・イースト「未来が私を待っている」がいきなりのランクイン。前作「La*La*Laラボリューション」は最高位36位初動4千枚だったのが、初動売上1万2千枚に急激にアップ。ちなみに、作詞はつんくで、編曲が大島こうすけ・・・って、元WANDSかよ!懐かしい・・・。

7位には、最近、立て続けにランクインしているアニメ「戦姫絶唱シンフォギア」のキャラクターソング雪音クリス(CV:高垣彩陽)名義の「戦姫絶唱シンフォギア キャラクターソング4(魔弓・イチイバル)」が入ってきています。初動売上1万枚。高垣彩陽としては、初のベスト10入りで、自身名義の前作「Meteor Light」が初動6千枚で15位だったので、大きくアップしています。戦姫絶唱シンフォギアのキャラクターソングとしては、風鳴翼名義の前作の初動売上1万1千枚より若干のダウン。

これに続いては男性シンガーソングライターナオト・インティライミ「愛してた」が8位に入っていています。しんみり歌い上げるピアノバラード。前作「君に逢いたかった」で初のベスト10入りを果たしましたが、2作連続のベスト10入り。初動売上9千枚は前作の1万1千枚から若干ダウンですが、CMタイアップのあった前作に比べて、本作は一応バラエティー番組の主題歌という程度のタイアップなので、十分健闘した結果と言えるでしょう。

そして最後は、9位に入ってきたのが男女2人組バンドLittle Blue boX「BRAVE HERO」がランクイン。ボーイッシュなモデルの女の子がボーカルを取る、90年代のバンドブームあたりを彷彿とさせるバンドで、ちょっとLINDBERGっぽい??テレビ東京系アニメ「ダンボール戦機」主題歌で、もともとこのアニメのために結成されたユニットらしいです。ちなみに、デビュー当初は、あのCHAGE&ASKAの息子、奏こと宮崎奏が参加して話題になったみたいですが、いつのまにか脱退してしまったみたいですね。

今週のシングルチャートは以上。着うた&アルバムチャートは金曜日に~。

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2012年4月 3日 (火)

味わい深い7曲

Title:ラプソディア
Musician:山本精一

山本精一は、ソロやバンドなどで、数々の作品を発表していますが、そんな中でも、このソロ名義での最新作、かなり指折りの傑作かも。

基本的に、ジャンル的にはポップになるのでしょうか。淡々としたボーカルと、メロディーラインは、決して派手さはありません。かといって、パッと聴いた感じでは小難しさもなく、まず一度聴いて、難なく受け入れられるアルバムに仕上がっていると思います。また、アレンジも、ギター、ベース、ドラムスのバンドサウンド。そういう意味では決して難解な内容ではありません。

ただ、ドラムスの奏でる独特のリズム、重ねられるギターのサウンド。聴けば聴くほど、新しい発見があり、その世界に入り込んでしまう、そんなアルバムになっています。

「Mothlight」のサイケで幻想的な雰囲気も、とても魅力的ですし、「DISCORD」のハードロック風な分厚いギターノイズにも耳を惹きます。他にも、最後を飾る「ハルモニア」の哀愁あるギターのインストが個人的にはお気に入り。なにげに「淡々としている」と書いたメロディーラインも、「いつものうた」など、ちょっと切ないポップスが、2度3度聴くうちに忘れられなくなります。

わずか7曲ながらも、その1曲1曲が味わい深いポップスになっている傑作アルバム。何度も長く愛聴できそうな1枚です。

評価:★★★★★

山本精一 過去の作品
PLAYGROUND
PLAYGROUND acoustic+


ほかに聴いたアルバム

Sleepless Sheep/Salon Music

海外での評価も高い(らしい)、吉田仁と竹中仁見による2人組ユニット、Salon Musicの、なんと9年ぶりとなる新譜。昔の渋谷系の匂いをどこか感じるギターポップは、懐かしさと同時に、非常にキュート。シューゲイザー系の影響も感じられるギターサウンドは、好きな人にはかなり壺に入りそう・・・って、それは自分ですが(笑)。

