気の置けない仲間たちと
Title:FOR THE GOOD TIMES
Musician:THE LITTLE WILLIES
ノラ・ジョーンズが中心となって結成したバンド、THE LITTLE WILLIESの2枚目となるフルアルバム。アルバムとしては、約6年ぶりとなるそうです。
久しぶりのアルバムなのですが、基本的には、前作と同じスタンス。アメリカの昔のカントリーミュージックのカバーを中心に取り上げています。もともとが、気の合う仲間たちとの自由なセッション感覚で生まれたバンドなだけに、難しいこと抜き。自分たちの好きな音楽を、好きなように演奏して楽しんでいる、というの点も、前作と同様でした。
ま、そんな訳で、収録されているのは、いわば「古き良きカントリーミュージック」。ただ、個人的に、あまりカントリーって聴かなくて、いい曲だなぁ、と思いつつも、いまひとつひっかかりがない部分があったんです。
ただ、このアルバムに関しては、聴きはじめるうちに、ついつい聴き入ってしまいました。それはなによりも、ノラ・ジョーンズの歌声の魅力も大きいのかもしれません。哀愁を帯びながら、カントリーながらも、どこかソウルのテイストを感じる優しい歌声が、心に響きます。カントリーがメインながらも、Quincy Jonesの「Foul Owl On The Prowl」のように、ブルージーな曲のカバーもあったのもよかったのかもしれません。もちろん純粋に、歌い継がれたカントリーの名曲だからこそ、普段、あまりカントリーを聴かない私でも、その魅力にはまったのかもしれません。
まあ、もっとも私が、本当の意味で、優れたカントリーミュージックをあまり聴いていないというのが大きいのかもしれないですが(^^;;
「Fist City」のようなロック風の曲もあったり、ノラ・ジョーンズの本領発揮とばかりのジャジーなタイトル曲「For The Good Times」があったりと、カントリーを主軸にしながらもバラエティーが豊富な作品。ついつい聴き込んでしまいます。
ノラ・ジョーンズの魅力的なボーカルがたっぷり聴けるという意味では、ノラ・ジョーンズが好きなら、まずチェックしておきたいアルバムだと思います。カントリーとはいえ、ジャジーなノラが好きな人でも十分楽しめると思います。もちろん、気の置けないバンドメンバーとの、いい意味で力の抜けた演奏もとても魅力的。カントリーという枠組み抜きにはまってしまう傑作でした。
評価:★★★★★
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