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2012年3月18日 (日)

ポップス職人の名曲たち

Title:Best of HARD CORE POP!
Musician:堂島孝平

もうデビューから17年(!)。すっかりベテランの域に達したシンガーソングライター、堂島孝平。ベスト盤は、いままで何枚か発売されてきましたが、初となるオールタイムベストが発売されました。

堂島孝平というミュージシャンを一言で言えば、まさに「ポップス職人」という言葉が一番ピッタリくるでしょう。スカ風の「So She,So I-SAYONARA SKA-」、ニューソウル風の「それは一瞬の出来事だった」、ギターロックの「七月」など、バリエーション豊富な様々なタイプの曲を聴かせてくれますが、どの曲にも共通するのが、飛び切りのポップチューンという点。「銀色クリアデイズ」のように、大滝詠一はじめ、いわゆるナイアガラ周辺のミュージシャンからの大きな影響を感じる、ポップなメロディーを存分に楽しめる楽曲が並んでいます。

堂島孝平は、昔からアルバムはすべてチェックしていて、好きなミュージシャンの一人なのですが、こうやってベスト盤で聴いてみると、あらためて名曲揃いだなぁ、ということを実感できます。そんな中で、特に名曲だと思うのが「セピア」。タイトル通り、セピア色の風景が広がるような、とても切なく、そして暖かいナンバーです。そして、個人的にインパクトが強いのが「25才」ですね。実は私、彼と同じ年。リアルタイムでこの曲を聴いたのですが、まだまだ若いと思いながら、周りは徐々に結婚する人も増え、確実に「大人」になってくる微妙な年代。歌詞にとても共感できました。しかし、あれからもう10年ですか・・・(^^;;

ちなみに、アニメ版「こち亀」主題歌になった「葛飾ラプソディ」もいいですよね。作詞は彼ではないのですが・・・ほんわかとした雰囲気が下町と、「こち亀」の世界にマッチした曲調。逆の意味で印象的なのは、デビューシングル「俺はどこへ行く」で、曲調といい、歌詞といい、完全に尾崎豊を意識した感じ。当初、こういう方向で売ろうとしていたんだなぁ、という隔世の感があります。

2枚組でボリュームたっぷりなので、ちょっと堂島孝平の最初の1枚としては、手をつけずらいかもしれませんが・・・それでもポップス好きならチェックしてほしい、是非ともお勧めしたいベスト盤です。しかし、これだけ名曲が揃いながら、いままでブレイクしていないというのが本当に不思議・・・(提供曲のヒットはありましたが)。本当に、いいミュージシャンだと思うんだけどなぁ。

評価:★★★★★

堂島孝平 過去の作品
UNIRVANA
VIVAP


ほかに聴いたアルバム

ATOM ON SPHERE/ATOM ON SPHERE

FAKE?やOBLIVION DUSTで活躍するKEN LLOYD、元SBKのSHIGEO、Dragon Ashの桜井誠、そして元ビークルのケイタイモによるバンドのデビュー作。基本的にエレクトロなロックナンバー。目新しさはさほど感じませんが、いい意味でのわかりやすさがあって、聴いていて難しいこと抜きにして楽しめる心地よさがあります。なによりKENのボーカルによって、曲がグッと垢抜けたものになっています。メロディーもリスナーの壺を押さえていてなかなかよいですね。これからに期待の新バンドです。

評価:★★★★

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