評価:★★★★★

ちゃんとやれ!えんけん!/遠藤賢司

エンケン生誕65周年にリリースされた新譜。実はエンケンは、ライブを見たこともあるし、名盤名高い「満足できるかな」を聴いたことはあるのですが、リアルタイムでアルバムを聴くのはこれがはじめて。で、イントロを挟んで「俺が死んだ時」からガツンと来てしまいました。現役感あふれるロックサウンドは、下手な若い連中には負けない勢いが、いまなお感じられます。冗談抜きにして、そんじょそこらのロックミュージシャンじゃ、足元にも及ばないカッコよさがあります。

一方、それがガラッと変わるのは、「もうちょっとだけ頑張ってみようかな-2011年3月14日 月曜晴れ-」。タイトル通り、地震直後の心境を、ピアノにのせてぼそぼそと綴ったポエトリーリーディング的な曲は・・・正直、ちょっと重い・・・(^^;;いや、あの地震やその後の原発事故から感じた感情をそのまま綴った内容という意味で、非常にリアリティーはあるのですが。その後のアコギをベースに静かに聴かせるナンバーは前半とは対照的。ただ、静かに綴る作品には、はりつめた緊張感が感じられます。静と動、2つの側面に、彼のミュージシャンとしての奥の深さを感じる1枚です。

評価:★★★★

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2012年4月 2日 (月)

被災地への思い

先日紹介した、東日本大震災へのチャリティーアルバムの第2弾。今回は、Vol.4からVol.7までの紹介です。

Title:Play for Japan 2012 vol.4

Play_for_japan2012_4

Vol.4には、ちょっと懐かしい名前が・・・。デビュー当初、楽曲がアニメ「NARUTO」のテーマ曲に起用されてスマッシュヒットを飛ばしたり、その独特の作風が大きな話題となったAkeboshiの楽曲が。レコード会社との契約も切れ、しばらく活動休止状態だったのが、復帰したみたいです。その「Standing on the line」は、打ち込みのリズムとピアノの音とバンドサウンドが、見事に融合して美しいハーモニーを奏でるギターロック。個人的に、Vol.4ではベストの作品だったと思います。

他にも、昔、「ONE PIECE」の主題歌がスマッシュヒットした大槻真希が率いるSHERBICが参加していたり、麻倉晶として「ベイビーリップス」や、ROMANTIC MODEとして、ガンダムの主題歌をヒットさせた斉藤さおりが参加していたりと、妙に懐かしい名前が揃っていました。

また、先日もこのサイトでアルバムを紹介した青葉市子が参加していたりして、全体にフォーキーなポップソングが多く収録されていました。その青葉市子+内橋和久「火の子」もフォーキーなメロが良かったですし、歌謡曲風のメロに懐かしさを感じるギターロック(ちょっとたまあたりを彷彿とするボーカルもよい!)ヤーチャイカ「ふるさと」、伸びやかなボーカルが爽やかだったアラカキヒロコ「白い鳥の唄」など、メロディーが心に残る曲がたくさん。一方では、ドブロク「ぐろーばる!!」みたいなファンクや、politru「27」みたいなテンポのよいテクノなどが、様々なタイプの佳作が揃っていました。

評価:★★★★

Title:Play for Japan 2012 Vol.5

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この回では、yuxuki wagaやとりPなど、初音ミクを使った楽曲があったり、ゲームミュージックなどを手掛ける柚楽弥衣が参加していたりと、いわゆるおたく系のカルチャーにつながるミュージシャンが目立ちました。全体的には、エレクトロ、エレクトロニカ系ミュージシャンが多く、個人的に、いままで聴いてきた中ではベストの内容だったかも。ちなみに、明和電機の経理のヲノさんことヲノサトルも参加しています。

そんな中でも、ミニマルなピアノと女性のボーカルが神秘的な美しさを醸し出すFerri「Hymn」、無機質な電子音と美しいコーラスの対比がおもしろいCube(K5)「step」、テンポよく力強いビートが印象的なDE DE MOUSE「dance of life」は必聴。他にもmatryoshkaGAK SATODrip-Dry eyesなど、佳作揃いだったと思います。

