最後を飾るライブベスト
Title:東京コレクション
Musicisn:東京事変
今年2月29日の日本武道館ライブを最後に、その活動に幕をおろした東京事変。その最後のアルバムとして発売されたのが、このライブベストアルバム「東京コレクション」でした。
「ベスト盤嫌い」を公言している椎名林檎だけに、東京事変が解散しても、ベスト盤のリリースはありませんでした。その変わり発売されたのが、このライブベスト盤。過去のライブから選曲した楽曲は、ベスト盤の変わり、といったところでしょうか。
選曲がユニークなのが、最初に新曲「三十二歳の別れ」からスタートし、選曲は、ほぼ発売と逆。演奏自体も過去に遡る形式をとっています。
また、ベスト盤といっても、みなさんおなじみのヒット曲は収録されておらず、その他にも、これは、といった曲も収録されておらず、選曲に関しては、不満に感じる方も多い模様。ここらへんの意図は不明なのですが、過去の東京事変のライブは、1度しか行ったことないので、ここらへんの事情は測りかねます。ただ、ライブ音源として、後に残したい、という作品を選んだ結果、という感じなのでしょうか?
ライブ盤としては、東京事変唯一のものですし、選曲に賛否はあるとはいえ、東京事変の楽曲を網羅的に収録したアルバム、ということで、いまさらながら東京事変を聴こうという方にとっては、文句なしの1枚・・・・・・と言いたいところなのですが、正直、ライブアルバムとしても、ちょっと微妙な感じも。いろいろな音源をバラバラに収録していて、かつ、発売とは逆順に収録しているため、ライブの臨場感はいまひとつ。音もあまり良くないように感じられ、ライブバンドしての彼女たちの魅力が、存分に発揮されていないようにも感じました。
ただ、こうやって発表とは逆順に聴くと、やはり初期に比べて、最近の曲の方が、バンドとしてのまとまりを感じられ、かつ、バンドとしての音の幅も広くなった感じが。もともと、プロのミュージシャンが集まったバンドでしたが、バンドとして確実に成長していったんだなぁ、ということを感じます。特にラストは「夢のあと」で締めくくられていますが、ピアノの弾き語りからはじまり、椎名林檎の歌を聴かせながら、途中、バンドサウンドが入るというスタイルは、1曲目「三十二歳の別れ」と対になっており、おそらく、この2曲を対比させることにより、バンドの歩みをより鮮明にしようとしたのでは?
正直、東京事変の解散に関しては、以前も書いたとおり、プロ集団が集まったバンドの解散ということで、バンド幻想みたいなものも抱いておらず、あまり残念な印象は強くなかったのですが・・・このライブ盤を聴くと、この先の東京事変も聴きたかったな、そんな印象も受けました。もっとも、彼らにとっては、この1曲目が、完成形だったのかもしれませんが。
評価:★★★★
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