で、それとは別に妙にインパクトが強かったのが4D Modulation Studio+miyako「ゆるせや/yuruseya」。静かなサウンドに、女性の押し殺したような静かな声で、淡々と「ゆ~る~せ~や~」と歌われる内容は、暗い部屋で一人で聴いたら、ホラー映画並みの怖さなんですが(^ ^;;とりあえず、いろいろと聴きどころの多い回だったと思います。

評価:★★★★★

Title:Play for Japan 2012 Vol.6

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で、Vol.6。折り返し地点ですね。この回も、エレクトロ、ポストロック系の作品が多かったような。

その中で、一番良かったのは、やはりSPENCERこと元Polaris、Lab LIFeのオオヤユウスケの「ステレオ」。そう、2000年に惜しまれつつ解散したLab LIFeの名曲のセルフカバー!懐かしいなぁ~やはりいいなぁ~。元のテクノポップ調ではなく、アコースティックテイストにカバーしていますが、曲の良さは変わりません。好きだったなぁ、Lab LIFe。久しぶりに「WORLD WIDE LOVE SONG」とか、You Tubeで聴いちゃった・・・。

他にも、元THE JERRY LEE PHANTOM、現THE BEACHESのあゆ子のソロプロジェクトfrillsや、SPANOVAなどが参加ていますが、個人的に良かったのが、noid「ツバメ」。アコースティックなポップスなのですが、ちょっとジャジーなテイストが心地よく聴かせるナンバー。他にも、13分にも及ぶ壮大なポストロックナンバー夢中夢「楽園」なども良かったですし、後半にはアコースティックテイストの曲が並んでいたのですが、ツチヤニボンド「夜になるまで待って」や、ELEKIBASS「君は恋泥棒」などのポップなメロディーも印象に残りました。

評価:★★★★

Title:Play for Japan 2012 Vol.7

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そして第7弾。こちらには、S-WORDことSWO'D'ROLL-JAHやMACKA-CHINなど、NITRO MICROPHONE UNDERGROUNDのメンバーが参加しており、HIP HOPやラップの曲が目立っています。他には、Audio ActiveのギタリストCutsighも曲を提供しています。

その先頭を飾るのが田中光&MASAYA YONEYAMA「STAY」。人生振り返り系の歌詞をつづるラップは、よくありがちな題材とはいえ、やはりいい。強く印象に残ります。他にも、強いビートを利かせるノイジーなエレクトロチューンa.b.perspectives「If this,If that」あたりは、個人的にも壺なナンバーかも。他にも、強いリズムを聴かせるエレクトロナンバーk-over「レジスター」あたりにもはまりました。

他にも、そのMACKA-CHIN「沈黙の春」は、タイトル通りの静かなエレクトロナンバーで、その音に聴きいってしまいます。Black-ChiwawaスーパーノアMIDICRONICA×Shin-Skiあたりも良かったのですが、一番インパクトがあったのがMr.G-in of 90gcrew「H2H」。ストレートに地震の体験を歌ったレゲエナンバー。正直、ちょっとベタな部分はあるのですが、胸をうつものがあります。

評価:★★★★

そんな訳で、第7弾まで聴いたのですが・・・ちょっとエレクトロやポストロック系、あるいはエレクトロニカの楽曲が多すぎ・・・(^^;;もちろん、それ以外のジャンルの曲もたくさんあります。ただ、個人的に好みのジャンルとはいえ、半数近くがそちら方面の曲だと、ちょっといい加減に飽きが(苦笑)。とはいえ、名曲も少なくないのも事実。興味のある方は、是非こちらから!1枚1,000円は、チャリティーを差し引いても、間違いなくお得です。

以前のPlay for Japanの感想はこちら
Play for Japan Vol.1~Vol.3
Play for Japan Vol.4~Vol.6
Play for Japan Vol.7~Vol.10
Play for Japan 2012 Vol1~Vol.3

続きを読む "被災地への思い"

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2012年4月 1日 (日)

一時代を築いた戦前の人気シンガー

Title:私の青空~二村定一ジャズ・ソングス
Musician:二村定一

先日取り上げた、「ニッポン・モダンタイムス」シリーズの続き。このアルバムは、昭和初期を代表する歌手だった、二村定一の代表曲をまとめて収録した1枚になっています。

で、勢いにのって、先日紹介した、「ニッポン・スウィングタイム」の著者である、毛利眞人氏による二村定一の伝記「沙漠に日が落ちて~二村定一伝」も読んでしまいました。

これもまたよかったのですが、その感想は後回しにして・・・その毛利氏が、彼をJ-POPの源流と語っていた話は、「ニッポン・スウィングタイム」の感想で書いたのですが、確かに、このアルバムに収録されているのは、ジャズをベースとした欧米からの影響が強い曲をベース。ただ、その一方では、コミックソングや、クラシックを基調にしたような曲、民謡風な曲や、ベタベタな歌謡曲まで、様々なタイプが歌われています。ここらへん、欧米のロックを基調としながらも、HIP HOPやらレゲエやら日本の歌謡曲やら、いろいろな要素を取り込んでいて、ある種の節操の無いJ-POPにつながる部分を感じます。

楽曲の多くは、ジャズ風のアレンジをベースにしながらも、シンプルなポップになっているため、今の耳で聴いても、難なく楽しめる曲が多いように感じました。特に、彼のボーカル自体が、等身大的というか、いい意味で力の抜けた素人っぽさがあって、それがまた、歌を身近に感じられる要素になっていたと思います。かといって、ボーカル自体はしっかりと節もリズムも取れているので、聴いていても苦になりません。前述の本の中で毛利氏も「注意を払って聴けばリズム感は絶妙であるし、メロディーともディクションともつかぬフレーズは、下手な歌手では真似できない」と彼の歌を絶賛しています。

「アラビアの唄」「青空」などは、何度か聴けば、ポップなメロが思わず口に出てしまいそうですし、ご存知オクラホマ・ミキサーの節で歌う「笑ひ薬」は、歌の中に笑い声が出てくるシュールな内容は、今聴いても、不条理ギャグとしてインパクトありそう。「荒城の月」も、彼が歌うと、ポップに感じられるのがさすがです。

最後を飾る、あの榎本健一と歌った「モン・パパ」がめちゃくちゃユニーク。

「うちのパパ 毎晩遅い
うちのママ ヒステリー
暴れて怒鳴るはいつもママ
はげ頭下げるはいつもパパ
でたらめいう それはパパ
胸ぐらをとる それはママ
パパの身体は揺れる 揺れる
クルクルとまわされる」

という、いまの夫婦でもそのままあてはまりそうな歌詞。「戦後強くなったのは靴下と女性」なんて言葉がありましたが、戦前から十分強かったんですね(笑)。この曲に限らず、彼の歌う楽曲には、同時の人たちの心境がストレートに描かれていて、戦前は、決して軍靴の響きの中、押し殺された生活をしていたわけではなく、明るく楽しく生きていたんだなぁ、ということが実感できます。

で、このアルバムを聴きながら読んだのが、二村定一の伝記「沙漠に日が落ちて」。「彼の伝記を著すことが高校時代からの熱望」と著者が言うだけあり、著書の心意気が強く感じる内容。「ニッポン・スウィングタイム」と同様、同時代の資料を丹念に調べあげた力作になっています。

ある意味、一世を風靡し、一時代を代表する歌手になりながらも、劇団を一緒に組んでいた天才榎本健一に先を行かれ、落ちぶれてしまう彼の人生は、もちろん常人に比べればずば抜けた才能の持ち主だったのはいうまでもありませんが、どこか親近感が漂い、強く惹かれるものがありました。

で、本筋とはあまり関係ありませんが、印象的だったのが、彼が同性愛者であって、かつ、世間的に、それを否定しておらず(公然の事実だった)、芸能活動においても決定的なマイナス要素になっていなかったという点で、日本には、衆道の歴史があったためでしょうか、意外と戦前から、同性愛が受け入れられている側面があったのかな、と感じました。

戦前に活躍した彼みたいなジャズ・シンガーの曲を聴くと、本当に戦前もみんな、生き生きしていて、音楽は、今に負けないだけのパワーを持っていたんですね。アルバムと伝記で、二村定一というシンガーにすっかりはまってしまいました。

評価:★★★★★

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